赤いゾンビ、青いゾンビ。

５月１６日（日）
川上弘美『赤いゾンビ、青いゾンビ。』（平凡社）読了。

東京日記５　赤いゾンビ、青いゾンビ。

• 作者: 川上 弘美
• 出版社/メーカー: 平凡社
• 発売日: 2018/03/31
• メディア: Kindle版

小説家・川上弘美の架空日記「東京日記」シリーズの第５巻。
「ＷＥＢ平凡」に２０１３年２月から２０１６年３月まで連載された分。
イラストは門馬則雄。

川上弘美氏の本はこれが４０冊目。
この「東京日記」も５冊目だが、最初の頃よりおもしろなってきた気がする。
ナンセンスなユーモアが冴え渡っている。
文章自体は力が抜けていて、何とものんびりした雰囲気だが、エピソードの一つ一つが気が利いている。
第６巻も楽しみ。

今年２２回目のジョギング。
３，５キロ走って、１，４キロ歩いて、０，５キロ走りました。
３，５キロのタイムは、２０分０６秒。
前回より１分１９秒速くなって、平均的ペースに戻りました。
ナッポス・ユナイテッド『容疑者χの献身』東京公演の実施が正式に決まりました。
チケットはまだまだ残っていますので、ぜひぜひ北千住のシアター１０１０にお越しください。
お待ちしています！

私を忘れないで

５月１６日（日）
イ・ユンジュン監督『私を忘れないで』（２０１６年）ＧＹＡＯで鑑賞。

私を忘れないで [DVD]

• 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
• 発売日: 2016/11/02
• メディア: DVD

ヨン・ソグォン（チョン・ウソン）は交通事故に遭い、病院のベッドで目を覚ます。
彼は過去１０年間の記憶を失っていた。
仕事は弁護士で、オ・グォノ（ペ・ソンウ）と共同で事務所を開いていた。
弁護士になったのは１０年以上前だったので、法律は忘れておらず、すぐに職場に復帰することができた。
ある日、病院の待合室で、一人の女性がソグォンの顔を見て、泣き出す。
彼女の名前はキム・ジニョン（キム・ハヌル）。
ソグォンはジニョンと親しくなり、恋人になる。
そして、結婚を決意するが……。

『私の頭の中の消しゴム』『無垢なる証人』のチョン・ウソンと、『彼女を信じないでください』『青春漫画』のキム・ハヌルが初共演したラブストーリー。
脚本のまずさと、チョン・ウソンの大根演技で、盛り上がらない映画になってしまった。
ただし、キム・ハヌルは美しく、演技も見事だった。

僕が好きな７０年代の名曲その４０。
『２２才の別れ』は、１９７５年２月に発売された、「風」のデビューシングル。
「風」は、「かぐや姫」の伊勢正三と、「猫」の大久保一久が１９７５年に結成したフォークデュオ。
元々は伊勢正三が「かぐや姫」の１９７４年のアルバム『三階建の詩』のために書いた２曲のうちの１曲（ちなみにもう１曲は『なごり雪』）。
伊勢正三は作詞作曲の天才だが、歌はうまくない。
それなのに、大ヒットしました。

22才の別れ[風][EP盤]

• 出版社/メーカー: クラウン
• 発売日: 2021/05/16
• メディア: LP Record

一億円のさようなら

５月１５日（土）
白石一文『一億円のさようなら』（徳間書店）読了。

一億円のさようなら (文芸書)

• 作者: 一文, 白石
• 出版社/メーカー: 徳間書店
• 発売日: 2018/07/21
• メディア: 単行本

福岡。
加能鉄平は５２歳で、妻の夏代と２人暮らし。
理不尽なリストラにあい、故郷の福岡に戻って、叔父が経営する化学製品の総合メーカー「加能産業」に勤務して７年。
叔父の後を継いで社長になった従兄弟の尚之によって、閑職に回された。
ある日、東京の弁護士から電話がかかってきて、夏代の財産の話を聞く。
夏代は２０歳の時にアメリカ在住だった伯母の遺産を相続し、その一部をベンチャー企業に投資していた。
そして、財産の総額は、４８億円になっていた。
夏代はなぜ今まで黙っていたのか？
鉄平にはどうしても許せなかった……。

白石一文氏の本はこれが２４冊目。
中高年の男の人生・家族・仕事を描き続ける白石氏がまたすばらしい傑作をものにした。
まさに極上のエンターテインメント。
読者の予想を悉く裏切るストーリー展開にはただただ舌を巻くばかり。
単行本で５４１ページ、読了に３日かかったけど、堪能した。
昨年９月、上川隆也主演で、ＮＨＫでドラマ化されたようだ。
僕は見てないが（知らなかったので）。
見ればよかったと深く後悔している。
ということで、お薦めです。

ナッポス・ユナイテッド『容疑者χの献身』の稽古１７日目。
１場から尻取り稽古をしました。
１場、１・２場、２・３場というふうに、尻取り形式で小返しをする稽古です。
今日は７・８場まで進みました。
昨日目標は達成しましたが、さらに細かく手直しして、ブラッシュアップを図っています。
稽古は残り８日。
頑張ります！

悪のクロニクル

５月１５日（土）
ペク・ウナク監督『悪のクロニクル』（２０１５年）ＧＹＡＯで鑑賞。

悪のクロニクル [DVD]

• 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
• 発売日: 2015/11/04
• メディア: DVD

刑事課のチェ班長（ソン・ヒョンジュ）は大統領賞を受賞し、本庁への栄転が決定。
部下のオ刑事（マ・ドンソク）や新人の刑事のドジュン（パク・ソジュン）たちが開いてくれた宴会に参加。
お祝いとしてネクタイピンをプレゼントされ、タクシーで帰宅。
ところが、タクシーは町外れに向かい、チェが抗議すると、運転手がナイフで襲いかかってきた。
揉み合いの末、運転手は腹にナイフが突き刺さり、死亡。
栄転が控えたチョは、指紋を拭き取り、立ち去ってしまう。
ところが翌日、警察の前の工事現場のクレーンに、運転手の死体が吊り下げられていた……。

上質のサスペンス映画。
ストーリーがよく出来てきて、暴力描写が残酷すぎないのもいい。
上に挙げた３人の俳優の演技もすばらしい。
よく考えると、犯人の行動には少々無理があるが、見ている間はあまり気にならなかった。
どんでん返しの衝撃によるものだ。
というわけで、これ、お薦めです。

僕の好きな７０年代の名曲その３９。
『後姿（うしろすがた）』は、盲目のシンガーソングライター・長谷川きよしの１２枚目のシングルで、１９７８年のリリース。
ブラジルのSSWアーティスト「ベニート・ジ・パウラ (Benito Di Paula)」の「Pra nao ver voce ir embora」を日本語カバーしたもの。
テレビの昼メロのテーマ曲になっていて、それで出会いました。

アナザー・ドア

• アーティスト: 長谷川きよし
• 出版社/メーカー: フラッシュポイント
• 発売日: 2019/05/08
• メディア: CD

ＡＩとカラー化した写真で見る戦前・戦争

５月１４日（金）
庭田杏珠＋渡邉英徳『ＡＩとカラー化した写真で見る戦前・戦争』（光文社新書）読了。

ＡＩとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争 (光文社新書)

• 出版社/メーカー: 光文社
• 発売日: 2020/07/15
• メディア: 新書

東京大学学生の庭田杏珠と、東京大学大学院情報学環教授の渡邉英徳が、戦前・戦中のモノクロ写真をＡＩと、当時の事情を知る人の証言によって、カラー化した写真集。

驚いたのは、モノクロ写真をカラー化することによって、そこに写った人や景色が一気に身近な現実になること。
遠い時代の戦争が、ごく最近の戦争になるのだ。
これは非常に意義のある試みで、もっともっとやるべしと感じた。
新書としては異例の分厚さで、なんとページ番号がない。
おそらく３００～４００ページあるのではないかと思うが、一気に読めた。
お薦めです。

ナッポス・ユナイテッド『容疑者χの献身』の稽古１６日目。
９・１０・１１場の復習の後、９～１１場を通しました。
一昨日の１～４場の通し、昨日の５～８場の通しと足して、全部で１時間４３分！
ついに１時間４５分の壁を破りました！
芝居の質も大いに高まり、クライマックス付近では思わず涙ぐんでしまいました。
３回目の『容疑者χの献身』、いい感じに仕上がってきました。
お楽しみに！

オキシジェン

５月１４日（金）
アレクサンドル・アジャ監督『オキシジェン』（２０２１年）ＮＥＴＦＬＩＸで鑑賞。

１人の女性（メラニー・ロラン）が目覚める。
狭い医療用ポッドの中で、様々なチューブに繋がれていた。
彼女はチューブのいくつかを外し、チューブのＡＩ（声／マチュー・アマルリック）に問いかける。
自分は何者なのか、と。
彼女は記憶を失っていた。
が、ＡＩは答えない。
やがて、彼女は医療ポッドの酸素の残存量が少ないことに気付く。
外に出たいと言うと、ＡＩは反対した……。

ＮＥＴＦＬＩＸオリジナル映画。
１人の女性が小型のポッドに閉じ込められていて、映画はその中だけで進んでいく。
目の前の天井でＣＧが動き続けていたり、モニターに画像が映ったり、主人公が回想したりするので、さほど閉塞感は感じない。
サスペンス映画として、非常によく出来ている。
『イングロリアス・バスターズ』（２００９年）、『 オーケストラ！』（２００９年）、『黄色い星の子供たち』（２０１０年）のメラニー・ロランは、大好きな女優さん。
３８歳となった今も美しい。
お薦めです。

僕の好きな７０年代の名曲その３８。
『岬めぐり』は、１９７４年にリリースされた、山本コウタローとウィークエンドのファーストシングル。
神奈川県の三浦市では、『岬めぐり』のモデルは三浦半島と主張しているらしい。

岬めぐり[ＥＰレコード 7inch]

• アーティスト: 山本コウタローとウィークエンド
• 出版社/メーカー: CBSソニー
• 発売日: 2016/02/07
• メディア: LP Record

白鳥湖

５月１３日（木）
マーク・ヘルプリン『白鳥湖』（河出書房新社）読了。

白鳥湖

• 出版社/メーカー: 河出書房新社
• 発売日: 2021/05/13
• メディア: 単行本

ヨーロッパの小国。
アンナは１０歳で、おじいさんと二人暮らし。
ある日、おじいさんが若い頃の話をしてくれた。
貧しかったおじいさんの家に、突然、皇帝の使いがやってくる。
そして、おじいさんを宮殿に連れていく。
おじいさんは皇帝の相談役になり、様々なアドバイスをした。
が、王国の実権は皇帝でなく、宰相のフォン・ローバルトが握っていた。
王国の東に住むダマヴァンド族の大公と妃と姫が首都にやってくる。
ローバルトは部下に命じて、大公一家を皆殺しにしてしまう……。

原題は『ＳＷＡＮ　ＬＡＫＥ』。
お馴染み『白鳥の湖』を、王子の守役（おじいさん）の視点から描く。
翻訳は村上春樹、挿絵はクリス・ヴァン・オールズバーグ。
文章がやけに小難しくて、楽しめなかった。

ナッポス・ユナイテッド『容疑者χの献身』の稽古１５日目。
５・６・７・８場の復習をして、５～８場を通しました。
上演時間は計測し忘れてしまった！
しかし、出来は尻上がりで良くなっていきました。
梶尾真治さんの小説『つばき、時跳び』が映画化されることになり、その脚本を書きました。
陣頭指揮は、プロデューサーの芥川保志さん。
長年、大林宣彦監督と組んで映画を作ってきた方です。
その芥川さんからの依頼で、今年の１月に第一稿を書き上げました。
監督は、『パーフェクト・レボリューション』の松本准平さん。
松本さんからダメ出しをもらって、２月に第二稿を完成させました。
今は芥川さんがキャスティングをしているところ。
年内に決めて、来年３月から撮影を開始するそうです。
公開は来年の後半かな。
どんな人が出演するのか、僕も楽しみにしています。
乞ご期待！

つばき、時跳び (徳間文庫)

• 作者: 梶尾真治
• 出版社/メーカー: 徳間書店
• 発売日: 2018/01/09
• メディア: Kindle版

ティーンスピリット

５月１３日（木）
マックス・ミンゲラ監督『ティーンスピリット』（２０１８年）ＮＥＴＦＬＩＸで鑑賞。

ティーンスピリット [DVD]

• 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
• 発売日: 2020/06/05
• メディア: DVD

イギリスのワイト島。
ヴァイオレット・ヴァレンスキ（エル・ファニング）はポーランド移民の子で２１歳。
大学生で、母と二人暮らし。
父は、母の浮気が原因で、家を出ていった。
ヴァイオレットは歌手志望で、母に隠れて、酒場で歌っている。
客の一人であるヴラド（ズラッコ・ブリッチ）は元オペラ歌手で、ヴァイオレットの歌を褒めてくれる。
ある日、テレビの歌番組「ティーンスピリット」の予選がワイト島で行われる。
ヴァイオレットはブラドに付添人を頼み、予選に参加するが……

「ティーンスピリット」に参加できるのは１０代の少年少女らしく、ヴァイオレットは予選の申込みの際、１７歳と嘘をつく。
いつバレるだろうと気にしながら見ていたが、結局、最後まで蒸し返されることはなかった。
なんで？
要するに、エル・ファニング主演のアイドル映画。
彼女は可愛かったが、話に新味はナシ。

僕の好きな７０年代の名曲その３７。
『おれは男だ！』は、津雲むつみの漫画を原作にしたテレビドラマで、森田健作の主演で１９７１年から放送開始。
その主題歌は、森田健作が歌う『さらば涙と言おう』。
前千葉県知事、若い頃は本当にカッコよかったんです。

さらば涙と言おう[ＥＰレコード 7inch]

• アーティスト: 森田健作
• 出版社/メーカー: 日本ビクター
• 発売日: 2015/11/27
• メディア: LP Record

湖の女たち

５月１２日（水）
吉田修一『湖の女たち』（新潮社）読了。

湖の女たち

• 作者: 修一, 吉田
• 出版社/メーカー: 新潮社
• 発売日: 2020/10/29
• メディア: 単行本

滋賀県。
豊田佳代は介護療養施設「もみじ園」に勤める介護士。
ある日、「もみじ園」の入居者である１００歳の老人・市島民男が亡くなる。
人口呼吸器に故障はなく、他殺の疑いが濃くなる。
西湖署の刑事・濱中圭介は、上司の宇佐美の命令で、「もみじ園」の介護士・松本郁子を徹底的に追い詰める。
一方、雑誌記者・池田立哉は、９０年代に起きた血液製剤の事件を再調査するため、滋賀県へ向かう……。

吉田修一氏の本はこれが４０冊目。
一応ミステリーにはなっているが、作者の関心は佳代と圭介のＳＭ関係と、市島の旧満州時代の犯罪にあり、謎解きにはない。
ゆえに、ミステリーとしては盛り上がりに欠ける。
が、小説としては、『悪人』『怒り』に続く、犯罪ドラマとなっている。
読みながら非常にイヤな気持ちになる部分があったので、お薦めはしません。

ナッポス・ユナイテッド『容疑者χの献身』の稽古１４日目。
１・２・３・４場の復習をして、１～４場を通しました。
上演時間は３５分。
今日も筒井俊作と多田直人のギャグに爆笑させられました。
２人でギャグができるところが１カ所しかないので、入念に準備してやっているようです。
キャラメルボックスの役者は基本的に、通し稽古までネタを固定しません。
小返しのたびに変えます。
３回返したら、３種類。
今日は最後に通したので、４種類見ることができました。
全部が爆笑というわけではないけれど、一つ、凄いがありました。
ぜひともお客さんにお見せしたいと思いました。
乞ご期待！

わたしは生きていける

５月１２日（水）
ケヴィン・マクドナルド監督『わたしは生きていける』（２０１３年）ＧＹＡＯで鑑賞。

わたしは生きていける [DVD]

• 出版社/メーカー:
• メディア: DVD

イギリスの田舎町。
デイジー（シアーシャ・ローナン）は１５歳で、幼い頃に母を亡くした。
父の仕事の都合で、一夏を母の妹のベンおばさん（アンナ・チャンセラー）の家で暮らすことになる。
家には、長男のエドマンド（ジョージ・マッケイ）、次男のアイザック（トム・ホランド）、末娘のパイパー（ハーリー・バード）がいた。
デイジーはエドマンドに一目惚れし、次第に仲良くなる。
ところが、ベンおばさんが仕事でジュネーブに出かけた日、ロンドンでテロリストによる核爆発が発生。
４人は収容所に連れていかれる……。

原題は『How I Live Now』で、２００４年に刊行されたメグ・ローゾフの同名小説の映画化。
撮影当時１８歳のシアーシャ・ローナン、１６歳のトム・ホランドがかわいい。
しかし、放射能の危険性を軽視しすぎていて、いくら青春映画でもまずいだろうと思った。

僕の好きな７０年代の名曲その３６。
『なごり雪』は、１９７４年に発売された「かぐや姫」のアルバム『三階建の詩』の収録曲。
１９７５年、イルカがカバーして、大ヒットしました。
その後もたくさんのシンガーがカバーしましたが、僕はイルカのバージョンが好きです。

なごり雪[ＥＰレコード 7inch]

• アーティスト: イルカ
• 出版社/メーカー: クラウン
• 発売日: 2016/02/02
• メディア: LP Record