SSブログ

流浪の月 [本]

12月27日(日)
凪良ゆう『流浪の月』(東京創元社)読了。

流浪の月

流浪の月

  • 作者: 凪良 ゆう
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2019/08/29
  • メディア: Kindle版


家内更紗(かないさらさ)は小学4年の時、父を病気で失う。
母にも捨てられ、伯父の家に引き取られるが、伯父夫婦にも、その息子にも馴染めない。
学校にも馴染めず、公園で出会った大学生・佐伯文(さえきふみ)の家に転がり込む。
文はロリコンという噂があったが、更紗には手出ししなかった。
2カ月後、動物園に出かけた二人は、警官隊に捕まる。
文は誘拐と性虐待の罪に問われたが、19歳だったため、少年刑務所に送られる……。

2020年度本屋大賞受賞作。
凪良ゆう氏は生年未詳で、滋賀県生まれ。
2006年、「小説花丸」に掲載された中篇「恋するエゴイスト」でデビュー。
2007年、『花嫁はマリッジブルー』を出版。
以降、ボーイズラブの作家として活躍するが、次第に一般小説も執筆するようになる。
『流浪の月』ももちろん一般小説で、恋愛小説でも青春小説でもない、若者の孤独を描いた小説。
伏線もどんでん返しもないが、胸に染みる、いい作品だった。
お薦めです。

「成井豊と梅棒のマリアージュ」本日無事に千秋楽の幕を下ろすことができました。
ご来場くださった皆様に厚く御礼申し上げます。
ありがとうございました。
私やキャラメルボックスの役者たちとコラボレーションしてくれた「梅棒」の皆さんにも、深く感謝します。
劇作家として演出家として、たくさんの学びがある公演でした。
1200の『彼女の空に雪が降るまで』の千秋楽に、一色洋平君が見に来てくれました。
「7つ全部がおもしろかったです」と言ってくれて、とてもうれしかった。
これが、僕の一番聞きたかった言葉でした。
一色君、ありがとう!

マリマリ1.jpg
マリマリ3.jpg
まりまり2.jpg
nice!(3) 
共通テーマ:演劇

マ・レイニーのブラックボトム [映画]

12月27日(日)
ジョージ・C・ウルフ監督『マ・レイニーのブラックボトム』(2020年)NETFLIXで鑑賞。

レイニー1.jpg

1927年、シカゴ。
あるスタジオに、「ブルースの母」と呼ばれる伝説的歌手、マ・レイニー(ヴィオラ・デイヴィス)がレコーディングにやってくる。
マの恋人の女、運転手の甥、バックバンドのメンバー4人を引き連れて。
メンバーの一人、トランペッターのレヴィー(チャドウィック・ボーズマン)は独立して自分のバンドを作りたがっている。
レコード会社のプロデューサーたちはみんな白人だったが、大スターのマに頭が上がらない。
マは、コーラを買ってくるまで歌わないだの、甥にナレーションをやらせろだの、好き放題。
レコーディングはなかなか始まらない……。

1982年にオーガスト・ウィルソンが発表した戯曲『Ma Rainey's Black Bottom』の映画化。
元が芝居だったので、場所はスタジオと楽屋のみ、登場人物たちはひたすらしゃべりまくる。
些細なことで激しくケンカし、暴力を振るう。
キャラクターも極端。
ラストはやりすぎで、ガッカリした。
『42』『ブラックパンサー』のチャドウィック・ボーズマンは、この映画を撮影後、大腸ガンで亡くなった。
なんと43歳だった。

レイニー2.jpg
レンニー3.jpg
レイニー4.jpg
nice!(2) 
共通テーマ:演劇

世界で一番美しいかくれんぼ [本]

12月26日(土)
アンナ・レヴィン『世界で一番美しいかくれんぼ』(小学館)読了。



イギリスのライター兼エディターのアンナ・レヴィンが、様々な野生動物の擬態を、文章と写真で解説する。

巻末に、「ここにいます」と題して、隠れている動物を浮き立たせた写真が載っている。
それほど、動物たちの擬態はうまい。
そして、写真の一枚一枚が本当に美しい。
壮大な景色でなく、小さな虫の保護色でも、自然のすばらしさに気付くことができる。
いい本だ。
お薦めです。

「成井豊と梅棒のマリアージュ」の本番10日目。
1300より、梅棒ステージの6回目。
1800より、『彼女の空に雪が降るまで』の6回目。
渡辺多恵子先生、七味まゆ味さん、近江谷太朗君、森下亮君、オレノグラフィティ君、鯨井康平君、キャラメルボックスの劇団員たち、キャラメルボックス俳優教室の生徒たちなど、たくさんの人が見に来てくれました。
『彼女の空に雪が降るまで』は6日ぶりでしたが、上演時間が1分以上短くなるほど快調なペース。
ミスもほとんどなく、非常に良い出来で、ホッとしました。
既に発表されていますが、この『彼女の空に雪が降るまで』の初日のステージのアンコール配信が決定しました!
【配信公演】12月17日(木)19:00の回(“plat de 成井豊”)
【配信期間】12月28日(月)12:00~2021年1月5日23:59まで
【販売価格】3,500円(税込み)
【チケット販売期間】12月27日(日)10:00~2021年1月5日(火)20:59
【チケット受付URL】https://w.pia.jp/t/mariage/
サンシャイン劇場に来られない方々にはぜひとも見ていただきたい。
行けるかも、という方々はぜひとも明日1200、サンシャイン劇場へお越しください。
お待ちしています!

マリアージュ2.webp
nice!(3) 
共通テーマ:演劇

シターラ/夢を抱け、少女たち [映画]

12月26日(土)
シャルミーン・ウベード・チナーイ監督『シターラ/夢を抱け、少女たち』(2020年)NETFLIXで鑑賞。

シターラ1.jpg

パキスタン。
パリは14歳で、パイロットになるのが夢。
妹と二人で紙飛行機を作って、飛ばす。
しかし、パキスタンでは、14歳は結婚適齢期。
パリの父は、パリの結婚相手を決めてしまう。
パリはただ従うしかない……。

NETFLIXオリジナルのアニメーションで、わずか15分の短編。
セリフがないのに、少女パリの悲しみが強く伝わってきた。
上演時間9分の『CANVAS』もおもしろかった。

シターラ2.jpg
キャン1.jpg

nice!(2) 
共通テーマ:演劇

クスノキの番人 [本]

12月25日(金)
東野圭吾『クスノキの番人』(実業之日本社)読了。

クスノキの番人

クスノキの番人

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2020/03/17
  • メディア: ハードカバー


直井玲斗は住居侵入、器物損壊、窃盗未遂で逮捕される。
母子家庭で育ち、母は数年前に病気で亡くなった。
警察に弁護士の岩本が現れ、彼の依頼人からの伝言を伝える。
こちらの要求に従うならば、岩本の力で警察から出すと。
玲斗は要求に従うと約束し、岩本に連れられて、依頼人の家に行く。
それは、玲斗の亡くなった母の異母姉の、柳澤千舟だった。
千舟の命令で、玲斗は「クスノキの番人」を務めることになる……。

ミステリーでなくファンタジーで、東野圭吾氏にしては珍しい直球勝負の小説。
徹頭徹尾、わかりやすくて、優しい。
東野氏の本はこれが80冊目。
それでもまだ読んでない小説が何冊かある。
しかし、現時点での僕のベスト5は、
①『容疑者χの献身』
②『ナミヤ雑貨店の奇蹟』
③『仮面山荘殺人事件』
④『祈りの幕が下りる時』
⑤『新参者』
①②③は舞台化させていただいたので、思い入れが深い。
④⑤もいつかは芝居にしたいなあ。

容疑者Xの献身 (文春文庫)

容疑者Xの献身 (文春文庫)

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2020/04/24
  • メディア: Kindle版



ナミヤ雑貨店の奇蹟 (角川文庫)

ナミヤ雑貨店の奇蹟 (角川文庫)

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2020/04/24
  • メディア: Kindle版



仮面山荘殺人事件 (講談社文庫)

仮面山荘殺人事件 (講談社文庫)

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1995/03/07
  • メディア: 文庫



nice!(1) 
共通テーマ:演劇

ルネサンスの都市 [本]

12月25日(金)
ジャクリーン・モーリー+マーク・ペッペ『ルネサンスの都市』(三省堂)読了。

ルネサンスの都市 (三省堂図解ライブラリー)

ルネサンスの都市 (三省堂図解ライブラリー)

  • 出版社/メーカー: 三省堂
  • 発売日: 2020/12/25
  • メディア: 大型本


三省堂図解ライブラリーの1冊。
15世紀のイタリア・フィレンツェの様子を文章とイラストで解説する。

これも、図書館のヤングアダルト・コーナーで見つけたもの。
自宅には、同シリーズの『シェイクスピア劇場』がある。
ルネサンスの絵画や彫刻は今までいっぱい見てきたが、それらが作られた当時の様子はあまりよく知らなかった。
15世紀と言えば、日本は室町時代。
日本と比べると、大分進んでいる印象。
文章を書いたジャクリーン・モーリーは、イギリスのフリーライター。
イラストを描いたマーク・ペッペは、イギリスのイラストレーター。
つまり、イギリスで出された本を、三省堂が翻訳出版したわけ。
文章だけでなく、イラストで描いてくれると、俄然理解しやすくなる。
同シリーズの他の本も読んでみたい。

シェイ.jpg

nice!(2) 
共通テーマ:演劇

世界一おもしろい数の本 [本]

12月25日(金)
カリーナ・ルアール+フロランス・ピノー『世界一おもしろい数の本』(ポプラ社)読了。

世界一おもしろい数の本

世界一おもしろい数の本

  • 出版社/メーカー: ポプラ社
  • 発売日: 2015/10/08
  • メディア: 単行本


フランスのジャーナリストのカリーナ・ルアールとフロランス・ピノーが、子供向けに書いた数学の入門書。

タイトルに惹かれて読んだが、そこまでおもしろくはなかった。
が、数字の意味から始めて、フラクタルやフィボナッチ数まで説明してしまうのは凄い。
ジョシャン・ジェルネールのイラストが、話の難しさを相当和らげている。
この本も、前回の『くらべる値段』も、地元の図書館の「ヤングアダルト」のコーナーで見つけた。
ここには知的好奇心を刺激する本がいっぱいある。
もっともっと読んでみようと思う。

nice!(2) 
共通テーマ:演劇

くらべる値段 [本]

12月24日(木)
おかべたかし『くらべる値段』(東京書籍)読了。

くらべる値段

くらべる値段

  • 出版社/メーカー: 東京書籍
  • 発売日: 2017/08/08
  • メディア: 単行本


文・おかべたかし、写真・山出高士による、「目で見る」シリーズの1冊。
様々な品物の、一般価格のものと、高値のものを、文と写真で比較する。

「目で見るシリーズ」は、『くらべる東西』に続いて、2冊目。
普通の店の品物と、高級品店の品物を比較すると角が立つ。
そこで、高級品店の、一般価格のものと、高値のものを比較している。
一目で見分けのつくものもあれば、見た目だけでは判断できないものもある。
一目でわかるのは、
〇900円のカニ缶と、2000円のカニ缶。
〇98円の椎茸と、380円の椎茸。
〇5500円のすき焼き肉と、9900円のすき焼き肉。
逆に見分けがつかないのが、
〇270円の海苔と1000円の海苔。
〇1250円・のカステラと、6600円のカステラ。
〇300円の蒲鉾と、3600円の蒲鉾。
見た目でわからなくても、食べればわかるのだろうか?

0930より、キャラメルボックス俳優教室の授業。
卒業公演『アローン・アゲイン』の7場と8場の立ち稽古をしました。
また、生徒の多くが、「成井豊と梅棒のマリアージュ」を見に来てくれたので、その質問コーナーもやりました。
『彼女の空に雪が降るまで』も梅棒ステージも、楽しんでくれたようです。

nice!(2) 
共通テーマ:演劇

鏡の背面 [本]

12月24日(木)
篠田節子『鏡の背面』(集英社)読了。

鏡の背面

鏡の背面

  • 作者: 篠田 節子
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2018/07/26
  • メディア: 単行本


長野県軽井沢。
薬物・アルコール依存、性暴力、DV被害などによって心的外傷を織った女性たちが社会復帰を目指す「新アグネス寮」で火災が発生。
創立者の小野尚子、スタッフの榊原久乃が赤ん坊を助けようとして焼死した。
小野は博愛精神の体現者として生前から神格化されていたため、盛大な葬儀が営まれた。
が、遺体を解剖した警察から、小野のものと思われていた遺体は別人だったとの報せが入る。
小野は少なくとも8年以上前から、別人に入れ代わっていたのだ!
はたして小野はどこへ行ったのか?
入れ代わった人物は誰だったのか?
以前、小野にインタビューをしたフリーライターの山崎知佳は、独自に調査を開始する……。

トリックはないが、まぎれもないミステリー。
犯人は、自分の欲望のままに殺人を繰り返す、悪魔のような女。
そんな悪魔が、聖女の財産を狙って、聖女を殺し、演技を凝らして聖女のフリをする。
バレないのが不思議だし、ラストで彼女の手記が発見されて、彼女の計画がすべてわかるというのも、いささか都合が良いと思った。
しかし、ストーリーのおもしろさは抜群。

nice!(2) 
共通テーマ:演劇

世界の祭りと衣装 [本]

12月24日(木)
アイヒャー農頭美穂『世界の祭りと衣装』(パイ インターナショナル)読了。

世界の祭りと衣装

世界の祭りと衣装

  • 出版社/メーカー: パイインターナショナル
  • 発売日: 2019/09/11
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


世界の祭りと衣装をカラー写真と文章で紹介する。

要するに祭りとは、民族衣装や仮装をして、通りを練り歩くことらしい。
ただ歩くだけでなく、歌ったり踊ったりする祭りも多い。
それによって、非日常を体験し、ストレスを発散する。
色とりどりの民族衣装が美しく、様々な仮面がおもしろい。
世界三大カーニバルは、リオ・デ・ジャネイロ、ヴェネツィア、トリニダード・トバゴ。
規模の大きさでは、リオ・デ・ジャネイロが世界第一位、コロンビアのバランキージャが第二位。
日本からは、徳島の阿波踊りと、秋田のなまはげ柴灯(せど)まつりが紹介されていた。
祭りならば博多ドンタクや祇園祭もあるが、衣装のおもしろさで言えば、やはり上記の二つになるだろう。
とにかくカラフルで、目に楽しい本だった。

nice!(0) 
共通テーマ:演劇