山本直純と小澤征爾：成井豊の公式ブログ：SSブログ

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山本直純と小澤征爾　[本] [編集]

９月２３日（金）
柴田克彦『山本直純と小澤征爾』（朝日新書）読了。

作者: 柴田克彦
出版社/メーカー: 朝日新聞出版
発売日: 2017/09/13
メディア: 新書

音楽ライター・評論家の柴田克彦が、日本を代表する作曲家・指揮者の山本直純と小澤征爾の交遊の歴史を解説する。

山本直純は１９３２年（昭和７年）東京生まれ。
小澤征爾は１９３５年（昭和１０年）満州国奉天生まれ。
小澤は世界的に活躍した指揮者で、日本国内でテレビや映画の劇伴の作曲を主にした山本とは、世間的な評価に雲泥の差がある。
が、実は二人とも、斎藤秀雄指揮教室の出身で、中学３年で入門した小澤を最初に指導したのは、高校３年の山本だった。
小澤にとって山本は先輩であるだけでなく、自分よりはるかに才能を持つ人だと自他共に認め、尊敬していた。
「僕はいつも彼の陰にいました。でも、対抗心なんて全くなかった。彼の方が圧倒的に上だったんです」
そんな小澤が世界に羽ばたこうとする時、山本は言った。
「音楽のピラミッドがあるとしたら、俺はその底辺を広げる仕事をするから、お前はヨーロッパへ行って頂点を目指せ」
山本の代表作は、『男はつらいよ』のテーマ、『一年生になったら』、森永エールチョコレートCM『大きいことはいいことだ』、『３時のあなた』のテーマ、『８時だよ！全員集合』のテーマなどなど。
普段は豪快で大酒のみ。
２００２年６月、６９歳で亡くなった。
この本がきっかけとなって、山本の再評価がなされることを祈る。
お薦めです。