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バッタを倒しにアフリカへ [本]

9月23日(月)
前野ウルド浩太郎『バッタを倒しにアフリカへ』(光文社新書)読了。

バッタを倒しにアフリカへ (光文社新書)

バッタを倒しにアフリカへ (光文社新書)

  • 作者: 前野ウルド浩太郎
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2017/05/17
  • メディア: 新書


国際農林水産業研究センター研究員で昆虫学者の前野ウルド浩太郎が、モーリタニアにおけるサバクトビバッタの研究を語る。

普通200ページ前後の新書では珍しい、全378ページの大著。
専門用語ナシで、自身の研究をエッセイふうに語る。
達者な文章に、写真もふんだんに載せて、とにかく無類のおもしろさ。
ベストセラーになったのもうなずける。
しかし、この本の中では、前野氏はまだバッタを倒していない。
その直前で終わっている。
何としても続きが読みたい。
続編を熱望する。
が、この本ももちろんお薦め!

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花の下にて春死なむ [本]

9月22日(日)
北森鴻『花の下にて春死なむ』(講談社文庫)読了。

花の下にて春死なむ (講談社文庫)

花の下にて春死なむ (講談社文庫)

  • 作者: 北森 鴻
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2001/12/14
  • メディア: 文庫


飯島七緒はフリーライターで、俳句結社「紫雲律」に参加している。
ある日、仲間の老人・片岡草魚が死ぬ。
本名は片岡正のはずだったが、名前も本籍地もすべてデタラメだった。
片岡は一体何者だったのか?
七緒の行きつけのビア・バー「香菜里屋」のマスター・工藤に話すと、片岡の出身地は山口県ではないかと言う。
バーに来た時の話ぶりでわかったと言う。
七緒はすぐに山口に向かった……。

日本推理作家協会賞短編および連作短編集部門受賞作。
ビア・バー「香菜里屋」を舞台にした6つの短編を収録。
やはり表題作の『花の下にて春死なむ』が抜群に良い。
その後日談である『魚の交わり』もあって、さらに楽しめた。
ビア・バー「香菜里屋」を舞台にした作品は他に3作もあるらしい。
気になる気になる。


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人工知能と経済の未来 [本]

9月21日(土)
井上智洋『人工知能と経済の未来』(文春新書)読了。

人工知能と経済の未来 2030年雇用大崩壊 (文春新書)

人工知能と経済の未来 2030年雇用大崩壊 (文春新書)

  • 作者: 井上 智洋
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2016/07/21
  • メディア: 新書


駒澤大学経済学部准教授の井上智洋が、人工知能の発達による近未来の経済の変動を予測する。

現在のAI(人工知能)は、一種目に特化したものだが、汎用AIが開発されると、その能力は人間を越えるため、人間の雇用にとってかわるようになる。
それがおそらく2030年からで、第四次産業革命の元年となる。
2045年、人間の90パーセントは、仕事を失う。
その時、社会はどのように変わるべきなのか?
遠い未来のように感じられるが、2030年はわずか11年後、2045年は26年後に過ぎない。
すぐそこまで迫っているのだ。
人類誕生以来、最大の変化がまもなく訪れる。
楽しみなような、恐ろしいような。
まずはこの本を読んで、心構えをしておこう。
お薦めです。

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クロコダイル・ダンディ [映画]

9月21日(土)
ピーター・フェイマン監督『クロコダイル・ダンディ』(1986年)netflixで鑑賞。

クロコダイル・ダンディ [DVD]

クロコダイル・ダンディ [DVD]

  • 出版社/メーカー: パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン
  • メディア: DVD


スー(リンダ・コズラウスキー)はNYの大新聞社の社主の娘で、記者。
オーストラリアの奥地へ、ワニに襲われたのに生還した男、マイケル・クロコダイル・ダンディー(ポール・ホーガン)を取材に行く。
ダンディは友人のライリー(ジョン・マイロン)とともに、探検ガイドをしていた。
スーはダンディとともに、ブッシュへ出かける。
ダンディの純朴さと逞しさに惹かれたスーは、彼をNYに招待する……。

公開当時、非常に話題になった映画だが、僕は見逃していた。
33年ぶりに見て、人気の理由がよくわかった。
映画の中でも「ターザンみたい」というセリフがあったが、現代版の、とてものんびりしたターザンなのだ。
タバコ・酒・暴力の3点セットで、普通なら粗暴な田舎者にすぎないのに、愛嬌があって憎めない。
ダンディ役のポール・ホーガンはオーストラリアのコメディアン兼俳優で、この映画では原案・脚本・製作も兼ねている。
この映画でゴールデングローブ賞主演男優賞(コメディ・ミュージカル部門)を受賞。
相手役のリンダ・コズラウスキーと結婚した。
さらに続編も作られた。
大成功の作品だが、映画としての出来は60点かな。

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メビウス・レター [本]

9月20日(金)
北森鴻『メビウス・レター』(講談社文庫)読了。

メビウス・レター (講談社文庫)

メビウス・レター (講談社文庫)

  • 作者: 北森 鴻
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2001/02/15
  • メディア: 文庫


阿坂龍一郎は独身の作家で、烏丸芳江という秘書が雇えるほどの売れっ子。
ある日、阿坂の元に一通の手紙が届く。
それは、10数年前に自殺した高校生へあてたものだった。
その高校生は男子で、美術室で焼身自殺した。
手紙の作者は死者の友人で、その死が他殺ではないかと疑い、調査を開始した。
そして、その途中経過を、死者に手紙で書き送っていた。
その手紙が、なぜか阿坂に送られてきたのだ。
第二・第三の手紙が送られてくるうちに、阿坂が追い詰められていく……。

北森鴻氏の本を読むのは、これが初めて。
北森氏は1961年、山口県生まれ。
駒澤大学文学部を卒業後、1995年に『狂乱廿四孝』が鮎川哲也賞を受賞してデビュー。
1999年『花の下にて春死なむ』で、日本推理作家協会賞短編部門受賞。
2010年、心不全で死去。享年48歳。
僕と同い年で、既に亡くなっているというのが驚き。
この作品では非常に複雑なプロットを上手にまとめ上げ、クライマックスでは2回の大逆転を仕掛けるなど、実に巧い作家だと思った。
他の本も読んでみたい。

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おみおくりの作法 [映画]

9月20日(金)
ウベルト・パゾリーニ監督『おみおくりの作法』(2013年)GYAOで鑑賞。

おみおくりの作法 [DVD]

おみおくりの作法 [DVD]

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • メディア: DVD


ロンドン市ケニントン地区の民生係、ジョン・メイ(エディ・マーサン)は、身寄りのない死者の葬儀を行うのが仕事。
遺品から身元を調査して、関係者に葬儀の日時を知らせる。
が、大抵は無視されて、一人で葬儀を行っていた。
彼の丁寧な仕事ぶりに、上司は「時間と経費がかかりすぎる」と解雇を通告。
ジョンはその時抱えていた最後の仕事で失職することになる。
それは、彼の向かいのアパートに住んでいた、ビリー・ストークという男だった……。

原題は『STILL LIFE』。
アキ・カウリスマキ監督の映画のように、きわめて静かに淡々と進んでいく。
が、ジョン・メイの、不器用だがまじめな生き方に、徐々に感情移入していく。
後半登場するビリーの娘ケリー(ジョアンヌ・フロガット)が美しかった。
ラストは何とも悲しいが、この終わり方で正解なのだろう。
僕ならハッピーエンドにするが。

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黒板アート甲子園作品集 [本]

9月19日(木)
日学株式会社『黒板アート甲子園作品集』(日東書院)読了。

黒板アート甲子園作品集 高校生たちの消えない想い

黒板アート甲子園作品集 高校生たちの消えない想い

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 日東書院本社
  • 発売日: 2018/09/16
  • メディア: 大型本


黒板メーカーの日学株式会社が主催する、黒板アート甲子園の上位入賞校の作品集。

黒板アート甲子園は2015年にプレ大会が行われ、2016年が第一回大会。
この本には、第一回から第三回までの作品が収録されている。
最優秀賞が1校、優秀賞が3校、その他の入賞が10~15校。
さすがに上位4校は凄い。
埼玉県立大宮光陵高校は、第一回が最優秀章、第二回が優秀賞、第三回が最優秀賞。
現在の実力日本一と言っていいだろう。
この本の表紙は、大宮光陵の第一回の作品。
センス抜群だ。
中にはあまりうまくないものもあったが、青春の記録として、とても貴重だと思った。
この大会、これから先も続いてほしい。

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タイム・トラップ [映画]

9月19日(木)
マーク・デニス+ベン・フォスター監督『タイム・トラップ』(2018年)netflixで鑑賞。

タイム・トラップ [DVD]

タイム・トラップ [DVD]

  • 出版社/メーカー: Happinet
  • メディア: DVD


アメリカ。
考古学者のホッパー教授は、「若返りの泉」があると伝えられる洞窟に入る。
ホッパーの両親と妹は、その洞窟で数十年前に行方不明になっていた。
そして、3日が経つ。
ホッパーのゼミの学生のジャッキーとテイラーは、ホッパーを助けるため、友人たちと洞窟に入る。
その洞窟では、地上よりゆっくりと時間が流れていた……。

タイムトラベルものの一種なので、見てみた。
発想はいいが、話の進み方が遅くて、ちょっとイライラした。
洞窟の秘密の原因が一切説明されないのも、ちょっと不満。
しかし、後半、いきなり急展開して、俄然おもしろくなった。
ラストもお見事。
というわけで、またしても掘り出し物に出会ったというわけだ。

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世界のことばアイウエオ [本]

9月18日(木)
黒田龍之助『世界のことばアイウエオ』(ちくま文庫)読了。

世界のことば アイウエオ (ちくま文庫)

世界のことば アイウエオ (ちくま文庫)

  • 作者: 黒田 龍之助
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2018/05/10
  • メディア: 文庫


神田外語大学特任教授の黒田龍之助が、世界の言語100を紹介したエッセイ集。

聞いたこともない言語が次々と出てきて、おもしろかった。
〇アムハラ語→エチオピアの言葉。
〇ウォロフ語→セネガル、ガンビア、モーリタニアの言葉。
〇ウルドゥー語→パキスタンの言葉。
〇カシューブ語→ポーランド北部の言葉。
〇コサ語→南アフリカ共和国の言葉。
日本は国名と言語名が一致しているが、そうでない国も多いのだ。
世界には3000~5000の言語があるらしい。
そして徐々に減ってきているらしい。
僕は中高大と英語が苦手で、今も全くしゃべれない。
それだけに外国語への憧れが強く、田からこの本も読んだ。
57歳、今からでも遅くないかな?

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キリング・ミー・ソフトリー [映画]

9月18日(水)
チュン・カイコー監督『キリング・ミー・ソフトリー』(2001年)netflixで鑑賞。

キリング・ミー・ソフトリー [DVD]

キリング・ミー・ソフトリー [DVD]

  • 出版社/メーカー: 東芝デジタルフロンティア
  • メディア: DVD


ロンドン。
ウェブ・デザイナーのアリス(ヘザー・グラハム)は彼氏と同棲中だったが、出勤途中で出会った男に一目惚れしてしまう。
男はアダム(ジョセフ・ファインズ)。
登山家で、ヒマラヤの遭難事故から奇跡的に生還した英雄だった。
アリスは彼氏を捨てて、アダムの部屋に転がり込む。
しかし、その直後から、彼の部屋に無言電話がかかり、彼を中傷する手紙が届き始める。
手紙には、アダムはレイプ魔だと書かれていた……。

サスペンスとしては中程度の出来だが、ヒロインに感情移入できないのが辛い。
ただの淫乱女にしか見えないのだ。
ヘザー・グラハムはとても美しかったが。

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