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すべてのまぼろしはキンタナ・ローの海に消えた [本]

1月30日(水)
ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア『すべてのまぼろしはキンタナ・ローの海に消えた』(ハヤカワ文庫)読了。

すべてのまぼろしはキンタナ・ローの海に消えた (ハヤカワ文庫 FT)

すべてのまぼろしはキンタナ・ローの海に消えた (ハヤカワ文庫 FT)

  • 作者: ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2004/11/09
  • メディア: 文庫


メキシコ、ユカタン半島東部のカリブ海に面した海岸地方キンタナ・ロー。
作家の「私」は、ココ椰子農園の主の別荘を借りて住んでいた。
ある日、目の前の砂浜に、男か通りかかり、水をくれと言う。
男はプールの設計士で、毎年、休暇はこの海岸一帯を旅することにしていた。
「私」が作家と知り、男は自分の体験談を話し始める。
それは以前、このあたりの砂浜を歩いていた時のことだった……。
「私」が聞いた3つの話を綴る連作短編集で、上記は一つ目の『リリオスの浜に流れついたものに』。

ジェイムズ・ティプトリー・ジュニアの本はこれが5冊目。
この人は女性で、本名はアリス・ブラッドリー・シェルドン。
1915年、シカゴ生まれ。
父は法律家で探検家のハーバード・ブラッドリー、母は作家のメアリー・ブラッドリー。
10代はグラフィック・デザイナー、20代は美術評論家として活動。
29歳の時、アメリカ陸軍航空軍に入隊し、ペンタゴンの写真解析部門に勤務。
31歳の時、結婚して、退職。
37歳の時、夫と共にCIAに勤務。
40歳の時、退職し、アメリカン大学に入学して学士号、ジョージ・ワシントン大学に入学して博士号を取得。
53歳の時、作家としてデビュー。当初は名前から男性だと思われていた。
1973年、「愛はさだめ、さだめは死」でネビュラ賞を受賞。
1974年、「接続された女」でヒューゴー賞を受賞。
1976年、「ヒューストン、ヒューストン、聞こえるか?」でヒューゴー賞、ネビュラ賞を受賞。
1985年、「たったひとつの冴えたやりかた」でローカス賞を受賞。
1987年、『すべてのまぼろしはキンタナ・ローの海に消えた』で世界幻想文学大賞短編集部門を受賞。
1987年、老人性痴呆症が悪化した夫をショットガンで射殺し、自分も頭を撃ち抜いて自殺した。享年71歳。
70年代から80年代のアメリカのSFを代表する作家だが、この本は幻想小説。
しかし、この人の持ち味は詩情なので、やはりおもしろかった。

『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない』6~8話を見ました。
1話でじんたんの前に幽霊のめんまが現れたのは大事件でしたが、その後は特に何も起こらず。
じんたんは小学校時代の仲間たち4人にそんまの出現を知らせますが、ぽっぽ以外は誰も信じない。
6人の心情をただひたすら細やかに描いていく、きわめて繊細な物語。
ところが!
8話のラストでついに大事件が勃発!
残り3話で一体どうなるか、楽しみになってきました。
ヒロインはめんまですが、じんたんに思いを寄せる「あなる」こと安城鳴子が可愛い!
「あなる」の活躍に期待します。

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