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アリバイ・アイク [本]

1月31日(水)
リング・ラードナー『アリバイ・アイク』(新潮文庫)読了。

アリバイ・アイク: ラードナー傑作選 (新潮文庫)

アリバイ・アイク: ラードナー傑作選 (新潮文庫)

  • 作者: リング ラードナー
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2016/08/27
  • メディア: 文庫


20世紀初頭、アメリカ。
「ぼく」は大リーガー。
同じチームに、フランク・X・ファレルという選手がいた。
チームメイトたちからは「アリバイ・アイク」と呼ばれていた。
「アリバイ」は「言い訳・弁解」、「アイク」は「ユダヤ人」という意味。
フランクはユダヤ人ではなかったが、とにかくやたらと弁解する男だった。
失敗しても、成功しても。
そんなフランクが、監督の奥さんの妹に恋をした……。
短編小説13を収録。

村上柴田翻訳堂の1冊だが、翻訳は加島祥造氏。
リング・ラードナーは1885年生まれ。
新聞記者として、スポーツ欄の記事やコラムを担当。
1924年、39歳の時に最初の短編集を出版。
小説を書くようになったのは、友人の作家スコット・フィッツジェラルドの勧めだった。
代表作は『メジャー・リーグのうぬぼれルーキー』『大都会』など。
1933年に死去。
アーネスト・ヘミングウェイやJ・D・サリンジャーも、ラードナーのファンだったらしい。
どの作品も軽妙で饒舌でシニカルでコミカル。
巻末の村上春樹氏と柴田元幸氏の対談で、村上氏が「語りで押す作家」「短編向きの作家」と評していた。
大リーグを舞台にした小説が多く、楽しめた。

今日は約2カ月半ぶりに床屋に行ってきました。
それから池袋サンシャイン劇場へ。
20時から場当たりの予定でしたが、スケジュールがおしているため、舞台のオリエンテーションだけで終了。
明朝、1場から場当たりとなりました。
それにしても、舞台美術がすばらしい!
客席から見て、舞台がこんなに近く感じたのは初めてです。
この上で野球をやったら、物凄い迫力だろうなあ。
明日の場当たりが本当に楽しみです。
演出も頑張るぞ!

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人生は小説よりも奇なり [映画]

1月31日(水)
アイラ・サックス監督『人生は小説よりも奇なり』(2014年)WOWOWで鑑賞。

人生は小説よりも奇なり [DVD]

人生は小説よりも奇なり [DVD]

  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • メディア: DVD


2011年、ニューヨーク。
同性婚が合法となった。
画家のベン(ジョン・リスゴー)と音楽教師のジョージ(アルフレッド・モリーナ)は39年の同棲を経て、結婚式を挙げる。
が、ジョージは同性婚が理由で失職。
収入が途絶え、二人で長年暮らしてきたアパートを売り払うことになる。
新居が見つかるまでの間、二人はそれぞれの親戚の家で別々に暮らす。
しかし、それぞれの家で問題が生じ……。

原題は『LOVE IS STRANGE』だが、なかなかいい邦題をつけたと思う。
39年も一緒に暮らしてきたのに、いまだにアツアツの二人。
見た目は二人とも老人でデップリしているのに、その純粋な愛情に打たれた。
ジョン・リスゴーとアルフレッド・モリーナ、二人の名優だからこそ生まれた説得力だと思う。

アルテメイト・プロデュース『おおきく振りかぶって』の仕込み2日目。
今日は場当たりです。
ちょっと長めの芝居だし、照明のきっかけが500近くもあるので、場当たりは時間がかかりそう。
しかし、今回は仕込みが3日あるので、場当たりにもたっぷり時間がかけられる。
なので、丁寧に丁寧にやっていきたいと思います。
それでは行ってきます。

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東京鉄道遺産100選 [本]

1月30日(火)
内田宗治『東京鉄道遺産100選』(中公新書)読了。

カラー版 - 東京鉄道遺産100選 (中公新書)

カラー版 - 東京鉄道遺産100選 (中公新書)

  • 作者: 内田 宗治
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2015/08/24
  • メディア: 新書


元ブルーガイド編集長でフリーライターの内田宗治が、東京都内の鉄道遺産100カ所を紹介する。

東京都内にも意外とたくさんの廃線があった。
戦前、多摩川から採取した砂利を主要線に運んだ路線。
軍関係の施設や飛行機工場と主要線を結んだ路線。
それらの痕跡は戦後の宅地開発のため、ほとんど残っていない。
が、この本では、ほんのわずかに残された痕跡を写真で紹介していて、とても興味深かった。
とてもまじめな本です。

アルテメイト・プロデュース『おおきく振りかぶって』の仕込み1日目。
1600に池袋サンシャイン劇場へ行ったところ、予定が2時間ほど遅れていて、まだ大道具を立て込み中でした。
なぜか鍛治本大樹がスタッフの中に混じっていました。
完成を見ずに、下北沢本多劇場へ。
1930より、柿喰う客『俺を縛れ!』を観劇。
江戸時代の忍者・服部半蔵が語る、9代将軍・徳川家重が起こした、ある事件。
中屋敷法仁君の演出がさらに進歩し、役者たちの演技も上達していました。
特に、15MinutesMadeの時に一緒だった葉丸あすかさん、田中穂先君がうまくなっていて、うれしかった。
『俺を縛れ!』は2月4日(日)までです。

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マギーズ・プラン [映画]

1月30日(火)
レベッカ・ミラー監督『マギーズ・プラン』(2015年)WOWOWで鑑賞。

マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ [DVD]

マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ [DVD]

  • 出版社/メーカー: 松竹
  • メディア: DVD


ニューヨーク。
マギー(グレタ・ガーウィ)は、大学の教員。
彼氏と半年以上続かないが、子供はほしい。
そこで、友人に精子を提供してもらい、人口受精することに。
ところが、同じ大学の講師で、妻子のいるジョン(イーサン・ホーク)と親しくなる。
ジョンの妻・ジョーゼット(ジュリアン・ムーア)は、教授として活躍中で、育児は専らジョンの仕事。
二人の仲は冷めきっていた。
ジョンはひそかに小説を書いていて、マギーに読んで批評してほしいと言う……。

典型的な三角関係を描いた映画だが、3人ともドライで、相手に固執しないのが現代的。
つまり、3人とも自分のことしか考えていない。
特にジョンがひどい男で、イーサン・ホークが見事に演じ切っている。
はっきり言って、自分勝手なヤツらのくっついたり離れたりの話で、僕にはノレなかった。

アルテメイト・プロデュース『おおきく振りかぶって』、今日から小屋入り。
僕もこれから、池袋サンシャイン劇場に向かいます。
劇場に着く頃には、舞台装置が完成していることでしょう。
見るのが楽しみ!
それでは行ってきます。

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ナイト・ピープル [本]

1月29日(月)
バリー・ギフォード『ナイト・ピープル』(文春文庫)読了。

ナイト・ピープル (文春文庫)

ナイト・ピープル (文春文庫)

  • 作者: バリー ギフォード
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2000/12
  • メディア: 文庫


ビッグ・ベティ・スカルトップとキューティー・アーリーは、フォート・スマトラ非行女子短期収容所で出会い、恋人となった。
出所後、「ミス・ジーザス」を名乗り、世界中の男たちを倒すために行動を開始する。
次々と罪を犯した挙げ句、一人の男を誘拐する。
男は黒人弁護士のロロ・ラマー。
一方、刑事のヴァーノン・デューク・ダグラスは、フロリダ西海岸で発生中の、被害者が男ばかりの連続殺人事件に興味を持つ。
ダグラスは休暇を取って、フロリダに向かった……。

バリー・ギフォードは小説家で脚本家。
彼の小説『ワイルト・アット・ハート』をデイヴィッド・リンチ監督が映画化。
以来、『ロスト・ハイウェイ』など、リンチ映画の脚本を手がけるようになった。
『ナイト・ピープル』も、リンチ映画のように、異様な人ばかりが登場する小説。
続編2作があるらしいが、僕はこの1冊で充分。

アルテメイト・プロデュース『おおきく振りかぶって』の稽古23日目、最終日。
ダンス返しをした後、1430より、第五回通し稽古。
役者が一人欠席したので、代役専門でこの公演に参加している、キャラメルボックスの矢野聖がやりました。
上演時間は2時間09分13秒で、46秒短縮。
しかし、これは矢野が早口だったためだと思われます。
矢野が出ていない場面のタイムだけ合計すると、むしろちょっと伸びている。
しかし、全体的にはさらにミスが減って、さらに引き締まった芝居になりました。
若い役者たちは23日間、本当によく頑張りました。
明日はいよいよ小屋入り。
本物の装置と照明でこの芝居がどう見えるか、本当に楽しみです。
初日は2月2日、会場は池袋サンシャイン劇場です。

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デザインセンスを身につける [本]

1月28日(日)
ウジトモコ『デザインセンスを身につける』(ソフトバンク新書)読了。

デザインセンスを身につける (SB新書)

デザインセンスを身につける (SB新書)

  • 作者: ウジ トモコ
  • 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
  • 発売日: 2011/09/16
  • メディア: 新書


アートディレクターのウジトモコが、広告デザインの基礎を解説する。

最初にSNSのアイコンのデザインの話から始まったのには驚いた。
自己表現の一つとして、とても重要なのだそうだ。
僕は何も考えずに、自分の写真を使っていた。
ちょっと反省。(でも、変えない)
デザインの解説は、ほぼ初心者向け。
字が大きく、200ページちょっとなので、あっという間に読めた。

今日はKAAT(横浜芸術劇場)大スタジオへ行き、神奈川かもめ短編演劇祭の審査員をやってきました。
今回が第三回で、僕が審査員をやるのは去年に続いて2回目。
他の審査員は、ラサール石井さんと伴一彦さんが続投で、松本祐子さんと中屋敷法仁さんが新規。
20分の芝居8本を、4本ずつABブロックに分けて上演。
今日は1200からAブロック、1430からBブロック、1630から公開審査会。
優勝は、公募で選ばれた脚本『机上の空論』を上演した戯曲選抜チームでした。
僕はこのチームと、『代案家庭生態報告書』を上演した韓国の劇団同感がおもしろかった。
次が『酒とお蕎麦と男と女』を上演した、島根のチーム「亀二藤」。
戯曲選抜チームが作品賞のかもめ賞と戯曲賞と観客賞、劇団同感が演出賞、亀二藤の俳優・山崎晋志さんが俳優賞を受賞しました。
順当な結果だったと思います。
1本20分とは言え、8本も見ると、お尻が痛くなって、大変でした。
でも、去年は12本だったことを思えば、まだ楽だった。
上記の3本はかなりおもしかろかったし、他のチームも頑張っていた。
このイベント、これからも続くといいなあ。

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雨利終活写真館 [本]

1月27日(土)
芦沢央『雨利終活写真館』(小学館)読了。

雨利終活写真館

雨利終活写真館

  • 作者: 芦沢 央
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2016/11/29
  • メディア: 単行本


黒子ハナは29歳、原宿の有名美容室に勤めていたが、恋人の高井伸雄が田舎に帰ることになり、同行するために退職する。
ところが、伸雄に退職した話をすると、自分は結婚していると言う。
ハナは騙されていたのだ!
どん底のハナに追い打ちをかけるように、大阪の祖母が亡くなる。
祖母にはハナの母の他に、二人の子供がいたが、遺言状でその二人に遺産を譲り、ハナの母には何も残さなかった。
祖母はなぜそんな意地悪いことをしたのか?
ハナは祖母が生前遺影を撮影した「雨利写真館」を訪ねる。
そこは遺影専門の写真館だった……。

芦沢央氏の本はこれが4冊目。
遺影専門の写真館という設定がおもしろい。
4つの話が収められていて、どれもミステリ形式になっている。
僕は第一話の『一つ目の遺言状』が最も楽しめた。

アルテメイト・プロデュース『おおきく振りかぶって』の稽古22日目。
昨日の第三回通し稽古で気になった部分を稽古し、第二試合を復習。
18時より、第四回通し稽古。
昨日よりさらにミスが減って、上演時間は1分48秒短縮し、2時間09分59秒!
ついに2時間10分を切った!
1秒だけだけど!
若い役者の演技も、本当によくなりました。
これなら自信を持って、お客さんに見せできます。
でも、まだまだもっとよくなる。
2月2日の本番初日へ向けて、さらにブラッシュアップしていきたいと思います。
やるでやるでやるで!

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世界の不思議な家を訪ねて [本]

1月27日(土)
小松義夫『世界の不思議な家を訪ねて』(角川oneテーマ21)読了。

世界の不思議な家を訪ねて―土の家、石の家、草木の家、水の家 (角川oneテーマ21)

世界の不思議な家を訪ねて―土の家、石の家、草木の家、水の家 (角川oneテーマ21)

  • 作者: 小松 義夫
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2006/02/01
  • メディア: 新書


写真家・小松義夫が、世界各地の変わった民家18を紹介する。

2006年に出版された本。
特に印象に残ったのは、
〇アメリカ、シップロック、先住民ナバホ族の泥の家「ホーガン」。
〇イエメン、ハジャラ、数百年前に造られた石の高層建築。
〇デンマーク、レーセ島、海草屋根の家。
小松義夫氏は1945年生まれで、年がら年中、世界各地を飛び回っている写真家。
危険な場所にも平気で訪れていて、その際は必ず奥さんを同行する。
夫婦連れの方が危険が少ないのだそうだ。
ついてきてくれる奥さんでよかったですね。

一昨年の末に美術関連の本を読もうと決意して、現在までに100冊以上を読んできました。
絵画から出発して、イラスト、版画、写真、デザイン、建築などにも興味が広がりました。
以前の僕なら、ナバホ族やイエメンやデンマークの民家に関心を抱くことなどなかった。
56歳になっても、人間は変わるのですね。
これからも美術関連の本、読み続けようと思います。

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幸運の25セント硬貨 [本]

1月26日(金)
スティーヴン・キング『幸運の25セント硬貨』(新潮文庫)読了。

幸運の25セント硬貨 (新潮文庫)

幸運の25セント硬貨 (新潮文庫)

  • 作者: スティーヴン キング
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2004/05/28
  • メディア: 文庫


スティーヴン・キングの短編7つを収録した短編集。

2002年にアメリカで出版された『Everything's Eventual:14 Dark Tales』に収録された短編14のうち、7つを収録した本。
残りは『第四解剖室』に収録されている。
『第四解剖室』はおもしろかったが、こちらはどれもイマイチ。
一番気に入ったのは、表題作の『幸運の25セント硬貨』だった。

アルテメイト・プロデュース『おおきく振りかぶって』の稽古21日目。
まずは、昨日の通し稽古で気になった部分をピックアップして、修正・確認。
次に、第一試合と第二試合を一回ずつ復習。
そして、18時より、第三回通し稽古。
第一回から第二回へは階段を一段昇った感じでしたが、今日はさらに二段!
全体的にテンポが上がり、緊張感が高まりました。
上演時間は1分12秒短くなって、2時間11分47秒!
頭の1・2・3場がまだ遅い感じなので、明日の稽古で改良します。
今日は川崎悦子先生が見に来て、通し稽古終了後、一部を手直ししてくださいました。
毎日グングンおもしろくなる『おおきく振りかぶって』!
ご期待ください!

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廃線紀行 [本]

1月26日(木)
梯久美子『廃線紀行』(中公新書)読了。

カラー版 廃線紀行―もうひとつの鉄道旅 (中公新書)

カラー版 廃線紀行―もうひとつの鉄道旅 (中公新書)

  • 作者: 梯 久美子
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2015/07/24
  • メディア: 新書


ノンフィクション作家の梯久美子が、日本国内の50カ所の廃線を紹介する。

僕は鉄男でも何でもないが、廃線に興味があり、この本を読んだ。
僕は埼玉県飯能市の生まれだが、子供の頃から廃線跡らしきものを見てきた。
それは、西武池袋線の元加治・仏子間の線路が入間川を越えるところに、並んで立っている、朽ちかけた橋脚。
キャラメルボックス『少年ラヂオ』のチラシの写真は、この橋脚で撮った。
僕が推薦したのだ。
こちらは僕の推薦ではないが、『ハックルベリーにさよならを』再演のチラシも、東京都港湾局専用線晴海線の晴海橋梁で撮った。
廃線跡にはロマンがある。
この本にはロマンが満ち溢れていた。
お薦めです。

アルテメイト・プロデュース『おおきく振りかぶって』の稽古20日目で、18時から第二回通し稽古。
その前に、昨日の第一回通し稽古で気になったところの修正と確認。
二つの試合の復習。
そして、18時から通し稽古。
今日は衣裳付きだったので、トラブルが心配されたのですが、何とか途中で止まることなく、通すことができました。
上演時間は1分近く短縮して、2時間12分59秒。
まだ約3分長い!
しかし、芝居自体はミスが減ったせいで、格段におもしろくなりました。
泣くには至りませんでしたが、3カ所くらい、感動でゾクゾクしました。
だから、終わると同時に、「おもしろかった!」と叫んでしまいました。
稽古終了後は、照明の打合せ。
プランナーの勝本英志さんの話によると、きっかけが全部で500近くあるそうです。
キャラメルボックスの公演に比べると、2倍以上!
ちなみに、音楽も2倍以上。
キャラメルボックスではあまり使わない、効果音もいっぱい。
何もかもが、いつもと違う!
一体どんな芝居になるのか、脚本・演出の僕自身がとってもワクワクしています。
お楽しみに!

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