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罪の声 [本]

9月30日(日)
塩田武士『罪の声』(講談社)読了。

罪の声

罪の声

  • 作者: 塩田 武士
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/08/03
  • メディア: 単行本


京都。
曽根俊也は「テーラー曽根」の2代目で、母、妻、2歳の娘と4人暮らし。
ある日、母の部屋の電話台の引き出しから、カセットテープと黒革のノートを発見する。
テープには、幼い頃の自分の声が入っていた。
自分は「ばーすーてーい、じょーなんぐーお、」と意味不明な言葉をしゃべっていた。
ノートはほとんど英語が書かれていたが、最後の方に日本語で「ギンガ」「萬堂」の文字が見えた。
31年前、日本全国を震撼させた「ギン萬事件」で被害を受けた、製菓メーカーの名前だった。
犯人は「くら魔天狗」と名乗る一味で、一人も逮捕されず、2001年に時効を迎えた。
被害を受けた会社には、「くら魔天狗」から何度も脅迫電話がかかってきたが、その中で何度か、子供が脅迫文を読むことがあった。
幼い自分がしゃべっていたのは、その脅迫文だった。
自分は事件にかかわっていたのか?
亡くなった父・光雄は、「くら魔天狗」の一人なのか?

評判通りの傑作だった。
「グリコ森永事件」を、名前を変えただけで正確にトレースし、その真相を暴いていく。
これがまあ見事にリアリティたっぷりで、ぐいぐい読まされた。
主人公は二人。
亡くなった父が犯人かもしれない、曽根。
大日新聞文化部の記者・阿久津英士。
この2人が、31年前に起きた「ギン萬事件」を自分の足で調べていく。
この調査の過程もきわめてスリリング。
塩田武士氏は1979年生まれの元新聞記者で、2010年に作家デビュー。
凄い作家と出会うことができた。

今日は西葛西の東京放送芸術&映画俳優専門学校のスペシャル公演『ブリザード・ミュージック』の稽古。
13~19時の予定でしたが、台風が接近して電車が止まるということで、18時に切り上げました。
稽古の中身は、4・5・6場の復習。
3年生は中間公演の『ウエストサイド物語』が終わったばかりですが、2週間前に付けた動きをみんなしっかり覚えていました。
おかげで、非常にスムーズに稽古を進めることができました。
アルテメイト・プロデュース『おおきく振りかぶって/夏の大会編』大阪公演は、本日12時の回が千秋楽。
これにて全公演が終了です。
ご来場くださった皆様に厚く御礼申し上げます。
ありがとうございました。
が、新幹線が止まった影響で、キャスト・スタッフ一同、東京へ帰ることができなかった!
みんなの帰京と解散は明日になりました。
でもでも、キャスト・スタッフの皆さん、本当にお疲れ様でした。
また一緒に芝居を作る日が来ることを楽しみにしています。

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