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呪われた腕 [本]

1月19日(金)
トマス・ハーディ『呪われた腕』(新潮文庫)読了。

呪われた腕: ハーディ傑作選 (新潮文庫)

呪われた腕: ハーディ傑作選 (新潮文庫)

  • 作者: トマス ハーディ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2016/04/28
  • メディア: 文庫


19世紀、イギリスのヘイヴンプール・タウン。
ある日、町に沿岸航路の小船の船主兼船長のシェイドラック・ジョリフがやってくる。
ジョリフはこの町の出身で、数年ぶりに帰ってきたのだ。
町娘のエミリー・ハミングとジョアンナ・ヒッパードは仲のよい友達だったが、同時にジョリフに惹かれてしまう。
やがて、ジョリフはエミリーと付き合い出した。
すぐに、ジョアンナがジョリフを横取りした。
しかし、ジョアンナは、エミリーが落ち込んでいると聞き、ジョリフを返すことにする。
ジョアンナがエミリーの家に行くと、ジョリフが来て、エミリーに「ジョアンナを別れて君を選ぶ」と言った。
ジョアンナはジョリフを絶対に返すまいと思った……。
短編8つを収録した短編集で、上記は一つ目の『妻ゆえに』。

村上柴田翻訳堂の一冊。
トマス・ハーディは1840年にイギリス南部のドーセット州で生まれた。
19世紀ヴィクトリア朝後期のイギリス文学を代表する作家の一人。
代表作は『帰郷』『カスターブリッジの市長』『テス』『日陰者ジュード』など。
1928年に88歳で死去。
たとえば『妻ゆえに』は1891年に発表された作品で、今から127年も前に書かれたわけだから、当然古臭い。
ストーリー重視で、恋愛・結婚重視で、運命に翻弄される人々を描く。
巻末の対談で村上春樹氏が言っているように、たびたび(都合のよい)偶然によって、物語が展開する。
が、物語としてのおもしろさは確実にあって、ついつい「この先、どうなるんだろう?」と思わされてしまう。
一番気に入ったのは、表題作の『呪われた腕』。
クライマックスは度肝を抜かれた。
これは1888年の作品だが、130年経っても読まれ続ける理由がよくわかった。
お薦めです。

アルテメイト・プロデュース『おおきく振りかぶって』、今日から新しい稽古場に移動です。
それがなんと、昨日までの稽古場よりもっと遠い。
通勤が大変です。
が、今度の稽古場では、舞台装置が組んでもらえる。
今日は朝から立て込みをしているはずです。
なので、稽古は夕方から。
やっぱり、本物の舞台装置で稽古できるのはうれしい。
残り9日、精一杯頑張ります。

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