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氷の轍 [本]

7月21日(火)
桜木紫乃『氷の轍』(小学館)読了。

氷の轍 北海道警釧路方面本部刑事第一課・大門真由 (小学館文庫)

氷の轍 北海道警釧路方面本部刑事第一課・大門真由 (小学館文庫)

  • 作者: 紫乃, 桜木
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2019/12/06
  • メディア: 文庫



氷の轍

氷の轍

  • 作者: 紫乃, 桜木
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2016/09/27
  • メディア: 単行本


大門真由は北海道警釧路方面本部刑事第一課の刑事。
父・史郎は釧路署の交通課に勤めていたが、1年前に脳梗塞で左半身が麻痺し、今は母・希代に助けられながら、リハビリ中。
釧路市の千代ノ浦海岸で、男性の他殺死体が発見された。
被害者は、札幌市の元タクシー乗務員・滝川信夫。
真由は、先輩の片桐警部補、通称「キリさん」とコンビを組んで、滝川の過去を探り始める……。

桜木氏の本はこれが18冊目。
ミステリーだが、非常に文学性が高く、読み応えがあった。
読みながら、何度も、松本清張の『砂の器』を思い出した。
封印してきた過去を暴く人物が現れたため、止むを得ず殺人を犯す。
その過去が信じられないほど痛ましい。
桜木氏の作品の舞台は氏の地元・釧路であることが多いが、主人公たちが捜査で市内を動き回るため、いつも以上に街の描写が多く、釧路をより詳しく知ることができた。
悲しいが、味わい深い物語。
お薦めです。

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