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美神解体 [本]

2月23日(火)
篠田節子『美神解体』(角川ホラー文庫)読了。

美神解体 (角川文庫)

美神解体 (角川文庫)

  • 作者: 篠田 節子
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2012/05/25
  • メディア: 文庫


麗子は、ホテルのパーティーなどで演奏するジャズピアニスト。
美容整形で圧倒的な美貌を手に入れたが、あまりにも整いすぎた顔のため、誰も近づいてこない毎日。
ある日、パーティーでシャンソン歌手の伴奏をつとめたが、その歌手の歌がひどく、伴奏はうまく行かない。
ところが、その歌手は歌の合間に、麗子を罵った。
その時、客席にいた男が麗子に歩み寄り、「行こう。素人に毛の生えたような歌い手に、失礼な事を言われてまで弾いている必要はない」と言った。
それが新進デザイナー・平田一向との出会いだった……。

篠田節子氏の本はこれが43冊目。
平成7年に出版された、つまり初期のホラー小説。
篠田氏らしく、虚仮威しのない、しっかりした小説で、読み応えがあった。
あまり怖くはなかったが。

キャラメルボックス俳優教室2020年度、最後の授業。
卒業公演『アローン・アゲイン』の反省会をやりました。
今年度は既に中間公演を行なっていたので、反省点はあまりナシ。
むしろ、途中降板が4人も出たのに、よくぞ無事に上演できたと、生徒たちを褒めました。
もちろん、キャラメルボックスの阿部丈二君が急遽代役として出演してくれたからこそですが。
新型コロナの影響で、昨年4月、リモート授業で始まった今年度。
2本の芝居を作り上げ、生徒たちは大きく成長しました。
2021年度は、新型コロナの情勢を鑑み、とりあえず4月の開校を延期します。
が、やるべく早く開校したいと考えています。
本科19期生、実践科2期生と会える日を楽しみにしています。

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ソウル・ステーション/パンデミック [映画]

2月23日(火)
ヨン・サンホ監督『ソウル・ステーション/パンデミック』(2015年)NETFLIXで鑑賞。

ソウル・ステーション/パンデミック [DVD]

ソウル・ステーション/パンデミック [DVD]

  • 出版社/メーカー: ブロードウェイ
  • 発売日: 2018/01/24
  • メディア: DVD


夏の夕方、ソウル駅。
ホームレスの老人が首から血を流しながら歩いていた。
老人の弟が気付いて、警察や病院に助けを求めるが、相手にされない。
やがて老人は道端に倒れ、亡くなる。
元風俗嬢のヘソン(シム・ウンギョン)は、彼氏のキウン(イ・ジュン)に勝手に売春サイトに顔写真をアップロードされたことを知り、怒り狂う。
道を歩いていると、ゾンビとなった老人が、通行人を襲っていた。
ヘソンは逃げ出す。
一方、キウンのもとにヘソンの父(リュ・スンリョン)から電話があり、娘に会わせろと言う……。

アニメ映画。
ヨン・サンホ監督は、本作の製作中にネクスト・エンターテインメント・ワールドから実写としてリメイクしてみないかという話を受け、どうせやるのならば別の話を作ろうということで『新感染』の製作を決定。
結局、公開は『新感染』が先行した。
本作は『新感染』の前日譚に相当する内容で、『新感染』の最初の感染者を演じているのは、本作のヒロインの声を担当したシム・ウンギョン。
というわけで、『新感染』とは姉妹のような映画だが、比較すると大分落ちる。
ストーリーにもキャラクターにも絵にも魅力がない。
シム・ウンギョンもリュ・スンリョンも大好きだが、声だけではよくわからなかった。
残念。

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ゴリラの森、言葉の海 [本]

2月22日(月)
山極寿一+小川洋子『ゴリラの森、言葉の海』(新潮社)読了。

ゴリラの森、言葉の海

ゴリラの森、言葉の海

  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2019/04/25
  • メディア: 単行本


京都大学総長の山極寿一と、小説家の小川洋子が、ゴリラをテーマにして行なった対談集。

小川洋子氏の本はこれが50冊目。
山極寿一氏はゴリラ研究の専門家。
ゴリラの子殺しや同性愛など、タメになる話がいっぱい。
それを小川洋子氏が小説家としての立場で聞くので、これまたタメになった。
ゴリラの生き方、ゴリラの社会が、人間にとってとても参考になることがよくわかった。
お薦めです。

成井硝子店・第一回公演振替公演『ゲキジョ!』の稽古2日目。
都内の公共施設をお借りして、朝9時から夕方5時まで練習しました。
『ゲキジョ!』は3つの短編から成る短編集。
成井豊『開演5分前』
成井憲二『KEEPSAKE』
成井稔『終わらぬ花火』
9~13時が『KEEPSAKE』、13~17時が『終わらぬ花火』の稽古でした。
僕はプロデューサーなので、黙って稽古を見ていました。
1年前、本番直前まで作った芝居ですが、今回また1から作り直しています。
演出は3本とも、成井憲二。
息子の演出ぶりがとてもおもしろいです。

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テレシネマ7/楽園 [映画]

2月22日(月)
イ・ジャンス監督『テレシネマ7/楽園』(2009年)GYAOで鑑賞。

テレシネマ7 楽園[レンタル落ち][DVD]

テレシネマ7 楽園[レンタル落ち][DVD]

  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2010/10/08
  • メディア: DVD


冬、北の刑務所。
ミギョン(キム・ハヌル)は長い服役を終え、出所する。
駅で「最後の楽園/ハナ島リゾート」というチラシを見つけ、列車と船でその島へ向かう。
船の中で服を着替え、他の荷物と共にゴミ箱に棄てた。
その船に乗り合わせたイルホ(チ・ジニ)は、そのゴミの中に、刑務所の封筒があるのを見てしまう。
イルホはハナ島の小学校の教師だった。
ミギョンは島の役所へ行き、偽名を使って、仕事の斡旋を頼む。
役人が紹介してくれたのは、小学校の給食を作る仕事だった……。

『テレシネマ7』は日本・韓国共同制作による映画プロジェクトで、日本の脚本家がオリジナル作品を執筆し、韓国の監督・俳優が撮影するという形式で、7本の映画を制作した。
韓国では2009年11月から、日本では2010年5月から公開。
『楽園』の脚本は、岡田惠和。
主演は『彼女を信じないでください』『青春漫画』のキム・ハヌルで、コメディエンヌという印象の彼女がこの映画では元殺人犯の女性をシリアスに演じている。
が、全体がテレビドラマのようなライトな作りで、非常に物足りなかった。
残念。

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罪人の選択 [本]

2月21日(日)
貴志祐介『罪人の選択』(文藝春秋)読了。

罪人の選択 (文春e-book)

罪人の選択 (文春e-book)

  • 作者: 貴志 祐介
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2020/03/27
  • メディア: Kindle版


1946年8月21日。
磯部武雄は、佐久間茂・浅井正太郎と共に防空壕の中に入った。
佐久間は磯部に猟銃を向けていた。
磯部は佐久間が戦死したと思い、佐久間の妻と関係を持った。
復員した佐久間は怒り狂い、友人の浅井と共に、磯部を防空壕に連れ込み、焼酎と缶詰を目の前に置いて、どちらか一つを選んで、口に入れろと脅した。
どちらか一つに、毒が入っていると言う。
磯部はどちらが毒入りか、必死で考え始める……。

SF短編4つを収録した短編集で、上記のあらすじは表題作の『罪人の選択』。
4つのうち、3つは未来の話。
そのうち2つは、地球ではない、別の惑星の話。
SFを読むのは久しぶりだったので、とても新鮮だった。
貴志祐介氏は『青の炎』『悪の教典』『硝子のハンマー』などのミステリーが有名だが、『新世界より』で日本SF大賞を受賞している人。
4つとも質の高いSFだった。

キャラメルボックス俳優教室卒業公演『アローン・アゲイン』の小屋入り7日目、本番4日目。
13時より、Xチームの千秋楽。
17時より、Yチームの千秋楽。
どちらも波瀾なく、無事に幕を下ろすことができました。
まず感謝したいのは、2月19日に急遽代役を引き受け、稽古2日で本番の舞台に立ってくれた、キャラメルボックスの阿部丈二君。
彼がいなければ、この公演は中止になっていました。
次に感謝したいのは、途中降板者が4人も出たのに、挫けずに千秋楽まで頑張ってくれた生徒たち。
おかげで、俳優教室18年の歴史の中で、最高の芝居になりました。
脚本家・演出家として、こんなにうれしいことはありません。
この公演の配信を一人でも多くの方に見てほしい。
阿部君と生徒たちの雄姿をぜひ見届けてほしいです

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下女 [映画]

2月21日(日)
キム・ギヨン監督『下女』(1960年)WOWOWで鑑賞。

下女 Blu-ray

下女 Blu-ray

  • 出版社/メーカー: IVC
  • 発売日: 2020/12/25
  • メディア: Blu-ray


キム・トンシク(キム・ジンギュ)は紡織工場の音楽部の教師で、妻(チュ・ジュンニョ)、足の悪い娘(イ・ユリ)、息子(アン・ソンギ)と4人暮らし。
ハンサムで、女工たちに人気がある。
チョ・ギョンヒ(オム・エンナン)もトンシクに憧れていて、彼の自宅へピアノを習いに通い始める。
トンシクは妻の要望で家を改築したが、妻の体調が崩れたため、ギョンヒに下女を紹介してくれと頼む。
そして、トンシクの家にオ・ミョンジャ(イ・ウンシム)がやってくる……。

モノクロ映画。
韓国映画の古典的名作で、ポン・ジュノ監督も影響を受けているらしい。
確かに、下女が金持ち一家に寄生するというアイディアは、『パラサイト』に近い。
しかし、人間の怖さと醜さを描くのが主眼で、『パラサイト』のようなユーモアはない。
後半は登場人物たちの心情についていけず、僕には名作とは思えなかった。
残念。

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コミュニケーション・ストレス [本]

2月20日(土)
黒川伊保子『コミュニケーション・ストレス』(PHP新書)読了。

コミュニケーション・ストレス 男女のミゾを科学する (PHP新書)

コミュニケーション・ストレス 男女のミゾを科学する (PHP新書)

  • 作者: 黒川 伊保子
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2020/05/12
  • メディア: 新書


(株)感性リサーチ代表取締役社長で、脳科学者の黒川伊保子が、男女の脳の違いから生ずるコミュニケーションの齟齬の実態と対処法を解説する。

要するに、男性は「ゴール指向問題解決型」、女性は「プロセス指向共感型」。
何万年にもわたる狩猟生活から、男女の脳はこのように分化して発達してしまった。
男は遠くの獲物を見ることに長け、女は子供を中心とした身の回りのものを見ることに長じる。
ゆえに、男には「ついで家事」ができない。
「ついで家事」とは、
〇テーブルに置き去りにされた汚れたコップを片付ける。
〇家族が脱ぎ捨てたTシャツを拾う。
〇出しっぱなしの爪きりを片付ける。
〇開けっ放しのカーテンを閉める。
〇トイレットペーパーの予備ロールがないことを関知してセットする。
などなど、「炊事」や「洗濯」などに入らない細々とした家事。
男は、コップやTシャツがの目に入らないので、片付けたり拾ったりできないのだ。
黒川氏は、全部は無理なので、何か一つを仕事と決めて、やらせるといいと言う。
黒川家では、ソバ・うどん・ラーメン・パスタなど、めん類を茹でる仕事は、旦那さんの担当らしい。
もちろん、黒川氏がそう仕込んだのだ。
さすがである。

今年9回目のジョギング。
3,5キロ走って、1キロ歩いて、0,5キロ軽く走りました。
3,5キロのタイムは、19分45秒。
前回より9秒、短くなりました。
今日から、「成井硝子店」第一回公演振替公演『ゲキジョ!』のチケットが発売開始。
配信チケットも同時に発売開始。
皆様のご来場、ご視聴を心よりお待ちしています。

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ノースライト [本]

2月20日(土)
横山秀夫『ノースライト』(新潮社)読了。

ノースライト

ノースライト

  • 作者: 横山秀夫
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2019/08/02
  • メディア: Kindle版


埼玉県所沢市。
青瀬稔は一級建築士で、友人の岡嶋昭彦の事務所に勤めている。
去年の11月、吉野陶太という人物に「あなたが住みたい家を作ってください」と頼まれ、信濃追分に家を作った。
北からの柔らかな光(ノースライト)を取り入れた斬新なデザインは、建築業界で高く評価された。
ところが、ある日、その家に誰も住んでいないという噂を聞く。
岡嶋と二人で訪ねてみると、家の中は空。
二階の一室に、ブルーノ・タウトのデザインらしい椅子が一脚あるだけだった。
青瀬は吉野の行方を探し始める……。

横山秀夫氏の本はこれが15冊目。
このミステリーがすごい!2020年度第2位。
前作の『64』以来6年ぶりの新作だが、質の高さは相変わらず。
警察小説で有名な人なった人だが、なんと今回は警察が全く出てこない。
失踪事件は起きるので、一応ミステリーではあるが、むしろ人間ドラマと言った方がいい。
が、ジャンルが何であろうと、おもしろさに変わりはない。
お薦めです。

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この茫漠たる荒野で [映画]

2月20日(土)
ポール・グリーングラス監督『この茫漠たる荒野で』(2020年)NETFLIXで鑑賞。

News of the World (Neues

News of the World (Neues

  • アーティスト: Original Soundtrack
  • 出版社/メーカー: Backlot Music
  • 発売日: 2020/12/18
  • メディア: CD


南北戦争が終結して5年。
退役軍人のジェファソン・カイル・キッド(トム・ハンクス)は、西部各地を転々としながら、世界の様々なニュースを読み伝える仕事をしていた。
ある日、ジョハンナ(ヘレナ・ゼンゲル)という10歳の少女と出会う。
ドイツ人である両親とアメリカに移住してきたが、6年前にネイティブアメリカンに連れ去られ、そこで育てられたジョハンナは、英語が話せなかった。
キッドは、彼女を親族のもとへ送り届ける役目を引き受ける……。

原題は『News of the World』。
邦題をなぜ『ニュース・オブ・ザ・ワールド』にしなかったのか、理解に苦しむ。
ポーレット・ジャイルスのベストセラー小説『News of the World』を映画化。
大人が子供を届ける話は何度も見てきたが、言葉が通じないというのは初めてで、二人の絆が徐々に出来ていく過程が良かった。
トム・ハンクスもとうとう老人役をやるようになった。
まだまだ活躍を続けそうだ。

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続・秘蔵カラー写真で味わう60年前の東京・日本 [本]

2月19日(金)
J・ウォーリー・ヒギンズ『続・秘蔵カラー写真で味わう60年前の東京・日本』(光文社新書)読了。
続・秘蔵カラー写真で味わう60年前の東京・日本 (光文社新書)

続・秘蔵カラー写真で味わう60年前の東京・日本 (光文社新書)

  • 作者: J・ウォーリー・ヒギンズ
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2019/12/27
  • メディア: Kindle版


「元祖カラー撮り鉄」のJ・ウォーリー・ヒギンズが写した、1960年前後の日本各地の風景や鉄道の写真を集めた本の2冊目。

1冊目は454ページだったが、この2冊目は510ページ。
値段も1500円+税から、1600円+税に値上げ。
もちろん、これも図書館で借りました。
ちょうど僕が生まれた頃の風景で、僕は知らないはずなのに、ムチャクチャ懐かしい。
貴重な史料を残してくれたヒギンズ氏に心から感謝したい。

今日から「成井硝子店」第一回公演振替公演『ゲキジョ!』の稽古開始。
1日目の今日はダンスの振付。
ダンスは2つあり、キャスト14人はどちらか1つのダンスを踊る。
で、都内の公共施設で、13時から2つ目のダンスの振付。
4時間やって、別の公共施設に移動して、18時から1つ目のダンスの振付。
振付の成井夏野と、演出の成井憲二は、もちろんどちらにも参加して、合計8時間、振付に立ち会いました。
僕は13時から1430まで参加して、中目黒ウッディーシアターへ。
キャラメルボックス俳優教室卒業公演『アローン・アゲイン』の本番2ステージ目。
18時に開演して、終演後にダメ出しをして、劇場を飛び出し、再び「成井硝子店」の稽古場へ。
到着は21時過ぎで、1つ目のダンスの振付がほぼ終わったところ。
22時まで復習をして、稽古が終わりました。
振付は2つとも無事に最後まで出来たとのこと。
たくさん練習して、カッコよくなってほしいです。
それにしても今日はよく歩いた。
スマホの万歩計は、13442歩、9,4キロと出ていました。

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