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すきっていわなきゃだめ? [本]

7月31日(金)
辻村深月『すきっていわなきゃだめ?』(岩崎書店)読了。

恋の絵本 (2) すきって いわなきゃ だめ?

恋の絵本 (2) すきって いわなきゃ だめ?

  • 出版社/メーカー: 岩崎書店
  • 発売日: 2019/05/21
  • メディア: 単行本


小学生の恋愛を描いた絵本。
ストーリーの説明は残念ながら不可能。
どう書いても、ネタバレになってしまうのだ。

辻村深月さんの本は34冊目。
フリーライターの瀧井朝世氏の編集による「恋の絵本」シリーズの第二巻。
文章は辻村さんで、絵は今日マチ子氏。
昨日、稽古場で辻村さんにお会いした時、この本を読んだことをお話ししたら、喜んでくださった。
辻村さんの作品らしく、非常に巧みな仕掛けがしてあって、ストーリーが説明できない。
が、この仕掛けが仕掛けだけで終わらず、作品のテーマそのものに深く関わっている。
最後まで読むと、もう一度最初から読み直したくなる。
実際、僕もそうした。
ベストセラーとなり、映画化もされた、乾くるみ『イニシエーション・ラブ』の絵本版とでも言うか。
とにかく、一人でも多くの人に読んでほしい傑作。
お薦めです。

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サランラップのサランって何? [本]

7月30日(木)
金澤伸幸『サランラップのサランって何?』(講談社文庫)読了。

サランラップのサランって何? 誰かに話したくてしかたなくなる“あの名前”の意外な由来 (講談社文庫)

サランラップのサランって何? 誰かに話したくてしかたなくなる“あの名前”の意外な由来 (講談社文庫)

  • 作者: 金澤信幸
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2015/05/08
  • メディア: Kindle版


フリー編集者の金澤伸幸が、商品名やブランド名など、様々な名前の由来を解説する。

〇サランラップ→開発者2人の奥さんの名前「サラ」「アン」の合成。
〇ククレカレー→「クックレス」(調理しない)
〇東武東上線→「東京」と「上州」を結ぶ線。
〇ジュンク堂書店→社長の父の名前「工藤淳」を引っ繰り返した。
〇ロサンジェルス・ドジャース→「ドジャー」(ひらりとよける人)
〇桜美林大学→アメリカ・オハイオ州「オベリン大学」
〇江戸川橋→神田川の早稲田から飯田橋の間は昭和40年まで「江戸川」と呼ばれていた。
などなど、僕にとって初耳の話がいっぱいで楽しめた。
お薦めです。

ナッポス・ユナイテッド『かがみの孤城』の稽古4日目。
稽古前に稽古場で、原作者の辻村深月さん、主演の生駒里奈さん、僕の3人でパンフレットの鼎談の収録。
辻村さんからお土産として、『かがみの孤城』の原作本と、同作のコミックスをいただきました。
ありがたや、ありがたや。
その後、辻村さんは稽古を見学してくださいました。
稽古は4~6場の立ち稽古。
動きは役者任せなのですが、みんないろいろ工夫して動いてくれて、大助かり。
スタートは順調です。

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バービー [映画]

7月30日(木)
イ・サンウ監督『バービー』(2012年)GYAOで鑑賞。

バービー [DVD]

バービー [DVD]

  • 出版社/メーカー: マクザム
  • 発売日: 2014/02/28
  • メディア: DVD


イ・スニョン(キム・セロン)は11歳で、病弱な妹のスンジャ、知的障害者の父マンウと3人暮らし。
叔父のマンテクが経営する民宿を手伝いながら、妹と父の面倒を見ている。
生活費は、スニョンが授業中に内職で作るストラップを、スニョン自身が売ることで得ていた。
ある日、アメリカ人のスティーブと、その娘バービーを、叔父が連れてくる。
スティーブはスニョンを養女にしたいと言う……。

『アジョシ』『私の少女』『守護教師』のキム・セロンの主演作。
2000年生まれなので、撮影当時は12歳。
セロンは2009年、9歳の時から子役としての活動を始め、同年、『冬の小鳥』で映画初主演。
天才子役と評判になり、カンヌ国際映画祭に韓国の俳優史上最年少で招待された。
2010年、『アジョシ』で大韓民国映画大賞新人女優賞を史上最年少で受賞。
2014年、『私の少女』で青龍映画賞新人女優賞を受賞。
『バービー』でも健気な少女を巧みに演じているが、非常にナチュラルな演技で、あざとさがないのがいい。
映画自体は脚本の質が低く、チープな作りで、残念な出来。
キム・セロンが救いだった。

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セロン2.jpg

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やさしい魔女の救いかた [本]

7月29日(水)
井上悠宇『やさしい魔女の救いかた』(ライン文庫)読了。

やさしい魔女の救いかた (LINE文庫)

やさしい魔女の救いかた (LINE文庫)

  • 作者: 悠宇, 井上
  • 出版社/メーカー: LINE
  • 発売日: 2019/11/05
  • メディア: 文庫


四方司(よもかたつかさ)は高校1年生で、あだ名は「べんごし」。
常に六法全書を携帯し、読み返している。
ある日、同学年の真條(まじょう)ティナに呼び出され、弁護を依頼される。
ティナは魔女で、魔女裁判にかけられると言う。
魔女裁判の有罪率は100パーセント。
司はティナが魔女裁判にかけられるのを事前に阻止するため、活動を開始する……。

井上悠宇氏の本は『誰も死なないミステリーを君に』『誰も死なないミステリーを君に2』に続いて3冊目。
ライン文庫とは、スマートフォンで気軽に無料で小説が読めるアプリ「LINEノベル」に発表された小説を書籍化したもの。
中身は甘いライトノベルを想像していたが、いやいやとんでもない!
非常に質の高いファンタジーであり、ミステリーだった。
理由はそのロジカルさ。
この作品では、魔女について、魔女裁判について、きわめてロジカルに考察している。
見た目に騙されてはいけない。
お薦めです。

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「コミュ障」だった僕が学んだ話し方 [本]

7月28日(火)
吉田照美『「コミュ障」だった僕が学んだ話し方』(集英社新書)読了。

「コミュ障」だった僕が学んだ話し方 (集英社新書)

「コミュ障」だった僕が学んだ話し方 (集英社新書)

  • 作者: 吉田 照美
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2017/12/15
  • メディア: 新書


フリー・アナウンサーの吉田照美が、自身の経験を元に、しゃべり方、聞き方、言葉遣いなどのコミュニケーション術を伝授する。

吉田照美氏は1951年、東京都葛飾区生まれ。
早稲田大学政経学部に入学し、放送研究会に入部。
卒業後、文化放送にアナウンサーとして入社。
『セイ!ヤング』『吉田照美の夜はこれから/てるてるワイド』『夕やけにゃんにゃん』『ぴったしカン・カン』などのパーソナリーティー・司会で活躍。
僕は中学高校時代、勉強中によくラジオを聞いていて、『吉田照美の夜はこれから/てるてるワイド』は大好きだった。
1988年か89年の頃、ラ・フォーレ原宿で行なわれたトークショーにゲスト出演したが、その時の司会が照美さんだった。
それから一度もお会いしていないが、たった一度の共演から、ずっと親近感を持ち続けている。
経歴を見れば、明らかにエリートだが、ご本人は自分の声・話術に全く自信がないようで、「うまく話そうしなくていい」と力説する。
また、久米宏氏、古館伊知郎氏は天才プラス努力の人、ものもんた氏は本物の天才と断言する。
そ、そうだったのか……。
わかりやすく、タメになる本。
お薦めです。

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かごの中の瞳 [映画]

7月27日(月)
マーク・フォースター監督『かごの中の瞳』(2016年)Netflixで鑑賞。

かごの中の瞳[Blu-ray]

かごの中の瞳[Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2019/04/17
  • メディア: Blu-ray


タイ・バンコク。
ジーナ(ブレイク・ライブリー)は保険会社に勤める夫ジェームズ(ジェイソン・クラーク)と二人暮らし。
子供の時、交通事故で視力を失ったが、ジェームズのおかげで何不自由なく暮らしている。
ある日、医師から、右目は角膜移植で視力が回復すると言われる。
早速手術を受け、視力が0,4まで回復する。
ジーナは一人で自由に行動するようになり、ジェームズは次第に苛立ち始める……。

『プーと大人になった僕』(2018年)
『ワールド・ウォーZ』(2013年)
『007/慰めの報酬 』(2008年)
『主人公は僕だった』(2006年)
『ネバーランド』(2004年)
『チョコレート』(2001年)
マーク・フォースター監督の映画はこれが上記に続いて7本目。
間違いなく力のある監督だが、これは今一つ。
ヒロインの目から見た景色を映像化するシーンが多いのだが、それに現実感がなく、かつしつこい。
美しかったブレイク・ライブリーも、容色の衰えが目立った。
残念。

かごのimages.jpg

0930より、キャラメルボックス俳優教室本科の授業。
1300に終了して、急ぎ帰宅。
1400より、『かがみの孤城』の稽古初日の顔合わせ、読み合わせ。
なんと、ZOOMで!
顔合わせは、
①プロデューサー・仲村和生の挨拶
②キャスト自己紹介
③スタッフ紹介
④プロデューサーより、新型コロナ対策の説明
⑤脚本演出・成井豊の挨拶
10分間の休憩後、読み合わせ。
ZOOMのため、終始ロー・テンションで、予想していた上演時間1時間50分を大幅に越え、なんと2時間20分!
10分間の休憩後、親睦会。
各自が飲み物・食べ物を用意して、カメラ越しにおしゃべりしました。
明日は稽古場で、2回目の読み合わせ。
今度は1時間50分を目指したいと思います。
頑張ります!

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まっくろいたちのレストラン [本]

7月27日(月)
島本理生『まっくろいたちのレストラン』(岩崎書店)読了。

恋の絵本 (3) まっくろいたちのレストラン (恋の絵本 3)

恋の絵本 (3) まっくろいたちのレストラン (恋の絵本 3)

  • 出版社/メーカー: 岩崎書店
  • 発売日: 2020/05/15
  • メディア: 単行本


まっくろいたちは独り暮らし。
大きな牙が生えている。
誰が訪ねてきてもいいように、食べ物をたくさん用意したが、誰も来ない。
「いっそ、レストランでも開いてみるか」
レストランはすぐに有名になった。
まっくろいたちは客が怖がらないように、いつも背を向けていた。
ある晩、谷の向こうのお嬢様がやってきた……。

島本理生氏の本はこれが24冊目。
瀧井朝世編「恋の絵本」、というシリーズの1冊で、絵は平岡瞳氏。
女性小説家が文章を書く絵本のシリーズで、辻村深月さんも書いているようだ。
で、『まっくろいたちのレストラン』だが、話も絵もすばらしく、思いがけなく感動してしまった。
すぐに、絵本好きにも妻にも読んでもらった。
おもしろかったと言ってくれた。
今年出たばかりの絵本だが、良い絵本は息が長いので、きっと読まれ続けていくと思う。
お薦めです。

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新聞記者 [映画]

7月26日(日)
藤井道人監督『新聞記者』(2019年)WOWOWで鑑賞。

新聞記者 [Blu-ray]

新聞記者 [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2019/11/22
  • メディア: Blu-ray


吉岡(シム・ウンギョン)は東都新聞の社会部記者。
ある日、編集部に、羊のイラストが描かれた、匿名のFAXが届く。
そこには、大学新設計画に関する極秘情報が書かれていた。
一方、内閣情報調査室の杉原(松坂桃李)は、世論を操作するため、SNSに匿名でフェイク・ニュースを流す仕事に疑問を抱いていた。
ある夜、元上司の神崎(高橋和也)と食事をして、酔っ払った神崎を自宅に送り届ける。
数日後、神崎はビルの屋上から飛び降りてしまう……。

東京新聞記者・望月衣塑子によるベストセラーを原案にした政治サスペンス。
『怪しい彼女』『サニー』のシム・ウンギョンが目的で見てみた。
彼女の役は、日韓ハーフという設定で、日本語があまりうまくないことはカバーされていた。
が、その役が日韓ハーフである必要性は全くなく、日本人役で、日本人の女優がもっと流暢にしゃべれば、もっと迫力が出たと思う。
とは言え、シム・ウンギョンはやはり演技が達者で、セリフはたどたどしいものの、リアルな記者を体現していた。
問題は脚本で、内閣情報調査室がフェイク・ニュースを流すとか、新設大学の目的が生物兵器の開発だとか、ここはアメリカかよ、という現実感のなさ。
演出も、カメラを必要以上に揺らしたり、内閣情報調査室を薄暗くしすぎたりして、やはり現実感を削いでいた。
これが日本アカデミー賞作品賞とはビックリ。

シム.jpg

午前は1週間ぶり、34回目のジョギング。
3,5キロ走り、1,7キロ歩きました。
3,5キロのタイムは、20分20秒。
またしても、前半飛ばしすぎて、後半失速してしまいました。
午後は執筆。
ようやく筆が乗ってきて、昨日今日で10ページ書き進むことができました。
いよいよ明日から、『かがみの孤城』の稽古開始。
楽しみで楽しみで仕方ありません。
頑張るぞ!

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五声のリチェルカーレ [本]

7月26日(日)
深水黎一郎『五声のリチェルカーレ』(創元推理文庫)読了。

五声のリチェルカーレ (創元推理文庫)

五声のリチェルカーレ (創元推理文庫)

  • 作者: 深水 黎一郎
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2010/01/30
  • メディア: 文庫


森本は家庭裁判所の調査官。
14歳の少年が殺人を犯し、森本が調査を担当することになった。
少年は昆虫が大好きで、大人顔負けの知識を持っていたが、犯行の動機についてはけっして口にしようとしなかった。
少年は中学1年の時、壮絶なイジメを受けていた。
父親の仕事の都合で、2年になる時、関西に転校。
イジメを警戒していたが、そこで初めて、自分と同じ昆虫好きの同級生と出会う……。

深水黎一郎氏の本はこれが16冊目。
229ページの『五声のリチェルカーレ』と、45ページの『シンリガクの実験』を収録した本で、上記へはもちろん『五声のリチェルカーレ』。
イジメを題材にしたミステリーで、最後で明らかになる犯行動機には驚かされた。
しかし、イジメの小説はもう食傷気味で、イジメの場面はひたすら不快だし、読みながら何度も「勘弁してくれ」と思った。
『シンリガクの実験』は小学生の男の子を主人公にした物語で、オチが爽快でおもしろかった。


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「井上ひさし」を読む [本]

7月25日(土)
小森陽一+成田龍一編『「井上ひさし」を読む』(集英社新書)読了。

「井上ひさし」を読む 人生を肯定するまなざし (集英社新書)

「井上ひさし」を読む 人生を肯定するまなざし (集英社新書)

  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2020/04/17
  • メディア: Kindle版


東京大学名誉教授の小森陽一と、日本女子大学教授の成田龍一が、小説家・劇作家の故・井上ひさしをテーマにした座談会を企画し、書籍化。

6つの座談会が収録されている。
そのゲストは、
①今村忠純、島村輝
②大江健三郎
③辻井喬
④永井愛
⑤平田オリザ
⑥井上ひさし(生前)、ノーマ・フィールド
井上氏が司馬遼太郎さんを意識していて、司馬さんが遺した仕事を引き継いだ、という分析にはなるほどと思った。
僕は大学時代に井上氏の影響を受けたし、井上氏の戯曲はすべて読んでいる。
ファンではないが、本当に凄い作家だと思う。
そんな僕が選んだ、ベスト5。
1、イーハトーボの劇列車
2、化粧
3、雨
4、頭痛肩こり樋口一葉
5、日本人のへそ


イーハトーボの劇列車 (新潮文庫)

イーハトーボの劇列車 (新潮文庫)

  • 作者: ひさし, 井上
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1988/01/26
  • メディア: 文庫



今日は1日、自宅で執筆。
冬の新作、少しずつ進んでいます。
でも、その前に、『かがみの孤城』。
いよいよ明後日から、稽古開始です。
先程、演出助手の藤嶋さんが香盤表を作って、送ってくれました。
藤嶋さんは「悪い芝居」の方で、一緒にやるのは今回が初めて。
プロデュース公演には様々な出会いがあります。
とても楽しみです。

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