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天才と発達障害 [本]

12月18日(金)
岩波明『天才と発達障害』(文春新書)読了。

天才と発達障害 (文春新書)

天才と発達障害 (文春新書)

  • 作者: 明, 岩波
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2019/04/19
  • メディア: 新書


昭和大学医学部精神医学講座主任教授の岩波明が、世界の歴史に名を残した天才たちの精神病理を解析する。

〇ADHD(注意欠陥多動性障害)/野口英世、南方熊楠、伊藤野枝、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト、黒柳徹子、水木しげる
〇ASD(自閉症スペクトラム障害)/山下清、大村益次郎、チャールズ・ダーウィン、アルバート・アインシュタイン、ルードヴィッヒ・ヴィトゲンシュタイン、エリック・サティ、コナン・ドイル
〇うつ病/ウィンストン・チャーチル、フランクリン・ルーズベルト、アーネスト・ヘミングウェイ、テネシー・ウィリアムズ、ヴィヴィアン・リー、夏目漱石、芥川龍之介
〇統合失調症/ジョン・フォーブス・ナッシュ、中原中也
空気が読めない、集団に適応できない、そんな人たちだからこそ、クリエイティブになれる。
しかし、そばにいると大変だろうなと思う。
お薦めです。

「成井豊と梅棒のマリアージュ」『彼女の空に雪が降るまで』の本番2ステージ目。
演劇界に古くから伝わる「二落ち」を吹き飛ばして、昨日よりさらに良い出来になりました。
お客さんの反応も増えました。
あー! こんなにおもしろいのに、空席があるのがもったいない!
新型コロナについては万全の予防措置をしています。
ぜひぜひ池袋サンシャイン劇場へお越しください!
お待ちしています!

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男はつらいよ/ぼくの伯父さん [映画]

12月18日(金)
山田洋次監督『男はつらいよ/ぼくの伯父さん』(1989年)NETFLIXで鑑賞。

男はつらいよ・ぼくの伯父さん [DVD]

男はつらいよ・ぼくの伯父さん [DVD]

  • 出版社/メーカー: 松竹
  • 発売日: 2017/08/30
  • メディア: DVD


寅次郎(渥美清)はさくら(倍賞千恵子)頼まれ、浪人生の満男(吉岡秀隆)の悩みを聞くため、居酒屋へ。
酔っ払って帰った2人に、博(前田吟)らは怒る。
寅次郎は旅に出て、満男もバイクで家出してしまう。
満男は高校の吹奏楽部の後輩で、両親の離婚で名古屋へ引っ越した及川泉(後藤久美子)に会いに行く。
スナックで働く泉の母・礼子(夏木マリ)は、泉は礼子の妹の寿子(檀ふみ)の家がある佐賀に行ったと言う。
佐賀に到着した満男は、木賃宿に泊まることに。
相部屋に案内されると、そこに伯父さんがいた……。

シリーズ42作目。
今作から寅次郎が脇に回り、満男が主役になる。
マドンナは後藤久美子と壇ふみ。
後藤久美子はもう絶品の可愛らしさで、満男が佐賀まで行ってしまうのは仕方ないと思えた。
しかし、満男は、泉に性欲を感じてしまう自分を「汚い」と言う。
この時代錯誤には呆れた。
笹野高史がまたしても脇役で登場。
バイクの転倒事故を起こした満男を助ける男で、満男をホテルに連れ込み、いきなり化粧をして襲いかかったのには笑ってしまった。

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神秘 [本]

12月17日(木)
白石一文『神秘(上)』『神秘(下)』(講談社文庫)読了。

神秘(上) (講談社文庫)

神秘(上) (講談社文庫)

  • 作者: 白石 一文
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/04/15
  • メディア: 文庫



神秘(下) (講談社文庫)

神秘(下) (講談社文庫)

  • 作者: 白石 一文
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/04/15
  • メディア: 文庫


2011年8月。
大手出版社取締役の菊池は、53歳で、膵臓ガンで余命1年と宣告される。
妻とは5年前に離婚し、娘二人も独立して、海外で生活している。
20年前、山下やよいという女性と電話で話をした。
その時、菊池は足に怪我をしていたが、やよいの一言で一瞬で完治してしまった。
菊池はやよいがいるはずの神戸に転居し、彼女の行方を探すことにする……。

上下巻を一気に読んだ。
白石一文氏は1958年生まれの62歳で、僕の3つ上。
そのお年のせいだろうが、近年の作品の主人公は60歳前後で、いずれも社会的地位が高い。
この小説の「菊池」も、明らかに、かつて白石氏が勤務していた文藝春秋らしき出版社の重役で、非常に裕福。
このような主人公に、一体どれほどの人が感情移入できるのだろうかと思う。
また、この本も後半になって、隠されていた因縁が次々と明らかになる。
前半に巧みに伏線が張られているので、前作『光のない海』ほどの違和感がないが、それにしても、度が過ぎた奇遇で、ひねくれ者の僕は「こんな偶然ありまっかいな」と思ってしまった。
好きな作家だが、この方向には進んでほしくない。
残念。

「成井豊と梅棒のマリアージュ」『彼女の空に雪が降るまで』、本日初日でした。
1430より、ゲネプロ。
1900より、本番。
どちらも非常に良い出来で、満点の初日となりました。
妻と娘が見に来てくれました。
二人とも楽しんでくれたようです。
初日のタイムは1時間54分57秒。
カーテンコールはトリプルでしたが、それでも2時間以内に収まりました。
これも狙い通り!
自信作なので、一人でも多くの人に見てほしい。
明日も1900に開演です。
皆様のご来場をお待ちしています。

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パドルトン [映画]

12月17日(木)
アレックス・レーマン監督『パドルトン』(2019年)NETFLIXで鑑賞。

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マイケル・トンプソン(マーク・デュプラス)と アンディー・フリーマン(レイ・ロマーノ)は同じマンションの一階と二階に住む仲良し。
夕食はピザを一緒に食べながら、カンフー映画を見るし、週末は屋外で壁打ちテニスをする。
ある日、マイケルは病院で末期の胃がんと診断される。
薬を飲んで安楽死することに決め、アンディーと共に、遠くの町へ薬を買いに行く……。

中年男2人がずっと一緒にいるので、当然ゲイのカップルだと思ったが、これがアレックス・レーマン監督のミスリードだった。
ただの親友同士だと気付いた瞬間、「やられた!」と思った。
男2人が仲良くしていると、他人はすぐにゲイだと決めつける。
そのことへの痛烈な批判なのだ。
シナリオはわずか20ページで、マイケルとアンディーの会話はほとんどがアドリブらしい。
2人の孤独と友情が胸に染みる。
お薦めです。

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光のない海 [本]

12月16日(水)
白石一文『光のない海』(集英社文庫)読了。

光のない海 (集英社文庫)

光のない海 (集英社文庫)

  • 作者: 白石 一文
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2018/05/18
  • メディア: 文庫


高梨周一郎は中堅の建材会社・徳本産業の社長で、50歳。
先代の社長・徳本美千代の娘・淳子の婿だったが、淳子とは離婚。
ある日、知り合いから、取引先の建設会社セラールが粉飾決算をしている、倒産の日が近いと聞かされ、愕然とする。
倒産したら、徳本産業も危ない。
ところが、取引先の銀行から、セラールを引き受けろと言われ、さらに困惑する。
背後に何か陰謀があるのではないか……。

白石一文氏の本はこれが22冊目。
白石氏にとっては24作目の小説。
主人公・高梨周一郎の40年にわたる半生が、回想も含めて描かれる。
後半は、隠されていた因縁が次々と明らかになり、驚くと同時に、ちょっと都合が良すぎるのではないかとも思った。
残念。

「成井豊と梅棒のマリアージュ」の仕込み3日目。
15時より、『彼女の空に雪が降るまで』の場当たり。
今日は21時までに5場まで終わらせる予定だったのですが、あまりにも順調に進み、20時前にカーテンコールまで終了。
役者の演技はもちろん、美術・照明・音響などのスタッフワークもすばらしく、我ながら、非常におもしろい芝居に仕上がったと思いました。
明日はついに初日。
お客さんの反応が楽しみでなりません。
チケットはまだまだ残っています。
ぜひぜひ池袋サンシャイン劇場にお越しください。
お待ちしています!

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ザ・コール [映画]

12月16日(水)
イ・ヒュンチョン監督『ザ・コール』(2020年)NETFLIXで鑑賞。

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2019年。
ソヨン(パク・シネ)は28歳、母(キム・ソンリョン)が入院したため、久しぶりに実家に帰ってくる。
母は20年前に火事を起こし、そのために父が亡くなった。
この家には、父が亡くなった後、引っ越してきた。
スマホをなくしたソヨンは、家の物置からコードレス電話を引っ張り出す。
すると、電話がかかってきたので出ると、若い女性が「助けて! 母に殺される!」と叫ぶ。
ソヨンは地下室で日記帳を見つける。
そこには、「1999年8月27日、霊を撃退するために お母さんが私に火をつける」とあった。
20年前、この家には、28歳のヨンソク(チョン・ジョンソ)と、その母(イエル)が住んでいた。
さっきの電話をかけてきたのは、20年前のヨンソクらしい……。

NETFLIXオリジナル。
主演は「美男<イケメン>ですね」のパク・シネと、『バーニング劇場版』のチョン・ジョンソ。
脇役で、『王の涙』のキム・ソンリョン、『トッケビ~君がくれた愛しい日々~』のイエルも出演。
20年前、ヨンソクは母に殺された。
ソヨンは電話で指示を出し、ヨンソクを救う。
ところが、ヨンソクは殺人鬼で、次々と人を殺し、20年前の自分と両親まで殺そうとする。
非常によく出来たスリラーで、後半はハラハラしっぱなし。
韓国映画のスリラーやサスペンスは、もはやハリウッドを凌駕している気がする。
お薦めです。

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くらべる東西 [本]

12月15日(火)
おかべたかし『くらべる東西』(東京書籍)読了。

くらべる東西

くらべる東西

  • 出版社/メーカー: 東京書籍
  • 発売日: 2016/06/09
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


作家・ライターのおかべたかしが、日本の東西の文化の違いを写真と文章で比較する。
写真は、山出高士。

図書館で偶然見つけた本だが、期待以上におもしろかった。
〇いなり寿司は、関東が俵型、関東は三角形。
〇座布団の真ん中の縫い目は、関東がX、関西がY。
〇線香花火は、関東が紙、関西が藁。
〇ぜんざいは、関東が汁気ナシ、関西が汁気アリ。
〇扇子の骨は、関東が15本、関西が35本。
〇銭湯の湯船は、関東が奥、関西が真ん中。
〇タクシーは、関東がカラフル、関西が黒。
〇タマゴサンドは、関東がゆで玉子、関西が玉子焼き。
〇ネコの尻尾は、関東はカギ形が多い、関西は真っ直ぐが多い。
などなど、タメになる話がいっぱい。
お薦めです。

0930より、キャラメルボックス俳優教室の授業。
卒業公演『アローン・アゲイン』の半立ち稽古、台本2周目、3場と4場をやりました。
「成井豊と梅棒のマリアージュ」は昨日から小屋入り。
昨日・今日は仕込みで、僕は劇場へは行きませんでした。
明日はいよいよ『彼女の空に雪が降るまで』の場あたり。
客席から見るのが本当に楽しみです。
お席はまだまだあります。
皆様のご来場を心よりお待ちしています。

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男はつらいよ/寅次郎物語 [映画]

12月16日(火)
山田洋次監督『男はつらいよ/寅次郎物語』(1987年)NETFLIXで鑑賞。

男はつらいよ・寅次郎物語 [DVD]

男はつらいよ・寅次郎物語 [DVD]

  • 出版社/メーカー: 松竹
  • 発売日: 2017/08/30
  • メディア: DVD


東京葛飾柴又の「とらや」に、秀吉という10歳くらいの男の子が訪ねてくる。
秀吉は、寅次郎(渥美清)のテキヤ仲間「般若の政」・ふで(五月みどり)の子供だった。
「般若の政」はひどいDV男で、ふでは秀吉が行い頃に蒸発し、行方知れず。
そして、「般若の政」も、「俺が死んだら寅を頼れ」と言い残して病死したのだった。
寅次郎は秀吉を連れて、ふで探しの旅に出る。
和歌山県の新和歌浦から吉野へ移動したところで、秀吉が高熱を発した。
寅次郎があたふたしていると、旅館の隣室の宿泊客・高井隆子(秋吉久美子)が助けてくれた……。

シリーズ第39作。
子供連れで母親探しの旅、というありがちな話だが、脚本の出来が良く、楽しめた。
旅館の女中をつとめるふでが、仕事場を転々とする、その後を追うという理由で、寅次郎は和歌山県内を新和歌浦、吉野、伊勢志摩と経巡る。
吉野の医者役で、またしても松村達雄が出演。
また、前作『知床慕情』で知床の漁船の船長役だったすまけいが、今度は伊勢志摩の定期船の船長役で出演。
旅館の番頭役の笹野高史も、もう何回目の出演かわからないくらい。
秋吉久美子がこのシリーズに合うとは思えなかったが、出番は中盤のみだったし、演技もしっとりしていて浮いてなかった。
良作である。

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男はなぜこんなに苦しいのか [本]

12月14日(月)
海原純子『男はなぜこんなに苦しいのか』(朝日新書)読了。

男はなぜこんなに苦しいのか (朝日新書)

男はなぜこんなに苦しいのか (朝日新書)

  • 作者: 海原純子
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2016/02/19
  • メディア: Kindle版


日本医科大学医学特任教授で心療内科医、産業医の海原純子が、自身が経験した臨床例を通して、現代の日本人男性の「生きにくさ」を解説する。

「男らしく」「男は強く」と言われ続けて育った日本男児は、ストレスを極限まで溜め込んでしまう。
そして、ある日突然、壊れる。
自殺する。
様々な例がいちいち身につまされた。
しかし、苦しいのは女だって同じ。
男も女も苦しまなくてよい社会にしていかなければならないと思う。

0930より、キャラメルボックス俳優教室の授業。
卒業公演『アローン・アゲイン』の1・2場の半立ち稽古。
終了時間が1300だったのが、今日から1330までと、30分延長になりました。
おかげで、じっくりダメ出しできました。
来年1月に行なわれるオンライン・ワークショップのチラシが自宅に送られてきました。
ぜひぜひご参加ください!

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MIFUNE:THE LAST SAMURAI [映画]

12月14日(月)
スティーヴン・オカザキ監督『MIFUNE:THE LAST SAMURAI』(2015年)WOWOWで鑑賞。

MIFUNE:THE LAST SAMURAI [DVD]

MIFUNE:THE LAST SAMURAI [DVD]

  • 出版社/メーカー: オデッサ・エンタテインメント
  • 発売日: 2019/04/02
  • メディア: DVD


映画俳優・三船敏郎の伝記映画。

三船敏郎(1920~1997)は日本を代表する映画俳優で、生涯に出演した映画は約170。
黒沢明監督の数々の作品で主役をつとめた。
『用心棒』(1961年)と『赤ひげ』(1965年)では、ベネチア映画祭主演男優賞を受賞。
本作では、この2作の他、『羅生門』(1950年)、『七人の侍』(1954年)、『蜘蛛巣城』(1957年)などが紹介されている。
監督は、日系三世のスティーヴン・オカザキ。
1991年に、ドキュメンタリー『収容所の長い日々/日系人と結婚した白人女性』でアカデミー賞短編ドキュメンタリー映画賞を受賞。
証言者として、香川京子、加藤武、土屋喜男、八千草薫、司葉子、仁木てるみ、野上照代、役所広司、三船敏郎の息子の三船史郎、黒沢明の息子の黒沢久雄、マーティン・スコセッシ、スティーヴン・スピルバーグらが出演。
善良な人柄と、酒癖の悪さが印象的だった。

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