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花窗玻璃 [本]

9月8日(日)
深水黎一郎『花窗玻璃』(河出文庫)読了。

花窗玻璃 天使たちの殺意 (河出文庫)

花窗玻璃 天使たちの殺意 (河出文庫)

  • 作者: 深水 黎一郎
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2015/10/06
  • メディア: 文庫


警視庁捜査一課の警部・海埜は、甥の神泉寺瞬一郎から、『花窗玻璃』という小説を読まされる。
それは、瞬一郎が19歳の時に遭遇した事件を描いたものだった。
舞台はフランスのランス。
ある夜、ランス大聖堂の二つの塔のうちの一つから、一人の男が転落死する。
偶然近くを通りかかった地元警察の刑事・ランスは、すぐに塔の階段を駆け上る。
しかし、屋上には無人。
途中、誰ともすれ違わなかった。
大聖堂内の模写をしながら暮らしていた瞬一郎は、直ちに一人で捜査を開始するが……。

深水黎一郎氏の本はこれが14冊目。
『花窗玻璃』は「ステンドグラス」と読む。
というふうに、瞬一郎の小説内小説は、外来語がすべて漢字で表記される。
読みにくいこと、この上ない。
執筆の時間も倍かかったのではないかと思う。
ランス大聖堂にはマルク・シャガールのステンドグラスがあって、それがある祈祷室内で、第二の死体が発見される。
登場人物の一人で、ステンドグラスの専門家が、ステンドグラスの最盛期は12~13世紀と断定しているのがおもしろかった。
その頃のステンドグラスはガラスの質が悪く、光を通さず、暗いらしい。
まさに目からウロコだった。

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