SSブログ

愚かな薔薇 [本]

8月16日(火)
恩田陸『愚かな薔薇』(徳間書店)読了。

愚かな薔薇

愚かな薔薇

  • 作者: 恩田陸
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2021/12/23
  • メディア: Kindle版


高田奈智は14歳の少女。
夏の2カ月をキャンプで過ごすため、保護者の元を離れて磐座(いわくら)に来た。
キャンプは「虚ろ舟乗り」(うつろふなのり)の適性を見るためのもので、これは恒星間ロケットのパイロットのこと。
磐座は、奈智の亡き母の故郷で、今も母親のいとこの美影久緒(みかげひさお)が料理旅館を営んでいる。
奈智は美影旅館に寄宿し、キャンプのある盤座城へ通い始める。
久緒の息子の深志(ふかし)は高校三年生で、奈智は「兄」と慕っている。
2日目、奈智は城に向かう途中でこの地域に咲く「さとばら」の匂いに当たり、めまいと吐き気に襲われ、大量の血を吐いてしまう。
しかし、それこそが、「虚ろ舟乗り」になるための、身体の変質の始まりだった‥‥。

恩田陸氏の本はこれが67冊目。
恩田氏お得意の、SF伝奇ロマンで、元ネタはなんと「吸血鬼」。
吸血鬼の、年を取らない体質を、宇宙飛行士と結びつけたのはお見事。
英訳は「Rose that blooms through all eternity」。
単行本592ページ。
連載14年で、ようやく完結したらしい。
描写があまりにも丁寧で、話がなかなか進まず、読むのが大変だった。

nice!(2) 
共通テーマ:演劇

nice! 2