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不染鉄之画集 [本]

10月21日(月)
『不染鉄之画集』(求龍堂)読了。

不染鉄之画集

不染鉄之画集

  • 作者: 不染鉄
  • 出版社/メーカー: 求龍堂
  • 発売日: 2018/03/09
  • メディア: 大型本


大正から昭和にかけて活動した日本画家・不染鉄(ふせん・てつ)の作品集。

不染鉄は、1891年、東京生まれ。
父は小石川の光円寺住職・不染信翁で、本名は哲治。
親の後を継ぐため、大正大学に進学したが、卒業後、画家を目指して、日本画家・山田敬中に師事。
20代初めに、日本美術院研究生となる。
その後、京都市立絵画専門学校(現在の京都市立芸術大学)に入学して特待生となり、1919年、第1回帝展で「夏と秋」が初入選。
1946年、奈良県の正強中学校理事長に招かれ、正強高等学校(現・奈良大学付属高等学校)校長となる。
1952年に理事長を退任すると、画壇には復帰せず、奈良で絵を描き続け、1976年、84歳で死去。
以前、不染鉄の展覧会を見に行ったことがあるが、富士山の絵に圧倒された。
普通の画家は富士山を見上げた視点で描くが、不染鉄は斜め上から富士山を見下ろして描く。
そして、富士山の後ろの景色まで描く。
こんな画家、他にいない。
戦後、奈良に隠遁したまま亡くなったので、長らく忘れられていたが、近年再発見され、再評価された。
繊細さと大胆さを併せ持つ、凄い画家。
お薦めです。

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