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ハロー!?ゴースト [映画]

8月25日(水)
キム・ヨンタク監督『ハロー!?ゴースト』(2010年)WOWOWで鑑賞。

ハロー!?ゴースト [DVD]

ハロー!?ゴースト [DVD]

  • 出版社/メーカー: パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
  • 発売日: 2012/10/12
  • メディア: DVD


孤児院育ちの青年カン・サンマン(チャ・テヒョン)は、一人で生きることに疲れ果てて、睡眠薬自殺を図る。
が、失敗。
その後も失敗を繰り返した挙げ句、川に飛び込むが、病院に運ばれて、九死に一生を得る。
ところが、目を覚ました瞬間から、自分の隣にヒゲ面のおじさん(コ・チャンソク)がいることに気付く。
看護士のカン・イェウォン(チョン・ヨンス)にはおじさんが見えない。
どうやら、ゴーストらしい。
さらに、いつも泣いている中年女性(チャン・ヨンナム)、老人(イ・ムンス)、小学生(チョン・ボグン)も現れる。
サンマンが霊媒師に助けを求めると、彼らの願いを叶えてやれば、天国へ行くと言われた……。

明らかに、ロン・アンダーウッド監督、ロバート・ダウニー・Jr主演のファンタジーコメディ映画『愛が微笑む時』(1993年)のパクリ。
元ネタの出来がいいだけに、本作が劣化コピーにしか見えず、途中何度か視聴をやめようとした。
が、ラスト30分で、元ネタとは違う展開になり、唖然呆然。
滂沱の涙が流れ、最後まで見てよかったと思い直した。
この映画の評価は高いが、それはあくまでも最後の30分のおかげ。
これから見る方は、ぜひともそれまでの1時間半を耐え抜いてください。

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ギンイロノウタ [本]

8月24日(火)
村田沙耶香『ギンイロノウタ』(新潮社)読了。

ギンイロノウタ (新潮文庫)

ギンイロノウタ (新潮文庫)

  • 作者: 村田 沙耶香
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2013/12/24
  • メディア: 文庫


村田沙耶香の短編集。
『ひかりのあしおと』『ギンイロノウタ』の二編を収録。

『ギンイロノウタ』は第31回野間文芸新人賞を受賞。
2作とも、若い女性の歪んだ心、もしくは狂気を描く。
2016年に芥川賞を受賞した『コンビニ人間』も同じだった。
一貫していると言えば一貫しているが、なぜかくも執拗に狂気を描き続けるのか、理解に苦しむ。
『コンビニ人間』は小説として楽しめたが、その7年前に書かれた2作は、まだ洗練されていないため、ひたすら暗い。
217ページと薄い本なので、何とか読み通すことができた。
まるで修行のような読書だった。

来年上演予定の3本目の新作を書いています。
全10場で、今日は5場を書き上げました。
ここ10年は書いていない、明るい芝居なので、楽しんで書いています。
歳を取れば取るほど、書くことが苦痛でなくなってきました。
若い頃はあんなに苦しかったのに。
だからと言って、今の方が出来がいいというわけでもないんですよね。
創作って本当に不思議です。
残り5場、頑張ります。

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悪童日記 [映画]

8月24日(火)
ヤーノシュ・サース監督『悪童日記』(2013年)GYAOで鑑賞。

悪童日記 [DVD]

悪童日記 [DVD]

  • 出版社/メーカー: アルバトロス
  • 発売日: 2015/03/04
  • メディア: DVD


1944年8月、第2次世界大戦末期のハンガリー。
双子の兄弟(アンドラーシュ&ラースロー・ジェーマント)が、母(ギョングベール・ボグナル)に連れられて、祖母(ピロシュカ・モルナール)の農園へやってくる。
母は、嫌がる祖母に双子を預け、去る。
祖母は以前夫を殺したため、村人たちから魔女と呼ばれている。
双子は祖母の冷たい仕打ちに耐えながら、何とか二人で生き抜こうとするが……。

ドイツ・ハンガリー合作映画。
世界的ベストセラーとなった、アゴタ・クリストフの小説『悪童日記』の映画化。
僕は既読。
原作に忠実で、自分が読みながら想像していたものと大分違い、それがとても楽しめた。
しかし、原作が持っていた緊張感と詩情は、残念ながら消えていた。
とにかく、原作は物凄い傑作。
この映画はお薦めしないが、原作は何が何でも読むべき。

悪童日記

悪童日記

  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2014/09/30
  • メディア: Kindle版



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平成お徒歩日記 [本]

8月23日(月)
宮部みゆき『平成お徒歩日記』(新潮社)読了。

平成お徒歩日記 (新潮文庫)

平成お徒歩日記 (新潮文庫)

  • 作者: みゆき, 宮部
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2000/12/26
  • メディア: 文庫


作家の宮部みゆきが、年2回発行の「小説新潮・時代小説特集号」に平成6年から10年まで連載した、紀行エッセイ。
全7回で、連載以前に書いた紀行エッセイ2本も併録。

タイトルは『平成お徒歩(かち)日記』と読む。
歩いたのは、
〇両国の吉良邸から高輪の泉岳寺まで。
〇江戸時代の「市中引き回し」のコース1周と、鈴ヶ森刑場跡、小塚原刑場跡。
〇小田原から箱根の関所。
〇江戸城1周。
〇江戸時代の流刑先である八丈島。
〇本所七不思議。
〇長野県の善光寺と、三重県の伊勢神宮。
連載当時、宮部みゆきさんはまだ30代前半で、とても若々しい。
文体が独特なので、好き嫌いが分かれるかもしれない。

今日はキャラメルボックス俳優教室実践科2021年度中間公演『ハックルベリーにさよならを』の稽古。
4・5・6場の復習・修正をしました。
本日、出演者の1人が個人的な事情で降板したため、急遽、配役を変更しました。
本番までまだ2週間あるので、何とか間に合うと思います。
が、俳優教室史上最高の芝居を目指しているので、頑張ります!

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オンネリとアンネリのおうち [映画]

8月23日(月)
サーラ・カンテル監督『オンネリとアンネリのおうち』(2014年)GYAOで鑑賞。

オンネリとアンネリのおうち [Blu-ray]

オンネリとアンネリのおうち [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • 発売日: 2018/11/21
  • メディア: Blu-ray


オンネリ(アーヴァ・メリカント)とアンネリ(リリャ・レフト)は家が近所で仲良し。
ある日、バラ通りで封筒を拾う。
封筒にはお金と「正直者にあげます」と書かれた手紙が入っていた。
警察に持っていくと、警官のリキネン(ヤッコ・サアリルアマ)が「このお金は君たちのものだ」と言った。
2人はそのお金でバラの木夫人(エイヤ・アフヴォ)というおばあさんから水色のおうちを買う。
お隣さんは、ちょっと怖いウメ・ボーシュさん(ヨハンナ・アフ・シュルテン)。
また近所には、不思議な植物を育てているプクティーナ(キティ・コッコネン)とノッポティ(エリナ・クニフティラ)が暮らしていた……。

1960年代に発表され、フィンランドで長く愛され続けるマリヤッタ・クレンニエミの児童文学「オンネリとアンネリ」シリーズを実写映画化。
バラの木夫人、プクティーナ、ノッポティは魔法使いのようだが、口にはしない。
彼女たちの魔法によって、オンネリとアンネリは素敵な家を手に入れ、二人で幸せに暮らす。
幼い少女が夢見る世界をそのまま映画にしていて、何とも微笑ましかった。
原作がシリーズになっているように、映画も何作か続編があるらしい。
見てみたい。


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首里の馬 [本]

8月22日(日)
高山羽根子『首里の馬』(新潮社)読了。

首里の馬

首里の馬

  • 作者: 羽根子, 高山
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2020/07/27
  • メディア: ペーパーバック


沖縄。
未名子は中学生の時から、沖縄史を記録保存する郷土資料館の手伝いをしている。
館長の順(より)さんは民俗学の研究者で、若い頃から全国を回っていたが、歳を取り、人生の最終の場所として沖縄を選んだ。
首里の港川と呼ばれる、かつての外国人住宅にあるコンクリートの建物を買い、そこを自分が集めたものを保存する資料館にした。
未名子の本職は、「孤独な業務従事者への定期的な通信による精神的ケアと知性の共有」を目的としオンライン通話。
1対1で、クイズを出題している。
ある日、独り暮らしの自宅の庭に宮古馬が迷い込む。
宮古馬(ナークー)は宮古島で飼育されてきた馬で、沖縄県の天然記念物だった。
未名子はその馬に「ヒコーキ」という名前を付けた……。

第163回芥川賞受賞作。
テーマは孤独。
沖縄の歴史の継承と、オンライン通話による人と人との繋がりを描く。
小川洋子氏と川上弘美氏を足して二で割ったような、ちょっと不思議な世界。
芥川賞受賞作にしては非常に読みやすかった。

今日は「成井硝子店/2021夏のワークショップ」後期の2日目。
二人組朗読、ディペート、パワースピーチ、台本練習をやりました。
参加者の皆さんは、非常に積極的に取り組んでくれています。
彼らの演技が徐々に変わっていくのを見るのが本当にうれしい。
息子の憲二も、参加者の相談に乗るなど、いろいろアシストしてくれています。
残り2日、頑張ります!

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太陽は動かない [映画]

8月22日(日)
羽住英一郎監督『太陽は動かない』(2021年)WOWOWで鑑賞。

「太陽は動かない」Blu-ray

「太陽は動かない」Blu-ray

  • 出版社/メーカー: バップ
  • 発売日: 2021/09/29
  • メディア: Blu-ray


鷹野一彦(藤原竜也)と田岡亮一(竹内涼真)は「AN通信」の社員。
表向きはニュースのネット配信を行う通信社だが、裏では機密情報を高値で売り買いする産業スパイだった。
裏切りを防ぐため、2人は胸に爆弾を埋め込まれていて、24時間に一度、連絡をしないと爆発する。
ベトナムのホーチミンの病院で、銃撃事件が発生。
数時間後、大型ホテルで旧正月を祝うパーティーに、鷹野と田岡が出席する。
そこには、香港トラスト銀行頭取のアンディ・黄(翁華栄)と連れの女性・AYAKO(ハン・ヒョジュ)お姿があった。
パーティーには、韓国人諜報員のデイビッド・キム(ピョン・ヨハン)も潜入していた……。

『太陽は動かない』は、まず2020年5月、WOWOWで連続ドラマ化された。
タイトルは『太陽は動かない-THE ECLIPSE-』で、『太陽は動かない』の設定を使った、原作者の吉田修一氏によるオリジナル・ストーリー。(僕は未見)
次がこの映画で、『太陽は動かない』とその続編の『森は知っている』をまとめて映画化。
日本映画でスパイ・アクションとは凄い挑戦だが、最初の15分はよく健闘している。
ハリウッド並み、とまでは行かないが、そこそこのスピード感が出せていた。
しかし、その後はどんどん現実感を失い、よくあるスパイ・アクションをなぞったようなものになってしまった。
ハン・ヒョジュは『ビューティー・インサイド』(2015年)のヒロインで、僕の大好きな女優さんなのだが、完全に峰不二子の役回りで、似合わなくてガッカリだった。
他に、市原隼人、横田栄司、勝野洋、宮崎美子、鶴見辰吾、佐藤浩市が出演。

太陽は動かない -THE ECLIPSE-[Blu-ray BOX]

太陽は動かない -THE ECLIPSE-[Blu-ray BOX]

  • 出版社/メーカー: バップ
  • 発売日: 2020/11/20
  • メディア: Blu-ray



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荒神絵巻 [本]

8月21日(土)
こうの史代『荒神絵巻』(朝日新聞出版)読了。

荒神絵巻

荒神絵巻

  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2014/08/20
  • メディア: 単行本


宮部みゆきの小説『荒神』を、マンガ家のこうの史代が短縮し、1ページに2~3枚のイラストを付けて出版した本。

400枚以上のイラストがすべてカラー。
一体何日かかったのだろうと思う。
こうの氏はそれほど原作の小説に惚れ込んだに違いない。
確かに絵はすばらしいが、話としては登場人物が多すぎて、読みづらくなってしまった。
長編を短縮したため、そう感じられたのではないか?
しかし、試みとしては非常におもしろいと思った。

荒神 (新潮文庫)

荒神 (新潮文庫)

  • 作者: みゆき, 宮部
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2017/06/28
  • メディア: 文庫


今日は「成井硝子店/2001夏のワークショップ」後期の1日目。
12人の参加者が荻窪のレンタルスタジオに集まってくれました。
メニューは二人組朗読、インタビュー、ディベート、台本練習。
二人組朗読のテキストは、芥川龍之介『魔術』。
台本練習のテキストは、『スケッチブック・ボイジャー』3場の「のはら」「諸星」の会話と、『グッドナイト将軍』2場の「わたる」「天使」の会話にしました。
2作とも1988年に書いた、33年も前の作品ですが、やってみると、やっぱり楽しい。
コミカルだし、後半は盛り上がるし。
うまくやろうとせず、演じることを楽しんでもらいたいと思います。
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スペシャルズ! [映画]

8月21日(土)
エリック・トレダノ&オリヴィエ・ナカシュ監督『スペシャルズ!』(2019年)WOWOWで鑑賞。

スペシャルズ! ~政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話~ [DVD]

スペシャルズ! ~政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話~ [DVD]

  • 出版社/メーカー: ギャガ
  • 発売日: 2021/02/12
  • メディア: DVD


フランス。
ブリュノ(ヴァンサン・カッセル)は、自閉症の子供たちをケアする団体「正義の声」の代表者。
支援している青年の一人ジョゼフが、電車の非常ベルを鳴らして鉄道警察に捕まったため、駅に迎えに行く。
ジョゼフを家まで送り届けると、今度は緊急地域医療センターへと向かう。
重度の症状から6か所の施設に受け入れを断られたヴァランタンという少年の一時外出の介助を頼まれたのだ。
長年にわたって閉じこめられたせいで、ヴァランタンは完全に心を閉ざしていた。
頭突き防止のヘッドギアをつけて、一人で立ち上がることもできない彼を見て、ブリュノは口癖の「何とかする」という言葉を口にする……。

実話に基づいた映画。
エリック・トレダノ&オリヴィエ・ナカシュ監督は、名作『最強のふたり』(2011)を撮ったコンビ。
今度の題材は自閉症の子供たちをケアする無認可団体。
彼らは、公立の施設から入所を断られた重度の子供を受け入れる。
おかげで入所者が殺到し、定員をはるかにオーバー。
職員は多忙を極め、しかし、経営難で給料の支払いは遅れる。
主人公はブリュノ(ヴァンサン・カッセル)だが、人間ドラマより、彼の仕事ぶりを描いていく。
ゆえにエンタメ性は低いが、見応えはあった。
ヴァンサン・カッセルと、彼の相棒マリクを演じたレダ・カテブの演技がすばらしかった。
お薦めです。

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メインテーマは殺人 [本]

8月20日(きん)
アンソニー・フロヴィッツ『メインテーマは殺人』(創元推理文庫)読了。

メインテーマは殺人 ホーソーン&ホロヴィッツ・シリーズ (創元推理文庫)

メインテーマは殺人 ホーソーン&ホロヴィッツ・シリーズ (創元推理文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2019/09/28
  • メディア: Kindle版


ロンドン。
アンソニー・ホロヴィッツは、『刑事フォイル』シリーズの脚本を書いている人気作家。
ある日、ホーソーンという男から電話がかかってくる。
ホーソーンは元刑事で、犯罪ドラマ撮影のアドバイザーとして、ホロヴィッツと一緒に仕事をしたことがあった。
ホーソーンは今、ある殺人事件の捜査をしているが、その捜査を小説にしないかと言った。
ホロヴィッツは、スティーブン・スピルバーグから『タンタンの冒険2』の脚本を依頼され、初稿を送って返事を待っているところだったが、ホーソーンの提案を受け入れる。
被害者はクーパー夫人という資産家で、殺された日、葬儀社に行き、自分の葬儀の契約をしていた。
それははたして偶然なのか?
ホーソーンとホロヴィッツは捜査を開始する……。

週刊文春ミステリーベスト10の2019年度第1位。
このミステリーがすごい!の2020年度第1位。
前年の『カササギ事件』で両賞の1位を取り、一躍有名になったアンソニー・ホロヴィッツが、『カササギ事件』の前に書いた小説を、翌年翻訳出版したところ、またしても2冠を獲得したというわけ。
ちなみに、翌年は、『その裁きは死』で、やはり2冠を獲得。
全くとんでもない作家が登場したものだ。
『メインテーマは殺人』は、ホロヴィッツ自身が主人公で、事件と同時並行で小説を書いていく。
スピルバーグまで登場して、楽しいったらありゃしない。
ミステリとしてもよく出来ていて、2冠は当然だと思った。
お薦めです。

今日はキャラメルボックス俳優教室実践科2021年度中間公演『ハックルベリーにさよならを』の稽古。
3場と4場の復習をしました。
動き付けの復習と修正だったのですが、あまりの出来の悪さに、久しぶりにお説教をしてしまいました。
3週間後は本番なのに、これではマズイ!
各自猛省して、自主練してほしいです。

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