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身もフタもない日本文学史 [本]

10月31日(水)
清水義範『身もフタもない日本文学史』(PHP新書)読了。

身もフタもない日本文学史 (PHP新書)

身もフタもない日本文学史 (PHP新書)

  • 作者: 清水 義範
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2009/07/16
  • メディア: 新書


小説家の清水義範が、ざっくばらんな文章で、日本の文学史を語る。

清水義範氏の本を読むのはこれが4冊目。
清水氏は1947年生まれで、愛知教育大学を卒業。
国文学の専門家ではないと言いながら、日本文学史の名作の分析はきわめて正確で、納得できるものだった。
〇『源氏物語』は奇跡。
〇『枕草子』はセンス自慢。
〇吉田兼好は意地悪おじさん。
〇『土佐日記』『奥の細道』『坊っちゃん』などの紀行文学は悪口文学。
〇井原西鶴と近松門左衛門は庶民の文学を創始した。
〇現代の文章は夏目漱石が作った。
などなど。
これ一冊で、日本文学史がわかる。
とてもためになる本です。

11時より、キャラメルボックス2018クリスマスツアー『リトル・ドラマー・ボーイ』の第二回美術会議。
美術プランが概ね決まりました。
続けて、衣裳会議もあり、各役の衣裳プランも決定。
準備は着々と進んでいます。
で、17時より、稽古3日目。
4・5・6場の立ち稽古をしました。
わかっていたことですが、鍛治本大樹と阿部丈二は出ずっぱりで、大変そう。
6場でちょうど半分ですが、2人はほとんど舞台上にいます。
本番中、下痢になったらどうするのかしら。
食べ過ぎ飲み過ぎにはぜひとも注意してほしいです。



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アクアリウム [本]

10月30日(火)
篠田節子『アクアリウム』(集英社文庫)読了。

アクアリウム (集英社文庫)

アクアリウム (集英社文庫)

  • 作者: 篠田 節子
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2011/04/20
  • メディア: 文庫


長谷川正人は都内の市役所の職員で、趣味はスキューバダイビング。
友人の有賀純一が奥多摩の鍾乳洞の地底湖で消息を絶った。
警察は捜索を打ち切ったが、有賀の恋人の澪に頼まれ、正人は一人で地底湖に潜る。
そこで、全長3メートルの不思議な生物と出会った……。

篠田節子氏の本を読むのはこれが13冊目。
未知の生物の登場により、この小説はSFもしくはファンタジーということになると思うが、描写がきわめて現実的なため、甘さは全くない。
むしろ、ハードボイルドと呼びたくなるほど、乾いている。
後半、主人公の暴走により、ドラマは壮絶な様相を帯びる。
この壮絶さこそが、篠田氏の真骨頂なのだと思う。
それなりの覚悟で読むべし!

キャラメルボックス2018クリスマスツアー『リトル・ドラマー・ボーイ』の稽古2日目。
1・2・3場の立ち稽古をしました。
舞台美術がまだ決まっていないので、テーブルや椅子を仮の位置に置いて、稽古しました。
劇団員だけの稽古なので、スイスイ進んでいきます。
今週中にラストまで当たれちゃうかも?
頑張ります!

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日本の建築家はなぜ世界で愛されるのか [本]

10月29日(月)
五十嵐太郎『日本の建築家はなぜ世界で愛されるのか』(PHP新書)読了。

日本の建築家はなぜ世界で愛されるのか (PHP新書)

日本の建築家はなぜ世界で愛されるのか (PHP新書)

  • 作者: 五十嵐 太郎
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2017/05/16
  • メディア: 新書


東北大学大学院教授の五十嵐太郎が、世界で活躍する日本の建築家を紹介する。

取り上げられたのは、丹下健三、槙文彦、谷口吉生、黒川紀章、磯崎新、安藤忠雄、伊藤豊雄、山本理顕、高松伸、SANAA、坂茂、隈研吾、青木淳、アトリエ・ワン、阿部仁史、などなど。
こんなにたくさんの人が世界で活躍しているとはまるで知らなかったので、とてもためになった。
しかし、タイトルの「なぜ」に対する回答はなかった気がする……。

キャラメルボックス2018クリスマスツアー『リトル・ドラマー・ボーイ』、本日、稽古か始まりました。
第一稿の読み合わせ、上演時間は1時間42分。
実際に立ったら、プラス10分で、1時間52分くらいでしょうか。
今日は大内厚雄が欠席だったので、代わりに僕が読みました。
興奮しすぎて、喉を枯らしてしまいました。
でも、楽しかった!
でもでも、自分のセリフを読むのに必死で、他のみんなのセリフをあまり聞いてなかった!
まあ、キャラクターの調整は明日から始まる立ち稽古でじっくりやっていきます。
頑張ります!

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おまじない [本]

10月28日(日)
西加奈子『おまじない』(筑摩書房)読了。

おまじない (単行本)

おまじない (単行本)

  • 作者: 西 加奈子
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2018/03/01
  • メディア: 単行本


「けいちゃん」は小学生で、両親、兄二人、祖母と暮らしている。
兄のお下がりの半ズボンとジャージをはき、スカートはけっしてはかなかった。
小学5年の時、祖母が入院した。
同じ頃、胸が膨らみ始め、周囲の人に「かわいい」と言われるようになった。
「けいちゃん」はスカートをはくことにした……。
短編8つを収録した短編集で、上記は一つ目の『燃やす』。

西加奈子氏の本を読むのはこれが22冊目。
コメディからシリアスなロードムービーまで、様々なテイストの短編が集められている。
僕はコメディの『孫係』が一番楽しめた。

西葛西にある東京放送芸術&映画俳優専門学校のスペシャル公演『ブリザード・ミュージック』の小屋入り4日目。
本番2日目。
13時の回には、演出補をつとめてくれた真柴あずきが見に来てくれました。
1630の回には、同じく演出補をつとめてくれた白坂恵都子、日置なお、妻、高校3年の息子が見に来てくれました。
昨日の初日はミスの連発でしたが、今日は2ステージともミスが3箇所程度に減り、非常に完成度の高い芝居になりました。
特に1630の千秋楽は、テンションが上がり、すばらしい出来に。
スペシャル公演7年の中で、最高の芝居になったと思います。
この難しい作品をよくぞここまで仕上げてくれたものだと感動しました。
この公演に関わったすべての人に感謝したいです。
ありがとうございました。

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ミッキーたくまし [本]

10月27日(土)
西加奈子『ミッキーたくまし』(筑摩書房)読了。

ミッキーたくまし

ミッキーたくまし

  • 作者: 西 加奈子
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2009/06
  • メディア: 単行本


小説家・西加奈子のエッセイ集。
「webちくま」に2007年7月から2008年12月まで連載されたもの。

西加奈子氏の本を読むのはこれが21冊目。
「ミッキー」シリーズの第二巻で最終巻。
西氏は絵が達者なので、装画も挿絵も描いている。
中身は饒舌な大阪弁で、まるで『天国と地獄』か『ハンガリアン狂詩曲』のよう。
おもしろいけど、疲れるのはなぜ?

西葛西にある、東京放送芸術&映画俳優専門学校のスペシャル公演『ブリザード・ミュージック』の小屋入り3日目。
11時より止め通し稽古ということで、頭から2シーンずつ復習しました。
質はいよいよ高まり、ほぼノーミス。
上演時間は1時間52分。
1630より、本番初日。
ああ、残念なことに、半ば予想した通り、ミスの連発。
上演時間は3分も縮んで、1時間49分。
この芝居はハイスピードなのに1シーンが長いので、ミスが起きやすいのです。
10年ほど前、キャラメルボックス俳優教室の卒業公演でやった時も、全ステージ、ミスが多発。
「ああ、アマチュアのレベルでは、この芝居はできないのだな」と思い、以後、封印してきました。
が、今年の東京放送芸術&映画俳優専門学校の3年生ならできるかもしれないと思い、果敢に挑戦。
昼の止め通し稽古を見て、これなら行けるかもと思ったのですが。
しかし、ミスさえなければ、本当にいい芝居に仕上がっているのです。
何とか明日の2ステージで、ノーミスを成し遂げてほしい。
出演者たちの健闘に期待したいと思います。

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武士道ジェネレーション [本]

10月27日(土)
誉田哲也『武士道ジェネレーション』(文藝春秋)読了。

武士道ジェネレーション (文春文庫)

武士道ジェネレーション (文春文庫)

  • 作者: 誉田 哲也
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2018/09/04
  • メディア: 単行本


磯山香織は24歳。
高校時代からの親友・早苗の結婚式に出席する。
香織は大学進学後、桐谷道場の玄明先生が病気になったため、先輩で警察に勤める沢谷充也とともに、道場で教えるようになった。
香織の誘いで、早苗も先生の身の回りの世話をするように。
早苗は前から沢谷に憧れていたため、急接近。
そしてついに結婚ということになったのだ。
ところが、玄明先生が道場を閉鎖すると言い始めた。
香織は閉鎖には絶対反対で、何とか先生の気持ちを変えようとするが……。

『武士道』シリーズの6年ぶりの新作にして、完結編。
相変わらずのおもしろさで、見事な大団円を迎えた。
女子力ゼロの香織はやはり魅力的。
女同士の友情を描いて、これほど爽やかな小説はない。
お薦めです。

キャラメルボックス2018グリーティングシアター『ながれぼしのきもち』が、本日、秩父で大千秋楽を迎えます。
会場は秩父宮記念市民会館大ホールフォレスタ。
開演時間は14時です。
ご来場を心よりお待ちしています。

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名画美術館Ⅱ首都圏編 [本]

10月26日(金)
岡部昌幸『名画美術館Ⅱ首都圏編』(JTBパブリッシング)読了。

名画美術館II 首都圏編 (楽学ブックス―アート)

名画美術館II 首都圏編 (楽学ブックス―アート)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: ジェイティビィパブリッシング
  • 発売日: 2007/03/19
  • メディア: 単行本


世界の名画を収蔵している美術館を紹介するシリーズの第二巻で、首都圏編。

この本で見に行きたいと思ったのは、
〇ルネ・マグリット『大家族』がある宇都宮美術館
〇上村松園『序の舞』がある東京芸術大学大学美術館
〇伊藤若冲『群鶏図』がある宮内庁三の丸尚蔵館
〇葛飾北斎『富嶽三十六景 神奈川沖浪裏』がある太田記念美術館
などなど。
今まで展覧会ばかり見てきたが、収蔵品を公開している常設展にも足を運んでみようと思った。

西葛西のにある、東京放送芸術&映画俳優専門学校のスペシャル公演『ブリザード・ミュージック』の小屋入り2日目。
1300から通し稽古、1630からゲネプロを行いました。
やればやるほど成長が見られ、うれしい限り。
ゲネプロは、いくつか惜しいミスがあったものの、全体的には非常に質の高い芝居になりました。
この時点で、スペシャル公演の過去の6本を越える芝居になったのではないかと思います。
まあ、お客さんが入ってみないと、わかりませんが。
明日は止め通しをやった後、いよいよ本番!
お客さんの反応が楽しみでなりません。
でも、その前に止め通しでさらなる向上を図ります。
頑張ります!

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儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇 [本]

10月25日(木)
ケント・ギルバート『儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇』(講談社+α新書)読了。

儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇 (講談社+α新書)

儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇 (講談社+α新書)

  • 作者: ケント・ギルバート
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/02/21
  • メディア: 新書


弁護士・タレントのケント・ギルバートが、中国と韓国の国民性を批判する。

中国と韓国の、日本に対する理不尽な高姿勢は本書に書いてある通りだと思う。
が、その批判の仕方がまさに悪口雑言で、「何もそんな言い方をしなくても」と思ってしまった。
右の人も左の人も、なぜ反対勢力を批判する時は感情的な言葉になってしまうのか。
もっと冷静に語れないのか。
残念でならない。

西葛西にある東京放送芸術&映画俳優専門学校のスペシャル公演『ブリザード・ミュージック』の小屋入り1日目。
装置や照明はスタッフの皆さんが先週から作業をしてくださったおかげで、準備万端。
1100から、場当たりを開始しました。
きわめて順調に進み、1615に終了。
その後は1場と2場を稽古しました。
明日は通し稽古とゲネプロ。
つまり、2回通します。
土日の本番に向けて、徹底的に稽古します。
スペシャル公演史上、最高の芝居を目指して、頑張ります。

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もっと知りたいバーン=ジョーンズ [本]

10月24日(水)
川端康雄+加藤明子『もっと知りたいバーン=ジョーンズ』(東京美術)読了。

もっと知りたいバーン=ジョーンズ―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)

もっと知りたいバーン=ジョーンズ―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)

  • 作者: 川端 康雄
  • 出版社/メーカー: 東京美術
  • 発売日: 2012/06/30
  • メディア: 単行本


19世紀後半に活躍したイギリスの画家バーン=ジョーンズの生涯と作品を解説する。

エドワード・コーリー・バーン=ジョーンズは1833年、イギリスのバーミンガム生まれ。
父は鍍金・額縁製造業。
1853年、オックスフォード大学エクセター・コレッジに入学。生涯の友人ウィリアム・モリスと出会う。
1856年、モリスと雑誌を創刊。ラファエル前派の画家ロセッティやラスキンと知り合う。
1861年、絵画・彫刻・家具・装飾における美術職人集団「モリス・マーシャル・フォークナー照会」の設立に参加。タイル画、ステンドグラス、タペストリーなどのデザイン画を描く。
1864年、ウォーターカラー協会の準会員となり、画家としてデビュー。古典や伝説を題材にした数々の名作を描き、第二期ラファエル前派として活躍。
1898年、65歳で死去。
代表作は、『ピュリスとデモポーン』『欺かれるマーリン』『ピグマリオンと像』『黄金の階段』『赦しの樹』『コフェチュア王と乞食の娘』『運命の車輪』『薔薇の部屋』などなど。
昔の少女マンガの絵みたいだなと思ったが、逆なのだ。
昔の少女マンガ家たちが、バーン=ジョーンズの影響を受けたのだ。
ラファエル前派の画家たちが描く女性は、どれもみな途轍もなく美しい。
バーン=ジョーンズなら、『ピグマリオンと像』のガラテアがナンバーワンだと思う。
ミレイのオフィーリアの方が好きだけど。

キャラメルボックス2018クリスマスツアー『リトル・ドラマー・ボーイ』の脚本第一稿が今朝未明、書き上がってしまいました!
やったー!
昨日・一昨日の2日間で、一気に9・10・11・12場の4シーンを書いてしまったのです。
10月10日に書き始めて、2週間。
途中、ワークショップなどで書けない日もあったので、実質9日間。
これは僕の57年の人生の中でも、最速のスピードです。
とは言っても、矛盾や書き漏らしなど、様々な問題があるので、すぐに書き直しに取りかかります。
今日は15時より、『リトル・ドラマー・ボーイ』の第一回美術会議。
第一稿完成を報告し、こんな装置がほしい、と説明。
いろいろ話し合って、後は美術家の松井るみさんがプランを考えてくることになりました。
松井さんは『ティアーズライン』以来なので、とても楽しみです。
1730より、東京放送芸術&映画俳優専門学校のスペシャル公演『ブリザード・ミュージック』の第五回通し稽古。
「久慈」役の生徒が急病で入院したため、急遽、アンダースタディの生徒が代役で出演。
それが決まったのは昨日の夜でしたが、たった1日でセリフと動きを入れて、見事に演じていました。
凄い凄い凄い!
芝居自体も、前に見た第二回通し稽古より格段によくなっていました。
上演時間は1時間51分21秒。
テンポもちょうどよかった。
明日から本番の会場となる、一階スタジオへ移動。
明日は丸一日かけて、場当たりです。
土曜の本番初日まで、まだまだ頑張りますよ!

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風と共にゆとりぬ [本]

10月23日(火)
朝井リョウ『風と共にゆとりぬ』(文藝春秋)読了。

風と共にゆとりぬ

風と共にゆとりぬ

  • 作者: 朝井 リョウ
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2017/06/30
  • メディア: 単行本


小説家・朝井リョウの、『時をかけるゆとり』に続く、二冊目のエッセイ集。

朝井リョウ氏の本を読むのはこれが13冊目。
『時をかけるゆとり』はまだしも、『風と共にゆとりぬ』では、もはや日本語になってないではないかと思ったが、これは朝井氏の遊び心の現れ。
さくらももこさんのエッセイ集が大好きで、ああいうバカバカしいものが書きたかったのだと言う。
巻末の書き下ろしの『肛門記』は、作者自身の「痔瘻(じろう)」手術の体験記。
細かくて、痛そうで、おかしくて、実によくできていた。
お薦めです。

キャラメルボックス2018クリスマスツアー『リトル・ドラマー・ボーイ』の脚本第一稿、全12場中、10場まで書き上がりました。
あと2場! たったの2場!
こいつはもしかして、29日の稽古開始までに間に合ってしまう?
いやいや、明日24日の夕方からは、東京放送芸術&映画俳優専門学校のスペシャル公演の本番が始まってしまうので、丸一日、執筆に当てられるのは今日まで。
正確には、明日の昼過ぎまでです。
完成の可能性は低いけど、あと2場、頑張って書きます。
頑張ります!

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