アマゾンの森と川を行く

１２月１６日（日）
高野潤『アマゾンの森と川を行く』（中公新書）読了。

カラー版 アマゾンの森と川を行く (中公新書)

• 作者: 高野 潤
• 出版社/メーカー: 中央公論新社
• 発売日: 2008/10
• メディア: 新書

写真家の高野潤がアマゾン川の源流地帯を写真と文章で紹介する。

アマゾン川と言えばブラジルが思い浮かぶが、その源流地帯はアンデス山脈が連なるコロンビア、エクアドル、ペルー、ボリビア。
源流と言っても、川幅は５０～１００メートルもある。
ワニ、アナコンダ、ペッカリー、カピバラ、バク、ジャガー、ピューマ、オセロット、マーゲイ、ホエザルなどが住む。
ボア・デ・モンテというアナコンダは体長７～８メートル。
シカに巻き付いて、全身の骨を粉々にして、飲み込んでしまう。
そして、消化できるまで、数日動かない。
この話を聞いただけで、僕は行きたくなくなった。
世界に残された数少ない秘境の一つ。
本で読む分にはとてもおもしろかった。

キャラメルボックス俳優教室２０１８年度卒業公演『ミスター・ムーンライト』の千秋楽。
わずか５日間の公演なので、始まったと思ったら、もう終わりです。
千秋楽はＸチームで、１４時開演。
僕は昨日・一昨日の４ステージが見られなかったので、とても楽しみ。
１６期生の最後のステージを見届けてきます。
それでは行ってきます。

眼を閉じて

１２月１５日（土）
ジャンリーコ・カロフィーリオ『眼を閉じて』（文春文庫）読了。

眼を閉じて (文春文庫)

• 作者: ジャンリーコ カロフィーリオ
• 出版社/メーカー: 文藝春秋
• 発売日: 2007/02
• メディア: 文庫

イタリアの南部、アドリア海に面した町バーリ。
グイード・グエッリエーリは弁護士。
ある日、セーフ・シェルターの所長のシスター・クラウディアが、マルティーナ・フマイという女性をつれてくる。
マルティーナは元恋人のジャンルーカ・シャナティコからストーカー被害を受けていた。
彼の父親はバーリの法曹界の有力者であるため、マルティーナの弁護を引き受ける者はいなかった。
が、グイードはこの勝ち目のない弁護を引き受けることにする……。

グイードのシリーズの第二作。
グイードのドラマが弱くなった分、事件と裁判のおもしろみが増した。
最後のどんでん返しもお見事。
文庫本で２６８ページと薄いのもいい。
イタリアの裁判制度にちょっと詳しくなって、お得な気分。

キャラメルボックス２０１８クリスマスツアー『リトル・ドラマー・ボーイ』東京公演の本番初日。
１４時からゲネプロ。
上演時間は１時間５０分１１秒。
非常によい出来で、ダメ出しはほとんどナシ。
そして、１９時から本番初日。
上演時間は１時間５０分２０秒。
やはりとてもよい出来で、お客さんもたくさん笑ってくれて、すばらしいスタートとなりました。
終演後は楽屋で乾杯。
妻が見に来てくれて、八王子で見た時よりよかったと褒めてくれました。
坂口理恵、岡田さつき、筒井俊作、石原善暢、小多田直樹、関根翔太、竹鼻優太、島野知也、矢野聖、山本沙羅も見に来てくれました。
岡田さつきは自分で焼いた焼き鳥を差し入れしてくれました。
１２月２５日まで焼き鳥パワーで突っ走ります！

１５時１７分、パリ行き

１２月１５日（土）
クリント・イーストウッド監督『１５時１７分、パリ行き』（２０１８年）ＷＯＷＯＷで鑑賞。

15時17分、パリ行き ブルーレイ&DVDセット(2枚組) [Blu-ray]

• 出版社/メーカー: ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
• メディア: Blu-ray

２０１５年８月２１日１５時１７分。
アムステルダム駅から、パリ行きの高速列車タリスが発車する。
列車には５００名を越える乗客が乗っていた。
フランス国内に入ったところで、イスラム過激派の男が自動小銃を発砲。
その時、犯人に立ち向かったのは、旅行中のアメリカ人の若者３人組だった。
アレク・スカラトス、アンソニー・サドラー、スペンサー・ストーンはなぜテロリストに立ち向かうことができたのか？

実話に基づいている上に、主役の３人は本人が演じている。
乗客の多くも、本人たち。
素人に演技ができるのかよと心配だったが、そこはさすがにクリント・イーストウッド監督。
表現力が豊かとまでは言えないが、みんな自然に演じていて、違和感を全く感じなかった。
映画は３人が小学校で出会うところから始まる（ここは子役が演じている）。
３人のうち、２人は軍人になる。
「人を助けたい」という強い気持ち、軍隊での厳しい訓練、厚い友情によって、３人がテロリストに打ち勝つ準備はできていた。
ゆえにクライマックスのテロリストとの戦いはとても感動的になった。
やっぱりイーストウッドに外れなし！
お薦めです。

キャラメルボックス２０１８クリスマスツアー『リトル・ドラマー・ボーイ』東京公演は本日初日です。
会場は池袋サンシャイン劇場、開演は１９００から。
キャラメルボックス俳優教室２０１８年度卒業公演『ミスター・ムーンライト』は本番４日目。
会場は中野ザ・ポケット、開演は１４００からと１９００から。
中野から池袋にハシゴ、なんていいかもしれません。
ご来場を心よりお待ちしています。

無意識の証人

１２月１４日（金）
ジャンリーコ・カロフィーリオ『無意識の証人』（文春文庫）読了。

無意識の証人 (文春文庫)

• 作者: ジャンリーコ カロフィーリオ
• 出版社/メーカー: 文藝春秋
• 発売日: 2005/12
• メディア: 文庫

イタリア南部、アドリア海に面したバーリ市。
グイード・グエッリエーリは３８歳の弁護士。
妻のサーラに離婚を求められ、一人で家を出て暮らし始めたが、心に深い傷を負った。
市内のビーチで９歳の男の子が殺された。
犯人として、３１歳のセネガル人、アブドゥ・ティアムが逮捕された。
彼は本国では小学校の教師をしていたが、バーリ市ではニセモノのブランド品をビーチで売る行商人をしていた。
本人は犯行を否認していたが、犯行時刻に彼をビーチで目撃した証人がいた。
グイードは負けを覚悟で弁護を引き受ける……。

初めて読む、イタリアのミステリー、しかも法廷もの。
意外などんでん返しはないが、主人公のグイードの人物像がしっかり描かれ、人間ドラマとして楽しめた。
作者のジャンリーコ・カロフィーリオは１９６１年生まれで、僕と同い年。
応援したくなった。

キャラメルボックス２０１８クリスマスツアー『リトル・ドラマー・ボーイ』東京公演の仕込み２日目。
１６３０から場当たり。
順調に進み、２０００になる前に終了しました。
ステージが狭いせいか、客席の構造によるものなのか、はたまた役者たちが慣れているからなのか、八王子や大阪に比べて、セリフがとても聞き取りやすい。
これなら、前の二つの劇場以上に盛り上がると思いました。
明日はゲネプロと本番初日。
東京のお客さんの反応が楽しみです。
キャラメルボックス俳優教室２０１８年度卒業公演『ミスター・ムーンライト』は今日が本番３日目。
１４時の回と１９時の回で、どちらもＸチーム。
１４時の回を、妻と高校３年の息子が見てきました。
二人とも楽しんでくれたようで、ホッとしました。
『リトル・ドラマー・ボーイ』と『ミスター・ムーンライト』、どちらもぜひぜひ見てほしい。
ご来場ををお待ちしています。

ＤＥＳＴＩＮＹ 鎌倉ものがたり

１２月１４日（金）
山崎貴監督『ＤＥＳＴＩＮＹ 鎌倉ものがたり』（２０１７年）ＷＯＷＯＷで鑑賞。

DESTINY 鎌倉ものがたり [DVD] (通常版)

• 出版社/メーカー: バップ
• メディア: DVD

鎌倉。
亜紀子（高畑充希）はミステリー作家の一色正和（堺雅人）と結婚し、彼の家にやってくる。
正和の両親は既に亡くなっていたので、二人暮らし。
正和は犯罪研究の腕を買われて、警察の捜査に協力していた。
ある日、大金持ちが殺害される事件が発生。
どうやらその犯行は、人間の仕業ではないらしかった……。

山崎貴監督が『ＡＬＷＡＹＳ　三丁目の夕日』シリーズに続いて、西岸良平のマンガを映画化。
堤真一、安藤サクラ、中村玉緒、ムロツヨシ、要潤、國村隼、薬師丸ひろ子、吉行和子、橋爪功、三浦友和などの豪華キャストが出演。
ほのぼのした妖怪ファンタジーだが、後半突然、活劇になる。
山崎監督らしく、ＳＦＸをフルに活用しているが、荒唐無稽すぎて、僕には全くついていけなかった。
残念。

キャラメルボックス２０１８クリスマスツアー『リトル・ドラマー・ボーイ』東京公演の仕込み２日目。
夕方から場当たりです。
既に八王子、大阪で本番をやっているので、スムーズに進むはず。
ただし、ステージのサイズは、３カ所で全く違う。
八王子が一番広く、池袋が一番狭い。
当然、演出も演技も修正しなければいけません。
だから、全シーン、しっかり確認する。
入念に準備して、明日の初日を迎えたいと思います。
頑張ります。

魔界探偵冥王星Ｏ／ヴァイオリンのＶ

１２月１３日（木）
越前魔太郎『魔界探偵冥王星Ｏ／ヴァイオリンのＶ』（講談社ノベルズ）読了。

魔界探偵 冥王星O ヴァイオリンのV (講談社ノベルス)

• 作者: 越前 魔太郎
• 出版社/メーカー: 講談社
• 発売日: 2010/04/07
• メディア: 新書

「俺」はフリーライター。
ある日、仕事仲間から不思議な事件の話を聞く。
不良少年が殺され、一緒にいた少女が犯人を目撃した。
その犯人は、人の形をしたヴァイオリンを弾いていたと言う。
「俺」は１０歳の時、遊園地で、異様な演奏会に迷い込んだ。
その時、舞台では、人の形をした楽器が演奏されていた。
それは、生きた人間を楽器に改造したもので、人間はまだ生きていた。
「俺」はその中の、ヴァイオリンに改造された少女に一目惚れした……。

越前魔太郎は覆面作家。
その正体は、舞城王太郎、相生生音、入間人間、折口良乃、秋田禎信、 乙一ら８人の作家。
その中の誰が『魔界探偵冥王星Ｏ／ヴァイオリンのＶ』を書いたかはわからない。
いかにもライトノベルというタイトルだが、意外とおもしろくてビックリ。
シリーズの第一作なので、続きも読んでみたいと思った。

キャラメルボックス俳優教室２０１８年度卒業公演『ミスター・ムーンライト』の本番２日目。
１４時より、ゲネプロ（Ｙチーム）。
木村玲衣が見に来てくれました。
ミスはあったものの、まずまずの出来。
１９時より、本番２ステージ目、Ｙチームの初日。
これがまあ、とんでもない大暴走で、２分近く短くなってしまった。
おまけに信じられいないミスも起きて、非常に残念な出来。
生徒全員に深く反省し、二度とないように努めよと言いました。
明日はＸチームで２ステージ。
本番は５日しかないので、もう中日。
気を引き締めて取り組んでほしいです。
頑張れ、１６期生！

幼な子われらに生まれ

１２月１３日（木）
三島有紀子監督『幼な子われらに生まれ』（２０１７年）ＷＯＷＯＷで鑑賞。

幼な子われらに生まれ DVD

• 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
• メディア: DVD

信（浅野忠信）と奈苗（田中麗奈）はバツイチ同士の夫婦。
奈苗の連れ子の女の子２人と、４人で暮らしていた。
信は前妻（寺島しのぶ）と暮らす実の娘と定期的に会っていた。
奈苗が妊娠すると、長女が信に反発し始め、「本当のお父さんに会いたい」と言い出す。
奈苗が離婚したのは、前夫・沢田（宮藤官九郎）のＤＶが原因だった。
信が反対すると、長女はさらに反発を強めた……。

原作は重松清氏の同名小説。
「信」役の浅野忠信は、生真面目で不器用なキャラクターを誠実に演じているが、僕にはミスキャストに思えた。
長女に振り回される姿がどうしても信じられなかった。

キャラメルボックス２０１８クリスマスツアー『リトル・ドラマー・ボーイ』、今日からいよいよ池袋サンシャイン劇場に小屋入りです。
僕はキャラメルボックス俳優教室２０１８年度卒業公演『ミスター・ムーンライト』の本番のため、中野ザ・ポケットに行きますが。
今日・明日が仕込みで、１２月１５日（土）が本番初日。
千秋楽が１２月２５日（火）。
１９８８年に始まったキャラメルボックスのクリスマス公演も、今年で３１回目を迎えました。
今年も劇場ロビーにはクリスマスツリーが立っています。
ぜひぜひオーナメントを持って、ご来場ください。
お待ちしています。

東京科学散歩

１２月１２日（水）
竹内薫＋中川達也『東京科学散歩』（祥伝社新書）

東京科学散歩（祥伝社新書220）

• 作者: 竹内 薫
• 出版社/メーカー: 祥伝社
• 発売日: 2010/10/30
• メディア: 新書

ラジオディレクターの中川達也が東京都内を散歩し、そこで浮かんだ疑問に対して、科学ライターの竹内薫が回答する。

散歩の行き先は、
〇押上／東京スカイツリー
〇千駄ヶ谷／鳩森八幡神社
〇上野恩賜公園
〇原宿／明治神宮
〇築地市場
などなど。
行ったことのない場所の解説はとてもためになった。
が、東京の名所を科学的な疑問に繋げるのはいかにも強引で、企画として無理があったと思う。

キャラメルボックス俳優教室２０１８年度卒業公演『ミスター・ムーンライト』の本番初日。
まず、１４時から、ゲネプロ（Ｘチーム）。
石川寛美、大内厚雄、鍛治本大樹、森めぐみ、原田樹里、小林春世、石川彩織、生田麻里菜が見に来てくれました。
上演時間は１時間３６分０１秒。
出来は硬い！硬い！硬い！
緊張がひどいので、ダメ出しは軽めにしました。
そして、１９時より、本番初日（Ｘチーム）。
岡内美喜子、多田直人、関根翔太、島野知也、矢野聖が見に来てくれました。
上演時間は１時間３５分３６秒。
やはり、最初のうちは硬く、ミスを連発。
ところが、中盤、お客さんが笑い始めたら、生徒たちも緊張がほぐれたようで、徐々にノリがよくなり、後半はいい芝居になりました。
まるで、お客さんに乗せられた感じ。
チケット代をいただいているのに、これではいけません。
ダメ出しで、明日は自分たちの力でお客さんを乗せろ、と注意しました。
明日はＹチームで、ゲネプロと本番。
今日よりいい芝居を！
何が何でも！
頑張れ、１６期生！

イップ 翼をもった女の子

１２月１２日（水）
リタ・ホースト＋エレン・シュミット監督『イップ　翼をもった女の子』（２０１０年）ＧＹＡＯで鑑賞。

イップ 翼をもった女の子 [DVD]

• 出版社/メーカー: オンリー・ハーツ
• 発売日: 2011/01/27
• メディア: DVD

オランダ。
ワレ（ヒューブ・スタペル）は野鳥研究家で、妻のティーネ（ヨーケ・チャルスマ）と二人暮らし。
ある日、草地で、手の平くらいの大きさで、両手が翼になった、女の赤ちゃんを見つける。
ワレはその子を家に持って帰り、ティーネと育て始める。
ティーネはその子に「フィーフェル」と名づけた。
フィーフェル.（ケナディー・ジャーディン・ブロムリー）は少しずつ大きくなっていった。
冬が来て、フィーフェルは南に旅立った。
ワレとティーネはフィーフェルを追いかけて、南に向かう……。

２０１０モントリオール国際子ども映画祭・最優秀作品賞受賞作。
原作はオランダの代表的作家ヨーク・ファン・リューベンの児童文学。
フィーフェルを演じた、カナダ人のケナジャー・ジャーディン・ブロムリーは、原発性小人症の子ども。
この病気は３００万人に１人の確率で発生するらしい。
日本でも、テレビ東京の特番「輝く命」などで紹介された。
演技らしい演技はしていないが、フィーフェルの無垢なキャラクターがよく似合っていた。

キャラメルボックス俳優教室２０１８年度卒業公演『ミスター・ムーンライト』の照明の磯野真也さんは、早稲田大学の演劇サークル「てあとろ５０’」の先輩です。
僕が７期で、磯野さんが２期。
１・２期の方々が卒業後に作った劇団「レイニー・ブルー・ファンダジー」の稽古の見学に行った時に知り合いました。
で、キャラメルボックスの第一回公演『地図屋と銀ライオン』の照明をお願いしました。
今は、ワンツー・ワークスなどの照明をなさっています。
思えば、もう３７年のお付き合い。
『ミスター・ムーンライト』の照明もとても素敵です。

砂漠

１２月１１日（火）
伊坂幸太郎『砂漠』（新潮文庫）読了。

砂漠 (新潮文庫)

• 作者: 伊坂 幸太郎
• 出版社/メーカー: 新潮社
• 発売日: 2010/06/29
• メディア: 文庫

北村は岩手県盛岡市の出身で、宮城県仙台市にある国立大学の法学部に入学した。
クラスのコンパで、鳥井と知り合い、遅刻してきた西嶋の演説に呆れ、興味を持つ。
鳥井に麻雀に誘われて、彼のマンションに行くと、西嶋、南、東堂がいた。
西嶋が、一つのクラスに東西南北が集まるのは偶然ではないと主張し、この４人を集めたのだ。
やがて、５人はグループで行動し始める……。

この本を読むのも２回目。
ほのぼのした大学生ライフを描いた小説だが、ラストに意外なサプライズが待っている。
これこそが伊坂氏の真骨頂で、１回読んでいるのに、すっかり忘れていたため、またしても「やられた！」と叫んでしまった。
しかし、これも芝居にはできないなあ。

キャラメルボックス俳優教室２０１８年度卒業公演『ミスター・ムーンライト』の仕込み２日目。
１２００から場当たりを２回やりました。
ほぼ、舞台監督の宮島雄一郎さんが組んでくれた予定通りに進み、２１１５に終了。
舞台美術家の稲田美智子さんのデザインしたセットがとても素敵で、この中で芝居ができる生徒たちがとても羨ましい。
磯野真也さんの照明を美しい。
残るは役者の演技だけです。
明日はＸチームのゲネプロと本番初日。
緊張に負けずに、一段でも二段でも成長してほしいです。
頑張れ、１６期生！