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カリギュラ [本]

2月4日(月)
アルベール・カミュ『カリギュラ』(ハヤカワ演劇文庫)読了。

アルベール・カミュ (1) カリギュラ (ハヤカワ演劇文庫 18)

アルベール・カミュ (1) カリギュラ (ハヤカワ演劇文庫 18)

  • 作者: アルベール・カミュ
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2008/09/25
  • メディア: 文庫


一世紀初頭、ローマ。
ローマ帝国の皇帝カリギュラは、最愛の妹であり愛人でもあったドリュジラを失い、姿を消す。
3日後姿を現し、貴族全員の財産を取り上げ、デタラメな順番で殺し始める。
3年後、帝国は崩壊の危機にあった。
貴族のケレアは、カリギュラの暗殺を計画するが……。

フランスの小説家・劇作家・哲学者のアルベール・カミュの第一戯曲。
1938年に執筆され、1945年にパリのエベルト一座が初演。
演出はポール・エルトリー、主演はジェラール・フィリップ。
日本では1968年、劇団こだまが初演。
近年では2007年、演出/蜷川幸雄、出演/小栗旬、勝地涼、長谷川博己、横田栄司、若村麻由美など、で上演された(僕は未見)。
非常に難解な戯曲で、特に「カリギュラ」役を演じるのはさぞかし大変だろうと思う。
読み通すのも大変だった。

戯曲は小説より読みにくいと言われています。
その証拠に、本と出版しても、あまり売れません。
理由はいろいろ考えられますが、やはりセリフしか書かれていないことが最も大きい。
小説は地の文で登場人物の心理を説明してくれるけど、戯曲はセリフから想像するしかない。
カリギュラのようなムチャクチャなセリフをしゃべる人の心理を想像するのは相当難しい。
シェークスピアの登場人物はやたらと饒舌で、過剰に言葉を飾るし。
しかし、戯曲にもいろいろあって、井上ひさし氏やつかこうへい氏の作品は読むだけで十分で楽しめる。
わかりやすくて、笑えて、感動もできる。
もっとたくさんの人が戯曲を読むようになってほしいと思います。

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