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笑いの正解 東京喜劇と伊東四朗 [本]

10月2日(水)
笹山敬輔『笑いの正解 東京喜劇と伊東四朗』(文藝春秋)読了。

笑いの正解 東京喜劇と伊東四朗 (文春e-book)

笑いの正解 東京喜劇と伊東四朗 (文春e-book)

  • 作者: 笹山 敬輔
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2024/05/14
  • メディア: Kindle版


演劇研究者の笹山敬輔が、コメディアンの伊東四朗にインタビューを行い、彼の芸歴を振り返る。

伊東四朗は、1937年(昭和12年)6月15日、東京都台東区台東出身。
5人きょうだい(兄2人、姉1人、妹1人)の4番目、三男。
父は服地商。
戦時中は母親の実家のある掛川市に疎開した。
東京都立市ヶ谷商業高等学校卒業後、1958年に早稲田大学生協職員に就職。
新宿フランス座の座付き俳優だった石井均が結成した劇団「笑う仲間」を連日見に行き、「君もやってみないか?」と誘われる。
最初の芸名は、「伊藤証(いとうしょう)」。
1962年、アルバイトでコンビを組んでいた戸塚睦夫、三波伸介と「てんぷくトリオ」を結成。
三波のギャグ「びっくりしたなぁ、もぅ」が大当たりして、人気お笑いグループとしての地位を確立。
1972年から、三波らとNHKの『お笑いオンステージ』の1コーナー「てんぷく笑劇場」に出演。
1973年に戸塚睦夫が42歳で死去し、三波と二人で「てんぷく集団」として活動。
1982年に三波が52歳で急死。
1975年頃から、小松政夫との共演が話題になり、『みごろ!たべごろ!笑いごろ!』での親子コントや「電線音頭」でのベンジャミン伊東、『笑って!笑って!!60分』での「小松の親分さん」などのネタで人気に
火が点いた。
1977年、TBSドラマ『ムー』で渡辺美佐子の夫役を演じる。
1983年、『おしん』で父親役に抜擢される。
1992年から2015年までは『十津川警部シリーズ』で亀井定雄役を演じ続けている。
『おしん』以降、コメディアンと並行してシリアスな俳優として高い評価を受けているが、本人は一貫して「喜劇役者」と名乗っている。
舞台出演についても熱心で、佐藤B作、三宅裕司、三谷幸喜らの舞台で喜劇を演じ続けている。
この本で作者の笹山敬輔は、エノケン・ロッパが始めた東京喜劇を継承したのが、「東京ヴォ―ドルショー」「スーパーエキセントリックシアター」「東京サンシャインボーイズ」などの劇団だと主張する。
そして、そのすべてに出演している伊東四朗こそ、東京喜劇の正当継承者だと断言する。
僕も全くその通りだと思う。
お薦めです。

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