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犬は知っている [本]

12月8日(日)
大倉崇裕『犬は知っている』(双葉社)読了。

犬は知っている

犬は知っている

  • 作者: 大倉 崇裕
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2024/01/17
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


ファシリティドッグのピーボは警察病院の小児病棟に常勤して患者の治療計画にも介入する癒やしのゴールデンレトリバー。
賢くてふさふさの毛並みで子供達に大人気なのだが、実は密命を帯びていた。
特別病棟に入院する受刑者と接し、彼らから事件の秘密や真犯人の情報などを聞き出すこと。
死を前にした犯罪者はピーボに癒やされ、誰にも語ったことのない秘密を語り出すのだった。
それを端緒にして、ハンドラーの笠門巡査部長とピーボは捜査を開始する‥‥。

5つの短編から成る連作短編集。
評判がいいので読んでみたが、どれもミステリとしては今一つだった。
が、ファシリティドッグについては何も知らなかったので、勉強になった。

キャラメルボックス2024クリスマスツアー『ミスター・ムーンライト』大阪公演の2日目。
1200より2ステージ目にして、大阪千秋楽。
上演時間は1時間47分20秒で、昨日の初日より1分03秒長くなりました。
終演後は6年ぶりのキャラメル配り。
出演者15人と前説の2人の合計17人で、お客さん全員にキャラメルを手渡ししました。
その後は三浦剛による三本締め。
こうして大阪公演は恙なく終了しました。
私は新大阪発1707ののぞみで東京へ。
先程無事に帰宅しました。
東京公演は池袋サンシャイン劇場にて、12月20日(金)より。
皆様のご来場をお待ちしています。
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刑の重さは何で決まるのか [本]

12月7日(土)
高橋則夫『刑の重さは何で決まるのか』(ちくまプリマー新書)読了。

刑の重さは何で決まるのか (ちくまプリマー新書)

刑の重さは何で決まるのか (ちくまプリマー新書)

  • 作者: 高橋則夫
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2024/04/10
  • メディア: Kindle版


早稲田大学法学部名誉教授の高橋則夫が、刑法の基礎を解説する。

まるで刑法概論の授業のような本。
概念・理論の説明が多く、とてもタメになったが、反対に具体例が少なく、本としてのおもしろみはあまりなかった。

キャラメルボックス2024クリスマスツアー『ミスター・ムーンライト』大阪公演の本番初日。
1330よりゲネプロ。
上演時間は、1時間46分52秒。
1800より本番初日。
上演時間は、1時間46分17秒。
緊張によるものか、最短記録が出てしまいました。
終演後、ロビーでお客さんに挨拶していたら、「初演見てます」と言ってくださる方がたくさんいて、感動してしまいました。
23年も見続けてくれるなんて、本当にうれしい、ありがたい。
明日はもう、大阪公演千秋楽。
頑張ります!
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くもをさがす [本]

12月4日(水)
西加奈子『くもをさがす』(河出書房新社)読了。

くもをさがす

くもをさがす

  • 作者: 西加奈子
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2023/04/18
  • メディア: Kindle版


小説家・西加奈子が乳がんを克服した体験記。

西加奈子氏の本はこれが29冊目。
西加奈子氏は1977年、イラン・テヘラン生まれ。
イラン革命が起きた2歳の時に帰国し、小学1年から4年までをエジプト・カイロで過ごし、帰国後は大阪府和泉市で育つ。
関西大学法学部卒業後、アルバイトとして『ぴあ』の店舗取材ライターとなる。
2004年、『あおい』でデビュー。
2005年、『さくら』が20万部を超えるベストセラーとなる。
2015年、『サラバ!』で直木賞を受賞。
2012年に結婚し、2017年に第1子を出産。
2019年、2年間の語学留学として家族でカナダ・バンクーバーに転居。
2022年、帰国し、現在は東京在住。
バンクーバー滞在中に乳がんが発見され、手術で両乳房を失う。
その時の記録が本作で、2023年、第75回読売文学賞(随筆・紀行賞)を受賞。
たくさんの友達に助けられ、常に前向きに生きる姿が清々しい。
カナダ人のセリフがすべて大阪弁なのがおもしろかった
お薦めです。
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不便なコンビニ [本]

12月3日(火)
キム・ホヨン『不便なコンビニ』(小学館)読了。

不便なコンビニ

不便なコンビニ

  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2023/06/21
  • メディア: Kindle版



「不便なコンビニ」 小説

「不便なコンビニ」 小説

  • 作者: キム・ホヨン
  • 出版社/メーカー: The Book Company
  • 発売日: 2021/04/20
  • メディア: ペーパーバック


ソウルの下町。
亡き夫の遺産で建てたコンビニ「Always」を営む元教師のヨムさんは、駅で無くした財布を拾ってくれたホームレスの男「独孤(トッコ)」と知り合う。
記憶を失い言葉はたどたどしいが、誠実そうな独孤を見込んだヨムさんは、彼を深夜シフトの店員として雇う。
近隣のコンビニに押され気味で品揃えが悪く、近所住人からは「不便なコンビニ」と呼ばれている「Always」の店員や客たちは、怪しげな独孤と徐々に親しくなっていく‥‥。

2024年本屋大賞翻訳小説部門第3位。
韓国で100万部を越えるベストセラーとなった本。
ソウルでは舞台版がロングラン上演中で、ENAでドラマ化も進行中らしい。
確かになかなかおもしろかったが、この手の小説なら日本には山本幸久という偉大な作家がいて、残念ながら遠く及ばない。

凸凹デイズ (文春文庫 や 42-1)

凸凹デイズ (文春文庫 や 42-1)

  • 作者: 山本 幸久
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2012/09/20
  • メディア: Kindle版



ある日、アヒルバス (実業之日本社文庫)

ある日、アヒルバス (実業之日本社文庫)

  • 作者: 山本 幸久
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2012/07/01
  • メディア: Kindle版



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ウルトラマンが泣いている [本]

12月2日(月)
円谷英明『ウルトラマンが泣いている』(講談社現代新書)読了。

ウルトラマンが泣いている 円谷プロの失敗 (講談社現代新書)

ウルトラマンが泣いている 円谷プロの失敗 (講談社現代新書)

  • 作者: 円谷英明
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2013/07/26
  • メディア: Kindle版


日本を代表する特撮監督で、ウルトラマンの生みの親でもある円谷英二の孫で、円谷プロダクション 六代目社長の円谷英明が、円谷プロダクションの栄枯盛衰の歴史を語る。

前書きの最後に次の一文がある。
「円谷一族の人間は皆、いい意味でも悪い意味でも、子供だったのかもしれません」
まさにその通り。
一代目の英二は特撮の天才だったが、会社経営は完全に素人。
二代目以降も素人のままで、円谷プロダクションは常に放漫経営。
八代目の後、創業者一族である円谷一族は、円谷プロダクションから追放された。
自分たちが蒔いた種なのだから致し方ない。
また、ウルトラマン・シリーズは、時代に合わせよう、視聴率を上げようとの狙いから、番組ごとに設定をいじりすぎたため、シリーズを一貫するものが無くなってしまった。
確かに、『仮面ライダー』『宇宙戦艦ヤマト』『機動戦士ガンダム』などと比較すると、ウルトラマン・シリーズには世界観や作家性が感じられない。
僕は初代のウルトラマンと二代目のウルトラセブンだけが好きだが、うまくいったのはこの最初の2作だけだったのかもしれない。

「ウルトラマン」レア画像選集

「ウルトラマン」レア画像選集

  • 作者: 中村 宏治
  • 出版社/メーカー: 玄光社
  • 発売日: 2024/09/25
  • メディア: 単行本






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なわとびょ~ん [本]

12月1日(日)
シゲリカツヒコ『なわとびょ~ん』(角川書店)読了。

なわとびょ~ん (角川書店単行本)

なわとびょ~ん (角川書店単行本)

  • 作者: シゲリ カツヒコ
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2021/05/26
  • メディア: Kindle版


鈴木のりたけ『しごとば東京スカイツリー』(ブロンズ新社)読了。

しごとば 東京スカイツリー (しごとばシリーズ 4)

しごとば 東京スカイツリー (しごとばシリーズ 4)

  • 作者: 鈴木のりたけ
  • 出版社/メーカー: ブロンズ新社
  • 発売日: 2012/04/20
  • メディア: 単行本


『なわとびょ~ん』はシゲリカツヒコ氏の絵本。
本作はシゲリの異様にリアルな絵柄が活かされたと思う。
『しごとば東京スカイツリー』は「しごとば」シリーズの第三作。
東京スカイツリーを建てた人々とその仕事を詳しく紹介する。

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猫弁と奇跡の子 [本]

11月30日(土)
大山淳子『猫弁と奇跡の子』(講談社)読了。

猫弁と奇跡の子

猫弁と奇跡の子

  • 作者: 大山淳子
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2024/11/19
  • メディア: Kindle版


婚約から3年かかってやっと入籍した、猫弁こと百瀬太郎と大福亜子。
しかし、まだ結婚式は挙げてなかった。
ある日、亜子の勤め先のナイス結婚相談所に意外な客がやってくる。
百瀬法律事務所の事務員の仁科七重だった。
亜子にしか叶えることのできない「願い」があると言う。
一方、百瀬はひなた商店街の野原鮎太の相談を受けていた。
福引きで当たった一等賞の景品が、なんとセルカーク・レックスという種類の猫だった。
妻は返せと言うが、福引きの主催者は姿をくらましていた‥‥。

大山淳子さんから献本としていただきました。
猫弁シリーズの第2シーズンの5巻目にして最終巻。
猫弁シリーズは以下の10冊。
第1シーズン
『猫弁 天才百瀬とやっかいな依頼人たち』
『猫弁と透明人間』
『猫弁と指輪物語』
『猫弁と少女探偵』
『猫弁と魔女裁判』
第2シーズン
『猫弁と星の王子』
『猫弁と鉄の女』
『猫弁と幽霊屋敷』
『猫弁と狼少女』
『猫弁と奇跡の子』
このシリーズ、累計で53万部を突破したらしい。
僕は書くことがとても苦しく辛いが、大山さんは楽しいのだろうなと思う。
心底羨ましい。

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やさしい共犯、無欲な泥棒 [本]

11月30日(土)
光原百合『やさしい共犯、無欲な泥棒』(文春文庫)読了。

やさしい共犯、無欲な泥棒 珠玉短篇集 (文春文庫 み 34-3)

やさしい共犯、無欲な泥棒 珠玉短篇集 (文春文庫 み 34-3)

  • 作者: 光原 百合
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2023/07/05
  • メディア: 文庫


ミステリー作家・光原百合の短編集。
『やさしい共犯』『無欲な泥棒』など、8作を収録。

光原百合氏の本はこれが3冊目。
光原氏は1964年、広島県尾道市生まれ。
1986年に大阪大学文学部文学科卒業、1996年に同大学院博士後期課程単位取得満期退学。
1980年代から月刊誌「詩とメルヘン」に投稿を続けて童話や詩集を発表し、1990年代からは吉野桜子名義で推理小説の短編も発表していた。
1998年、『時計を忘れて森へいこう』で推理小説界に公式デビュー。
2002年、『十八の夏』で第55回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。
尾道市立大学芸術文化学部日本文学科教授に就任。
2022年、58歳で死去。
巻末の解説は有栖川有栖氏で、生前の光原氏との交流を回顧している。
本作の8編はどれも「日常の謎」派的ミステリで、事件らしい事件は起きない。
優しさとユーモアを基調とした物語たち。

時計を忘れて森へいこう (創元推理文庫)

時計を忘れて森へいこう (創元推理文庫)

  • 作者: 光原 百合
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2006/06/27
  • メディア: 文庫



十八の夏 (双葉文庫 み 14-1)

十八の夏 (双葉文庫 み 14-1)

  • 作者: 光原 百合
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2004/06/08
  • メディア: 文庫



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しっぽ学 [本]

11月29日(金)
東島沙弥佳『しっぽ学』(光文社新書)読了。

しっぽ学 (光文社新書)

しっぽ学 (光文社新書)

  • 作者: 東島 沙弥佳
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2024/08/20
  • メディア: Kindle版


京都大学白眉センター特定助教の東島沙弥佳が、自身の研究する「しっぽ学」について解説する。

東島沙弥佳氏は1986年大阪生まれ。
人類学からスタートし、「しっぽ」を研究テーマと定めてからは、考古学、生物学、発生学など様々な分野を横断的に研究。
さらに人文学にも手を伸ばし、『日本書紀』における「しっぽ」の記述を考察している。
本書が初著作らしいが、とても楽しめた。
お薦めです。
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親密な手紙 [本]

11月28日(木)
大江健三郎『親密な手紙』(岩波新書)読了。

親密な手紙 (岩波新書)

親密な手紙 (岩波新書)

  • 作者: 大江 健三郎
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2023/11/22
  • メディア: Kindle版


小説家・大江健三郎のエッセイ集。
雑誌「図書」に2010年から2013年まで連載されたもの。

大江健三郎氏の本はこれが47冊目。
大江氏の小説は高校時代からずっと読んできたが、25年ほど前にやめていた。
大江氏の政治姿勢がどうしても受け入れられないと思ったからだ。
小説で言えば、『燃え上がる緑の木』まで読んでいた。
最近、筒井康隆氏と蓮見重彦氏が対談で、大江氏が日本で一番の小説家だと発言するのを読んで、また読んでみようという気になった。
大江氏のエッセイは全くおもしろくないが、交友関係がわかるので興味深い。
息子の光さんの暮らしぶりがわかるのもいい。
次は小説を読もう。

燃えあがる緑の木〈第1部〉「救い主」が殴られるまで (新潮文庫)

燃えあがる緑の木〈第1部〉「救い主」が殴られるまで (新潮文庫)

  • 作者: 健三郎, 大江
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1997/12/24
  • メディア: 文庫



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