しあわせへのまわり道 [映画]
5月19日(金)
イサベル・コイシェ監督『しあわせへのまわり道』(2014年)WOWOWで鑑賞。
ニューヨーク。
インド人のダルワーン(ベン・キングスレー)はタクシー運転手で、空き時間に個人で自動車教習をしている。
ある夜、タクシーに夫婦が乗ってくる。
夫が愛人を作り、妻に離婚を切り出し、喧嘩になった様子。
夫が降りて、一人になった妻を、自宅まで送り届ける。
彼女は書評家のウェンディ(パトリシア・クラークソン)で、田舎の農場で働く娘に会いに行くため、自動車の運転免許が必要になる。
ウェンディはダルワーンの教習を受けることにするが……。
ダルワーンはシーク教徒のため、インドで迫害され、イギリスに亡命した。
ベン・キングスレーはインド系イギリス人で、『ガンジー』でアカデミー主演男優賞を獲った名優。
見事な演技で、超堅物のインド人を演じ切った。
90分の小品だが、十分楽しめた。
『素敵なセリフのしゃべり方』第13回
どんなに滑舌を練習しても、すべてのセリフが流暢にしゃべれるようになる保証はありません。
僕は30歳まで俳優をやっていましたが、最後まで苦手な早口言葉がありました。
「この竹立てかけに、竹立てかけたのは、竹立てかけたかったから、竹立てかけただけだ」
これ、言えますか?
僕は「竹たてかけ」という単語がどうしてもキレイに発音できない。
最後の3文字で舌がもつれてしまうのです。
自分のセリフに、どうしてもキレイに発音できない部分があったら、どうするか?
答えは、ゆっくり言うことです。
言えても言えなくても、早口でサラッと言ってごまかす、という方法はお薦めしません。
だって、突っかかっちゃったら、どうします?
ただし、言いにくい部分だけ、いきなりゆっくり言ったら、変です。
目立ちます。
だから、逆に、言いにくい部分を強調するのです。
そうすれば、ゆっくり言うことが不自然になりません。
「今のを聞いたかい? 芥川、太郎、黒蜥蜴。僕の映画の登場人物が、3人も外に飛び出したんだ」
僕には「黒蜥蜴」がキレイに発音できなかった。
だから、「黒蜥蜴」を強調しました。
でも、言いにくい言葉をゆっくり言うことって、日常生活でもよくあることですよね。
イサベル・コイシェ監督『しあわせへのまわり道』(2014年)WOWOWで鑑賞。
ニューヨーク。
インド人のダルワーン(ベン・キングスレー)はタクシー運転手で、空き時間に個人で自動車教習をしている。
ある夜、タクシーに夫婦が乗ってくる。
夫が愛人を作り、妻に離婚を切り出し、喧嘩になった様子。
夫が降りて、一人になった妻を、自宅まで送り届ける。
彼女は書評家のウェンディ(パトリシア・クラークソン)で、田舎の農場で働く娘に会いに行くため、自動車の運転免許が必要になる。
ウェンディはダルワーンの教習を受けることにするが……。
ダルワーンはシーク教徒のため、インドで迫害され、イギリスに亡命した。
ベン・キングスレーはインド系イギリス人で、『ガンジー』でアカデミー主演男優賞を獲った名優。
見事な演技で、超堅物のインド人を演じ切った。
90分の小品だが、十分楽しめた。
『素敵なセリフのしゃべり方』第13回
どんなに滑舌を練習しても、すべてのセリフが流暢にしゃべれるようになる保証はありません。
僕は30歳まで俳優をやっていましたが、最後まで苦手な早口言葉がありました。
「この竹立てかけに、竹立てかけたのは、竹立てかけたかったから、竹立てかけただけだ」
これ、言えますか?
僕は「竹たてかけ」という単語がどうしてもキレイに発音できない。
最後の3文字で舌がもつれてしまうのです。
自分のセリフに、どうしてもキレイに発音できない部分があったら、どうするか?
答えは、ゆっくり言うことです。
言えても言えなくても、早口でサラッと言ってごまかす、という方法はお薦めしません。
だって、突っかかっちゃったら、どうします?
ただし、言いにくい部分だけ、いきなりゆっくり言ったら、変です。
目立ちます。
だから、逆に、言いにくい部分を強調するのです。
そうすれば、ゆっくり言うことが不自然になりません。
「今のを聞いたかい? 芥川、太郎、黒蜥蜴。僕の映画の登場人物が、3人も外に飛び出したんだ」
僕には「黒蜥蜴」がキレイに発音できなかった。
だから、「黒蜥蜴」を強調しました。
でも、言いにくい言葉をゆっくり言うことって、日常生活でもよくあることですよね。
ジュールさんとの白い一日 [本]
5月19日(金)
ダイアナ・ブロックホーベン『ジュールさんとの白い一日』(赤ちゃんとママ社)読了。
アリスとジュールは結婚50年を越える老夫婦。
ある朝、アリスが目覚めると、ジュールが食卓についたまま、死んでいた。
アリスはジュールのそのままにして、食事の支度を始める。
毎日、10時になると、アパートの二階下に住む、自閉症の少年ダビットが来る。
ジュールと30分間、チェスをする習慣なのだ。
アリスは電話して、断ろうとしたが、ダビットの母親に用事があり、ぜひダビットを預かってくれと言う。
部屋に来たダビットは、ジュールを見て、言った。
「ジュールさんはいないです。これはジュールさんの『外側』だけです」
図書館で偶然見つけた本。
ダイアナ・ブロックホーベンは、1946年、ベルギー生まれの児童文学者。
ただし、この本は大人向け。
世界9カ国で翻訳され、ドイツではベストセラーになったらしい。
老妻が夫の死を受け入れるまでの24時間を描く。
自閉症の少年を登場させたことが成功の原因だろう。
『素敵なセリフのしゃべり方』第12回
漢字の熟語で音読みのものを、「漢語」または「字音語」と言います。
中国語の発音を日本風にアレンジして、発音します。
それは、「Christmas」を「クリスマス」と発音するのと同じです。
日本に輸入されたのは1000年以上も前ですが、やはり外来語なのです。
それに対して、日本生まれの言葉は、「和語」または「大和言葉」と言います。
「故郷」と「ふるさと」
「美麗」と「うつくしい」
「海岸」と「うみべ」
漢語と和語では、音の響きが全く違います。
役によっては、この二つをしっかり区別すると、セリフにメリハリがつきます。
漢語は固く、和語は柔らかく発音するのです。
武士、政治家、法律家、教師など、雄弁な役には有効だと思います。
ダイアナ・ブロックホーベン『ジュールさんとの白い一日』(赤ちゃんとママ社)読了。
アリスとジュールは結婚50年を越える老夫婦。
ある朝、アリスが目覚めると、ジュールが食卓についたまま、死んでいた。
アリスはジュールのそのままにして、食事の支度を始める。
毎日、10時になると、アパートの二階下に住む、自閉症の少年ダビットが来る。
ジュールと30分間、チェスをする習慣なのだ。
アリスは電話して、断ろうとしたが、ダビットの母親に用事があり、ぜひダビットを預かってくれと言う。
部屋に来たダビットは、ジュールを見て、言った。
「ジュールさんはいないです。これはジュールさんの『外側』だけです」
図書館で偶然見つけた本。
ダイアナ・ブロックホーベンは、1946年、ベルギー生まれの児童文学者。
ただし、この本は大人向け。
世界9カ国で翻訳され、ドイツではベストセラーになったらしい。
老妻が夫の死を受け入れるまでの24時間を描く。
自閉症の少年を登場させたことが成功の原因だろう。
『素敵なセリフのしゃべり方』第12回
漢字の熟語で音読みのものを、「漢語」または「字音語」と言います。
中国語の発音を日本風にアレンジして、発音します。
それは、「Christmas」を「クリスマス」と発音するのと同じです。
日本に輸入されたのは1000年以上も前ですが、やはり外来語なのです。
それに対して、日本生まれの言葉は、「和語」または「大和言葉」と言います。
「故郷」と「ふるさと」
「美麗」と「うつくしい」
「海岸」と「うみべ」
漢語と和語では、音の響きが全く違います。
役によっては、この二つをしっかり区別すると、セリフにメリハリがつきます。
漢語は固く、和語は柔らかく発音するのです。
武士、政治家、法律家、教師など、雄弁な役には有効だと思います。
栄光のル・マン [映画]
5月18日(木)
リー・H・カッツィン監督『栄光のル・マン』(1971年)WOWOWで鑑賞。
フランス、ル・マン。
アメリカのレーサーで、ポルシェ・チームに所属する、マイク・デラニー(スティーヴ・マックィーン)は、ル・マン24時間耐久レースに出場する。
マイクはベルギー・グランプリで事故により負傷。
相手のピエロ・ベルジェッティは死んだ。
前夜祭のパーティーで、マイクはピエロの妻モニク(エルガ・アンデルセン)と再会する。
モニクは、フェラーリ・チームのレーサー、クロード・オーラック(リュック・メレンダ)と一緒だった。
翌日午後4時、レースがスタート。
マイクのNo.20は2位に躍り出た……。
レーサーたちの人間ドラマよりも、レースそのものをしっかり見せようという映画。
おかげで、ル・マン24時間耐久レースの表も裏もよくわかった。
最高時速は350キロ近く。
夜、雨が降り出す。
事故のシーンは震えるほど恐ろしい。
スティーブ・マックィーンは身分を隠してレースに出場するほど、レース好きだったらしい。
主役のわりにセリフも出番も少ないが、淡々と演じている。
それが逆にカッコいい。
『素敵なセリフのしゃべり方』第11回
キャラメルボックスの公演で、お客さんが書いたアンケートを読んでいると、登場人物の名前を間違えているものによく出会います。
たとえば、「若杉」を「高杉」と間違えるとか。
たぶん、その人には「高杉」と聞こえたのでしょう。
そして、一度、「高杉」だと思ってしまうと、その後、俳優が何度「若杉」と口にしても、「高杉」と聞き取ってしまうのでしょう。
普通名詞は、よく聞き取れなくても、前後の意味から、推理することができます。
「彼女は一年前にシジツをした」
たとえ俳優の滑舌が悪くて、「シジツ」と言ったとしても、お客さんは「史実」だとは思わずに、「手術」と推理してくれます。
が、固有名詞はそれができない。
地名はまだしも、人名は不可能です。
あと、学校名や会社名も。
固有名詞はぜひとも丁寧に発音しましょう。
リー・H・カッツィン監督『栄光のル・マン』(1971年)WOWOWで鑑賞。
フランス、ル・マン。
アメリカのレーサーで、ポルシェ・チームに所属する、マイク・デラニー(スティーヴ・マックィーン)は、ル・マン24時間耐久レースに出場する。
マイクはベルギー・グランプリで事故により負傷。
相手のピエロ・ベルジェッティは死んだ。
前夜祭のパーティーで、マイクはピエロの妻モニク(エルガ・アンデルセン)と再会する。
モニクは、フェラーリ・チームのレーサー、クロード・オーラック(リュック・メレンダ)と一緒だった。
翌日午後4時、レースがスタート。
マイクのNo.20は2位に躍り出た……。
レーサーたちの人間ドラマよりも、レースそのものをしっかり見せようという映画。
おかげで、ル・マン24時間耐久レースの表も裏もよくわかった。
最高時速は350キロ近く。
夜、雨が降り出す。
事故のシーンは震えるほど恐ろしい。
スティーブ・マックィーンは身分を隠してレースに出場するほど、レース好きだったらしい。
主役のわりにセリフも出番も少ないが、淡々と演じている。
それが逆にカッコいい。
『素敵なセリフのしゃべり方』第11回
キャラメルボックスの公演で、お客さんが書いたアンケートを読んでいると、登場人物の名前を間違えているものによく出会います。
たとえば、「若杉」を「高杉」と間違えるとか。
たぶん、その人には「高杉」と聞こえたのでしょう。
そして、一度、「高杉」だと思ってしまうと、その後、俳優が何度「若杉」と口にしても、「高杉」と聞き取ってしまうのでしょう。
普通名詞は、よく聞き取れなくても、前後の意味から、推理することができます。
「彼女は一年前にシジツをした」
たとえ俳優の滑舌が悪くて、「シジツ」と言ったとしても、お客さんは「史実」だとは思わずに、「手術」と推理してくれます。
が、固有名詞はそれができない。
地名はまだしも、人名は不可能です。
あと、学校名や会社名も。
固有名詞はぜひとも丁寧に発音しましょう。
もっと知りたい菱田春草 [本]
5月18日(木)
尾崎正明『もっと知りたい菱田春草』(東京美術)読了。
明治後期に活躍した日本画家・菱田春草の生涯と作品を解説する。
菱田春草は1874年(明治7年)、長野県飯田市生まれで、本名は菱田三男治(みおじ)。
1890年(明治23年)、東京美術学校に入学。
1896年(明治29年)、第一回絵画共進会に『四季山水』を出品し、銅牌第四関を受賞して、デビュー。
1898年(明治31年)、岡倉天心が創立した日本美術院に、橋本雅邦、横山大観らと参加。
1911年(明治44年)、36歳で死去。
春草は、岡倉天心の指導の下、横山大観、下村観山らと、日本画の改革に尽力した人。
輪郭線を排除した「没線(もっせん)描法」、いわゆる「朦朧体」をいち早く取れ入れ、激しい非難を浴びた。
後にそこから脱却し、琳派の技法を採り入れた、新たな画風を確立。
代表作は、『落葉(おちば)』『黒き猫』など。
晩年(と言ってもまだ30代だが)の、明晰でありながら、同時に優しい絵がすばらしい。
師の天心は、春草を「未熟」ならぬ「不熟」と呼んだ。
僕も死ぬまで「不熟」でありたいと思った。
『素敵なセリフのしゃべり方』第10回
関西より西の出身の俳優がマスターしなければならない、もう一つの発音は「鼻濁音」です。
「ガギグゲゴ」によく似ているけれど、音を発する時、息を鼻に抜く。
表記する時は「カキクケコ」に濁点でなく、半濁点をつけます。
ローマ字で書けば「nga」「ngi」「ngu」「nge」「ngo」。
日本語の標準語では、単語の語頭以外の「ガギゴゲゴ」は鼻濁音で発音します。
「かがみ」の「が」、「こむぎ」の「ぎ」、「ゆうぐれ」の「ぐ」、「まつげ」の「げ」、「こくご」の「ご」は鼻濁音です。
ただし、二つ以上の単語が合体してできた合成語の場合、たとえば「こうとうがっこう」の「が」は濁音の「ガ」のままです。
現在、鼻濁音は衰退の一途をたどっています。
テレビのアナウンサーでさえ、その半数以上は、鼻濁音が使いこなせなくなっているそうです。
が、たとえば、「ゆうぐれ」の「ぐ」を、濁音と鼻濁音で発音して、比較してみてください。
鼻濁音の方が柔らかく響くはずです。
時代劇で江戸の町人の役を演じる時は、ぜひとも鼻濁音で「ゆうぐれ」と言ってほしいです。
尾崎正明『もっと知りたい菱田春草』(東京美術)読了。
もっと知りたい菱田春草―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)
- 作者: 鶴見 香織
- 出版社/メーカー: 東京美術
- 発売日: 2013/06/03
- メディア: 単行本
明治後期に活躍した日本画家・菱田春草の生涯と作品を解説する。
菱田春草は1874年(明治7年)、長野県飯田市生まれで、本名は菱田三男治(みおじ)。
1890年(明治23年)、東京美術学校に入学。
1896年(明治29年)、第一回絵画共進会に『四季山水』を出品し、銅牌第四関を受賞して、デビュー。
1898年(明治31年)、岡倉天心が創立した日本美術院に、橋本雅邦、横山大観らと参加。
1911年(明治44年)、36歳で死去。
春草は、岡倉天心の指導の下、横山大観、下村観山らと、日本画の改革に尽力した人。
輪郭線を排除した「没線(もっせん)描法」、いわゆる「朦朧体」をいち早く取れ入れ、激しい非難を浴びた。
後にそこから脱却し、琳派の技法を採り入れた、新たな画風を確立。
代表作は、『落葉(おちば)』『黒き猫』など。
晩年(と言ってもまだ30代だが)の、明晰でありながら、同時に優しい絵がすばらしい。
師の天心は、春草を「未熟」ならぬ「不熟」と呼んだ。
僕も死ぬまで「不熟」でありたいと思った。
『素敵なセリフのしゃべり方』第10回
関西より西の出身の俳優がマスターしなければならない、もう一つの発音は「鼻濁音」です。
「ガギグゲゴ」によく似ているけれど、音を発する時、息を鼻に抜く。
表記する時は「カキクケコ」に濁点でなく、半濁点をつけます。
ローマ字で書けば「nga」「ngi」「ngu」「nge」「ngo」。
日本語の標準語では、単語の語頭以外の「ガギゴゲゴ」は鼻濁音で発音します。
「かがみ」の「が」、「こむぎ」の「ぎ」、「ゆうぐれ」の「ぐ」、「まつげ」の「げ」、「こくご」の「ご」は鼻濁音です。
ただし、二つ以上の単語が合体してできた合成語の場合、たとえば「こうとうがっこう」の「が」は濁音の「ガ」のままです。
現在、鼻濁音は衰退の一途をたどっています。
テレビのアナウンサーでさえ、その半数以上は、鼻濁音が使いこなせなくなっているそうです。
が、たとえば、「ゆうぐれ」の「ぐ」を、濁音と鼻濁音で発音して、比較してみてください。
鼻濁音の方が柔らかく響くはずです。
時代劇で江戸の町人の役を演じる時は、ぜひとも鼻濁音で「ゆうぐれ」と言ってほしいです。
サウスポー [映画]
5月17日(水)
アントワン・フークワ監督『サウスポー』(2015年)WOWOWで鑑賞。
アメリカ。
ビリー・ホープ(ジェイク・ギレンホール)は、ボクシングライトヘビー級の世界チャンピオン。
妻(レイチェル・マクアダムス)、娘と豪邸で暮らしている。
4度目の防衛に成功した直後、妻を事故で失い、すべてが狂い始める。
アルコールとドラッグに浸り、5度目の防衛に失敗し、家も財産もなくす。
さらに、娘と暮らすことも禁じられ、ついに一から出直そうと決心。
トレーナーのティック(フォレスト・ウィテカー)のジムを訪れ、再起を手伝ってほしいと頼む……。
栄光、転落、再起と、まるで『ロッキー2』のような物語。
ジェイク・ギレンホールはよく頑張ったと思うし、それなりの感動もあるが、あまりに使い古された物語であることも事実。
なぜ今更、との思いが拭いきれない。
『素敵なセリフのしゃべり方』第9回
日本語の標準語は、江戸山の手言葉がベースになっています。
なので、関西より西の出身の俳優には、マスターしなければいけない発音がある。
その一つ目は、母音の無声化です。
たとえば、「帰ってきた」の「き」。
ローマ字で書けば「kaettekita」ですが、この「i」の音を無声化しなければならない。
音として出してはいけないのです。
母音の無声化のルールは以下の二つ。
①「k」「s」「t」「h」「p」の間に挟まれた「i」「u」は無声化すること。
②語尾にあり、アクセントがついていない「i」「u」は無声化すること。
例を挙げれば、
北「kita」の「i」。
喫茶店「kissaten」の「i」。
学生「gakusei」の「u」。
息子「musuko」の2つ目の「u」。
深い「fukai」の「u」。
です「desu」の「u」。
あります「arimasu」の「u」。
キャラメルボックスにも関西より西の出身の俳優が何人かいるのですが、みんな、この発音のマスターには苦労しています。
普段から気をつけていくしかないと思います。
二つ目は次回。
アントワン・フークワ監督『サウスポー』(2015年)WOWOWで鑑賞。
アメリカ。
ビリー・ホープ(ジェイク・ギレンホール)は、ボクシングライトヘビー級の世界チャンピオン。
妻(レイチェル・マクアダムス)、娘と豪邸で暮らしている。
4度目の防衛に成功した直後、妻を事故で失い、すべてが狂い始める。
アルコールとドラッグに浸り、5度目の防衛に失敗し、家も財産もなくす。
さらに、娘と暮らすことも禁じられ、ついに一から出直そうと決心。
トレーナーのティック(フォレスト・ウィテカー)のジムを訪れ、再起を手伝ってほしいと頼む……。
栄光、転落、再起と、まるで『ロッキー2』のような物語。
ジェイク・ギレンホールはよく頑張ったと思うし、それなりの感動もあるが、あまりに使い古された物語であることも事実。
なぜ今更、との思いが拭いきれない。
『素敵なセリフのしゃべり方』第9回
日本語の標準語は、江戸山の手言葉がベースになっています。
なので、関西より西の出身の俳優には、マスターしなければいけない発音がある。
その一つ目は、母音の無声化です。
たとえば、「帰ってきた」の「き」。
ローマ字で書けば「kaettekita」ですが、この「i」の音を無声化しなければならない。
音として出してはいけないのです。
母音の無声化のルールは以下の二つ。
①「k」「s」「t」「h」「p」の間に挟まれた「i」「u」は無声化すること。
②語尾にあり、アクセントがついていない「i」「u」は無声化すること。
例を挙げれば、
北「kita」の「i」。
喫茶店「kissaten」の「i」。
学生「gakusei」の「u」。
息子「musuko」の2つ目の「u」。
深い「fukai」の「u」。
です「desu」の「u」。
あります「arimasu」の「u」。
キャラメルボックスにも関西より西の出身の俳優が何人かいるのですが、みんな、この発音のマスターには苦労しています。
普段から気をつけていくしかないと思います。
二つ目は次回。
ハリー・クバート事件(下) [本]
5月17日(水)
ジョエル・ディケール『ハリー・クバート事件』(東京創元社)読了。
マーカスは、逮捕されたハリーに会いに行き、話を聞く。
ハリーは無実を訴え、33年前、ノラと愛し合っていたと告白する。
ハリーの代表作『悪の起源』は、ハリーとノラの関係を描いたものだった。
マーカスは独自に調査を開始する。
33年前、高校教師を辞めたハリーは、オーロラの岬にある、資産家イライジャ・スターンの別荘を2カ月だけ借りる。
別荘の近くの浜辺で、少女が踊る姿を見かける。
それが、ノラだった。
ハリーは15歳のノラに一目惚れしてしまう……。
この小説は、高校生が選ぶゴングール賞、アカデミー・フランセーズ賞などを受賞し、世界32カ国で翻訳されるなど、高い評価を得たらしい。
確かに、下巻後半のどんでん返しの連続には、目を見張るものがあった。
が、その優れたエンタメ性に比較して、現実感は薄く、55歳の僕にはいささか物足りなかった。
残念。
『素敵なセリフのしりべり方』第8回
母音の一つ一つを明確に発音するためには、口をしっかり動かすことが大切です。
ところで、テレビのアナウンサーは、滑舌がいいのに、口をあまり動かしているように見えません。
これはどうしてでしょう?
以前、日本テレビの女性アナウンサーさんにお聞きしたところ、口を大きく動かすと下品に見えるから、との答え。
アナウンサーは新人研修の際、口を大きく動かすな、との教育を受けるようです。
では、どうやって母音を明確に発音するのか。
正解は口の中。
口の中の形を、アイウエオの母音5種で、明確に変えるのです。
元日本テレビアナウンサーの福澤朗さんは、長さ10センチのほどの木の棒を常時携帯していて、これを口に挟み、早口言葉を練習しています。
木の棒を口に挟むと、唇と顎が固定されるため、口の中を動かさないと、音が明確に変えられない。
そのため、口の中の筋肉が鍛えられる。
まさに、アナウンサー養成ギプス。
福澤さんはこの木の棒を「滑舌棒」と呼んでいました。
音を粒立てたい、滑舌を良くしたいという人は、ぜひこの滑舌棒を利用してみてください。
ジョエル・ディケール『ハリー・クバート事件』(東京創元社)読了。
マーカスは、逮捕されたハリーに会いに行き、話を聞く。
ハリーは無実を訴え、33年前、ノラと愛し合っていたと告白する。
ハリーの代表作『悪の起源』は、ハリーとノラの関係を描いたものだった。
マーカスは独自に調査を開始する。
33年前、高校教師を辞めたハリーは、オーロラの岬にある、資産家イライジャ・スターンの別荘を2カ月だけ借りる。
別荘の近くの浜辺で、少女が踊る姿を見かける。
それが、ノラだった。
ハリーは15歳のノラに一目惚れしてしまう……。
この小説は、高校生が選ぶゴングール賞、アカデミー・フランセーズ賞などを受賞し、世界32カ国で翻訳されるなど、高い評価を得たらしい。
確かに、下巻後半のどんでん返しの連続には、目を見張るものがあった。
が、その優れたエンタメ性に比較して、現実感は薄く、55歳の僕にはいささか物足りなかった。
残念。
『素敵なセリフのしりべり方』第8回
母音の一つ一つを明確に発音するためには、口をしっかり動かすことが大切です。
ところで、テレビのアナウンサーは、滑舌がいいのに、口をあまり動かしているように見えません。
これはどうしてでしょう?
以前、日本テレビの女性アナウンサーさんにお聞きしたところ、口を大きく動かすと下品に見えるから、との答え。
アナウンサーは新人研修の際、口を大きく動かすな、との教育を受けるようです。
では、どうやって母音を明確に発音するのか。
正解は口の中。
口の中の形を、アイウエオの母音5種で、明確に変えるのです。
元日本テレビアナウンサーの福澤朗さんは、長さ10センチのほどの木の棒を常時携帯していて、これを口に挟み、早口言葉を練習しています。
木の棒を口に挟むと、唇と顎が固定されるため、口の中を動かさないと、音が明確に変えられない。
そのため、口の中の筋肉が鍛えられる。
まさに、アナウンサー養成ギプス。
福澤さんはこの木の棒を「滑舌棒」と呼んでいました。
音を粒立てたい、滑舌を良くしたいという人は、ぜひこの滑舌棒を利用してみてください。
愛の嵐 [映画]
5月16日(火)
リリアーナ・カヴァーニ監督『愛の嵐』(1973年)WOWOWで鑑賞。
1957年、ウィーン。
マックス(ダーク・ボガード)は、オペル・ホテルという二流のホテルのフロント係。
ある日、客として、指揮者アザートン(マリノ・マッセ)と、その妻ルチア(シャーロット・ランプリング)がやってくる。
20年前、マックスはナチスの親衛隊員で、収容所に勤めていた。
そこへやってきたユダヤ人の少女が、ルチアだった。
マックスはルチアの美貌に惹かれ、性の愛玩物にした……。
35年前に見たが、すっかり忘れてしまったので、もう一度見てみた。
シャーロット・ランプリングは物凄く美しいが、話におもしろみはない。
二人の間に「愛」があったとも思えなかった。
『素敵なセリフのしゃべり方』第7回。
日本語の音の多くは、アイウエオの5つの母音を除くと、子音+母音でできています。
試しに「カ」という音を発してみてください。
「カ」は「k+a」ですが、「k」は一瞬だけで、メインは「a」だとわかるはず。
音を明確にしたかったら、母音を明確にすることが大切なのです。
劇団四季はこの点を重視し、「母音法」という練習をしています。
「アイウエオ・イウエオア・ウエオアイ・エオアイウ・オアイウエ」をア行からパ行まで、繰り返し練習する。
セリフをすべて母音のみにして練習する。
(たとえば,「おはよう」を「オアオオ」に、「さようなら」を「アオオアア」に)
おかげで、劇団四季の俳優はみんな滑舌がいい。
さすがに、「一音落とす者は去れ」をモットーとするだけのことはあります。
音を粒立てる第一のコツは、母音を明確にすること。
これは非常に有効です。
リリアーナ・カヴァーニ監督『愛の嵐』(1973年)WOWOWで鑑賞。
1957年、ウィーン。
マックス(ダーク・ボガード)は、オペル・ホテルという二流のホテルのフロント係。
ある日、客として、指揮者アザートン(マリノ・マッセ)と、その妻ルチア(シャーロット・ランプリング)がやってくる。
20年前、マックスはナチスの親衛隊員で、収容所に勤めていた。
そこへやってきたユダヤ人の少女が、ルチアだった。
マックスはルチアの美貌に惹かれ、性の愛玩物にした……。
35年前に見たが、すっかり忘れてしまったので、もう一度見てみた。
シャーロット・ランプリングは物凄く美しいが、話におもしろみはない。
二人の間に「愛」があったとも思えなかった。
『素敵なセリフのしゃべり方』第7回。
日本語の音の多くは、アイウエオの5つの母音を除くと、子音+母音でできています。
試しに「カ」という音を発してみてください。
「カ」は「k+a」ですが、「k」は一瞬だけで、メインは「a」だとわかるはず。
音を明確にしたかったら、母音を明確にすることが大切なのです。
劇団四季はこの点を重視し、「母音法」という練習をしています。
「アイウエオ・イウエオア・ウエオアイ・エオアイウ・オアイウエ」をア行からパ行まで、繰り返し練習する。
セリフをすべて母音のみにして練習する。
(たとえば,「おはよう」を「オアオオ」に、「さようなら」を「アオオアア」に)
おかげで、劇団四季の俳優はみんな滑舌がいい。
さすがに、「一音落とす者は去れ」をモットーとするだけのことはあります。
音を粒立てる第一のコツは、母音を明確にすること。
これは非常に有効です。
ハリー・クバート事件(上) [本]
5月16日(火)
ジョエル・ディケール『ハリー・クバート事件(上)』(東京創元社)読了。
2008年、ニューヨーク。
マーカス・ゴールドマンは27歳の作家。
1年半前にデビュー作がベストセラーになり、200万部を突破。
贅沢三昧の暮らしをしてきたが、2作目が書けない。
大学時代の恩師で、アメリカを代表する作家ハリー・クバートに助けを求める。
ニューハンプシャー州オーロラにある、ハリーの家に行くが、それでも一行も書けない。
ある日、オーロラで、33年前に行方不明になった15歳の少女ノラ・ケラーガンの遺体が発見される。
場所はハリーの家の庭だった。
ハリーの逮捕を知り、マーカスは直ちにオーロラへ向かった……。
作者のジョエル・ディケールは1985年生まれのスイス人で、20歳で作家デビュー。
2012年、27歳で書いた第6作がこの小説で、中身と同じくベストセラーになったらしい。
スイス人がアメリカを舞台にしたミステリを書くとはおもしろい。
しかし、ハリー・クバートがアメリカを代表する作家というのがどうしても信じられない。
彼の代表作『悪の起源』がそれほどの作品とは思えないし、彼自身の言動も大作家の風格がない。
作者が若いことが原因だと思う。
『素敵なセリフのしゃべり方』第6回。
最近は「滑舌」という言葉が一般でも使われるようになりましたが、俳優にとって、セリフを歯切れよくしゃべることは非常に重要です。
自分が発する音は、常に明確にするべきです。
英語では「Take it easy.」を「テキティイズィ」などと、音をくっつけて発音しますが、日本語でこれをやってはダメ。
一つ一つの音をはっきり発音することを、「音を粒立てる」と言います。
真珠のネックレスの一粒一粒は、接してはいるけれども、溶けてくっついたりはしていない。
前に「1文につき1単語、強調せよ」と書きましたが、強調しない部分も、音は粒立っていなければダメ。
それではどうすれば、粒立てることができるのか。
コツは次回、説明します。
ジョエル・ディケール『ハリー・クバート事件(上)』(東京創元社)読了。
2008年、ニューヨーク。
マーカス・ゴールドマンは27歳の作家。
1年半前にデビュー作がベストセラーになり、200万部を突破。
贅沢三昧の暮らしをしてきたが、2作目が書けない。
大学時代の恩師で、アメリカを代表する作家ハリー・クバートに助けを求める。
ニューハンプシャー州オーロラにある、ハリーの家に行くが、それでも一行も書けない。
ある日、オーロラで、33年前に行方不明になった15歳の少女ノラ・ケラーガンの遺体が発見される。
場所はハリーの家の庭だった。
ハリーの逮捕を知り、マーカスは直ちにオーロラへ向かった……。
作者のジョエル・ディケールは1985年生まれのスイス人で、20歳で作家デビュー。
2012年、27歳で書いた第6作がこの小説で、中身と同じくベストセラーになったらしい。
スイス人がアメリカを舞台にしたミステリを書くとはおもしろい。
しかし、ハリー・クバートがアメリカを代表する作家というのがどうしても信じられない。
彼の代表作『悪の起源』がそれほどの作品とは思えないし、彼自身の言動も大作家の風格がない。
作者が若いことが原因だと思う。
『素敵なセリフのしゃべり方』第6回。
最近は「滑舌」という言葉が一般でも使われるようになりましたが、俳優にとって、セリフを歯切れよくしゃべることは非常に重要です。
自分が発する音は、常に明確にするべきです。
英語では「Take it easy.」を「テキティイズィ」などと、音をくっつけて発音しますが、日本語でこれをやってはダメ。
一つ一つの音をはっきり発音することを、「音を粒立てる」と言います。
真珠のネックレスの一粒一粒は、接してはいるけれども、溶けてくっついたりはしていない。
前に「1文につき1単語、強調せよ」と書きましたが、強調しない部分も、音は粒立っていなければダメ。
それではどうすれば、粒立てることができるのか。
コツは次回、説明します。
夏の嵐 [映画]
5月15日(月)
ルキノ・ヴィスコンティ監督『夏の嵐』(1954年)WOWOWで鑑賞。
1866年、イタリア、ヴェニス。
フェニーチェ劇場でオペラ『吟遊詩人』の上演中、客席で激しい口論が起こる。
オーストリア占領軍の将校フランツ・マラー(ファリー・グレンジャー)中尉と、反占領軍運動の指導者ロベルト・ウッソーニ(マッシモ・ジロッティ)侯爵の二人。
ロベルトはフランツに決闘を挑む。
リヴィア・セルピエーリ(アリダ・ヴァリ)伯爵夫人は従兄のロベルトを助けるため、フランツに近づく。
しかし、ロベルトはオーストリア軍に逮捕され、一年の流刑に処せられてしまう。
ところが、リヴィアはフランツに恋してしまう……。
オーソドックスなメロドラマだが、さすがに古い。
フランツが見るからに軽薄で、リディアがなぜ彼に夢中になるのか、わからない。
アリダ・ヴァリは初めて見たが、評判通りの美しさだった。
今日は10時からキャラメルボックス俳優教室の授業。
細かな雨が降っていたのに、みんな2キロ走ったようです。
無理しないように、と言っておきました。
今日のエチュードは、4月の初めにやった、インタビューの復習。
四月の初めはみんなコチコチで、テンションが低くて、声も小さなかったのですが、40日の間に大きく成長して、おもしろくできるようになりました。
でも、台本はまだまだだな。
頑張れ、15期生!
ルキノ・ヴィスコンティ監督『夏の嵐』(1954年)WOWOWで鑑賞。
1866年、イタリア、ヴェニス。
フェニーチェ劇場でオペラ『吟遊詩人』の上演中、客席で激しい口論が起こる。
オーストリア占領軍の将校フランツ・マラー(ファリー・グレンジャー)中尉と、反占領軍運動の指導者ロベルト・ウッソーニ(マッシモ・ジロッティ)侯爵の二人。
ロベルトはフランツに決闘を挑む。
リヴィア・セルピエーリ(アリダ・ヴァリ)伯爵夫人は従兄のロベルトを助けるため、フランツに近づく。
しかし、ロベルトはオーストリア軍に逮捕され、一年の流刑に処せられてしまう。
ところが、リヴィアはフランツに恋してしまう……。
オーソドックスなメロドラマだが、さすがに古い。
フランツが見るからに軽薄で、リディアがなぜ彼に夢中になるのか、わからない。
アリダ・ヴァリは初めて見たが、評判通りの美しさだった。
今日は10時からキャラメルボックス俳優教室の授業。
細かな雨が降っていたのに、みんな2キロ走ったようです。
無理しないように、と言っておきました。
今日のエチュードは、4月の初めにやった、インタビューの復習。
四月の初めはみんなコチコチで、テンションが低くて、声も小さなかったのですが、40日の間に大きく成長して、おもしろくできるようになりました。
でも、台本はまだまだだな。
頑張れ、15期生!
日のあたる白い壁 [本]
5月14日(日)
江國香織『日のあたる白い壁』(白水社)読了。
小説家の江國香織が、世界の名画24作を題材にして書いたエッセイ集。
江國香織氏の本はこれが38冊目。
美術好きの江國氏は、僕など比較にならないほど豊かな知識で、名画について語っていく。
その画家の代表作でなく、意外な名作を選ぶところがおもしろい。
ジョージア・オキーフの『PEACH AND GLASS』は知らない絵だったが、とんでもなくよかった。
さくらんぼ東根発1547のつばさに乗って、東京へ帰ってきました。
山形県東根市の高校生ワークショップ。
今日は0830~1200が稽古、1300~1500が発表会。
『不思議なクリスマスのつくりかた』の15分バージョン、何とか無事に完成、上演することができました。
昨年の『セロ弾きのゴーシュ』よりおもしろいものになったのではないかと思います。
熱心に取り組んでくれた高校生19人に感謝します。
メチャクチャ大変だったけど、非常に充実した二日間でした。
江國香織『日のあたる白い壁』(白水社)読了。
小説家の江國香織が、世界の名画24作を題材にして書いたエッセイ集。
江國香織氏の本はこれが38冊目。
美術好きの江國氏は、僕など比較にならないほど豊かな知識で、名画について語っていく。
その画家の代表作でなく、意外な名作を選ぶところがおもしろい。
ジョージア・オキーフの『PEACH AND GLASS』は知らない絵だったが、とんでもなくよかった。
さくらんぼ東根発1547のつばさに乗って、東京へ帰ってきました。
山形県東根市の高校生ワークショップ。
今日は0830~1200が稽古、1300~1500が発表会。
『不思議なクリスマスのつくりかた』の15分バージョン、何とか無事に完成、上演することができました。
昨年の『セロ弾きのゴーシュ』よりおもしろいものになったのではないかと思います。
熱心に取り組んでくれた高校生19人に感謝します。
メチャクチャ大変だったけど、非常に充実した二日間でした。