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あいうえおちゃん [本]

6月27日(土)
森絵都『あいうえおちゃん』(文春文庫)読了。

あいうえおちゃん (文春文庫)

あいうえおちゃん (文春文庫)

  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2008/09/03
  • メディア: 文庫


森絵都/文、荒井良二/絵、による、あいうえおを教える幼児向けの絵本。

幼児向けとは言いながら、文も絵もユーモアたっぷりで、子供より大人の方が笑えるのではないか?
演劇界では、あいうえお歌と言えば、北原白秋の『五十音』があまりも有名。
「あめんぼ/あかいな/あいうえお」というヤツだ。
この本はその現代版で、とにかくやたらとおかしい。
僕が気に入ったのは、
「そうりも/そろそろ/そだいごみ」
「ぬいでも/ぬいでも/ぬいぐるみ」
「ふだんは/ふりょうの/ぷりんせす」
「まほうの/まこちゃん/まわしげり」
「もうけを/もくろむ/ももたろう」
などなど。
上記の5つなど、幼児にはちんぷんかんぷんなのではないか?
まあ、確信犯だろうが。
お薦めです。

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漁師の愛人 [本]

6月27日(土)
森絵都『漁師の愛人』(文春文庫)読了。

漁師の愛人 (文春文庫)

漁師の愛人 (文春文庫)

  • 作者: 絵都, 森
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2016/07/08
  • メディア: 文庫


本多紗江は5年前、妻子持ちの男・長尾と付き合い始めた。
長尾は音楽プロデューサーだったが、会社が倒産して、故郷で漁師をやると言い出す。
紗江は長尾について、長尾の故郷の漁村にやってくる。
続いてもせいぜい半年、と思っていたら、長尾は漁師の仕事に馴染み、東京に戻る気配はない。
漁村の人々は紗江を「二号丸」と呼んで、近寄ろうとしない。
紗江の話し相手は、毎日電話してくる円香。
長尾の別れた妻の円香が、なぜか紗江に電話してくるのだった……。

森絵都氏の本はこれが15冊目。
短編5つを収録した短編集で、上記は表題作の『漁師の愛人』。
プリンを巡って男たちが熱い闘いを繰り広げる『少年のプリン』『老人とアイロン』『ア・ラ・モード』の3部作がおもしろかった。
どれも文庫本で15ページ前後で、ハイ・テンション。
坂口安吾のファルス『風博士』を思い出した。

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キス・オブ・ザ・ドラゴン [映画]

6月26日(金)
クリス・ナオン監督『キス・オブ・ザ・ドラゴン』(2001年)Netflixで鑑賞。

キス・オブ・ザ・ドラゴン スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]

キス・オブ・ザ・ドラゴン スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]

  • 出版社/メーカー: パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
  • 発売日: 2012/09/14
  • メディア: DVD


パリ。
中国の警察官リュウ(ジェット・リー)は、中国の麻薬組織のボス・ソングを逮捕するため、地元警察のリチャード(チェッキー・カリョ)とともにホテルに向かう。
が、リチャードはソングを殺し、その罪をリュウに被せようとする。
リチャードはフランスの組織のボスだったのだ。
辛くもホテルを脱出したリュウは、親戚のチップス売りを営む老人の家に身を隠す。
娼婦のジェシカ(ブリジッド・フォンダ)は、リチャードに娘を奪われ、街娼を強制されていた。
老人の家で傷の手当をしたリュウに、ジェシカが手伝いを申し出る。
そこへ、リチャードの部下がやってくる……。

原案・主演がジェット・リー、製作・脚本がリュック・ベッソンのアクション映画。
リュック・ベッソンは、監督・脚本家としてはややあざといものの、腕は確か。
センスが良く、工夫がうまくて、しっかり楽しめた。
ジェット・リーの高速カンフーもすばらしい。
B級映画の秀作。
『キス・オブ・ザ・ドラゴン』というタイトル、ラストでリュウがジェシカにキスするんだろうと思っていたら、全然違っていた。
その答えはラストシーンでわかる。

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今日も西葛西の東京放送芸術&映画俳優専門学校へワークショップに行ってきました。
今年10回目、2年生の4回目。
3年生と同じく、『ジャングル・ジャンクション』をテキストにしてドラマ・リーディングをやりました。
2年生は女子に元気のいい子が多く、とても楽しいドラマ・リーディングになりました。

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不自由な心 [本]

6月26日(金)
白石一文『不自由な心』(角川文庫)読了。

不自由な心 (角川文庫)

不自由な心 (角川文庫)

  • 作者: 白石 一文
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2013/07/09
  • メディア: Kindle版


江川一郎は大手企業の総務部に勤めるサラリーマン。
ある日、妹の祥子が相談にやってくる。
夫の森山啓介が同僚の一力真希と浮気していると言う。
啓介は一郎の部下で、真希のことももちろん知っていた。
一郎は啓介と話してみると約束したが、内心、苦いものを感じていた。
一郎の妻はかつて、一郎の浮気が原因で事故に遭い、今も障害で苦しんでいた……。

短編5つを収録した短編集で、上記は表題作の『不自由な心』。
なんとまあ、5つとも「不倫」をテーマにした小説で、読むのが非常に辛かった。
不倫の当事者は常に嘘をついていて、心は常に不安定。
それが読む方にも伝わって、読書が楽しめないのだ。
まあ、これは僕だけかもしれないが。
しかし、さすがは白石氏、どれも一筋縄では行かない小説で、ことごとく先読みを覆された。
そういう意味では、楽しめたのかもしれない。


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アンドリュー・ワイエス [本]

6月26日(金)
リチャード・メリマン『アンドリュー・ワイエス』(同朋舎出版)読了。

アンドリュー・ワイエス (はじめて読む芸術家ものがたり)

アンドリュー・ワイエス (はじめて読む芸術家ものがたり)

  • 出版社/メーカー: 同朋舎出版
  • 発売日: 2020/06/26
  • メディア: 大型本


雑誌記者のリチャード・メリマンが、アメリカを代表する画家アンドリュー・ワイエスの生涯と作品を紹介する。

リチャード・メリマンはワイエスの友人だったらしい。
ワイエス本人やワイエスの家族へのインタビューがふんだんに盛り込まれていて、読み応えがあった。
ワイエスが子供時代、毎年ハロウィーンに、家族で芝居をやっていた。
その時の、インディアンに扮装したワイエスの写真が何ともおかしい。
ワイエスの父も有名な画家で、ワイエスは学校へ行かず、父から絵の英才教育を受けていた。
そして、父を越えた。
父ニューウェル・コンヴァース・ワイエスも喜んだ。
『インディアン・サマー』『松ぼっくり』『飛翔』『冬』『クリスティーナの世界』『オルガ』シリーズ。
僕の一番好きな画家です。
お薦めです。

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バーニー・トムソンの殺人日記 [映画]

6月25日(木)
ロバート・カーライル監督『バーニー・トムソンの殺人日記』(2015年)GYAOで鑑賞。

バーニー・トムソンの殺人日記 [DVD]

バーニー・トムソンの殺人日記 [DVD]

  • 出版社/メーカー: 竹書房
  • 発売日: 2017/12/02
  • メディア: DVD


イギリス、グラスゴー。
バーニー・トムソン(ロバート・カーライル)は雇われ理髪師。
ある日、店主にクビを言い渡され、揉み合っているうちに、ハサミが店主の胸に刺さり、死んでしまう。
母親(エマ・トンプソン)に告白すると、「死体は冷蔵庫に入れておけ」と言われる。
母の家の冷蔵庫まで死体を運ぶと、中には腕や足が入っていた。
グラスゴーでは、死体の一部が遺族の家に配達される事件が次々と起きていた。
その犯人はバーニーの母親だったのだ!
一方、警察は店主の失踪はバーニーの仕業ではないかと疑い、さらに連続殺人の嫌疑まてかけ、捜査を開始した。
バーニーは何とか言い逃れしようとするが、さらに同僚まで死なせてしまう……。

『フル・モンティ』のロバート・カーライルが初監督で主演までつとめたブラック・コメディ。
エマ・トンプソンが老婆のメイクで、不気味な母親役を演じている。
展開が予想外でなかなか楽しめた。
原題は『The Legend of Barney Thomson』。
「リジェンド」はさすがにオーバーなので、「殺人日記」で文句ナシ。

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今日は西葛西の東京放送芸術&映画俳優専門学校のワークショップの9回目。
1年生の2回目。
90分を3クラスやりました。
メニューは前回と同じく、シアターゲーム、発声練習、ドラマ・リーディング。
3連発、前回はヘトヘトになりましたが、今日は慣れたのか終わった後も元気でした。
生徒たちの成長にも助けられました。
午前は今年29回目のジョギング。
霧雨が降っていたので、距離の短いコースにして、2,1キロ走り、1,8キロ歩きました。
2,1キロのタイムは、この距離の最高記録を15秒短縮して、10分45秒。
3,5キロを何度も走ったので、とても短く感じました。
その分、スピードが出たのだと思います。
走り終わった後のダメージも軽かった。
ワークショップを元気に乗り切れたのは、このせいかもしれません。


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彼が通る不思議なコースを私も [本]

6月25日(木)
白石一文『彼が通る不思議なコースを私も』(集英社文庫)読了。

彼が通る不思議なコースを私も (集英社文庫)

彼が通る不思議なコースを私も (集英社文庫)

  • 作者: 白石 一文
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2017/01/20
  • メディア: 文庫


澤村霧子はOL。
友人のみずほの付き添いで、みずほの恋人の吉井に会いに行く。
吉井はみずほと別れるくらいなら死ぬと言い、ビルの屋上から飛び下りた。
その時、霧子は、ビルの下で、黒ずくめの服を着た男と出会う。
男は吉井が植物の上に落下して助かったのを見ると、すぐに姿を消した。
数日後、霧子が合コンに出席すると、そこにあの男がいた。
男は小学校教師で、椿林太郎という名前だった……。

おもしろかった!
椿林太郎には、他人の死期がわかる。
東大卒で、トランポリンの世界第二位で、イケメンで、その上、超能力者でと、まるでアベンジャーズにでも出てきそうな男。
しかし、彼は子供の頃から教師になるのが夢で、担任していた子供の保護者とモメて、勤務校を退職すると、学習障害児や不登校児向けの体育教室を始める。
そして、子供たちに二本の足でしっかり立つことから教え始める。
林太郎の教育論、人生観、生き方がおもしろくて、一気に読んでしまった。
何よりタイトルがすばらしい。
白石氏の小説のタイトルにはいつも感心させられるが、僕のベスト5は以下の通り。
1、この胸に深々と刺さる矢を抜け
2、僕のなかの壊れていない部分
3、この世の全部を敵に回して
4、彼が通る不思議なコースを私も
5、どれくらいの愛情
お薦めです。

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ヴィンセントが教えてくれたこと [映画]

6月24日(水)
セオドア・メルフィ監督『ヴィンセントが教えてくれたこと』(2014年)Netflixで鑑賞。



ヴィンセント・マッケンナ(ビル・マーレイ)は独り暮らしの偏屈な老人。
酒と競馬が好きで、妊婦の売春婦ダカ・パリモヴァ(ナオミ・ワッツ)が定期的に訪ねてくる。
ある日、彼の隣の家に、医療技師のマギー・ブロンスタイン(メリッサ・マッカーシー)と、その息子の小学生オリヴァー(ジェイデン・リーバハー)が引っ越してくる。
オリヴァーは転校早々、イジメに遭う。
ヴィンセントはマギーに頼まれ、オリヴァーのベビー・シッターを引き受ける。
オリヴァーは学校の課題で、「聖人」について調べることになる……。

原題は『St. Vincent』。
ラスト、オリヴァーは発表会で、自分の身近な「聖人」として、ヴィンセントの人生を語る。
ヴィンセントには8年前に認知症で施設に入った妻がいて、毎週1回、洗濯物を届けに通っていた。
自堕落な生活をしながら、しかし、妻のことは愛し続けていたのだ。
ビル・マーレイがそのまんまじゃないかと思えるほど、ダメ老人のヴィンセントを好演。
ナオミ・ワッツも妊婦の売春婦を飄々と演じていて、感心した。
お薦めです。

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今日は西葛西の東京放送芸術&映画俳優専門学校のワークショップの8回目。
3年生の4回目。
成井豊+真柴あずき『ジャングル・ジャンクション』の4場のドラマ・リーディングをやりました。
テーマは、パロディを演じること。
生徒のみんなはこの手の台本をやったことがなかったようで、初めのうちは戸惑っていました。
しかし、『銀魂』や劇団新感線を例に挙げ、型を演じることを遊ぶ、という演技法を説明すると、徐々にテンションが上がって、おもしろくなっていきました。
来週も配役を変えて、もう一度やる予定です。

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京の美人画100年の系譜 [本]

6月24日(水)
京都市美術館『京の美人画100年の系譜』(青幻舎)読了。

京の美人画 100年の系譜  -京都市美術館名品集

京の美人画 100年の系譜 -京都市美術館名品集

  • 出版社/メーカー: 青幻舎
  • 発売日: 2015/10/01
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


京都市美術館が、収蔵する美人画の中から名品140をピックアップし、紹介・解説する。

京都市美術館は昭和8年(1933年)に設立。
上村松園や前田青邨の作品もあったが、僕が気に入ったのは、
〇竹内栖鳳『絵になる最初』
〇中村大三郎『ピアノ』
〇菊池契月『少女』
〇丹羽阿樹子『遠矢』
などなど。
日本画、美人画にも、モダンな絵はたくさんある。
独特の清潔感が好ましいと思った。
お薦めです。

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ゴールデン・リバー [映画]

6月23日(火)
ジャック・オディアール監督『ゴールデン・リバー』(2018年)WOWOWで鑑賞。

ゴールデン・リバー [DVD]

ゴールデン・リバー [DVD]

  • 出版社/メーカー: ギャガ
  • 発売日: 2019/11/22
  • メディア: DVD


1851年、アメリカ、オレゴン。
イーライ(ジョン・C・ライリー)とチャーリー(ホアキン・フェニックス)は、「シスターズ兄弟」と呼ばれる殺し屋。
オレゴンのボス「提督」の命令で、ウォーム(リズ・アーメット)という男を殺しに行く。
先乗りした連絡係のモリス(ジェイク・ギレンホール)は、ウォームを発見し、親しくなる。
ウォームの話によると、彼は化学者で、金を見分ける「予言者の薬」を作る化学式を発見したらしい。
モリスはウォームとともに、砂金を求めて、ジャクソンビルに向かう……。

監督のジャック・オーディアールは、『預言者』でカンヌ国際映画祭グランプリを、『ディーパンの闘い』でカンヌ国際映画祭パルム・ドールを受賞したフランスの巨匠。
その人がハリウッドの俳優で西部劇を撮る、という挑戦。
意外なことに、主人公はホアキン・フェニックスでなく、ジョン・C・ライリーだった。
無骨だが弟思いの兄を、実に魅力的に演じている。
原題は『The Sisters Brothers』で、要するにシャレなのだ。
そこそこ楽しめます。

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今日は10時から、キャラメルボックス俳優教室実践科の10回目の授業。
第一回セリフ発表会。
『スキップ』2場を5組、『水平線の歩き方』1・2場を2組が発表しました。
実践科の生徒は、12~17期の卒業生で、9カ月の授業と卒業公演を既に経験しているため、みんなうまい。
マスクを着けての演技でしたが、ちゃんと楽しめました。
来週から中間公演の稽古が始まりますが、今日の発表を見て、大いに期待できると思いました。
中間公演の本番は9月末。
情報公開までもうしばらくお待ちください。
頑張ります!

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