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少年時代 [本]

7月23日(木)
深水黎一郎『少年時代』(ハルキ文庫)読了。

少年時代 (ハルキ文庫)

少年時代 (ハルキ文庫)

  • 作者: 黎一郎, 深水
  • 出版社/メーカー: 角川春樹事務所
  • 発売日: 2017/03/01
  • メディア: 文庫


幼い「僕」はちんどん屋が好きだった。
ある時、3人組のちんどん屋についていった。
他にもついてくる子がいたが、次第に数が減り、やがて「僕」だけになった。
ちんどん屋は隣の町に入ると、演奏を止め、しばらく歩いて、ある建物の前で止まった。
「僕」は自分が家に帰れないことに気付き、泣きだした。
ちんどん屋の3人は、「僕」を慰めてくれた。。
そして、サキソフォンを吹いていたアルバイトの若い男が、「僕」を家まで送ってくれることになった。
男は他の2人から、「シゲ」と呼ばれていた……。

深水黎一郎氏の本はこれが15冊目。
「僕」を主人公にした短編3つを収録した連作短編集で、上記は一つ目の『天の川の預かりもの』。
深水氏は1963年、山形生まれ。
深水氏の少年時代の体験が元になっているらしい。
二つ目の『ひょうろぎ野郎とめろず犬』では、山形の罵り言葉がふんだんに出てきておもしろかった。
三つ目の『鎧袖一触の春』は一転して、高校の柔道部が舞台で、80年前後の猛烈なシゴキが描かれる。
ノスタルジーに溢れた短編集だが、ちゃんとミステリーになっているのが凄い。
お薦めです。

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