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ここは私たちのいない場所 [本]

6月23日(火)
白石一文『ここは私たちのいない場所』(新潮文庫)読了。

ここは私たちのいない場所 (新潮文庫)

ここは私たちのいない場所 (新潮文庫)

  • 作者: 一文, 白石
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2019/08/28
  • メディア: 文庫


芹沢存実(ありのり)は大手食品メーカーの常務。
幼い頃、妹の在実(あるみ)が3歳で病死したことがトラウマとなり、いまだに結婚していない。
ある日、会社に元部下の鴫原(しぎはら)珠美が訪ねてくる。
珠美は同僚の小堺史郎と結婚して退職したが、その小堺が不祥事を起こしたため、芹沢にお詫びに来たのだった。
芹沢は珠美と関係を持ってしまう。
が、それは珠美の罠だった。
後日、小堺がやってきて、珠美が録音した、珠美と芹沢のベッドでの会話を聞かせる。
これを公にされたくなかったら、小堺をクビにするなと言うのだ……。

白石一文氏の本はこれが7冊目。
いつものごとく、中年の企業人を主人公にした、人間ドラマ。
白石氏の本を久しぶりに読んで、その読みやすさに驚いた。
白石氏は1958年生まれで、僕の3つ上。
同世代だから、だろうか。
この人の作品をもっと読んでみようと決意した。

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ナミヤ雑貨店の奇蹟 [映画]

6月22日(月)
ハン・ジェ監督『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(2017年)WOWOWで鑑賞。

ナミヤ雑貨店の奇蹟-再生- [DVD]

ナミヤ雑貨店の奇蹟-再生- [DVD]

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2019/02/22
  • メディア: DVD


2017年の大晦日。
3人組の孤児シャオポー(ワン・ジュンカイ)、トントン(ディラルバ・ディルムラット)、アジェ(ドン・ズージェン)は、ある女性企業家宅を襲撃し金品を強奪して逃走。
しかし、すぐに車がガス欠となり、無人の雑貨店に逃げ込んだ。
そこは、かつて店主(ジャッキー・チェン)が手紙で悩み相談をすることで有名だった雑貨店。
店内の古びた時計が午前零時を告げると、シャッターの郵便受けから手紙が落ちてくる。
その手紙は1993年から届いたものだった……。

東野圭吾氏が2012年3月に出版した小説『ナミヤ雑貨店の奇蹟』の、香港・中国・日本の合作による映画化。
廣木隆一監督による日本版は2017年9月公開で、ハン・ジェ監督による中国版は2017年12月公開。
ちなみに、私・成井豊の演出による舞台化は、2013年5月。
私のことは置いといて、この中国版、原作にかなり忠実で、日本版より明らかに出来がいい。
ただし、原作通りにするために、話がかなり急ぎ足で進んでいき、まるで帯ドラマの総集編を見ているような感覚になった。
原題は『解憂雑貨店』。
これ、なかなかカッコいいですよね。

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今日は10時から、キャラメルボックス俳優教室本科の10回目の授業。
ストレッチ、筋トレ、ウォーキング、ストップ・ターン、発声練習、スピーチ、台本練習をやりました。
ウォーキングとストップ・ターンは、ユーリズミックスの「ソーン・イン・マイ・サイド」をかけてやりました。
これ、大好きなんです。

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人に話したくなる世界史 [本]

6月22日(月)
玉木俊明『人に話したくなる世界史』(文春新書)読了。

人に話したくなる世界史 (文春新書)

人に話したくなる世界史 (文春新書)

  • 作者: 俊明, 玉木
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2018/05/18
  • メディア: 新書


京都産業大学教授の玉木俊明が、世界史の13のエピソードを新たな解釈で解説する。

〇ヴァイキングは略奪者であると同時に商人でもあった。地中海まで進出し、イスラム商人とも交易していた。
〇大航海時代の初期、スペインやポルトガルはアジアの香辛料でなく、アフリカの金を求めていた。大西洋を南下したのはそのため。
〇15世紀、グーテンベルクが活版印刷を発明したことによって、世界に契約書・手形・証券などが普及し、商取引のマニュアル化が進んだ。
〇19世紀、蒸気船の発達により、世界の諸都市間の移動にかかる日数が半分以下に減った。『母をたずねて三千里』のマルコの母のように、海外への出稼ぎが一気に増えた。
おもしろい話が次から次へと出てきて、確かに人に話したくなった。
お薦めです。

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ちえりとチェリー [映画]

6月21日(日)
中村誠監督『ちえりとチェリー』(2015年)WOWOWで鑑賞。

映画「ちえりとチェリー」DVD

映画「ちえりとチェリー」DVD

  • 出版社/メーカー: フロンティアワークス
  • 発売日: 2020/04/24
  • メディア: DVD


ちえりは小学6年生。
幼い頃、父を亡くして、母と二人暮らし。
父の葬儀の時、父の実家の蔵でぬいぐるみを見つけ、「チェリー」と名付けた。
以来、チェリーはちえりのただ一人の親友だった。
父の法事で、ちえりは母と共に父の実家へ行く。
もちろん、チェリーも一緒だった。
母と喧嘩して、実家に一人で残ったちえりに、3羽のカラスが襲いかかってきた……。

54分のパペット・アニメーション。
パペットは非常に可愛いが、話が非常にシンプルで、これは幼児向けに作られたものだと思う。
同じく中村誠監督の『チェブラーシカ 動物園へ行く』(2015年)も見た。
18分のパペット・アニメーションで、こちらも幼児向けだった。
話はともかく、アニメとしての質は高い。

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今年28回目のジョギング。
3,5キロ走って、1,6キロ歩きました。
3,5キロのタイムは、前回より2秒短縮して、19分21秒。
たったの2秒ですが、一応、記録を更新しました。
もう苦しいの何の。
計算してみたら、時速10,84キロ。
これが今の僕の限界だと思います。
次からはペースダウンして、気楽に走ろう。
毎回そう思ってるんですけど、ついムキになっちゃうんですよね。
でも、今度は本気で、ペースを落とします。

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もういちど訪ねる日本の美(上) [本]

6月21日(土)
小林忠他『もういちど訪ねる日本の美(上)』(山川出版社)読了。

もういちど訪ねる日本の美 上

もういちど訪ねる日本の美 上

  • 出版社/メーカー: 山川出版社
  • 発売日: 2018/06/02
  • メディア: 大型本


歴史教科書の山川出版社が1983年に出版した『日本史写真集』に新たな作品や研究成果を盛り込んだ、日本美術の概説書。
優れた建築、仏像、曼陀羅、宝物など54を紹介。
上下2巻で、これは上巻。

取り上げられたのは、
〇法隆寺玉虫厨子
〇法隆寺金堂釈迦三尊像
〇高松塚古墳壁画
〇興福寺阿修羅像
〇平等院鳳凰堂
〇鳥獣戯画
〇東大寺南大門金剛力士像
などなど。
有名なものばかりだが、改めて見て、やはりそれぞれ美しいと思った。
古いものは7世紀に作られていて、つまり1300年の時を経ていることになる。
高温多湿で火事や地震が多いこの国で、よくぞ今日まで生き延びたものだと思う。
高校で日本史を習っていた時には、このすばらしさはわからなかった。
この年になって、やっとわかった。

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僕の行く道 [本]

6月21日(日)
新堂冬樹『僕の行く道』(双葉文庫)読了。

僕の行く道

僕の行く道

  • 作者: 新堂 冬樹
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2005/02/09
  • メディア: 単行本


沖田大志は小学3年で、父親と二人暮らし。
母は大志が2歳の時、デザインの勉強のためにパリへ行った。
毎週手紙が来るが、直接会うことも電話で話すこともできない。
ある日、家で手紙と写真を見つける。
それは小豆島から届いた手紙で、パリにいるはずの母が写っていた。
母に会いたい!
大志は愛猫のミュウと共に家を出て、小豆島に向かう……。

裏表紙に「親子愛溢れる感涙のハートフルストーリー」とあったので、つい買ってしまった。
が、全く感動しなかった。
話の展開の都合が良すぎるし、出てくる人がみんないい人すぎるので、現実感がなかった。
感動的な物語を書こうという作者の意図が透けて見える。
自分も感動的な物語が書きたい作家なので、気をつけなければと思った。

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目の見えない人は世界をどう見ているか [本]

6月20日(土)
伊藤亜紗『目の見えない人は世界をどう見ているか』(光文社新書)読了。

目の見えない人は世界をどう見ているのか (光文社新書)

目の見えない人は世界をどう見ているのか (光文社新書)

  • 作者: 伊藤 亜紗
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2015/04/16
  • メディア: 新書


東京工業大学リベラルアーツ研究教育院准教授の伊藤亜紗が、目の見えない人10人への聞き取り調査をして、彼らの世界観を分析・解説する。

〇目の見えない人には「視点」がないので、ビジュアルを対象を正面(という視点)から見た平面としてでなく、立体物として捉える。
〇目の見えない人のうち、点字が読めるのは12,6パーセント。
〇中途失明の人は、見えていた時より、見えなくなった後の方が、転ぶことが少なくなった。足元に気をつけるため。
〇目の見えない人が、見える人と一緒に美術館へ行き、絵を見るイベント、「ソーシャル・ピュー」が盛んになってきている。
点字を手話と同等に捉えていたが、12,6パーセントの人しか読めないというのは驚きだった。
確かに、ホテルのエレベーターなどで見て、何度か触り、「これに指先で触れただけで読み取れるなんて凄いなあ」と思っていた。
やはりそんなに簡単なことではないのだ。
とてもタメになる本だった。

10日ぶりに図書館へ行き、本を10冊借りてきました。
10冊中、7冊は予約していたもの。
予約は30冊近くしているのですが、今日の時点で借りられたのが7冊だけだったのです。
で、残り3冊は館内を見て回って決めました。
以前は予約していなかったので、借りるのに1時間前後かかりましたが、今日は15分。
やはり予約は便利ですね。

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100万分の1回のねこ [本]

6月20日(土)
江國香織他『100万分の1回のねこ』(講談社文庫)読了。

100万分の1回のねこ (講談社文庫)

100万分の1回のねこ (講談社文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/02/14
  • メディア: Kindle版


1977年に発売された佐野洋子の絵本『100万回生きたねこ』へのオマージュとして、13人の作家・詩人・挿絵画家が創作した短編13を収録した短編集。

収録作品は、
〇江國香織『生きる気まんまんだった女の子の話』
〇角田光代『おかあさんののところにやってきた猫』
〇綿矢りさ『黒ねこ』
〇川上弘美『幕間』
などなど。
上記の4人の作家の作品はすべて読むことにしているので、この本にもトライした。
佐野洋子氏のファンは作家の中にも多い。
代表作と言えば、やはり『100万回生きたねこ』だろう。
さすがに僕も読んでいる。
好きかと聞かれればノーだが、名作であることは間違いないと思う。
未読の方はぜひそちらからどうぞ。

100万回生きたねこ (講談社の創作絵本)

100万回生きたねこ (講談社の創作絵本)

  • 作者: 佐野 洋子
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1977/10/19
  • メディア: 単行本



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少林寺三十六房 [映画]

6月19日(金)
リュウ・チャーリャン監督『少林寺三十六房』(1978年)Netflixで鑑賞。

少林寺三十六房 [Blu-ray]

少林寺三十六房 [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
  • 発売日: 2013/06/07
  • メディア: Blu-ray


明末期の中国・広東。
侵攻してきた清軍に対し、鄭成功をリーダーとする漢民族の義士たちは必死で抵抗する。
劉裕徳(リュー・チャーフィー)も義士を目指す一人だったが、海産物問屋を営む父親や家族を殺され、力に対抗するには力が必要と気付き、少林寺を目指す。
追手を逃れ、瀕死の状態で少林寺に辿り着き、「三徳」と名を改めて、修行を開始する……。

カンフー映画の傑作として、つとに有名な作品だが、今まで見逃していた。
噂に違わず良い出来で、大満足。
「三徳」は、全部で三十五ある道場のうち、三十五番目の道場から修行を開始する。
その道場の師匠から合格を告げられると、次の三十四番目に進む。
というふうに、この映画は専ら「三徳」の修行を描き、敵との対決は最後のシーンだけ。
しかし、『酔拳』や『ドラゴンボール』でもそうだが、この手の映画は修行の場面こそがおもしろい。
『ロッキー』も試合の前のトレーニング・シーンが一番盛り上がる。
この映画が成功したのは、修行シーンに特化したからだと思う。
クエンティン・タランティーノ監督はこの映画が大好きで、リュー・チャーフィーに自身の映画『キル・ビル』への出演を頼んだらしい。
うん、よくわかっていらっしゃる。
リュー・チャーフィー、本当にカッコいい!

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西葛西の東京放送芸術&映画俳優専門学校のワークショップの7回目。
2年生の3回目。
90分を2クラスやりました。
3年生と同じく、2年生もドラマ・リーディングをやっているのですが、みんな予想以上に上達して、おもしろくなってきました。
やはり、セリフ術はセリフを口にすることでしか上達しない。
ピアニストが毎日ピアノを弾くように、生徒たちも毎日セリフや早口言葉や新聞記事や小説の一節を声に出して読んでほしいです。

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知れば知るほど/管見妄語7 [本]

6月19日(金)
藤原正彦『知れば知るほど/管見妄語7』(新潮社)読了。

管見妄語 知れば知るほど(新潮文庫)

管見妄語 知れば知るほど(新潮文庫)

  • 作者: 藤原正彦
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2020/01/31
  • メディア: Kindle版


お茶の水大学名誉教授で数学者の藤原正彦が、週刊新潮に巻頭言として連載したエッセイを集めたもの。
シリーズ7冊目で、2015年から16年までの分。

相変わらず、奥様との会話がおもしろい。
藤原氏「(僕は)家、学校、サッカー部では叱られ役として貴重な存在だった」
奥様「あなたが家でも学校でもワルで、サッカーも下手だったというだけのこと。美化しないで」
藤原氏「お前は性格が悪い」
奥様「あなたは人格が低い」
結局毎回奥様に言い負かされるのが楽しい。
奥様の藤原美子さんの本も何冊か読んだが、いずれもおもしろい。
心理学者、カウンセラー、翻訳家、エッセイストで、現在はハリウッド大学院大学教授、筑波大学附属視覚特別支援学校講師。
お薦めです。


我が家の流儀 藤原家の闘う子育て (集英社文庫)

我が家の流儀 藤原家の闘う子育て (集英社文庫)

  • 作者: 藤原 美子
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2007/12/14
  • メディア: 文庫



家族の流儀 藤原家の褒める子育て (集英社文庫)

家族の流儀 藤原家の褒める子育て (集英社文庫)

  • 作者: 藤原 美子
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2008/06/26
  • メディア: 文庫



夫の悪夢 (文春文庫)

夫の悪夢 (文春文庫)

  • 作者: 藤原 美子
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2012/10/10
  • メディア: 文庫



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