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ひとり日和 [本]

2月21日(木)
青山七恵『ひとり日和』(河出書房新社)読了。

ひとり日和 (河出文庫)

ひとり日和 (河出文庫)

  • 作者: 青山 七恵
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2010/03/05
  • メディア: 文庫


三田知寿は高卒のフリーターで、20歳。
私立高校の教師の母と、埼玉で二人暮らし。
その母が仕事で中国へ行くことになり、知寿は東京に住むおばさんの家に居候として転がり込む。
おばさんは、母の従兄の奥さんで、今は私鉄の駅に隣接した家で一人暮らし。
名前は荻野吟子で、年齢は71歳だった。
吟子の家の居間からは、駅のホームが見えた……。

青山七恵氏は1983年、埼玉県生まれ。
2005年、『窓の灯』で文藝賞を受賞。
2007年、『ひとり日和』で芥川賞を受賞。
初めて読む作家だったが、近年の芥川賞受賞作の中では比較的読みやすく、わかりやすく、結果、楽しむことができた。
「知寿」は自己愛が強く、他人への関心が薄く、恋人に捨てられ、新しい恋人も去っていく。
しかし、「吟子」の家で暮らし始めて1年後、よそへ引っ越すことになった時、「吟子」との別れが寂しいことに気付く。
ラストの別れの場面は、けっして感動的に描かれていないのに、胸に染みた。
お薦めです。

芥川賞受賞作と直木賞受賞作を読むたびに、審査員の選評を読むことにしています。
選評が読めるサイトがあるので。
『ひとり日和』は、いつも辛口の石原慎太郎氏、村上龍氏が褒めていて、驚きました。
満票に近い受賞だったようです。
話題になった又吉直樹氏の『火花』も、選評での評価はなかなかよくて、ちょっと驚きました。
このサイトを見て、おもしろそうだなと思って、読んだ本もあります。
「芥川賞のすべて・のようなもの」というサイトです。

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