SSブログ

「空気」を読んでも従わない [本]

6月28日(月)
鴻上尚史『「空気」を読んでも従わない』(岩波ジュニア新書)読了。

「空気」を読んでも従わない: 生き苦しさからラクになる (岩波ジュニア新書)

「空気」を読んでも従わない: 生き苦しさからラクになる (岩波ジュニア新書)

  • 作者: 尚史, 鴻上
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2019/04/20
  • メディア: 新書


劇作家・演出家の鴻上尚史が、現代の日本人が感じる「生き辛さ」の原因は「世間」にあると規定し、論じる。

『「空気」と「世間」』で論じた内容を、青少年向けに書き直した本。
「世間」とは、自分の知り合いの集合体。
「社会」は、「世間」を含めたすべての人の集合体。
日本人は、社会は気にしないが、世間は気にする。
女性が車内でお化粧するのは、周囲の人間が世間でなく、社会だから。
だから、気にしない。
日本人はエレベーターに乗った時、他人と二人だけでも、言葉どころか視線も合わせない。
相手が世間でなく、社会だから。
しかし、欧米人には世間がなく社会だけなので、他人でも「ハーイ」と話しかける。
狭い所で二人きりでいるのに、無視し合うのは不自然だし、気まずいから。
この、鴻上氏の「世間論」は非常におもしろく、タメになる。
後半には、生き辛さを克服するために、いかに世間と戦うかが書いてあった。
鴻上さんの仕事は、1981年の『朝日のような夕陽をつれて』から一貫していて、素直に凄いと思う。
お薦めです。

新しい脚本の執筆に取りかかりました。
来年の2本目の新作です。
今から1年ほど先に上演する予定です。
詳細をお伝えできるのは、おそらく今年の年末か、年明けになると思います。
ごめんなさい。

nice!(0) 
共通テーマ:演劇

nice! 0