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季刊高校演劇231号 [本]

5月31火(木)
黒羽英二他編『季刊高校演劇231号』(高校演劇劇作研究会)読了。

高校演劇コンクールの、2015年度全国大会で上演された脚本10作を収録した本。

特に印象に残ったのは、優勝校の大分県立大分豊府高校が上演した、中原久典『うさみくんのお姉ちゃん』。
教室を舞台にした高校生たちの物語だが、そこに1年生の弟と2年生の姉という関係を持ち込んだのがおもしろい。
劇中で「アンパンマンのマーチ」を歌うのだが、最初はおかしく、最後は切ない。
ちょっとクサい気もしたが、十分に楽しめた。
もう一つは、北海道札幌琴似工業高校定時制が上演した、鷲頭環『北極星の見つけかた』。
補習に呼ばれた5人の定時制の生徒が、みんなでラジオを作る話。
補習3日目にラジオが完成し、音楽が聞こえる場面がすばらしい。
これもラストがややクサい気がしたが、しっかり盛り上がった。
どちらも上演を見てみたかったなあ。

アルテメイト・プロデュース『おおきく振りかぶって/夏の大会編』の脚本第一稿、全12場中8場まで書き上がりました。
中盤のメインはやはり、主人公の三橋廉と阿部隆也。
前作で出来た関係に、徐々にズレが起こり始めます。
これが9場で以降、つまり終盤のクライマックスでどうなるかが、この2作目のキモ。
残り三分の一、頑張ります!

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ショコラ [映画]

5月31日(木)
ロシュディ・ゼム監督『ショコラ』(2015年)GEOのレンタルDVDで鑑賞。

ショコラ ~君がいて、僕がいる~ [DVD]

ショコラ ~君がいて、僕がいる~ [DVD]

  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • メディア: DVD


20世紀初頭のフランス。
フティット(ジェームス・ティエレ)は落ち目の道化師。
フランス北部の小さなサーカス団を訪れ、団長のオーディションを受けるが、古いと断られる。
そこで人食い族を演じていた黒人カナンガ(オマール・シー)に目をつけ、コンビを組もうと口説く。
「フティット&ショコラ」はサーカスを連日満員大入りにするほど話題を呼ぶ。
二人はパリの名門劇場ヌーヴォー・シルクに招かれ、パリ一番の人気者となる。
が、ショコラはギャンブルと麻薬に溺れていく……。

実話に基づいた映画。
友情を描いた映画かと思っていたが、フティットとショコラはあくまでも仕事の相棒で、友情と呼べるほどのものはない。
フティットはショコラの転落を止めない。
泣ける話ではないが、当時のフランスにおける黒人の立場をリアルに描いている。
オマール・シーは演技がうまくて、愛嬌があって、やっぱりいい俳優。
この映画で魅力的だった。

キャラメルボックス2018グリーティングシアター『無伴奏ソナタ』。
昨日から、長野県中信地区の高校を対象とした公演が始まりました。
10時の回と14時の回の、1日2ステージが続きます。
そして、6月2日(土)14時の回は、一般向けのステージ。
どなたでもご覧になれますので、ぜひぜひまつもと市民芸術館にお越しください。
お待ちしています。

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涙香迷宮 [本]

5月30日(水)
竹本健治『涙香迷宮』(講談社)読了。

涙香迷宮 (講談社文庫)

涙香迷宮 (講談社文庫)

  • 作者: 竹本 健治
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/03/15
  • メディア: 文庫


牧場智久は17歳で本因坊の座についた天才囲碁棋士。
対局のために湯河原に来たが、近くの旅館で起きた殺人事件に巻き込まれる。
死者は70代の男性で、背中をアイスピックで刺され、碁盤に突っ伏した状態で発見された。
つまり、囲碁の対局中に殺されたのだ!
一方、智久の彼女である女子高校生・武藤類子は、友人と「ミステリー・ナイト」というイベントに参加。
そこで、黒岩涙香研究家の麻生徳司と知り合いになる。
麻生はつい最近、茨城県で発見された、涙香の隠れ家の話をする。
発見のきっかけを作ったのは、なんと智久だと言う。
智久と類子は麻生に誘われ、涙香の隠れ家に向かう……。

「このミステリーがすごい!」2017年度第一位の小説。
明治時代に活躍した翻訳家・ジャーナリストの黒岩涙香が作った暗号を、天才棋士・牧場智久が解く。
その暗号というのが、涙香が作った48のいろは歌の中に隠されているというのだから凄い。
本文中に、48のいろは歌が延々と並んでいたのには唖然とさせられた。
よくもまあ、これだけ手の込んだ暗号を考えたものだ。
竹本健治氏はツイッター上で自作のいろは歌を何作も発表していたらしい。
まさに暗号小説の極限!
強くお薦めします。

今日はキャラメルボックス俳優教室の第一回セリフ発表会。
伊藤ひろみ、鍛治本大樹、石森美咲、石川彩織、矢野聖、山本沙羅らが見学に来てくれました。
生徒たちはかなり緊張していた様子。
しかし、果敢にギャグを入れ、楽しい芝居を見せてくれました。
やはり、16期生はレベルが高い!
この調子で、第二クールもさらに成長してほしいです。
頑張れ、16期生!

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季刊高校演劇176号 [本]

5月30日(水)
黒羽英二他編『季刊高校演劇176号』(高校演劇劇作研究会)読了。

2つ下の弟から、また『季刊高校演劇』を4冊借りました。
1冊目は、2004年の全国大会の戯曲を集めたもの。
前に晩成書房の戯曲選で読んだ、大垣ヤスシ『超正義のヒト』が収録されていました。
他に印象に残ったのは、溝口勲『チキン・カレー』。
女子高校生が車椅子のおばあちゃんの指示でチキンカレーを作る話。
1時間の芝居で、チキンカレーの調理を最初から最後まで見せるというアイディアがすばらしい。
人間のドラマもしっかり描かれていて、読み応えがありました。

アルテメイト・プロデュース『おおきく振りかぶって/夏の大会編』の脚本第一稿、全12場中7場まで書き上がりました。
今日は執筆をお休みして、キャラメルボックス俳優教室の授業へ。
第一回セリフ発表会を見に行くのです。
テキストは、4月頭から授業で練習してきた、『さよならノーチラス号』の1場。
今年の16期生はセリフがうまいので、とても楽しみ。
それでは行ってきます。

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成功者K [本]

5月29日(火)
羽田圭介『成功者K』(河出書房新社)読了。

成功者K

成功者K

  • 作者: 羽田圭介
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2017/03/09
  • メディア: 単行本


Kは30歳の小説家。
高校生の時にデビューし、長らく売れなかったが、30歳でついに芥川賞を受賞。
その後、テレビに出続けたことで、有名人になった。
どうせ騒がれるのは1、2カ月、その間は宣伝のために、来た仕事はできるだけ引き受けようと考えたのが、Kの成功の秘訣。
Kは自ら「成功者K」と名乗った。
サイン会に来た人の中で最も美しかった女性に連絡し、すぐにホテルでベッドイン。
恋人がいるにもかかわらず、Kは次々は美女をモノにしていった……。

羽田圭介氏の本はこれが10冊目。
羽田氏自身もモデルにした小説であることは明らかだが、どこまでが事実で、どこまでがフィクションなのかは不明。
しかし、テレビ業界の内幕は限りなくリアルで、自身の経験がとても役に立ったようだ。
キャラの金額まで明かす徹底ぶりには舌を巻いた。
とは言え、女性を容貌の美醜でしか考えない、Kの女性観は少々不快。
ラストを曖昧にしたのも残念だった。

キャラメルボックス2018グリーティングシアター『無伴奏ソナタ』のチームは、長野県松本市へ移動。
明日、5月30日から、学校公演が始まります。
これは、長野県中信地区の高校生すべてに見せるという企画で、5つの劇場で、全16ステージ、合計25の高校の生徒が対象です。
生徒の合計は13016人。
問題は、そのほとんどがキャラメルボックスのことを知らず、『無伴奏ソナタ』を見たくて見るわけではないということ。
そんな高校生たちが『無伴奏ソナタ』をどう受け取ってくれるのか。
受け取ってくれないのか。
とってもドキドキします。
『無伴奏ソナタ』のメンバーの健闘に期待します。
頑張れ、みんな!

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ライフ [映画]

5月29日(火)
ダニエル・エスピノーサ監督『ライフ』(2017年)GEOのレンタルDVDで鑑賞。

【Amazon.co.jp限定】ライフ (オリジナルカード付き) [DVD]

【Amazon.co.jp限定】ライフ (オリジナルカード付き) [DVD]

  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • メディア: DVD


地球の近くに浮かぶ国際宇宙ステーション。
医師のデビッド・ジョーダン(ジェイク・ギレンホール)、検疫官のミランダ・ノース(レベッカ・ファーガソン)、航空エンジニアのローリー・アダムス(ライアン・レイノルズ)、システム・エンジニアのショウ・ムラカミ(真田広之)、宇宙生物学者のヒュー・デリー(アリヨン・バカレ)、司令官のエカリーナ・ゴロフキナ(オルガ・ディホヴィチナヤ)の6人が乗っている。
火星から帰還したカプセルが到着。
火星で採取された土の中から、生きた単細胞生物が発見された。
初めて発見された地球外生命体には、「カルビン」という名がつけられる。
ヒューの操作によって、カルビンは徐々に成長していく……。

『エイリアン』+『ゼロ・グラビティ』といった感じの映画。
ジェイク・ギレンホールも真田広之も頑張っていたが、どうしても二番煎じという感じがして……。
レベッカ・ファーガソンは非常に美しかったが。

アルテメイト・プロデュース『おおきく振りかぶって/夏の大会編』の脚本第一稿、全12場中6場まで書き上がりました。
これでようやく半分!
今日は自宅に籠もって、続きを書きます。
先程、高3の息子が帰ってきました。
高校生は今、中間試験なのですね。
昼食を食べながら、今日の試験の出来を聞きたいと思います。

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すぐわかる作家別写真の見かた [本]

5月28日(月)
岡部昌幸『すぐわかる作家別写真の見かた』(東京美術)読了。

すぐわかる作家別写真の見かた

すぐわかる作家別写真の見かた

  • 作者: 岡部 昌幸
  • 出版社/メーカー: 東京美術
  • 発売日: 2005/02/01
  • メディア: 単行本


帝京大学文学部助教授の岡部昌幸が、写真の発明から現在までを、代表的な写真家を紹介しながら解説する。

紹介されている写真家は52人。
その中で印象に残ったのは、
ナダール(フランス、1820~1910)日本の第一回遣欧使節の写真を撮った。
イードウィアード・マイブリッジ(イギリス、1830~1904)馬の走る姿の連続写真を撮り、馬の走り方を解明した。
ルイス・キャロル(イギリス、1832~1893)『不思議の国のアリス』の作者で、少女の写真を撮りまくった。
ウィリアム・K・バートン(イギリス、1856~1899)設計技師として来日し、「浅草十二階」も設計した。
ピーター・ヘンリー・エマーソン(イギリス、1856~1936)自然主義写真を始めた。
などなど、ためになる話がいっぱい。

今日は10時より、キャラメルボックス俳優教室の授業。
16時より、歯医者。
17時より、高円寺にある日本劇作家協会の事務所へ行き、戯曲セミナー受講者のお一人が書いた戯曲について、書いた本人に1対1で指導。
この仕事は初めてやったのですが、劇作家を目指す若い人といろいろ話ができて、とても楽しかったと同時に、勉強にもなりました。
その方はその脚本を生まれて初めて書いたそうですが、僕の処女作より断然質が高く、おもしろかった。
ぜひ書き続けて、プロになってほしいです。

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象は忘れない [本]

5月27日(日)
柳広司『象は忘れない』(文藝春秋)読了。

象は忘れない

象は忘れない

  • 作者: 柳 広司
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2016/02/08
  • メディア: 単行本


新開純平は、福島県の、原発がある町の出身。
東京の専門学校を出た後、地元の原発関連企業で働いている。
電力会社の孫請けの孫請けだが、正社員だし、待遇もいい。
ところが、震災が起きて、何もかも変わってしまった。
純平は防護服を着て、原発施設に入って行かなければならなくなった。
三号機の圧力開放弁を手動で開ける「決死隊」だった。
出発の前、先輩社員は純平に「祈れ」と言った……。

柳広司氏の本はこれが24冊目。
東北の震災と原発事故を題材にした小説5つを収めた短編集で、上記は一つ目の『道成寺』。
柳氏はミステリ作家だが、この本はミステリではない。
このテーマで書かずにはいらなかったのだろう。
主人公は皆、福島で暮らす人々。
エンターテインメント性を極力排した、記録のような小説。

今日は13時より、西葛西にある、東京放送芸術&映画俳優専門学校のワークショップ。
今年度の3回目で、1年生の1回目。
39人の1年生と、3人の3年生が参加してくれました。
3年生は、1年生のお手本役。
今日のメニューは、シアターゲーム、発声練習、二人組朗読、台本練習。
シアターゲームは、カウントジャンプとジップ・ザップ・ボーイング。
発声練習は、腹式呼吸、音パス、母音法、リトミック。
二人組朗読のテキストは、宮沢賢治『注文の多い料理店』。
台本練習のテキストは、『不思議なクリスマスのつくりかた』の6場。
1年生は4月に入学したばかりなので、詳しく説明しながらやりました。
が、まだまだ映像演技の生徒が多く、
〇テンションが低い。感情量が小さい。声が小さい。
〇相手の演技を受けない。掛け合いにならない。
〇全体のリズムを考えない。
〇脚本の読解が表面的。
などなど、いっぱいダメ出ししました。
が、3年生がいいお手本になってくれて、彼らの演技と自分たちの演技を比較することで、きっと何かを得てくれたと思います。
3年生たちが本当に頼もしかった。
助手として参加してくれた、キャラメルボックスの元木諒も頼もしかった。
次回が楽しみです。

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パウル・クレー 絵画のたくらみ [本]

5月27日(日)
前田富士男+宮下誠『パウル・クレー 絵画の楽しみ』(新潮社とんぼの本)

パウル・クレー 絵画のたくらみ (とんぼの本)

パウル・クレー 絵画のたくらみ (とんぼの本)

  • 作者: 前田 富士男
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2007/01/24
  • メディア: 単行本


慶応大学文学部教授の前田富士男と、國學院大学文学部教授の宮下誠が、スイスの画家パウル・クレーの作品を解説する。

『もっと知りたいパウル・クレー』を読んで、この画家に興味を持った。
パウル・クレーの絵は抽象画に近く、何が描いてあるのか、よくわからない。
しかし、美しい。
この本の中で、前田富士男氏と宮下誠氏が、何が描いてあるかを解説してくれた。
が、それでもよくわからない。
正直言って、「ほんまかいな?」と思った。
スイスのベルンには、パウル・クレー・センターという、彼専門の美術館がある。
行ってみたいと思った。

アルテメイト・プロデュース『おおきく振りかぶって/夏の大会編』の脚本第一稿、全12場中、5場まで書き上がりました。
進みは順調で、枚数もあまり長くなっていません。
今日はこれから、西葛西にある、東京放送芸術&映画俳優専門学校のワークショップ。
久師父りに外出できて、うれしいです。
それでは行ってきます!

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彼女がエスパーだったころ [本]

5月26日(土)
宮内悠介『彼女がエスパーだったころ』(講談社)読了。


彼女がエスパーだったころ (講談社文庫)

彼女がエスパーだったころ (講談社文庫)

  • 作者: 宮内 悠介
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/04/13
  • メディア: 文庫


「わたし」は記者。
S県歌島のニホンザル「アグニ」が火を起こす方法を手に入れた。
ほぼ同時期に、日本中のニホンザルが同じように火を使えるようになった。
が、これは共時性の発現ではなかった。
歌島を脱出した「アグニ」が、日本中のニホンザルに伝えて回ったのだ。
やがて、ニホンザルによる、放火事件が日本中で発生するようになる。
人間たちは「アグニ」を捕獲しようとするが……。

宮内悠介氏の本はこれが8冊目。
記者が取材、または遭偶した6つの事件を描いた連作短編集で、上記は一つ目の『百匹目の火神』。
超常現象を扱っているが、その記述はきわめて科学的。
直木賞の候補になった、『ヨハネスブルクの天使たち』を思い出した。

夕方、近所の図書館分室に散歩してきました。
移動距離は3,6キロ。
この5日間の移動距離が合計で8,1キロ。
普段は1日3,5キロから5,5キロ移動するので、いかに歩かなかったかがわかります。
でも、体重は増えませんでした。
脚本を執筆していると、脳がエネルギーを大量消費するのでしょうね。
間食もしなかったし。
明日は久しぶりに外へ仕事に出かけます。
が、今夜はもう少し頑張らねば!

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