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彼女が消えた浜辺 [映画]

2月3日(日)
アスガー・ファルハディ監督『彼女が消えた浜辺』(2009年)WOWOWで鑑賞。

彼女が消えた浜辺 [DVD]

彼女が消えた浜辺 [DVD]

  • 出版社/メーカー: 角川映画
  • 発売日: 2011/04/21
  • メディア: DVD


イラン、テヘランの近く、カスピ海沿岸のリゾート地。
セピデー(ゴルシフテェ・ファラハニー)は大学時代の友人たちと、3日間のヴァカンスにやってくる。
セピデーの夫と子供たち、ドイツ人の妻と離婚したばかりアーマド(シャハブ・ホセイニ)、その妹ナジーと夫マヌチュール、セピデーの友人ショーレ(メリッラ・ザレイ)と夫ペイマンと子供たち、セピデーの子供が通う保育園の先生エリ(タラネ・アリシュスティ)。
ところが、セピデーが予約していたヴィラは満室で、一行は海辺の朽ちかけた別荘に泊まらざるを得なくなる。
2日目の朝、ショーレとペイマンの子アラーシュが海で溺れてしまう。
アラーシュは男たちの手によって助けられたが、エリの姿が消えていた。
アラーシュを助けようとして、溺れたのか……。

アスガー・ファルハディ監督の映画はこれが4本目。
第59回ベルリン国際映画祭最優秀監督賞受賞。
バカンスに出かけた一行の人数が多すぎて、前半はセピデーとエリしか見分けがつかず。
このまま行くとキツいなあと思っていたら、アラーシュが溺れたところで、雰囲気が一変。
物凄い緊迫感で、ラストまで一気だった。
セピデーは、子供がいつもお世話になっているということで、エリを気軽にバカンスに誘ったが、いなくなってみると、フルネームさえ知らないことに気付く。
家族に何と伝えればいいのか?
前半で輝くほど美しかったセピデーが一気に憔悴してしまう。
そんじょそこらのホラー映画よりもよっぽど恐ろしい。
アスガー・ファルハディ監督は、『別離』でその質の高さに驚愕し、『ある過去の行方』『セールスマン』と見てきたが、今回また驚かされた。
凄い監督だ。
お薦めです。

今日は銀座九劇アカデミアのワークショップの3回目。
12~16時が「初級俳優講座」、17~21時が「中級俳優講座」でした。
台本練習のテキストは、「初級」も「中級」も、『カレッジ・オブ・ザ・ウィンド』の3場。
ワークショップでこの場面をやるのは初めてで、とても楽しかった。
「ほしみ」役をやった人たちがみんな苦戦していて、この役が意外と難しいことに気づきました。
作者の僕としては、初演で「ほしみ」を演じた町田久実子を見て、当てて書いたので、何の違和感もない。
しかし、前知識ナシでこの台本を読むと、「ほしみ」という人物は、どう演じたらいいのか、非常にわかりにくいのです。
あまりにも純粋で、あまりにも愛に溢れている。
町田久実子はもちろん、小川江利子も原田樹里も体現できていたので、まさかここまで難しいとは思ってなかった。
オーディション受講者たちかどこまで「ほしみ」に近づけるか、来週が楽しみです。

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