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僕が死んだあの森 [本]

2月28日(月)
ピエール・ルメートル『僕が死んだあの森』(文藝春秋)読了。

僕が死んだあの森 (文春e-book)

僕が死んだあの森 (文春e-book)

  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2021/05/26
  • メディア: Kindle版


1999年、フランスの田舎町ボーヴァール村。
アントワーヌ・クルタンは12歳の少年で、母ブランシュと二人暮らし。
父はアントワーヌが幼い頃に家を出て、毎月養育費を送ってくれている。
母はコワルスキーさんの肉屋で働いている。
アントワーヌは隣のデスメット家の飼い犬オデュッセウスを可愛がっていた。
ある日、オデュッセウスが車に撥ねられ、大怪我をした。
飼い主のロジェ・デスメットは、オデュッセウスを撃ち殺した。
衝撃を受けたアントワーヌは、森の中に作ったツリーハウスで泣く。
そこへやってきたデスメット家の6歳の少年レミを思わず木の棒で叩いてしまう。
当たり所が悪かったのだろうか、レミは死んでしまった……。

ピエール・ルメートルの本はこれが7冊目。
キヨーム・ミュッソと並んで、今のフランスを代表するミステリ作家。
カミーユ・ヴェルーヴェン警部を主人公とした『悲しみのイレーヌ』(2006年)、『その女アレックス』(2011年)、『わが母なるロージー』(2011年)、『傷だらけのカミーユ』(2012年)の4作はどれも傑作だった。
今作はミステリーというよりはサスペンスで、287ページと短く、ストーリーに意外性もなかった。
残念。

今日は、成井硝子店・第二回公演「1981年のグッドバイ』の稽古初日。
挨拶もそこそこに、9時から12時まで、ダンスの振付をしました。
振付は、娘の夏野。
3時間では全部付け終わらず、残りは明日に持ち越しとなりました。
今日は1人欠席で、13人が出席。
13人の若い役者たちが狭いスタジオで踊りまくる姿は壮観でした。
第一回公演『ゲキジョ!』は女子だけだったので、余計に迫力を感じたのかもしれません。
というわけで、『1981年のグッドバイ』、ついにスタートを切りました!

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ワンダフル・ラジオ [映画]

2月28日(月)
クォン・チルイン監督『ワンダフル・ラジオ』(2012年)GYAOで鑑賞。

ワンダフル・ラジオ [DVD]

ワンダフル・ラジオ [DVD]

  • 出版社/メーカー: 竹書房
  • 発売日: 2013/02/02
  • メディア: DVD


シン・ジナ(イ・ミンジョン)はラジオ番組「ワンダフルラジオ」のDJ。
10年前まではアイドルグループ「パープル」のリーダーとして活躍していたが、今はこの仕事一つしかない。
しかし、聴取率が低迷。
ラジオ局はその梃入れとして、腕利きのプロデューサー、ジェヒョン(イ・ジョンジン)を送り込む。
ジェヒョンはシン・ジナに新しいコーナーを作れと命令。
シン・ジナは激しく反発するが、リスナーをスタジオに招いて、思い出の曲を歌わせるコーナーを思い付く……。

原題は『원더풀라디오』。
オーソドックスなラブコメだが、ヒロインのイ・ミンジョンが魅力的だったので、まあまあ楽しめた。

今日は、成井硝子店・第二回公演『1981年のグッドバイ』の稽古初日。
これから家族4人で行ってきます。
今日はいきなりダンスの振付。
娘の奮闘を見守りたいと思います。

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パーフェクトプロファイラー [映画]

2月27日(日)
ソン・ミンギュ監督『パーフェクトプロファイラー』(2016年)GYAOで鑑賞。

パーフェクト・プロファイラー 命がけの恋愛 [DVD]

パーフェクト・プロファイラー 命がけの恋愛 [DVD]

  • 出版社/メーカー: 竹書房
  • 発売日: 2017/07/05
  • メディア: DVD


推理作家のハン・ジェイン(ハ・ジウォン)は、スランプで5年も新刊を出していない。
近所で何か不審なものを見かけるたびに警察に通報し、「迷惑女」と呼ばれている。
幼馴染みの警官ソル・ロクファン(チョン・ジョンミョン)は必死に彼女を庇ってくれた。
何とか新作を書くため、世の中を騒がしている連続殺人事件を調べることにする。
被害者は全員女性で、死体は全裸でスーツケースの中に押し込められ、空家に放置されていた。
ジェインは、マンションの上の階に住む男に目を付ける。
しかし、彼はFBIのプロファイラーのジェイソン・チェン(チェン・ポーリン)だった……。

英語題名は『Life Risking Romance』。
ハ・ジウォン主演のラブコメ・サスペンスだが、とことんチープで、もはやアイドル映画と言っていいレベル。
先日見た『朝鮮美女三銃士』といい勝負。
といいながら、ハ・ジウォンが可愛かったので、許す。
イケメン役のチェン・ポーリンが、斉藤工によく似ていた。
チェン・ポーリンと言い、斉藤工と言い、どこがカッコいいのか、僕には全くわからない。
まあ、僕がズレてるんだろうけど。

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007逆襲のトリガー [本]

2月26日(土)
アンソニー・ホロヴィッツ『007逆襲のトリガー』(角川文庫)読了。

007 逆襲のトリガー (角川文庫)

007 逆襲のトリガー (角川文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2019/05/24
  • メディア: 文庫


1957年、ロンドン。
イギリス情報部MI6のジェームズ・ボンドは新たな指令を受ける。
F1レーサーのランシー・スミスが次のレースで命を狙われている。
狙っているのは、ソビエト連邦の秘密組織「スメルシュ」。
ボンドはスミスを守るため、レーサーとして出場することになった……。

原題は『Trigger Mortis』で、意味は「死の引き金」。
アンソニー・ホロヴイッツが、イアン・フレミング財団の依頼を受けて書いた、007シリーズの新作。
イアン・フレミングがテレビドラマ用に書いたプロットを利用して、これを書いたらしい。
僕は、イアン・フレミングの小説は1冊も読んだことがない。
が、『007逆襲のトリガー』は、ショーン・コネリー時代の007の雰囲気がよく出ていて、懐かしさを感じた。
『ゴールドフィンガー』の事件の直後、という設定もうれしい。
『ゴールドフィンガー』事件で結ばれたプッシー・ガロアをロンドンに連れてきたが、次第に邪魔になってくる、というのが何ともおかしい。
ボンドは事件のたびに美女と結ばれるが、みんなこんなふうにして別れたのだ。
遊び心溢れるパスティーシュ。

ナッポス・プロデュース『ナミヤ雑貨店の奇蹟』、本日初日でした。
1230から、ゲネプロ。
1700から、本番。
大きな事故もミスもなく、非常に出来の良い初日となりました。
妻と息子が見に来てくれました。
私の次の公演、ナッポス・プロデュース/辻村深月シアターが情報公開されました。
『かがみの孤城』と『ぼくのメジャースプーン』の2本立てです。
『かがみの孤城』は2年ぶりの再演。
『ぼくのメジャースプーン』は新作ですが、脚本は去年の夏に書いてしまいました。
お楽しみに!

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最愛の子 [映画]

2月26日(土)
ピーター・チャン監督『最愛の子』(2014年)

最愛の子 [DVD]

最愛の子 [DVD]

  • 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
  • 発売日: 2016/08/02
  • メディア: DVD


2009年7月、中国・深セン。
ティエン(ホアン・ボー)は下町で寂れたネットカフェを営みながら、3歳の息子ポンポンを育てている。
妻のジュアン(キティ・チャン)は、ティエンと離婚して、別の男と再婚した。
ある日、ポンポンが何者かにさらわれてしまう。
ティエンとジュアンは必死で創作するが、消息はつかめない。
3年後、安キ省にいるとの情報を受け、2人で向かう。
農家の庭に、ポンポンはいた。
2人はポンポンを連れ帰ろうとするが、その子の母親(ヴィッキー・チャオ)が必死で追いかけてきた……。

原題は『親愛的』。
実話に基づいた映画で、エンドロールでモデルとなった一家が映し出される。
2007年、4歳の時に広東省深圳市で人身売買組織に誘拐され山東省で保護された孫卓と、懸賞金を出して探し続け、2021年、18歳に成長した息子と再会を果たした父・孫海洋。
2時間14分の映画で、前半は息子を誘拐された男、後半が誘拐児と知らずに子供を育ててしまった女が主人公。
どちらも壮絶。
ヴィッキー・チャオはこの演技で中国・香港の賞を総ナメにしたらしい。
それも当然の名演技。
お薦めです。

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ディーバ [映画]

2月25日(金)
チョ・スレ監督『ディーバ』(2020年)NETFLIXで鑑賞。

イヨン(シン・ミナ)はダイビングの選手で、オリンピックの金メダル候補。
小学生の頃、スジン(イ・ユヨン)と出会って、この道に入った。
スジンもダイビングを続けていたが、最近伸び悩んでいた。
イヨンはスジンとペアを組み、練習を始める。
ところが、ある夜、二人を乗せた車が海に落ち、イヨンは軽傷で助かったが、スジンは行方不明になった。
イヨンの事故の前後の記憶を失っていた。
あの夜、一体何があったのか……。

84分のサイコサスペンス。
イヨンは次第に妄想に追い詰められ、狂っていく。
イヨン役のシン・ミナは美しい人だが、ダイビングの選手の体格には見えなかった。
脚本もありがちな話で、楽しめるのはシン・ミナのファンだけだろう。
残念。




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職業としてのシネマ [本]

2月24日(木)
高野てるみ『職業としてのシネマ』(集英社新書)読了。

職業としてのシネマ (集英社新書)

職業としてのシネマ (集英社新書)

  • 作者: 髙野 てるみ
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2021/05/17
  • メディア: 新書


映画プロデューサー、シネマ・エッセイストの高野てるみが、洋画の配給の仕事を解説する。

高野てるみ氏は、洋画の配給会社「巴里映画」の代表取締役。
1987年に同社を設立し、『テレーズ』『ギャルソン!』『サム・サフィ』『ガーターベルトの夜』などたくさんのフランス映画をヒットさせてきた。
80年代から90年代にかけて、東京にはたくさんのミニシアターがあり、それぞれが独自の映画を上映していた。
「シネマスクエアとうきゅう」「シネセゾン渋谷」「シネ・ヴィヴァン・六本木」などだ。
その中から、『薔薇の名前』『ベルリン天使の詩』『蜘蛛女のキス』『眺めのいい部屋』『アナザー・カントリー』などの大ヒットが生まれた。
が、コロナ禍によって、ミニシアターは絶滅寸前まで追い込まれている。
かく言う僕も、映画は専らNETFLIXかGYAOで視聴し、映画館には足を運ばない。
年に1回か2回は行こうと思っているのだが。
フランス映画が好きな人はぜひとも読むべき本。

午前は今年9回目のジョギング。
3,5キロ走って、1キロ歩いて、2キロ走りました。
3,5キロのタイムは、20分05秒。
前回より一気に32秒も遅くなってしまいました。
午後は駅前のショッピングセンターへ行き、3回目のワクチン接種を受けてきました。
2回目はその日一日ダルかったのですが、今回は元気いっぱい。
明日はいよいよナッポス・プロデュース『ナミヤ雑貨店の奇蹟』の場当たり。
池袋サンシャイン劇場に乗り込みます。
頑張ります!

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ひとの住処1964-2020 [本]

2月23日(水)
隈研吾『ひとの住処1964-2020』(新潮新書)読了。

ひとの住処 1964-2020 (新潮新書)

ひとの住処 1964-2020 (新潮新書)

  • 作者: 隈研吾
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2020/02/14
  • メディア: 新書


建築家・東京大学教授の隈研吾が、自身の半生を振り返りながら、日本の建築の現代史を語る。

隈研吾氏は、1954年、神奈川県生まれ。
東京大学大学院建築学科終了。
コロンビア大学客員研究員、慶応義塾大学教授を経て、東京大学大学院教授となる。
小学4年の時、丹下健三が設計した代々木競技場第一体育館に強いショックを受ける。
1970年の大阪万博では逆にガッカリ。
大学では原広司に師事し、サハラ砂漠を縦断して、集落を調査。
1986年、友人たちと会社を設立したが、バブルが弾けて、10数億の借金を抱えた。
その後は、高知県の檮原(ゆすはら)、宮城県の登米(とよま)、栃木県の馬頭などで、木を主体とした建物を作り、高い評価を得る。
そして、2020年、新国立競技場の第二回コンペで勝利。
やはり、木を主体としたスタジアムを設計し、オリンピックを成功に導いた。
建築家の本を読むのは初めてで、非常におもしろく、かつタメになった。
数学者と同じく、理系のアーティストという印象。
頑固なところも近い気がする。
お薦めです。

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マイ・ダディ [本]

2月22日(火)
山本幸久『マイ・ダディ』(徳間文庫)読了。

マイ・ダディ (徳間文庫)

マイ・ダディ (徳間文庫)

  • 作者: 山本幸久
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2021/08/11
  • メディア: 文庫


御堂一男は小さな教会の牧師。
牧師だけでは食べていけないので、近所のガソリンスタンドでアルバイトをしている。
妻は8年前に交通事故で亡くなり、中学生の娘・ひかりと二人暮らし。
そのひかりが病気で倒れ、検査の結果は急性骨髄性白血病。
一男が骨髄移植のための検査をしたところ、不適合。
さらに、ひかりと一男の間に血縁関係がないことが判明する。
はたして本当の父親はどこに?

山本幸久氏の本はこれが31冊目。
映画『マイ・ダディ』(脚本/及川真実+金井純一)のノベライズ。
山本氏は第一線の作家であるにもかかわらず、なぜかノベライズをよくやる。
当然、普通のノベライズよりはるかに質が高い。
この作品も、ストーリーは平凡だが、山本氏の腕で、おもしろい小説に仕上がった。
しかし、やはり山本氏のオリジナルの方が数段おもしろい。
正直言って、ノベライズなんてやらなきゃいいのに、と思う。
とは言え、『凸凹デイズ』の広告代理店が出てきたのはうれしかった。

午前は確定申告で、東村山の青色申告会へ行ってきました。
で、終了後は、稽古に間に合うように、特急・小江戸号に乗って、高田馬場へ。
東村山~高田馬場が、わずか22分でした。
(特急料金は400円。車内はガラガラ)
午後は、ナッポス・プロデュース『ナミヤ雑貨店の奇蹟』の稽古26日目、最終日。
1430より、第五回通し稽古。
上演時間は2時間07分14秒で、前回より19秒短くなりました。
2時間を越えていますが、6年前より9分短くなっています。
とてもおもしろく仕上がったので、長くは感じないと思います。
ですので、ぜひぜひ劇場へ!
心からお待ちしています!

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地形と地理で解ける!東京の秘密33多摩・武蔵野編 [本]

2月21日(月)
内田宗治『地形と地理で解ける!東京の秘密33多摩・武蔵野編』(じっぴコンパクト新書)読了。

地形と地理で解ける! 東京の秘密33 多摩・武蔵野編 (ジッピコンパクトシンショ)

地形と地理で解ける! 東京の秘密33 多摩・武蔵野編 (ジッピコンパクトシンショ)

  • 作者: 内田宗治
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2018/11/02
  • メディア: 新書


地形散歩ライターの内田宗治が、東京西部の、多摩・武蔵野地区の歴史と地理を解説する。

古代、武蔵国の国府は府中にあった。
そこから北に向かう幹線道路が、「東山道武蔵路(とうさんどうむさしみち)」。
道路の幅は12メートルもあったらしい。
江戸は海または湿地だったので、東北に向かう場合は、北へ迂回しなければならなかった。
鎌倉時代、鎌倉から府中を通って、北へ向かう、「鎌倉街道」が整備される。
それから戦国時代まで、この街道上で何度も戦が行われた。
一番有名なのが、新田義貞の鎌倉攻めで、新田軍と幕府軍は、小手指、久米川、分倍河原で衝突した。
これは学校では習わないので、僕もうっすらとしか知らなかった。
地元民だからこそ楽しめる話題がいっぱい。
お薦めです。

ナッポス・プロデュース『ナミヤ雑貨店の奇蹟』の稽古25日目。
16時より、第四回通し稽古。
上演時間は2時間07分33秒。
なんと、前回より2分近く短くなりました。
質も上がり、ダメ出しの数も減ってきました。
さらなる進化に期待します。
僕も頑張ります。

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