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扉のかたちをした闇 [本]

11月25日(木)
江國香織+森雪之丞『扉のかたちをした闇』(小学館)読了。

扉のかたちをした闇

扉のかたちをした闇

  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2016/11/29
  • メディア: 単行本


小説家・江國香織と、作詞家・森雪之丞が競作して作った詩集。
雑誌「本の窓」に2013年から2016年まで連載されたもの。

江國香織氏の本はこれが50冊目。
僕は詩が苦手で、書くのはもちろん、読むのも得意ではない。
が、この本は小説家と作詞家の詩集なので、どれもわかりやすく、楽しめた。
言葉のセンス、発想のセンスはやはりすばらしい。
若い頃から「いつか詩が書けるようになりたい」と思っていたが、60歳になっても、まだ無理のようだ。
残念。

キャラメルボックス『サンタクロースが歌ってくれた』稽古14日目。
動き付けの復習を頭から。
1・2・3場をそれぞれ3回ずつやって、最後に1~3場を通しました。
うん、みんなおもしろい。
先日行われた、「成井硝子店2021秋のワークショップ・オーディション」の合格通知を発送しました。
応募者が66人、ワークショップ・オーディション参加者が48人、そして、合格者が10人となりました。
第2回公演の詳細は年明けに発表します。
お楽しみに!

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2046 [映画]

11月25日(木)
ウォン・カーウァイ監督『2046年』(2004年)NETFLIXで鑑賞。

2046

2046

  • 出版社/メーカー:
  • メディア: DVD


1960年代、香港。
作家のチャウ・モウワン(トニー・レオン)はホテルに滞在して執筆中。
ホテルのオーナーの娘ワン・ジンウェン(フェイ・ウォン)は、日本から来たビジネスマンのタク(木村拓哉)と恋に落ちる。
が、父親に交際を反対され、タクは一人で日本へ帰る。
ワンはタクと文通を続けるが、それさえも父親は許そうとしなかった。
チャウはワンに、タクの手紙は自分が代わりに受け取ろうと申し出る。
そして、ワンとタクを主人公にしたSF小説『2046』を書き始める。
そのかたわら、娼婦バイ・リン(チャン・ツィイー)、賭博師スー・リーチェン(コン・リー)、踊り子ルル(カリーナ・ラウ)たちと付き合う……。

『欲望の翼』『花様年華』に次ぐウォン・カーウァイの1960年代シリーズの3作目。
撮影中にSARSの流行やレスリー・チャンの自殺が起きたため、製作が難航し、完成までに5年もかかった。
レスリーへのオマージュとして、『欲望の翼』のエピソードをたくさん散りばめられている。
また、役名や設定も、かなりの割合で『欲望の翼』『花様年華』からそのまま流用されている。
CGが信じられないほどチープで驚いた。
木村拓哉もあまり出番が多くない。
エピソードの羅列で、ストーリー性が弱いため、僕にはあまり楽しめなかった。

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ナイアガラの女王 [本]

11月24日(水)
C.V.オールズバーグ『ナイアガラの女王』(河出書房新社)読了。

ナイアガラの女王

ナイアガラの女王

  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2015/09/29
  • メディア: 大型本


アメリカ、ミシガン州ベイシティ。
アニー・アドソン・テイラーは62歳、ダンスと礼儀作法の教師。
生徒が減って、教室を閉鎖せざるを得なくなる。
生活が困難になったアニーは、ある日、とんでもないアイディアを思い付く。
木で作った樽に入って、ナイアガラの滝を下るのだ。
誰もが止める中、アニーは樽の準備を始める。
マネージャーを雇って宣伝もさせ、1901年10月24日、実行の日がやってくる……。

アメリカを代表する絵本作家C.V.オールズバーグの絵本。
村上春樹氏の翻訳のものを10冊読んだが、この本は江國香織氏の翻訳。
なんと、事実に基づいた物語。
アニーは実在の人物で、ナイアガラの滝を樽に入って下った最初の人物。
当時62歳だったというのが凄い。
その後、10人が成功しているが、全員男性。
アニーがなぜこんなことをやろうと思ったのか、不思議でならない。
オールズバーグの絵本はいつも不思議だが、こんな種類の不思議もあるのだなあと感心した。

キャラメルボックス『サンタクロースが歌ってくれた』稽古13日目。
10・11・12場の動き付けをした後、10~12場を通しました。
これで動きはすべて確定。
13日目でここまでできたのは、キャラメルボックス36年の歴史の中で、最速だと思います。
みんながみんな、やるべきことがわかっているというのは本当に強い。
しかも、みんなしっかり自分の色を出そう、新しいことをしようとしている。
明日の14日目から、もう仕上げに入ります。
最高の『サンタクロースが歌ってくれた』を目指して。

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欲望の翼 [映画]

11月24日(水)
ウォン・カーウァイ監督『欲望の翼』(1990年)NETFLIXで鑑賞。

欲望の翼 [DVD]

欲望の翼 [DVD]

  • 出版社/メーカー: ジェネオン・ユニバーサル
  • 発売日: 2012/06/20
  • メディア: DVD


1960年、香港。
サッカー競技場の売店の売り子スー・リーチェン(マギー・チャン)は、ヨディ(レスリー・チャン)という青年に口説かれる。
が、結婚を望むスーに対して、ヨディにそのつもりはなく、スーはヨディの元を去る。
ヨディはクラブのダンサーのミミ(カリーナ・ラウ)と付き合い始めるが、ヨディの親友(ジャッキー・チュン)はミミに恋心を抱く。
一方、傷ついたスーを慰めた警官(アンディ・ラウ)は彼女に惹かれていく……。

原題は『阿飛正傳』、英題は『Days of Being Wild』。
もともと前後篇二部構成の予定だったが、予算とスケジュールを前編で使い切ってしまい、本作のみが完成した。
ラストシーンで唐突に登場し、身支度をするトニー・レオンは、後編の主人公となる予定だったが、続編が製作されなかったため、何者であったかは不詳のまま終わる。
が、後の『花様年華』と『2046』でトニー・レオン演じた役に、名前や設定が一部受け継がれている。
ウォン・カーウァイ監督の第二作で、初期の代表作。
1990年当時の香港のスターが揃い踏み。
スタイリッシュな映像、村上春樹などの影響を受けた詩的なモノローグの多用、明快な起承転結を持たない構成、説明を極力省き観客の想像に委ねる話法など、ウォン・カーウァイ監督の作風が既に確立している。
当時はさぞかし斬新だったに違いない。
今見るとちょっと退屈。

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花様年華 [映画]

11月23日(火)
ウォン・カーウァイ監督『花様年華』(2000年)NETFLIXで鑑賞。

花様年華 [DVD]

花様年華 [DVD]

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2014/11/28
  • メディア: DVD


1962年、香港。
ジャーナリストのチャウ(トニー・レオン)は、妻と共にあるアパートに引っ越してくる。
同じ日、隣の部屋にはチャン夫妻が引っ越してきた。
二軒同時の引っ越しで混乱する中、チャウはチャン夫人(マギー・チャン)と出会う。
やがて、チャン夫人は、夫がチャウの妻と浮気を始めたことに気付く。
一方、チャウも、友人から、「奥さんが男と歩いていたぞ」と言われる。
傷ついた二人は次第に親密になっていく……。

原題は『花樣年華』、英題は『In the Mood for Love』。
ウォン・カーウァイ監督の『欲望の翼』(1990年)の続編、『2046』(2004年)の前日譚。
本作で、トニー・レオンがカンヌ国際映画祭で男優賞を受賞。
チャウの妻とチャン夫人の夫は、声だけで顔が映らない。
映画は専ら、チャウとチャン夫人だけで進んでいく。
が、この二人もあまりしゃべらず、映画は二人の顔と姿だけを撮り続ける。
トニー・レオンとマギー・チャンが美しく、演技力があるからこそ成立する撮り方。
その作戦は成功している。
楽しめた。

欲望の翼 [DVD]

欲望の翼 [DVD]

  • 出版社/メーカー: ジェネオン・ユニバーサル
  • 発売日: 2012/06/20
  • メディア: DVD



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列強の侵略を防いだ幕臣たち [本]

11月22日(月)
原田伊織『列強の侵略を防いだ幕臣たち』(講談社文庫)読了。

続・明治維新という過ち 列強の侵略を防いだ幕臣たち (講談社文庫)

続・明治維新という過ち 列強の侵略を防いだ幕臣たち (講談社文庫)

  • 作者: 原田 伊織
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/02/15
  • メディア: 文庫


作家・歴史評論家の原田伊織が、タイトル通り、列強の侵略を防いだ幕臣たちを解説する。

幕末外交史を、薩摩・長州・明治政府の視点でなく、幕府・アメリカ・イギリスの視点で描く。
すると、幕末の幕府の官僚たちがどれほど優秀だったかがわかる。
そして、薩摩・長州の「勤皇の志士」たちが単なるテロリストに過ぎなかったことも。
明治維新を賛美した司馬遼太郎氏の罪は大きい。
僕もすっかり乗せられていたので、文句は言えないが。
お薦めです。

キャラメルボックス『サンタクロースが歌ってくれた』の稽古11日目。
ダンス返し、4・5・6場の動き付け、4~6場の通しをやりました。
6場の筒井俊作と森めぐみが本当にすばらしい。
1989年の初演の時、僕と大森美紀子がやろうとしたことを、さらに巧く、さらにおもしろくやっている。
正直言って、脱帽しました。
筒井は11年前も「監督」役をやっているけれど、今回の方が圧倒的に上。
11年の間に、役者として大きく成長したのです。
このシーン、ぜひともたくさんの人に見てほしいです。
あ、もちろん、他のシーンも。


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シェイクスピア劇を楽しんだ女性たち [本]

11月21日(日)
北村紗衣『シェイクスピア劇を楽しんだ女性たち』(白水社)読了。

シェイクスピア劇を楽しんだ女性たち:近世の観劇と読書

シェイクスピア劇を楽しんだ女性たち:近世の観劇と読書

  • 作者: 北村 紗衣
  • 出版社/メーカー: 白水社
  • 発売日: 2018/03/24
  • メディア: 単行本


武蔵大学人文学部英語英米文化学科准教授の北村紗衣が、17世紀から18世紀にかけて、イギリス女性がシェイクスピア劇をどのように受け止めていたか、そしてシェイクスピアがいかにして国民的作家になったかを解説する。

娘が大学時代にお世話になった北村紗衣氏の著作の2冊目。
まず前提として、シェイクスピアの死後、彼の作品が17世紀から18世紀にかけて、どのように上演されていたのかを私は知らない。
人気作家であり続けたのか、それとも一時は忘れられたのか。
なので、よくわからない部分が多々あった。
『ロミオとジュリエット』や『オセロー』は人気があったらしい。
が、国民的作家になったのは、実は18世紀の半ば頃だったようだ。
実に彼の死後、100年もかかったのだ。
夏目漱石が日本の国民的作家になるのに、そこまでの時間はかからなかったと思う。
そして、次になるのはおそらく村上春樹氏だろう。
はたして何年かかるのだろう。

今日は成井硝子店の「2021秋のワークショップ・オーディション」の2日目。
朝9時に荻窪のスタジオに行き、10時から4時間半、1530から4時間半、成井家総出で開催・運営しました。
僕は見ているだけでしたが、先週と同じくヘトヘト。
しかし、やっぱり大変楽しい時を過ごすことができました。
参加してくれた24人の若い俳優たちに深く感謝します。
みんな積極的に取り組んでくれました。
家族でよく話し合って、一日も早く、結果を通知したいと思います。
お疲れさまでした!

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SPF-18 [映画]

11月21日(日)
アレックス・イスラエル監督『SPF-18』(2017年)NETFLIXで鑑賞。

アメリカ、ロサンジェルス、マリブビーチ。
ペニー・クーパー(カーソン・マイヤー)は高校3年で、ジョニー(ノア・センティネロ)と付き合っている。
ジョニーはハリウッドスターのキアヌ・リーブス(本人)と友達で、キアヌが留守の間、別荘の管理を任された。
ジョニーに誘われたペニーは、親友のカミラ(ビアンカ・サントス)と共に、別荘に泊まりに行く。
ペニーはまだバージンで、ジョニーとの初体験を期待していた。
ジョニーはサーフィンが趣味だったが、サーファーだった父を亡くして以来、海に近づくのを辞めた。
しかし、高校卒業を前にして、アートかサーフィンか、迷い始めていた……。

75分と短い映画なので、見てみた。
キアヌ・リーブスの別荘が舞台というのが凄い。
本人はラストで一瞬だけ登場する。
恋と進路に悩む5人の高校生男女を描く。
あまりにも他愛ないが、ヒロイン役のカーソン・マイヤーが可愛かった。
他に、ロザンナ・アークエット、ゴールディー・ホーンらが出演。

FLIX special キアヌ・リーブス

FLIX special キアヌ・リーブス

  • 出版社/メーカー: ビジネス社
  • 発売日: 2003/06/06
  • メディア: 大型本



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不滅の名作ミステリへの招待 [本]

11月20日(土)
中川右介『不滅の名作ミステリへの招待』(七つ森書館)読了。

不滅の名作ミステリへの招待

不滅の名作ミステリへの招待

  • 作者: 中川 右介
  • 出版社/メーカー: 七つ森書館
  • 発売日: 2013/03/27
  • メディア: 単行本


雑誌「クラシックジャーナル」編集長、出版社「アルファベータ」編集長で、ライターの中川右介が、世界の名作ミステリ42作を紹介する。

いわゆるムック本に分類される本だが、その中身は文章が主で、読み応えがある。
世界の名探偵として、以下の10人が選ばれている。
〇オーギュスト・デュパン
〇シャーロック・ホームズ
〇ブラウン神父
〇ファイロ・ヴァンス
〇エルキュール・ポアロ
〇エラリー・クイーン
〇ヘンリー・メリヴェール卿
〇明智小五郎
〇金田一耕助
〇神津恭介
「神津恭介」は高木彬光が生んだ名探偵で、『刺青殺人事件』『能面殺人事件』『人形はなぜ殺される』などで活躍している。
僕は高校時代に夢中になって読んだが、今はあまり読まれなくなったようだ。
40年以上も経ったのだから、当然か。

今日は10時からZOOMで、日本演出者協会の月イチ定例の理事会。
1130で早退して、家を出ました。
13時から南阿佐ケ谷で、「東京白熱演劇クラブ」のワークショップ。
通算17回目、僕にとっては6回目。
筋トレ、ストレッチ、発声練習、ディベート、スピーチ、台本練習をやりました。
僕より40歳以上も年下の女の子たちのディベートやスピーチ、本当におもしろいです。
彼女たちをもっと自由に演じられるようにしてあげたいです。
11月のレッスンはこれでおしまい。
次回は来年1月です。

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リミット・オブ・アサシン [映画]

11月20日(土)
ブライアン・スムルツ監督『リミット・オブ・アサシン』(2017年)GYAOで鑑賞。

リミット・オブ・アサシン [Blu-ray]

リミット・オブ・アサシン [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: Happinet
  • 発売日: 2019/01/09
  • メディア: Blu-ray


南アフリカとナミビアの国境付近。
インターポールの捜査官リン(シュイ・チン)のチームは囚人のキースを護送中、民兵に襲撃される。
が、リンはキースとギリギリで脱出。
殺し屋のトラヴィス・コンラッド(イーサン・ホーク)は、1年前に妻と息子を失い、引退。
義父のフランク(ラトガー・ハウアー)と毎日釣りをしていた。
そこへ、軍の請負業者であるレッド・マウンテンのジム・モロー(ポール・アンダーソン)が現れ、仕事を依頼される。
トラヴィスは香港に向かい、リンの息子の携帯電話を盗んでリンの位置を特定する。
そして、すぐに南アフリカのケープタウンに飛び、空港で偶然を装って彼女に接触する。
翌朝、彼女の携帯電話からキースの居場所の情報を盗み出すが、彼女にバレて、撃ち殺されてしまう。
ところが、トラヴィスは目を覚ます。
レッド・マウンテンの手術によって、蘇生したのだ。
ただし、命が続くのは24時間だけ……。

原題は『24 Hours to Live』。
南アフリカ・中国・アメリカの合作映画。
蘇生したトラヴィスはレッド・マウンテンを裏切って、自分を殺したリンの助太刀をするのだが、その動機がよくわからない。
まあ、リンはインターポールの捜査官で、善悪で言えば善だが、殺し屋のトラヴィスには関係ないはず。
B級映画だが出来はまずまずで、話がテキパキ進み、93分で終わるのもいい。
『ブレードランナー』のルトガー・ハウアーがおじいさんになっていて、ちょっとビックリ。

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