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象は忘れない [本]

5月27日(日)
柳広司『象は忘れない』(文藝春秋)読了。

象は忘れない

象は忘れない

  • 作者: 柳 広司
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2016/02/08
  • メディア: 単行本


新開純平は、福島県の、原発がある町の出身。
東京の専門学校を出た後、地元の原発関連企業で働いている。
電力会社の孫請けの孫請けだが、正社員だし、待遇もいい。
ところが、震災が起きて、何もかも変わってしまった。
純平は防護服を着て、原発施設に入って行かなければならなくなった。
三号機の圧力開放弁を手動で開ける「決死隊」だった。
出発の前、先輩社員は純平に「祈れ」と言った……。

柳広司氏の本はこれが24冊目。
東北の震災と原発事故を題材にした小説5つを収めた短編集で、上記は一つ目の『道成寺』。
柳氏はミステリ作家だが、この本はミステリではない。
このテーマで書かずにはいらなかったのだろう。
主人公は皆、福島で暮らす人々。
エンターテインメント性を極力排した、記録のような小説。

今日は13時より、西葛西にある、東京放送芸術&映画俳優専門学校のワークショップ。
今年度の3回目で、1年生の1回目。
39人の1年生と、3人の3年生が参加してくれました。
3年生は、1年生のお手本役。
今日のメニューは、シアターゲーム、発声練習、二人組朗読、台本練習。
シアターゲームは、カウントジャンプとジップ・ザップ・ボーイング。
発声練習は、腹式呼吸、音パス、母音法、リトミック。
二人組朗読のテキストは、宮沢賢治『注文の多い料理店』。
台本練習のテキストは、『不思議なクリスマスのつくりかた』の6場。
1年生は4月に入学したばかりなので、詳しく説明しながらやりました。
が、まだまだ映像演技の生徒が多く、
〇テンションが低い。感情量が小さい。声が小さい。
〇相手の演技を受けない。掛け合いにならない。
〇全体のリズムを考えない。
〇脚本の読解が表面的。
などなど、いっぱいダメ出ししました。
が、3年生がいいお手本になってくれて、彼らの演技と自分たちの演技を比較することで、きっと何かを得てくれたと思います。
3年生たちが本当に頼もしかった。
助手として参加してくれた、キャラメルボックスの元木諒も頼もしかった。
次回が楽しみです。

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