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不死身の特攻兵 [本]

6月28日(金)
鴻上尚史『不死身の特攻兵』(講談社現代新書)読了。

不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか (講談社現代新書)

不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか (講談社現代新書)

  • 作者: 鴻上 尚史
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/11/15
  • メディア: 新書


劇作家・演出家の鴻上尚史が、9回出撃し9回生還した特攻兵・佐々木友次を語る。

佐々木友次氏は1923年、北海道生まれ。
農家の六男で、高等小学校を卒業後、逓信省航空局仙台地方航空機乗員養成所に入所。
1年後、茨城県の鉾田陸軍飛行学校に配属。
1944年10月、フィリピンの第四航空軍の「万朶(ばんだ)隊」に配属。
陸軍初の特攻隊「万朶隊」と隊員として、特攻に参加。
9回出撃して、9回生還。
隊長の岩本益臣大尉の「体当たりして死ぬより、死ぬまで何度も行って爆弾を命中させた方がいい」という教えを守り、上官の叱責を無視して、生還し続けた。
鴻上氏は2009年に、元特攻隊員の大貫健一郎氏とNHKディレクターの渡辺考氏の共著『特攻隊振武寮 証言・帰還兵は地獄を見た』(講談社)を読んで、佐々木氏の存在を知る。
2015年、知人から「佐々木友次さんはまだ生きている。92歳で、札幌の病院に入院している」と聞き、すぐに会いに行く。
この本の後半には、鴻上氏による5回のインタビューが載っている。
5回目の2カ月後、佐々木氏は亡くなる。
鴻上氏は佐々木氏の戦歴と言葉を通して、特攻隊とは何だったのかを考える。
まじめなノンフィクションだが、読物としても圧倒的におもしろい。
お薦めです。

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