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22世紀の民主主義 [本]

2月29日(木)
成田悠輔『22世紀の民主主義』(SB新書)読了。

22世紀の民主主義 選挙はアルゴリズムになり、政治家はネコになる (SB新書)

22世紀の民主主義 選挙はアルゴリズムになり、政治家はネコになる (SB新書)

  • 作者: 成田 悠輔
  • 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
  • 発売日: 2022/07/05
  • メディア: Kindle版


イェール大学准教授で、半熟仮想株式会社代表の成田悠輔が、22世紀へ向けて新たな民主主義を提案する。

その新たな民主主義とは「無意識民主主義」で、全国民の無意識をモニタリングして、その結果で政策を決めていけば、選挙も議員もいらないという考え。
それはともかく、前半の現状の分析はとてもタメになった。
若者の声は無視され続けている。
ネット選挙を実現しても、若者の投票率は上がらない。
むしろ病気などで家から出られない老人たちが投票できるようになり、結果、老人の投票率だけが上がる。
老齢で既得権者である議員たちに、変革は不可能。
民主主義はもはや崩壊している。
全くその通りだと思う。
かと言って、その打開策が「無意識民主主義」だとは思えないが。
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逃げるは恥だが役に立つ#3~5 [映画]

2月29日(木)
『逃げるは恥だが役に立つ』#3~5(2016年)Netflixで鑑賞。

逃げるは恥だが役に立つ(1) (Kissコミックス)

逃げるは恥だが役に立つ(1) (Kissコミックス)

  • 作者: 海野つなみ
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2013/12/06
  • メディア: Kindle版


森山みくりは大学で心理学を研究したが、就職できず、大学院に進学。
が、院の卒業後も就活に失敗し、派遣社員となる。
ところが、派遣先で派遣切りに遭い、無職となってしまう。
見かねた父が、家事代行サービスを利用している、元部下の津崎平匡がに頼み込んで、みくりを雇ってもらう。
津崎は35歳独身で、自称・独身のプロ。
気難しい性格で、他人に構われることを好まなかったが、みくりとは適度な距離感を保って良好な関係を築く。
が、みくりの両親が父の定年を機に田舎へ引っ越すことになり、現状を維持したいみくりは津崎に「就職としての結婚」を提案する。
津崎は了承し、2人は「雇用主と従業員」という関係の契約結婚をする‥‥。

#3~5も変わらぬおもしろさ。
津崎には女性経験がないので、みくりとの関係が、35歳にもかかわらず、ティーンエイジャーのように初々しい。
それが何とも微笑ましくて、つい笑ってしまう。
続きが楽しみ。
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サンドラの週末 [映画]

2月29日(木)
リュック&ジャン=ピエール・ダルデンヌ監督『サンドラの週末』(2014年)AmazonPrimeで鑑賞。

サンドラの週末 [DVD]

サンドラの週末 [DVD]

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2015/11/27
  • メディア: DVD


ベルギー。
サンドラ(マリオン・コティヤール)は夫マニュ(ファブリツィオ・ロンジョーネ)、子供2人と暮らす労働者。
鬱病で長く休職していたが、ようやく復職することになる。
ところが金曜日、会社が職員へのボーナス支給のために1人解雇しなくてはならず、サンドラを解雇すると通告してくる。
同僚のとりなしで社長と交渉すると、社長は週明けの月曜日に職員たちによる投票を行い、ボーナスを諦めてサンドラの復職に賛成する者が多ければ復職させる、と約束する。
サンドラは週末、自分に投票してほしいと、同僚たちを説得して回る‥‥。

リュック&ジャン=ピエール・ダルデンヌ監督の映画を見るのは、これが7本目。
原題は『Deux jours, une nuit』。
ベルギー・フランス・イタリア合作映画。
何とも辛い話だった。
サンドラは最初から最後まで、同僚たちの家を次々と訪ねていき、ボーナスを諦めて自分を復職させてほしいと訴える。
了解する人もいれば、断る人もいる。
断られるたびに、サンドラは深く傷つく。
見ている方も傷つく。
マリオン・コティヤールのリアルな演技が凄い。
この映画でアカデミー主演女優賞にノミネートされたのも当然。(惜しくも受賞は流した)
ダルデンヌ兄弟組のレギュラーのオリヴィエ・グルメは、サンドラの復職を阻止しようとする主任の役で、出番は1回だけだった。
ちょっと残念。
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逃げるは恥だが役に立つ#1~2 [映画]

2月28日(水)
『逃げるは恥だが役に立つ』#1~2(年)Netflixで鑑賞。

逃げるは恥だが役に立つ Blu-ray BOX

逃げるは恥だが役に立つ Blu-ray BOX

  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • 発売日: 2017/03/29
  • メディア: Blu-ray


『逃げるは恥だが役に立つ』は、海野つなみによるマンガのドラマ化。
原作は『Kiss』(講談社)で2012年22号より2017年2月号まで連載された。
その後、2019年3月号から連載を再開し、2020年4月号まで連載された。
略称は「逃げ恥」(にげはじ)。

タイトルの「逃げるは恥だが役に立つ」はハンガリーのことわざで、ハンガリー語では「Szégyen a futás, de hasznos.」。
ドラマでは、#2で説明するシーンがあった。
娘と息子があまりにも褒めるので、Netflixに出たこともあって、見ることにした。
これがまあ、予想以上におもしろくて、驚いた。
ストーリーはオーソドックスだが、センスが非常によい。
役者たちもみんな役にハマっている。
特にメインの2人、新垣結衣と星野源がすばらしくくて、本人の性格も役に近いのではないかと思った。
続きが楽しみ。

今日は今年14回目のジョギング。
3,5キロ走って、1,2キロ歩いて、2,2キロ走りました。
3,5キロのタイムは、20分14秒。
強風に邪魔されて、今年最遅記録を更新してしまいました。
ナッポス・プロデュース『湯を沸かすほど熱い愛』と、アミューズ・プロデュース『無伴奏ソナタ The Musical』が情報公開されました。
脚本は2作とも既に完成しています。
実は『湯を沸かすほど熱い愛』の脚本は3年も前に書き上げていて、今年ようやく上演することが出来て、本当にうれしいです。
『無伴奏ソナタ The Musical』の脚本は去年の夏から秋にかけて書きました。
もちろん、どちらも実際に稽古場で役者さんたちにやってもらって、さらに改訂します。
初めてご一緒する人がいっぱいいるので、とてもドキドキしています。
頑張ります。

湯を沸かすほどの熱い愛 通常版 [DVD]

湯を沸かすほどの熱い愛 通常版 [DVD]

  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • 発売日: 2017/04/26
  • メディア: DVD



キャラメルボックス『無伴奏ソナタ』

キャラメルボックス『無伴奏ソナタ』

  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2024/02/28
  • メディア: DVD



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おやすみ人面瘡 [本]

2月28日(水)
白井智之『おやすみ人面瘡』(角川書店)読了。

おやすみ人面瘡 (角川文庫)

おやすみ人面瘡 (角川文庫)

  • 作者: 白井 智之
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2019/09/21
  • メディア: Kindle版


人瘤病は、体のあちこちに人の顔をした十センチ大の瘤(コブ)ができる奇病。
感染者は6~7個の瘤を抱えていて、その瘤には切れ長の目、潰れた鼻、デコボコの歯、ウシガエルのような顔が浮かんでいる。
さらにこのコブは本体の脳細胞をコピーして、本体の脳が死んでも生命活動を維持できるようになっている。
カブは、人瘤病の女性を集めて性的なサービスを行っている風俗店で働いている。
ある日、後輩のジンタと共に、店で使う人瘤病の女性を買い取りに海晴市に行くのだが、そこで予想外のトラブルに巻き込まれてしまう‥‥。

白井智之氏の本はこれが5冊目。
白井氏の作品は「グロテスク・ミステリ」と呼ばれているが、本作は過去最高のグロテスクさで、他の人にはお薦めしにくい。
途中、殺人事件が起きて、多重解決が行われるが、それがあまり重要なことと思えない。
それは人の命があまりにも軽く扱われているからで、殺人を重大事と思えないのだ。
白井氏は行き過ぎてしまったのではないか?
少なくとも僕には楽しめなかった。
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今際の国のアリス#6~8 [映画]

2月27日(火)
佐藤信介監督『今際の国のアリス』#6~8(2022年)Netflixで鑑賞。

今際の国のアリス(6) (少年サンデーコミックス)

今際の国のアリス(6) (少年サンデーコミックス)

  • 作者: 麻生羽呂
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2013/11/04
  • メディア: Kindle版


アリスとウサギは離ればなれになっていたが、スペードのクイーンのゲーム会場で再会。
ウサギは、ビザが今日で切れるコウタという10歳の子どもを連れていた。
スペードのクイーンのリサが現れ、「ちぇっくめいと」というゲームが始まる。
アリス・ウサギ・コウタのチームは敗北寸前で逆転し、見事に勝利。
一方、チシヤは最高裁判所で、ダイヤのキングのゲーム「てんびん」に参加していた‥‥。

『今際の国のアリス』シーズン2全8話をコンプリート。
#7は異様に盛り上がったが、#8はハッキリ言って肩透かしだった。
ラストのオチにも全然納得できない。
アリスたちが同じ一つの夢を見ていた理由が何も説明されないのだ。
じゃ、誰がゲームを作ったの?
『イカゲーム』はそういった疑問が一切残らないように作られていた。
残念ながら、『今際の国のアリス』は詰めが甘すぎる。
とは言え、『忍びの家』よりははるかにおもしろく、『今際の国のアリス』シーズン1よりも明らかに質が上がっていた。
ラストに文句はあるけど、とても楽しめた。
お薦めです。

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ある子供 [映画]

2月27日(火)
ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督『ある子供』(2005年)AmazonPrimeで鑑賞。

ある子供 [DVD]

ある子供 [DVD]

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2015/11/27
  • メディア: DVD


ベルギー。
20歳のブリュノ(ジェレミー・レニエ)と18歳のソニア(デボラ・フランソワ)は、生活保護給付金とブリュノの盗みから得た金で生計を立てていた。
二人に子供が出来た時、ソニアはブリュノにまじめに働くように頼むが、ブリュノは聞き流す。
ある日、ブリュノは子供と外で二人きりになった時、子供を養子として売ってしまう。
それを聞いたソニアは卒倒。
ブリュノはソニアを病院に連れていき、子供を取り戻すために走り出す‥‥。

原題は『L'Enfant』。
ベルギー・フランスの合作映画。
第58回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞。
ダルデンヌ兄弟にとっては、『ロゼッタ』(1999年)続いて、2回目。
主演のジェレミー・レニエは、『イゴールの約束』(1996)の「イゴール」役の少年で、あれから9年経って、すっかり大人になっていた。
レギュラーのオリヴィエ・グルメは刑事役で、出番が少なかった。
ダルデンヌ兄弟が『息子のまなざし』(2003年)の次に撮った映画だが、もうあれほどカメラが俳優に寄らなくなっていた。
他の監督よりは寄るけど。
ダルデンヌ兄弟は常に貧困層の犯罪を通して、人間の弱さと強さを描く。
おもしろい。
お薦めです。
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今際の国のアリス#3~5 [映画]

2月26日(月)
佐藤信介監督『今際の国のアリス』#3~5(2022年)Netflixで鑑賞。

今際の国のアリス(3) (少年サンデーコミックス)

今際の国のアリス(3) (少年サンデーコミックス)

  • 作者: 麻生羽呂
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2013/02/04
  • メディア: Kindle版


クラブのキングであるキューマが用意していたゲームは「すうとり」。
アリス、ウサギ、クイナ、タッタ、ニラギの5人は果敢に挑むが、窮地に追い込まれる。
負けたチームは全員死ぬ。
そこで、タッタが起死回生のアイディアを出す‥‥。

「すうとり」編はキューマが最高だったが、オチがイマイチ。
あんな罠にキューマが引っかかるとは思えない。
#3から始まる「どくぼう」編はよくできていた。
#5から始まる「ちぇっくめいと」編は要するに鬼ごっこで、ちょっと単純すぎる気がする。
とは言え、やはりシーズン1よりは確実におもしろい。
#6以降が楽しみ。

今日は妻と2人で恵比寿のビートニック・スタジオへ行き、ビートニック・スタジオ・パフォーマンス『転ばぬ先の知恵』を見てきました。
娘が出演しているのです。
構成・演出・振付は、川崎悦子先生。
全12曲で、他に映像のコーナーと、トークのコーナーがありました。
娘は5曲踊ったのですが、そのうちの1曲は2人だけの出演で、振付もその2人がしたものでした。
娘がビートニック・スタジオに通い始めたのは中学2年の時で、もう13年も前。
今では川崎先生のアシスタントを務め、自分のクラスも一つ持っています。
本当にうまくなったので、今日も安心して見ることができました。
が、ラストの曲で、いきなり川崎先生が出てきて踊り始めた時はビックリしました。
なぜか「ありがたや、ありがたや」と祈りたい気持ちになりました。
あー、おもしろかった!

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イゴールの約束 [映画]

2月26日(月)
リュック&ジャン=ピエール・ダルデンヌ監督『イゴールの約束』(1996年)AmazonPrimeで鑑賞。

イゴールの約束 [DVD]

イゴールの約束 [DVD]

  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2012/03/23
  • メディア: DVD


ベルギー。
イゴール(ジェレミー・レニエ)は自動車修理の見習工。
彼の父・ロジェ(オリヴィエ・グルメ)は不法移民の斡旋が仕事で、イゴールはその助手を務めている。
ロジェが管理している不法移民宿泊施設には、ブルキナファソ出身のアミドゥ(ラスマネ・ウエドラオゴ)、その妻アシタ(アシタ・ウエドラオゴ)と赤ん坊が住んでいる。
ある日、アミドゥが建築現場で作業中、移民局の抜き打ち査察があり、逃げようとして足場から落下し、重傷を負う。
アミドゥはイゴールに妻子の世話を頼んで死ぬ。
ロジェはイゴールに手伝わせて、アミドゥの遺体をコンクリートの土台に埋めた‥‥。

原題は『La Promesse』。
ベルギー・フランス・ルクセンブルク・チュニジア合作映画。
リュック&ジャン=ピエール・ダルデンヌ監督の長編第3作目。
主演は新人のジェレミー・レニエ。
カンヌ映画祭「ある視点」部門で注目され、パリでロングランを記録。
つまり、ここからダルデンヌ兄弟の躍進が始まる。
次の『ロゼッタ』(1999年)、その次の『息子のまなざし』(2002年)ほどではないが、結構寄っている。
ドキュメンタリー・タッチで、凄い現実感。
ヒリヒリした映画。
お薦めです。

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せなか町から、ずっと [本]

2月26日(月)
斉藤倫『せなか町から、ずっと』(福音館書店)読了。

せなか町から、ずっと (福音館創作童話シリーズ)

せなか町から、ずっと (福音館創作童話シリーズ)

  • 出版社/メーカー: 福音館書店
  • 発売日: 2016/06/20
  • メディア: 単行本


巨大なエイが長い眠りに就いている間に、彼の背中に人間の町が出来た。
せなか島のせなか町。
町の真ん中をせびれ通りが走り、その北側に住む子供は北せなか小学校、南側に住む子供は南せなか小学校に通った。
そんなせなか町で起きた、数々の事件‥‥。

作者の斉藤倫は1969年生まれの詩人。
2004年、『手をふる手をふる』でデビュー。
2014年、『どろぼうのぼうけん』で第48回児童文学者協会新人賞、第64回小学館児童出版文化賞を受賞。
挿絵のjunaida(じゅないだ)は1978年生まれの画家。
2014年、京都精華大学客員教授。
2015年、ボローニャ国際絵本原画展入選。
子供向けだが、オシャレな本だった。

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