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君が手にするはずだった黄金について [本]

8月10日(土)
小川哲『君が手にするはずだった黄金について』(新潮社)読了。

君が手にするはずだった黄金について

君が手にするはずだった黄金について

  • 作者: 小川哲
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2023/10/18
  • メディア: Kindle版


『三月十日』
東日本大震災から3年後の3月11日、僕は高校の同級生たちと酒を飲んだ。
あの日、どこで何をしていたか、誰もが鮮明に憶えているのに、前日の3月10日については、ほとんど憶えていない。
僕はその日、何かワケあって二日酔いになるほど飲んでいたらしいのだが‥‥。
『小説家の鏡』
博士課程に進み小説家になった僕に、高校時代の友人西垣から相談が持ち掛けられた。
「妻が小説を書き始め、仕事を辞めて執筆に専念したい」と言い出したという。
しかも青山の占い師のお告げに従って。
インチキを暴こうと占い師に接近する僕に、思いもかけない「その瞬間」が訪れる。
『君が手にするはずだった黄金について』
片桐は高校の同級生。
負けず嫌いで口だけ達者で、東大に行って起業すると豪語していたが、どこか地方の私大を出て怪しい情報商材を売りつけていたらしい。
それが今や80億円を運用して六本木のタワマンに住む有名投資家となっていた。
ある日、僕は寿司屋に誘われた‥‥。

小川哲氏の本はこれが6冊目。
6つの短編を収録した短編集で、上記のあらすじはそのうちの3つ。
どれも主人公は小川哲氏に似た作家で、その作家が経験した出来事を描く。
つまり、ミステリではなく、身辺雑記のような、エッセイのような、私小説のような小説。
しかし、どれも不思議な感覚を描いていて、楽しめた。
一番気に入ったのは『三月十日』。
お薦めです。

君のクイズ

君のクイズ

  • 作者: 小川 哲
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2022/10/07
  • メディア: Kindle版



地図と拳 (集英社文芸単行本)

地図と拳 (集英社文芸単行本)

  • 作者: 小川哲
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2022/06/24
  • メディア: Kindle版



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