徹底討論！問われる宗教と"カルト”

５月３１日（水）
島薗進他『徹底討論！問われる宗教と"カルト"』（NHK出版新書）読了。

徹底討論 ! 問われる宗教と“カルト” (NHK出版新書 692)

• 出版社/メーカー: NHK出版
• 発売日: 2023/01/10
• メディア: 新書

NHKで２０２２年１０月９日・１６日に放送された「こころの時代～宗教・人生～／徹底討論！問われる宗教と"カルト"」を書籍化したもの。

出席者は、
〇島薗進／東京大学名誉教授、日本宗教学会元会長
〇釈徹宗／浄土真宗本願寺派如来寺住職、相愛大学学長
〇若松英輔／批評家・随筆家
〇櫻井義秀／北海道大学大学院文学研究院教授、日本脱カルト協会顧問
〇川島堅二／東北学院大学文学部総合人文学科教授、日本脱カルト協会顧問
〇小原克博／同志社大学神学部教授
今、「宗教とカルト」を語るなら、この方々がベストメンバーらしい。
「恐怖」「搾取」「拘束」があったら、それは宗教でなく、カルト。
この言葉は非常にわかりやすく、有効だと思う。
とてもタメになった。
お薦めです。

キャラメルボックス２０２３年度新人練習の２日目。
メニューは、コーチの生田麻里菜のリードで、ストレッチ、エアロビクス、筋トレ。
講師の石川寛美さんのリードで、発声練習。
そして、スピーチ、トークバトル、台本練習。
参加者７人が少しでも成長するように、石川さんと２人で、あの手この手でダメ出ししました。
午前１０時から午後４時まで、６時間がアッという間です。
次に行くのは土曜日。
楽しみです。

夜ごとの美女

５月３１日（水）
ルネ・クレール監督『夜ごとの美女』（１９５２年）AmazonPrimeで鑑賞。

夜ごとの美女 [DVD]

• 出版社/メーカー: パイオニアLDC
• 発売日: 2000/02/25
• メディア: DVD

クロード（ジェラール・フィリップ）は音楽の教師。
隣家の娘シュザンヌ（マガリ・ヴァンドイユ）に愛されていたが、気付いていない。
夢見がちな彼は昼日中から１９００年の夢を見る。
自作の曲を夜会で披露したクロードは、若い貴婦人エドメ（マルティーヌ・キャロル）から好意を寄せられ、オペラ座の支配人は彼のオペラの上演を約束してくれた。
しかし、老人の「儂の若い頃は良かった」という言葉をきっかけに、１８３０年の夢を見る。
アルジェリア征伐で、クロードは勇敢なラッパ手で、アラビアのレイラ姫（ジーナ・ロロブリジーダ）と恋仲だった。
そこへまた昔を懐しむ老将校が現れ、夢はルイ１６世の時代となる。
クロードは、貴族の令嬢シュザンヌ（マガリ・ヴエンドイユ）と恋仲だった‥‥。

原題は『Les belles de nuit』。
ルネ・クレール監督が『悪魔の美しさ』（１９５０年）に続けて撮った、ファンタジックなコメディ。
ジェラール・フィリップが３つの夢の中で３人の美女と恋をする。
ダニー・ケイ主演の『虹を掴む男』（１９４７年）とよく似ているが、出来はこちらの方が上。
ジェラール・フィリップが大活躍。
お馴染みレイモン・コルディも、シュザンヌの父親役で出演し、クロードの３つの夢にも様々な役で出没していた。
楽しい映画。
お薦めです。

マイ・ダディ

５月３０日（火）
山本幸久『マイ・ダディ』（徳間文庫）読了。

マイ・ダディ (徳間文庫)

• 作者: 山本幸久
• 出版社/メーカー: 徳間書店
• 発売日: 2021/08/11
• メディア: Kindle版

御堂一男は牧師だが、生計のため、ガソリンスタンドでアルバイトしている。
１４歳の娘・ひかりと２人暮らしで、妻・江津子はひかりが６歳の時に事故で亡くなった。
ある日、ひかりが倒れ、精密検査で白血病だとわかる。
御堂が骨髄移植の適合検査を受けたところ、適合しないばかりか、ひかりと親子ではないことが判明してしまう。
実の父親を探すため、御堂は探偵事務所に行く‥‥。

山本幸久氏の本はこれが３５冊目。
映像クリエイター支援プログラム「TSUTAYA CREATOR'S PROGRAM FILM 2016」で準グランプリを受賞した『ファインディング・ダディ』が、２０２１年９月、金井純一監督、ムロツヨシ主演で映画化された。
それを山本幸久氏がノベライズ。
映画には他に、奈緒、毎熊克哉、中田乃愛、臼田あさ美、徳井健太（平成ノブシコブシ）、永野宗典、小栗旬、光石研らが出演。
僕は未見。
で、小説の方だが、話がベタすぎて、感動には至らなかった。
山本幸久氏はたまに映画のノベライズをするが、ご本人のオリジナル作品よりかなり質が下がる。
その覚悟で読んだので、ガッカリはしなかった。

マイ・ダディ [Blu-ray]

• 出版社/メーカー: Happinet
• 発売日: 2022/03/09
• メディア: Blu-ray

今日は、キャラメルボックス２０２３年度新人練習の１日目。
都内の某スタジオで、１０時から１６時までみっちり稽古しました。
メニューは、ストレッチ、筋トレ、ストップモーション、スローモーション、発声練習、インタビュー、１対２のディベート、台本練習。
参加者は、入団２年目の田中のぶと、中尾彩絵、早海亜衣理、１年目の斎藤雄大、辻合直澄、南澤さくら、ゲストで成井硝子店『１９８１年のグッドバイ』に出演してくれた種村愛さんの７人。
講師は私１人。
最初のストレッチ、筋トレには、コーチとして、山本沙羅が参加してくれました。
明日も頑張ります！

悪魔の美しさ

５月３０日（火）
ルネ・クレール監督『悪魔の美しさ』（１９５０年）AmazonPrimeで鑑賞。

悪魔の美しさ [DVD]

• 出版社/メーカー: パイオニアLDC
• 発売日: 2000/02/25
• メディア: DVD

１９世紀初頭の某国。
大学教授ファウスト博士（ミシェル・シモン）は、５０年の研究生活の結果、磧学と讃えられたが、体の衰えを憂いていた。
そんな彼の前に、悪魔の手下メフィストフェレスが青年アンリ（ジェラール・フィリップ）の姿で現れる。
メフィストはファウストに、魂を売れば、アンリの体をやると告げる。
アンリの体を手に入れたファウストは、ジプシー娘マルグリット（ニコール・ベナール）と恋に落ちる。
が、ファウストの失踪を知った警察は、犯人としてアンリを捕えた。
が、ファウストの姿をしたメフィストが法廷に現れ、アンリは無事釈放される。
アンリはメフィストから砂を金に変える術を聞き、国一番の財産家となり、宮廷に参内。
そこで、大公妃（シモーヌ・ヴァレール）に一目惚れする‥‥。

原題は『La Beauté du diable』。
ゲーテの小説『ファウスト』を、ルネ・クレールが翻案し映画化。
日本での初公開時の題は『惡魔の美しさ』。
監督がルネ・クレールなので、ライトでコミカルなファンタジーになっている。
主演のジェラール・フィリップが水も滴る美男子で魅力的。
ミシェル・シモンは、チャールズ・ロートンのような強烈な個性の持ち主で、これまた魅力的。
ニコール・ベルナールとシモーヌ・ヴァレールも美しかった。

監督と俳優のコミュニケーション術

５月２９日（月）
ジョン・バダム『監督と俳優のコミュニケーション術』（フィルムアート社）読了。

監督と俳優のコミュニケーション術 なぜあの俳優は言うことを聞いてくれないのか

• 出版社/メーカー: フィルムアート社
• 発売日: 2012/04/21
• メディア: 単行本

映画監督のジョン・バダムが、自身の経験と数々のインタビューを元に、監督が俳優とのコミュニケーションにおいて気を付けるべきことを解説する。

ジョン・バダムは１９３９年、イギリス生まれで、幼い時にアメリカに移住し、アメリカに帰化。
アラバマ州で育ち、イエール大学で学ぶ。
1960年代後半からテレビの製作を手がけ、1977年の監督作『サタデー・ナイト・フィーバー』が世界的に大ヒット。
『ドラキュラ』（1979）
『この生命誰のもの』（1981）
『ショート・サーキット』（1986）
『ハード・ウェイ』（1991）
『ニック・オブ・タイム』（1995）
2000年代に入ってからは、大学で映画を教えている。
自身の経験と共に、以下の人々にインタビュー。
オリバー・ストーン、マイケル・マン、ジョン・フランケンハイマー、シドニー・ポラック、スティーヴン・ソダーヴァーグら映画監督。
リチャード・ドレイファス、ジャック・ニコルソン、アン・バンクロフト、ジェームズ・ウッズ、メル・ギブソン、マーク・ライデルら映画俳優。
様々な映画の裏話が満載で、とても楽しめた。
お薦めです。

サタデー・ナイト・フィーバー スペシャル・コレクターズ・エディション [Blu-ray]

• 出版社/メーカー: パラマウント
• 発売日: 2019/04/24
• メディア: Blu-ray

ニック・オブ・タイム [DVD]

• 出版社/メーカー: パラマウント ジャパン
• 発売日: 2002/07/26
• メディア: DVD

今日は、キャラメルボックス俳優教室の授業。
メニューは、ストレッチ、筋トレ、発声練習、スピーチ、台本練習。
あと、生徒たちはキャラメルボックス２０２３クロノス・フェス『クロノス・ビギンズ』『あしたあなたあいたい』のゲネプロを見学しているので、この２本の芝居についての質疑応答をしました。
僕の授業はまだ４回目ですが、生徒たちのテンションが徐々に上がってきて、うれしい限り。
明日からは、キャラメルボックスの新人練習。
楽しみです。

サンクチュアリ／聖域

５月２９日（月）
江口カン監督『サンクチュアリ／聖域』#1～#4を鑑賞。

小瀬清（一ノ瀬ワタル）は高校生で、無敵の不良。
幼い頃、父（きたろう）の寿司屋が倒産し、今は父は道路工事の警備員、母（余貴美子）は男と遊びまくっている。
が、父には莫大な借金があった。
清は借金を返済するため、猿将部屋の猿将親方（ピエール瀧）にスカウトを受け、力士となる。
が、相撲界のルールに従う気は全くなく、稽古もまじめにやらない。
それなのに、本場所では、序の口で全勝優勝してしまう‥‥。

Netflixが日本で製作し、2023年5月4日より全世界向けに配信開始したオリジナルWebドラマ。
全８話で、４話まで見た。
主演の一ノ瀬ワタルは、オーディションでこの役を獲得。
力士役の俳優たちは、専門家の指導の下、1年間に及ぶ肉体改造や相撲の稽古を行ったらしい。
おかげで、全員が本物の力士に見える。
相撲界で反逆児が大暴れするという話は、昔、週刊モーニングに連載していたさだやす圭のマンガ『ああ播磨灘』とよく似ている。
が、あちらは横綱、こちらは序の口。
「小瀬」はそれほど強くないし、強くなるための努力もしない。
そこがとても現代的だと思う。
他に、染谷将太、忽那汐里、田口トモロヲ、毎熊克哉、仙道敦子、岸谷五朗、中尾彬、笹野高史、松尾スズキ、小雪らが出演。

ああ播磨灘（１） (モーニングコミックス)

• 作者: さだやす圭
• 出版社/メーカー: 講談社
• 発売日: 2012/11/05
• メディア: Kindle版

名優が語る演技と人生

５月２８日（日）
関容子『名優が語る演技と人生』（文春新書）読了。

名優が語る 演技と人生 (文春新書 1388)

• 作者: 関 容子
• 出版社/メーカー: 文藝春秋
• 発売日: 2023/01/19
• メディア: 新書

エッセイストの関容子がプロデュースした、名優２人の対談８つ。

対談したのは、
〇仲代達矢＋岩下志麻
〇鳳蘭＋松本白鷗
〇柄本明＋白石加代子
〇吉行和子＋小林薫
〇梶芽衣子＋西島秀俊
などなど。
あまり親しくない２人の対談なので、あくまでも礼儀正しいが、それでも有名な映画・ドラマ・芝居の裏話は楽しい。
２２３ページが２時間で読めた。
お薦めです。

キャラメルボックス２０２３クロノス・フェス『クロノス・ビギンズ』『あしたあなたあいたい』の東京公演千秋楽。
１３時より、『あしたあなたあいたい』の本番４ステージ目。
上演時間は、１時間５４分００秒。
昨日より３０秒短くなりました。
終演後は、一言挨拶と三本締め。
三本締めは関根翔太が担当で、頑張って盛り上げてくれました。
神戸公演はちょっと間をおいて、６月１０日（土）・１１日（日）。
それまで、僕と新人たちは、年に一度の新人練習。
頑張ります！

巴里祭

５月２８日（日）
ルネ・クレール監督『巴里祭』（１９３３年）AmazonPrimeで鑑賞。

巴里祭 Blu-ray

• 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
• 発売日: 2019/06/29
• メディア: Blu-ray

パリの下町。
タクシーの運転手をしているジャン（ジョルジュ・リゴー）は、向かいのアパートに住んでいる花売娘のアンナ（アナベラ）が好きだった。
が、ジャンにはポーラ（ポーラ・イレリ）という彼女がいた。
一方、アンナもジャンに心惹かれていた。
２人は７月１４日の革命記念日の前夜、町の真ん中で踊った。
が、アンナは酔った老人客に無礼を働いという理由で、出入りしていたダンス場から追い出されてしまう‥‥。

原題は『Quatorze Juillet』で、「７月１４日」という意味。
１７８９年７月１４日のバスティーユ襲撃、１７９０年７月１４日の建国式典（建国記念日）などから、７月１４日はフランス革命記念日となった。
英語では「バスティーユの日」と呼ぶ。
が、日本では馴染がなかったため、この映画を輸入した東和商事は『巴里祭』という邦題を考案した。
この邦題のおかげで、日本では「フランス革命記念日」を「巴里祭」と呼ぶようになったらしい。
映画自体は他愛ないロマコメで、あまり良い出来ではない。
主役のカップルは、『ル・ミリオン』（１９３１年）に続いて、アナベラとジョルジュ・リゴー。
アナベラは可憐で、とても魅力的。
当時は物凄い人気だったらしい。

栞と嘘の季節

５月２７日（土）
米澤穂信『栞と噓の季節』（集英社）読了。

栞と噓の季節

• 作者: 米澤 穂信
• 出版社/メーカー: 集英社
• 発売日: 2022/11/04
• メディア: 単行本

堀川次郎は高校２年で、図書委員。
同じ図書委員の松倉詩門と放課後、仕事をしていると、返却された本の中に栞を見つける。
それは押し葉をラミネート加工したものだったが、中の花は猛毒のトリカブトだった。
２人は図書室の掲示板に「花の栞を忘れた人は、図書委員の松倉か堀川まで」と書いた掲示を貼り出した。
翌日、堀川は、写真部の岡地がコンクールで金賞を受賞した写真を見に行く。
その写真は、モデルの女子がトリカブトの花を持っていた‥‥。

米澤穂信氏の本はこれが２５冊目。
『本と鍵の季節』に続く、「図書委員」シリーズの２作目。
高校からほとんど外に出ることのない、きわめてスケールの小さい物語だが、心理描写が非常に細やかで、会話のセンスも良いため、読み応えがある。
しかし、伏線が張ってあったとは言え、話の展開に都合が良すぎると感じられるところがあった。

キャラメルボックス２０２３クロノス・フェス『クロノス・ビギンズ』『あしたあなたあいたい』の本番６日目。
１３時から『あしたあなたあいたい』の本番３ステージ目。
上演時間は、１時間５４分３０秒。
前回より６３秒長くなってしまいました。
１７時から『クロノス・ビギンズ』の本番５ステージ目。
上演時間は、２時間０分４４秒。
前回より６１秒短くなりましたが、２時間は切れませんでした。
２ステージとも２階まで超満員でうれしい限り。
笑い声も今まで一番で、非常に盛り上がりました。
明日が東京公演千秋楽。
頑張ります！

ル・ミリオン

５月２７日（土）
ルネ・クレール監督『ル・ミリオン』（１９３１年）AmazonPrimeで鑑賞。

ル・ミリオン 4K修復版 Blu-ray

• 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
• 発売日: 2022/01/28
• メディア: Blu-ray

パリ、モンマルトル。
画家のミシェル（ルネ・ルフェーヴル）と彫刻家のプロスペル（ルイ・アリベール）が小汚いアパートに住んでんる。
ミシェルにはベアトリス（アナベラ）という許嫁がいて、オペラ・リリック座のダンサーで、向かいのアパートに住んでいる。
朝、ベアトリスがミシェルの上着を繕っていると、ミシェルが美しい有閑婦人と抱き合っているのを見てしまう。
ベアトリスは、警官に追われて彼女の部屋に逃込んできたスリの親分クロシャールに、その上着をやってしまう。
一方、ミシェルは大勢の借金取りに攻められていると、プロスペルが宝くじが当ったと駆け込んでくる。
ミシェルは百万フランの金持ちになったと喜んだが、肝腎の宝くじ券が見つからない。
そして、上着のポケットに仕舞い忘れていたのを思い出す‥‥。

原題は『Le million』。
原作は、ジョルジュ・ベールの戯曲。
ルネ・クレールが、『巴里の屋根の下』（1930年）の次に撮った映画。
宝くじの入った上着を探して、男女のカップルが東奔西走するドタバタコメディ。
この手の話でやるべきことはすべてやっており、１９３１年でこのレベルに達しているのは凄いと思う。
お薦めです。