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朝が来る [本]

5月25日(木)
辻村深月『朝が来る』(文藝春秋)読了。

朝が来る

朝が来る

  • 作者: 辻村 深月
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2015/06/15
  • メディア: 単行本


栗原佐都子は夫、5歳の息子・朝斗と3人暮らし。
ある日、片倉ひかりと名乗る女性から電話がかかってくる。
片倉は、朝斗を返してほしい、ダメならば金がほしいと言った。
佐都子と夫は5年前、生まれたばかりの朝斗を養子に迎えた。
朝斗を産んだのは、確かに「片倉ひかり」という名の女性だった。
佐都子は電話の相手に、「会ってお話ししましょう」と言う……。

辻村深月さんの本はこれが25冊目。
テーマは、特別養子縁組。
子供のほしい夫婦が、子供を育てることのできない女性が産んだばかりの子供を、養子として引き取る制度。
アメリカの映画『JUNO』もこれをテーマにしていたが、あちらは産む方の話。
こちらは引き取る方の話。
かと思ったら、途中から、産むの方の話になる。
片倉ひかりは、なんと中学生で子供を産んでしまう。
その生き方には全く共感できないが、一人の女性の苦悩し彷徨する姿が、非常に興味深かった。
お薦めです。

『素敵なセリフのしゃべり方』第18回
一人の人に向かって話す時と、大勢の人に向かって話す時では、声の出し方が全く違います。
一人の人に向かって話す時は、その人にピントを合わせるために、声のフォーカスを絞る。
大勢の人に向かって話す時は、フォーカスを広げ、声が拡散するようにする。
発声練習の時、これを意識せずにやる俳優は意外と多い。
私が所属するキャラメルボックスでは、発声練習の時、俳優全員で大きな円を作り、正面の人に話しかけるようなつもりで声を出します。
「あー」という音にはあまり意味がありませんが、「私の『あー』はこの音だよ」というふうに、気持ちをこめて話しかける。
独り言や独白でもない限り、セリフには必ず対象がある。
話しかける相手がいる。
その相手に狙いを定めて、声を出す。
射撃で言えば、照準というやつです。
一人の人に話しかける時は、その人の顔に照準を絞って、セリフを刺す。
そうすれば、多少声が小さくても、セリフを相手に届けることができます。

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