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仮想儀礼(上) [本]

9月7日(木)
篠田節子『仮想儀礼(上)』(新潮文庫)読了。

仮想儀礼〈上〉 (新潮文庫)

仮想儀礼〈上〉 (新潮文庫)

  • 作者: 篠田 節子
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2011/05/28
  • メディア: 文庫


鈴木正彦は東京都庁に勤めていたが、ゲーム作家を目指して、退職。
5000枚の原稿「グゲ王国の秘法」を書き上げたが、依頼主の矢口誠が失踪。
すべてが御破算になり、妻は家を出ていった。
新宿で偶然、矢口を見つけたが、彼も仕事に失敗し、ホームレスになっていた。
正彦は矢口への恨みを捨て、二人で金儲けのために、宗教団体を立ち上げようと計画する。
教団名は「聖泉真法会」。
まずはインターネットで悩み相談を始めるが……。

2009年度柴田錬三郎賞受賞作。
2人の男が金儲けのために、ゲーム小説をベースにした宗教団体を設立する。
このとんでもない設定を、篠田節子氏はいつものごとく、きわめてリアルに描いていく。
「聖泉真法会」は2人の予想をはるかに越える巨大な団体に成長していく。
下巻はひたすら転落していくのだろう。
怖いけど、読みたい!

アルテメイト・プロデュース『おおきく振りかぶって/夏の大会編』の本番初日。
ミスはいくつかあったけど、昼間のゲネプロより格段におもしろい芝居になりました。
役者たちが集中し、お客さんの反応に対応して、演技を随時修正した結果です。
カーテンコール、ダブルまでは練習していたのですが、なんとトリプルになってしまった。
終演のアナウンスが入ったのに、拍手が鳴りやまなかったのです。
楽屋に戻っていた役者もいたのですが、慌ててみんなで舞台に出て、主演の西銘駿君が挨拶しました。
終演後は楽屋ロビーで乾杯。
お客さんの反応がとてもよかったので、明るい笑顔で乾杯することができました。
よかったよかった!
キャラメルボックスからは、妻の伊藤ひろみ、岡田達也、筒井俊作、小多田直樹が見に来てくれました。
妻にも褒めてもらえて、とてもうれしかったです。

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かわいいジャポニスム [本]

9月5日(水)
沼田英子『かわいいジャポニスム』(東京美術)読了。

かわいいジャポニスム

かわいいジャポニスム

  • 作者: 沼田 英子
  • 出版社/メーカー: 東京美術
  • 発売日: 2017/10/28
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


横浜美術館首席学芸員の沼田英子が、19世紀後半の欧米の絵画・工芸品のうち、日本の影響を受けた「かわいい」ものを紹介する。

日本の美術が欧米の美術に与えた影響を「ジャポニスム」と呼ぶ。
本書で紹介されているのは、
クロード・モネ『ラ・ジャポネーズ』
フィンセント・ファン・ゴッホ『花魁』
エドゥアール・マネ『笛を吹く少年』
ピエール=オーギュスト・ルノワール『団扇を持つ少女』
メアリー・カサット『子どもの沐浴』
グスタフ・クリムト『期待』
ポール・ゴーギャン『三匹の子犬のいる静物』
クロード・モネ『睡蓮』
などなど。
印象派の画家たちの、日本美術(特に浮世絵)に対する熱狂は驚くばかり。
自分は150年後の人間なのに、なぜか誇らしかった。

アルテメイト・プロデュース『おおきく振りかぶって/夏の大会編』の仕込み3日目。
10時から場当たりでした。
極めて順調に進み、17時にはラストシーンに到達。
1730から、川崎悦子先生がいらして、ダンスシーンの場当たり。
その後、3シーンほど練習して、20時にはすべて終了。
いよいよ明日は公開ゲネと本番初日。
お客さんの反応が楽しみです。

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イラストで読むルネサンスの巨匠たち [本]

9月4日(火)
杉全美帆子『イラストで読むルネサンスの巨匠たち』(河出書房新社)読了。

イラストで読む ルネサンスの巨匠たち

イラストで読む ルネサンスの巨匠たち

  • 作者: 杉全 美帆子
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2010/04/08
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


グラフィック・デザイナーの杉全美帆子が、15世紀のイタリアの画家ジョルジョ・ヴァザーリが書いた『芸術家列伝』に描かれたルネサンスの画家たちのエピソードを、イラストと文章で紹介する。

ヴァザーリの『芸術家列伝』は間違いが多く、資料としては信用できないとされているらしい。
が、ミケランジェロとは実際に知り合いだったので、本当にのこともいっぱい書いている。
この本のおかげで、ルネサンスの画家たちがグンと身近に感じられるようになった。
取り上げられたのは、ジョット、ブルネレスキ、ドナテッロ、ウッチェッロ、フラ・アンジェリコ、マザッチョ、フィリッポ・リッピ、ボッティチェリ、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロ。
僕はやっぱりボッティチェリが一番好き。

14時より、キャラメルボックス2018グリーティングシアター『ながれぼしのきもち』の稽古見学。
4~8場の復習を見ました。
一番おもしろかったのはなんと、大滝真実!
ヒロインなのに一番おもしろいとはどういうことだ!
それでいいのか大滝真実!
関根翔太が苦戦していたので、演出の真柴あずき立ち会いのもと、いくつかアドバイスしました。
勝手にダメ出ししたら越権行為になりますからね。
よくなってくれるといいなあ。
1930より、ファンファーレ東新宿で、石原善暢プロデュース『猫と針』を観劇。
今日が初日でした。
坂口理恵、岡田達也、小多田直樹も見に来ていました。
なんと、受付が水谷友香梨で、場内整理兼前説が生田麻里菜でした。
『猫と針』を見るのは初演以来2回目ですが、出演者5人が皆達者で、楽しむことができました。
上演時間は1時間40分弱。
それから、ファンファーレ東新宿は、大江戸線の東新宿駅の真上ですが、僕は山手線の新大久保駅から行きました。
一本道で、10分弱で到着しました。
下手に乗り換えるより、この方がいいと思いますよ!
『猫と針』は9月9日(日)まで上演中です。

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ジェイソン・ボーン [映画]

9月4日(火)
ポール・グリーングラス監督『ジェイソン・ボーン』(2016年)WOWOWで鑑賞。

ジェイソン・ボーン[AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]

ジェイソン・ボーン[AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン
  • メディア: Blu-ray


元CIAの暗殺者ジェイソン・ボーン(マット・デイモン)に、元同僚のニッキ―(ジュリア・スタイルズ)が接触。
CIA長官ロバート・デューイ(トミー・リー・ジョーンズ)による新たな謀略「アイアン・ハンド」の発動を知らせる。
CIA情報部長ヘザー・リー(アリシア・ヴィキャンデル)は、動き出したボーンを追跡。
デューイも子飼いの工作員(ヴァンサン・カッセル)にボーン殺害を命じる……。

『ジェイソン・ボーン』シリーズの4作目。
3作で終わったはずだったが、豪華キャストを集めて、続編が作られた。
が、何もかもが3作目の焼き直しで、全く新味がない。
アリシア・ヴィキャンデルの美しさは際立っていたが。
とは言え、アクション映画としてはやはり質が高く、最初から最後までドキドキさせられた。

アルテメイト・プロデュース『おおきく振りかぶって/夏の大会編』の仕込み2日目。
ですが、僕は劇場へ行かず、キャラメルボックス2018グリーティングシアター『ながれぼしのきもち』の稽古へ。
9月13日の初日へ向けて、こちらも追い込みです。
まあ、僕は脚本協力という立場なので、稽古に口出しはしませんが。
では、行ってきます。

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ロズウェルなんか知らない [本]

9月3日(月)
篠田節子『ロズウェルなんか知らない』(講談社)読了。

ロズウェルなんか知らない (講談社文庫)

ロズウェルなんか知らない (講談社文庫)

  • 作者: 篠田 節子
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2008/07/15
  • メディア: 文庫


中部地方の町・駒木野。
バブルの頃までは首都圏から一番近いスキー場として人気があったが、今は閑古鳥。
スキー場を運営する観光会社も撤退し、2030年には人口がゼロになるとの予想が出た。
駒木野青年クラブの面々は、村おこしのため、奇策を思いつく。
UFOがやってくる町として、売り出すのだ!
早速、みんなでストーンサークルを作り始めたが、村の年寄りたちは頑強に反対した……。

篠田節子氏の本はこれが8冊目。
「UFOで村おこしをしようとした青年たち」を、極めてリアルに、知的に描く。
人間ドラマもユーモアもあるが、予定調和やお涙頂戴は一切ない。
真に大人の作家なのだと思う。
こんな凄い作家を今まで読んでこなかったなんて……。
もっともっと読むぞ!
お薦めです。

今日は10時より、キャラメルボックス俳優教室の授業。
台本練習の動き付けを開始しました。
2場を2ページ、3場を3ページ付けました。
そして、最後に各組発表。
みんな覚えが早くて、驚きました。
14時より、キャラメルボックス2018グリーティングアシター『ながれぼしのきもち』の稽古見学。
11・12場の動き付けでした。
脚本は先週、ラストまで完成。
真柴さんらしい、温かい物語になりました。
真柴あずき単独作品は『彼の背中の小さな翼』『あなたがここにいればよかったのに』『ロスト・ピアノ・チルドレン』に続いて4作目ですが、ナンバーワンの出来と言っていいでしょう。
見るかどうか迷っている方は、ぜひぜひ!
自信を持って、お薦めします。

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山田洋次×藤沢周平 [本]

9月2日(日)
吉村英夫『山田洋次×藤沢周平』(大月書店)読了。

山田洋次×藤沢周平―『たそがれ清兵衛』『隠し剣 鬼の爪』にみる時代劇の新境地

山田洋次×藤沢周平―『たそがれ清兵衛』『隠し剣 鬼の爪』にみる時代劇の新境地

  • 作者: 吉村 英夫
  • 出版社/メーカー: 大月書店
  • 発売日: 2004/10/01
  • メディア: 単行本


著述業・映画評論家の吉村英夫が、山田洋次監督の映画『たそがれ清兵衛』『隠し剣鬼ノ爪』を、黒沢明監督の映画と比較しながら分析する。

山田洋次監督の映画『たそがれ清兵衛』『隠し剣鬼ノ爪』が上質であることは十分に認めるが、黒沢明監督の映画と比較するのはいかがなものか。
『羅生門』『七人の侍』『隠し砦の三悪人』『用心棒』『椿三十郎』『赤ひげ』は世界の映画史に残る傑作で、他の追随を許さない。
世界の映画の宝だと思う。
と言いながら、実は僕は『隠し剣鬼ノ爪』も大好き。
ラストの、永瀬正俊と松たか子の会話は忘れられない。
一人でも多くの人に見てほしいと思う。

今日は13時より、西葛西の東京放送芸術&映画俳優専門学校のスペシャル公演『ブリザード・ミュージック』の稽古。
2・3・4・5場の立ち稽古をした後、2~5場を通しました。
立ち稽古の出来が非常に悪かったので、かなり厳しくダメ出しました。
が、最後の通しは実に見事な芝居になって、絶賛してしまいました。
さすがTBM!
年々レベルが上がっていて、今年のキャストは過去最高の演技力。
厳しくダメ出ししてもへこたれず、ちゃんと答えを出してくれました。
次回の稽古が楽しみです。
キャラメルボックス俳優教室も頑張らなくちゃ!

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ミステリー・アリーナ [本]

9月2日(日)
深水黎一郎『ミステリー・アリーナ』(原書房)読了。

ミステリー・アリーナ (講談社文庫)

ミステリー・アリーナ (講談社文庫)

  • 作者: 深水 黎一郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/06/14
  • メディア: 文庫


鞠子の家の別荘に、大学のミステリー研究会のOBOGが集まる。
一泊二日の年次会だったが、最後に着いた丸茂によれば、この別荘と町を繋ぐ唯一の橋が増水で崩落したと言う。
その夜、鞠子がナイフで刺されて殺された……。
……という小説が、推理闘技場(ミステリー・アリーナ)で読まれている。
タレント・樺川桃太郎の司会で、15人の回答者が犯人当てに挑んでいる。
第一章が終わったところで、回答者の一人・一ノ瀬がランプを点灯させ、犯人を指摘。
以降、話が進むに従って、次々と新たな犯人が指摘されていくが……。

2015年度「このミステリーがすごい!」第六位。
推理小説の犯人当てをする小説で、なんと15通りの回答が飛び出す。
回答者はいずれもミステリー・オタクで、メタ視点で推理を行い、それぞれのミステリー論、文学論を開陳する。
つまり、この小説自体がミステリー論であると同時に、クローズド・サークル型ミステリーのパロディーになっている。
はっきり言ってバカミスだが、とんでもなくおもしろかった。
司会の樺川の、ミステリー・オタクを罵倒するセリフが痛快で、何度も笑った。
強くお薦めします。

アルテメイト・プロデュース『おおきく振りかぶって/夏の大会編』の稽古は昨日終了し、今日はお休み。
ですが、僕は西葛西の東京放送芸術&映画俳優専門学校のスペシャル公演『ブリザード・ミュージック』の稽古。
7月29日から全く休みがありませんが、大丈夫です。
元気です。
現在関わっている芝居は、『おおきく振りかぶって/夏の大会編』『ながれぼしのきもち』『ブリザード・ミュージック』の3本。
しっかり切り換えて、『ブリザード・ミュージック』の演出をしてきます。
それでは行ってきます。

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世界の美しい庭園図鑑 [本]

9月1日(土)
大野暁彦+鈴木弘樹『世界の美しい庭園図鑑』(エクスナレッジ)読了。

世界の美しい庭園図鑑

世界の美しい庭園図鑑

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: エクスナレッジ
  • 発売日: 2016/03/30
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


世界の美しい庭園55を、写真と文章で紹介する。

特に印象に残ったのは、
〇タージ・マハル(インド)
〇シャンティイ城(フランス)
〇ヴォー・ル・ヴィコント城(フランス)
〇シュライスハイム城(ドイツ)
〇ミラベル城(オーストリア)
などなど。
僕は田舎で育ったので、自然は山・森・川が一番。
庭園は人工的で、好きではなかった。
高校時代、京都へ修学旅行に行った時も、庭は素通りした。
しかし、考えてみると、日本の山も森も川も、人の手が加わっているわけで、そうでない自然はジャングルとか砂漠とか、むしろ怖い。
上記の庭園は日本のものとは比較ならないほど大規模で、なるほど、これなら行ってみる価値はあると思った。
庭園を侮ってはいけませんな。

アルテメイト・プロデュース『おおきく振りかぶって/夏の大会編』の稽古28日目、最終日。
第五回通し稽古。
昨日の通しで俄然よくなりましたが、今日もそのレベルをキープ。
終始緊張感を保ち、おもしろい芝居になりました。
上演時間は1分31秒短縮して、2時間07分39秒。
1回目より短くなったけど、中身が詰まったので、「速すぎる」と感じませんでした。
これで稽古はすべて終了。
明日はお休みで、明後日から劇場入りです。
もうすぐお客さんにお見せできると思うと、うれしくて仕方ありません。
でも、場当たりとゲネプロで、さらなる改良を図ります。
やったるで!

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