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紙芝居がやってきた! [本]

9月25日(火)
鈴木常勝『紙芝居がやってきた!』(河出書房新社)読了。

紙芝居がやってきた! (らんぷの本)

紙芝居がやってきた! (らんぷの本)

  • 作者: 鈴木 常勝
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2007/02/16
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


紙芝居屋で大学講師の鈴木常勝が、日本の紙芝居屋の歴史を解説する。

紙芝居屋は日本独自の文化。
おじさんが自転車で街角にやってきて、荷台の上に木枠を立てて、紙芝居が始まると口上。
集まってきた子供たちに駄菓子を売り、買った子だけに紙芝居を見せる、という商売。
昭和5年(1930年)頃に始まり、翌年には『黄金バット』が大人気になった。
太平洋戦争末期にはすたれたが、戦後、仕事のない復員兵たちにより復活。
最盛期には、東京都内だけで、2000人以上の実演者がいた。
が、昭和30年代、テレビの登場により、再びすたれた。
昭和36年生まれの僕は、紙芝居屋を見たことがない。
昭和40年代にはほとんど姿を消していたのだろう。
俗悪な絵と物語で、大人たちから常に攻撃された紙芝居。
しかし、俗悪だからこそ、子供たちは熱狂した。
昭和40年代、テレビでコント55号やドリフターズが攻撃されたのと同じだ。
この本には、現存の紙芝居がいくつも紹介されていて、とてもためになった。
初期の紙芝居は裏が白紙で、紙芝居屋のおじさんが物語を暗記して語ったらしい。
その後、裏に台本が書かれるようになったが、子供たちが入れるチャチャに当意即妙で応えるのが紙芝居屋の腕の見せ所だった。
今、テレビのお笑い番組で、絵を見せながら、ギャグを言う芸人を見かけるが、これは紙芝居屋の芸にきわめて近い。
紙芝居屋は不滅なのだ。

1987年3月、キャラメルボックス第三回公演として上演した『百万年ピクニック』には、紙芝居屋が登場します。
僕は実物は見たことがないけれど、紙芝居屋という存在に強いノスタルジーを感じる。
小学1年のお楽しみ会で、僕のグループは紙芝居を作って、上演しました。
小学1年で勝手がわからず、裏に台本を書かなかった。
で、僕がアドリブで話をしました。
これが、人前で初めて演じた経験。
芝居ではなく、紙芝居の語りだったのです。

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