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聖痕 [本]

4月25日(火)
筒井康隆『聖痕』(新潮社)読了。

聖痕 (新潮文庫)

聖痕 (新潮文庫)

  • 作者: 筒井 康隆
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2015/11/28
  • メディア: 文庫


1970年代。
葉月貴夫は、葉月衣料株式会社の創業者・葉月猛夫の孫。
世にも稀なる美貌を持って、この世に生まれ出でた。
が、3歳半の時、変質者に襲われ、男性器を切り取られてしまう。
家族はその事実を隠すため、すぐに転居。
成長するに従って、美しさがさらに増し、周囲の男も女も、貴夫に群がった。
が、性欲のない貴夫には、誰を愛することもできなかった……。

さすがは筒井康隆先生、無類のおもしろさ。
貴夫は文学などあらゆる人の営みに性欲の匂いを嗅ぎ取り、嫌う。
が、料理だけは性欲と無関係と気づき、その道を選ぶ。
東大農学部で食物を研究し、食品会社に就職し、独立してレストラン経営を始める。
性欲を持たない、絶世の美男子の人生。
筒井康隆氏だから書ける、特権的な人間。
後半に進むに従って、現代では使われていない、古い日本語が増えていき、雅文調になっていくのもおもしろい。
お薦めです。

ナッポス・プロデュース『スキップ』の仕込み二日目。
17時から場当たり。
最初に川崎悦子先生がダンスを見てくださり、またまた修正が入りました。
が、修正したおかげて、ますますよくなった。
その後はとんとん進み、21時すぎに、9場まで進んだところで、今日は終了。
美術も照明も美しく、この詩的な物語にぴったり。
明日は朝から、場当たりの続き、ゲネプロ、そして本番初日。
いよいよお客さんにお見せできる。
お客さんの反応が楽しみで仕方ありません。
19時の開演まで、最後のスパート、頑張ります!

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