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絹の変容 [本]

4月30日(月)
篠田節子『絹の変更』(集英社文庫)読了。

絹の変容 (集英社文庫)

絹の変容 (集英社文庫)

  • 作者: 篠田 節子
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 1993/08/25
  • メディア: 文庫


東京、八王子。
長谷康貴は、株式会社長谷包帯工業の二代目社長。
ある日、土蔵の中で、異様な光沢を持つ絹布を発見する。
父の話によれば、それは亡くなった祖母の嫁入り道具だった。
康貴は祖母の出身地である、山梨県塩山市の外れに向かう。
土地の人の話によると、この地方では花嫁に山繭から作った絹布を持たせたという。
康貴は山繭を求めて、山林に入っていく……。

1990年の第三回すばる文学賞新人賞受賞作で、篠田節子氏のデビュー作。
品種改良した蚕が東京を襲う、SFパニック小説。
生物学的な裏付けがしっかりしているので、少しも安っぽくない。
この手の小説を女性が書くのは珍しいが、下手な男性作家の小説よりよっぽど現実感がある。
この人はデビューの時から凄かったのだ。

10時からキャラメルボックス俳優教室の授業。
14時からキャラメルボックス2018グリーティングシアター『無伴奏ソナタ』の稽古があるので、授業は13時までの3時間。
メニューは、ストレッチ、筋トレ、発声、1対2のディベート、台本練習。
時間がないのに、いっぱいダメ出しをしてしまいました。
その後は帰宅して、執筆作業。
夏の新作の第一稿は、昨夜無事に完成しました。
やったー!
で、今日からは次の新作。
これも情報公開がまだなので、詳しいことは書けませんが、キャラメルボックスではない外の仕事です。
まずは構想からスタート。
こんなに立て続けに新作を書くのは初めてかもしれません。
2作が似てしまわないといいのですが。
とにかく、頑張るど!


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大和言葉つかいかた図鑑 [本]

4月29日(日)
海野凪子+ニシワキタダシ『大和言葉つかいかた図鑑』(誠文堂新光社)読了。

大和言葉つかいかた図鑑: 日本人なら知っておきたい 心が伝わるきれいな日本語

大和言葉つかいかた図鑑: 日本人なら知っておきたい 心が伝わるきれいな日本語

  • 作者: 海野 凪子
  • 出版社/メーカー: 誠文堂新光社
  • 発売日: 2016/01/14
  • メディア: 単行本


日本語教師で『日本人の知らない日本語』の作者の海野凪子が、失いたくない大和言葉100の意味と用例を解説する。
ニシワキタダシのイラストつき。

ああ、いいなあ、と思った言葉かいっぱいあった。
「おいとまする」「気働き」「逆ねじを食わせる」「すこぶるつきの」「ためつすがめつ」「またぞろ」などなど。
いつか脚本で使ってみたい。
また、ニシワキタダシ氏のイラスト(セリフつき)が秀逸で、何度も吹き出した。
お薦めです。

今日も夕方、ちょこっとだけ散歩してきました。
3536歩で、2,4キロ。
この6日間はずっと3キロ以下で、明らかに運動不足。
明日は久しぶりに外出するので、いっぱい歩きたいと思います。
22歳まで埼玉県飯能市に住んでいた僕は、子供の頃、都内に行くことを、「東京に行く」と言っていました。
「東京に映画を見に行く」とか。
でも、その東京とは大抵の場合、池袋でした。
新宿・渋谷は遠く、日比谷・銀座は夢の彼方でした。
青山・赤坂・六本木はその名前さえ知りませんでした。
今でも埼玉県の県庁所在地は池袋だと言われているようで、50年経ってもあまり変わらないなと思います。


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HK/変態仮面 [映画]

4月29日(日)
福田雄一監督『HK/変態仮面』(2013年)WOWOWで鑑賞。

HK/変態仮面 [DVD]

HK/変態仮面 [DVD]

  • 出版社/メーカー: TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
  • メディア: DVD


ドMの刑事(池田成志)とSMクラブの女王様(片瀬那奈)が結婚し、色丞狂介(鈴木亮平)は生まれた。
今は、紅游高校の拳法部に所属する高校生。
ある日、クラスに転校してきた姫野愛子(清水富美加)に一目惚れしてしまう。
強盗の人質になった愛子を助けるため、狂介は覆面をかぶって侵入しようとするが、間違えてパンティをかぶってしまう。
その時、経験したことのないエクスタシーに達し、「変態仮面」に変身してしまう……。

まさに福田雄一ワールド全開の映画。
ムロツヨシ、安田顕、佐藤二朗らが大活躍。
下品でバカバカしい話をきっちり映画にしていた。
なおかつ、ムロツヨシの微妙なユーモアもしっかりキープ。
特筆すべきは、安田顕の「偽変態仮面」の凄まじい変態ぶり。
この人の演技はもはや一線を越えてしまっていると思うが、その潔さには脱帽。
鈴木亮平の鍛え上げた筋肉美も見事。
と何だかやけに褒めちぎってしまったが、好きかと聞かれると、どうも……。

梅棒『Shuttered Guy』と『HK/変態仮面』を見て、「バカバカしさの爽快感」というものを考えさせられました。
これは、「ルパン三世の北の塔へのジャンプ」に通じる!
僕はこれを忘れていたかもしれない……。
自宅に籠もっての執筆作業も、今日で6日目。
夏の新作の推敲、今日は後半をやります。
頑張ります。

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左目に映る星 [本]

4月28日(土)
奥田亜希子『左目に映る星』(集英社)読了。

左目に映る星

左目に映る星

  • 作者: 奥田 亜希子
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2014/02/05
  • メディア: 単行本


早季子は文具会社に勤める26歳のOL。
左目が近視と乱視のため、右目より見えにくい。
そのせいか、いやなことがあると、右目を閉じて、左目だけで世界を見るくせがある。
中学の同級生の吉住が同じ目を持ち主で、早季子は今でも彼を思い続けていた。
ある日、友人の知り合いに同じ目を持つ男がいると聞く。
それはアイドル・リリコの追っかけをしている、宮内という男だった……。

第37回すばる文学賞受賞作。
全く知らない人だったが、帯で角田光代氏と江國香織氏が褒めているのを見て、即購入。
結果は吉で、お二人が褒めるだけあって、非常に質の高い、センスのよいラブストーリーだった。
奥田亜希子氏は1983年、愛知県生まれ。
愛知大学文学部哲学科を卒業。
ぜひ別の作品も読んでみたいと思う。

今日も自宅で作業。
夏の新作の前半を推敲しています。
昼間、散歩に出るのを忘れていて、18時過ぎに慌てて、外に出ました。
3790歩で、2,1キロ。
うーん、昨日より短くなってしまった……。
自宅に籠もっている時はヒゲを剃らないので、5日間で大分伸びてきました。
かなり白髪が多いことに気付いて、ちょっとショック。
まあ、56歳なので、当然なのですが。
関係ないけど、僕が若い頃は口ヒゲを伸ばしている人が多かったのに、今は顎ヒゲの方が多いですね。
実は僕も大学時代、口ヒゲを伸ばしたことがあります。
ええ、若気の至りです。

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エクス・マキナ [映画]

4月28日(土)
アレックス・ガーランド監督『エクス・マキナ』(2015年)WOWOWで鑑賞。

エクス・マキナ [DVD]

エクス・マキナ [DVD]

  • 出版社/メーカー: NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン
  • メディア: DVD


ケイレブ(ドーナル・グリーソン)は、検索エンジンで有名な世界最大のインターネット会社「ブルーブック」で働くプログラマー。
ある日、抽選に当たり、社長のネイサン(オスカー・アイザック)が暮らす山間の別荘に行く。
そこで、ネイサンが開発したAIのチューリングテストを命じられる。
AIが意識を獲得したかどうかを判断するのだ。
AIを搭載していたのは、美しい女性型ロボット・エヴァ(アリシア・ヴィキャンデル)だった……。

「ロボットは人間になれるか?」「AIの反乱」という、SFとしては極めて古典的なテーマ。
しかし、アリシア・ヴィキャンデルがひたすら可憐で美しいため、最後まで見飽きることはなかった。
彼女の他の映画を見ようと決意した。

高3の息子が学校で身体検査をしたところ、身長は172,2センチ。
本人は173センチはあると思っていたようで、不服そうでしたが、僕は快哉を上げました。
僕は169,5センチ。
弟2人は僕より少し小さい。
父はさらに小さい。
息子には何とか170センチを越えてほしかったのです。
よその人には何でもないことでしょうが、成井家にとっては非常に大きな一歩となりました。
オーバーかな?

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日本の水墨画2/花鳥 [本]

4月27日(金)
濱田信義『日本の水墨画2/花鳥』(河出書房新社)読了。

日本の水墨画 2:花鳥

日本の水墨画 2:花鳥

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2018/03/23
  • メディア: 単行本


日本の室町以降の画家37人が描いた水墨画のうち、「花」や「鳥」を題材にしたものを紹介・解説する。

雪舟から大観まで、有名どころがずらりで、まさに壮観。
「鳥」と言っても、様々な動物が描かれていて、長谷川等伯の猿、狩野探幽のかわうそ、尾形光琳の虎などが特にいいと思った。
伊藤若冲は水墨画でも緻密に描いていて、さすがだなと感心したが、やはり水墨画の魅力は大胆な省略にあるという気がした。

夏の新作、ついにラストまで到達しました!
と言っても、とりあえず書き上げたというだけで、これからいろいろ推敲しなければなりません。
第一稿の完成はもう少し先。
夕方、特に目的地を決めずに散歩し、途中のローソンでアイスを食べてきました。
3498歩で、2,4キロ。
これでは運動不足の解消にはなりませんね。
明日はもう少し先まで足を伸ばしてみます。


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 [本]

4月27日(金)
小山田浩子『穴』(新潮社)読了。

穴 (新潮文庫)

穴 (新潮文庫)

  • 作者: 小山田 浩子
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2016/07/28
  • メディア: 文庫


松浦あさひは夫と二人暮らし。
ある日、夫が転勤することになり、行き先が夫の実家のある町だったため、夫の実家の隣の貸家に引っ越した。
あさひは会社を辞めたため、日中は家に一人きり。
ふと外を見ると、見たことのない黒い獣が歩いていく。
あさひは後を追い、川の近くの草むらで、穴に落ちる……。

第150回芥川賞受賞作。
現実と非現実が入り交じり、その境界線はわからない。
黒い獣とは何なのか?穴とは何なのか?
『いたちなく』『ゆきの宿』の2編を併録。
こちらの二編は続き物で、話もわかりやすく、楽しめた。

高3の息子が国立新美術館の『至上の印象派展/ビュールレ・コレクション』に行ってきました。
で、お土産に、ルノアールの『イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢』の顔をプリントした缶入りハーブキャンディーを買ってきてくれました。
実はこれ、息子に買ってきてくれと頼んだのです。
僕が妻と行った時、買おうとしたのですが、売り場のレジが外に溢れるほどの長蛇の列で、泣く泣く諦めたのです。
手に入って、本当にうれしい!
執筆中の新作、11場が書き上がりました。
これで、全12場中11場まで完成。
残りは12場のみ。
あと1シーン!
もう一踏ん張りもう一踏ん張り!
でも、腰が相当痛くなってきているので、区切りのいい時に散歩に出かけたいと思います。

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翻訳できない世界のことば [本]

4月26日(木)
エラ・フランシス・サンダース『翻訳できない世界のことば』(創元社)読了。

翻訳できない世界のことば

翻訳できない世界のことば

  • 作者: エラ・フランシス・サンダース
  • 出版社/メーカー: 創元社
  • 発売日: 2016/04/11
  • メディア: 単行本


ヨーロッパで活躍するイラストレーターのエラ・フランシス・サンダースが、世界各国の言葉の中から、他の言語に翻訳が困難なものをピックアップし、文章とイラストで紹介する。

図書館で偶然見つけた本だが、こんなにおもしろいとは思わなかった。
「コンムオーベレ」(イタリア語)/涙ぐむような物語にふれたとき、感動して、胸が熱くなる。
「モーンガータ」(スウェーデン語)/水面にうつった道のように見える月明かり。
「ヘゼリヒ」(オランダ語)/単に居心地よいだけでなく、ポジティブであたたかい感情。物理的に快いという以上の「心」が快い感覚。たとえば、愛する人と共に時をすごすような。
「ピサンザプラ」(マレー語)/バナナを食べる時の所要時間。
などなど、素敵な言葉にいっぱい出会えた。
日本語からは、「木漏れ日」「ボケっと」「わびさび」「積ん読」が選ばれていた。
イラストもオシャレでカワイイ。
強くお薦めします。

執筆中の夏の新作、11場の途中まで進みました。
あと少し!あと少し!
昼過ぎ、地元の図書館まで散歩してきました。
現在10冊借りていて、既に読み終わり、プログで紹介した3冊を返してきました。
帰り道、駅前のブックオフに寄り、見て回るだけのつもりだったのに、4冊買ってしまいました。
結局、1冊増えてしまった……。
4287歩、3,1キロの散歩でした。


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冥土めぐり [本]

4月26日(木)
鹿島田真希『冥土めぐり』(河出書房新社)読了。

冥土めぐり (河出文庫)

冥土めぐり (河出文庫)

  • 作者: 鹿島田 真希
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2015/01/07
  • メディア: 文庫


奈津子は障害者の夫・太一と一泊の旅行に出かける。
行き先は区の保養所で、そこは子供の頃、両親・弟と行った高級リゾートホテルだった。
当時、奈津子の家は裕福だったが、父が病気になってから徐々に苦しくなっていった。
裕福だった時代を忘れられない母と弟は浪費をやめなかった。
そして、家計は破綻した。
母と弟は奈津子にたかり、奈津子が結婚相手に選んだ太一を貧しいと貶した……。

第147回芥川賞受賞作。
ネットで選評を読んでみたが、どの審査員も褒めていて、ほぼ満票に近かった。
が、僕には母と弟の言いなりになる奈津子のキャラクターについていけず、楽しめなかった。
『99の接吻』を併録。

昨日も昼に近所のスーパーに出かけただけだったので、1437歩、0,71メートルしか歩きませんでした。
これはまずい。
今日は天気もいいので、ぜひとも散歩に出かけたいと思います。
『無伴奏ソナタ』の稽古は順調に進んでいるようです。
僕も頑張らなくては!


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最後に手にしたいもの [本]

4月25日(水)
吉田修一『最後に手にしたいもの』(木楽舎)読了。

最後に手にしたいもの (翼の王国books)

最後に手にしたいもの (翼の王国books)

  • 作者: 吉田修一
  • 出版社/メーカー: 木楽舎
  • 発売日: 2017/10/02
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


小説家・吉田修一のエッセイ集。
ANA機内誌「翼の王国」に2012年9月から2016年9月まで連載したもの。

吉田修一氏の本はこれが27冊目。
吉田氏は本当によく旅をする。
この本の中で出かけた行き先は、北京、天津、台北、バンコク、パタヤ、香港、マカオ、ソウル、伊勢神宮、福岡、小倉、対馬、竹富島、浅草、パリ、ツェルマット、アンコール・トム、プノンペン、琴平などなど。
吉田氏の『悪人』『怒り』はともに李相日(リサンイル)監督が映画化した。
この本には『怒り』の完成報告会見の模様が書かれている。
原作者の目から見た俳優たちの様子がおもしろい。
自分の小説があんな豪華キャストで映画化されたら、そりゃあうれしいだろうなと思った。

昨日から稽古を休み、自宅に籠もって、夏の新作の執筆。
ついさっき、10場が書き上がりました。
これで全12場中10場まで完成。
あと2場!
あと2場です!
先週、この公演のチラシのデザインが確定しました。
ただ今、印刷中なので、まもなく公開になると思います。
ご期待ください!


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