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侍タイムスリッパー [映画]

9月27日(金)
安田淳一監督『侍タイムスリッパー』(2024年)新宿ピカデリーで鑑賞。

幕末の京都。
会津藩士の高坂新左衛門(山口馬木也)は家老から長州藩士を討つよう密命を受けるが、標的の男と刃を交えた瞬間、落雷によって気を失ってしまう。
目を覚ますと、そこは現代の時代劇撮影所だった。
新左衛門は行く先々で騒動を起こしながら、江戸幕府が140年前に滅んだことを知り、愕然とする。
一度は死を覚悟するが、心優しい人たちに助けられ、生きる気力を取り戻していく。
やがて、彼は剣の腕だけを頼りに時代劇の斬られ役として生きていくことを決意する‥‥。

安田淳一監督が自費で作った自主制作作品。
東映京都撮影所の特別協力によって、自主映画とは思えないクオリティになった。
撮影所側が脚本の質の高さを評価し、破格の値段で使用を許可したらしい。
2023年8月17日に池袋シネマ・ロサの1館のみで封切られたが、口コミで話題が広まり、同年9月13日からはギャガが共同配給につき、新宿ピカデリー、TOHOシネマズ日比谷など全国100館以上で拡大公開されている。
まさに『カメラを止めるな!』現象再来。
というわけで慌てて見に行ったのだが、映画としての出来はまあまあと言ったところで、『カメラを止めるな!』には遠く及ばない。
人物や殺陣を丁寧に描きたいという気持ちはわかるが、上映時間131分は明らかに長すぎで、30分は短縮できる。
しかし、主演の山口馬木也は圧倒的にすばらしく、この映画の人気沸騰の理由の90パーセントは彼なのではないかと思う。
とにかく本物の武士にしか見えないのだ。
途中、ちょんまげ・着物姿から、短髪・洋装になるが、武士が無理やり現在の服を着せられたようにしか見えない。
彼だけでも一見の価値ありなので、ぜひとも見に行ってほしい。
お薦めです。

ところで、この映画のタイトル、いつも口にする瞬間、「スリッパー」なのか「トリッパー」なのか「ストッパー」なのか「ストリッパー」なのか、迷ってしまう。
変ですかね?

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