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君がいなくても平気 [本]

5月26日(火)
石持浅海『君がいなくても平気』(光文社文庫)読了。

君がいなくても平気 (光文社文庫)

君がいなくても平気 (光文社文庫)

  • 作者: 石持 浅海
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2011/10/12
  • メディア: 文庫


水野勝は、携帯電話の周辺機器やソフトウェアを開発する「ディーウィ」という会社に勤務している。
彼が参加したチームが生み出した「着ロボ」が大ヒット。
パーティーの翌朝、職場にチームの面々が集まったところで、リーダーの粕谷が倒れる。
粕谷は急死、死因は急性ニコチン中毒だった。
その夜、水野はチームの仲間で、恋人でもある北見早智恵のアパートに行く。
何気なく見たゴミ箱の中のレシートに、「ピース(20)」の文字。
早智恵はタバコを吸わない。
粕谷を殺したのは早智恵なのか……。

再読シリーズの8冊目。
やはり凄い。
恋人が殺人犯かもしれないと気づいた男が、彼女が逮捕される前に、一刻も早く別れようと画策する。
彼女は彼の好みのタイプでなく、初めから長く付き合うつもりはなかった。
彼女を愛していれば、自首を勧めるとか、隠蔽工作に加担するとか、とにかく彼女を助けようとするだろう。
しかし、愛してはいないのだ。
今回は話がわかっていたので、読みながらしばしば彼女の立場に立って考えてみた。
あまりにも過酷で、人として耐えられるとは思えなかった。
貶しているのではない。
それほど壮絶な物語だということ。
まさに傑作。
しかし、この作品が傑作であることを、はたしてどれだけの人が知っているだろう。
声を大にして言いたい。
傑作です!
お薦めです!

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