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美術の核心 [本]

8月6日(日)
千住博『美術の核心』(文春新書)読了。

美術の核心 (文春新書)

美術の核心 (文春新書)

  • 作者: 千住 博
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2008/01
  • メディア: 新書


日本画家の千住博が、美術に関する23のテーマについて論じる。

千住氏は世界の美術史を俯瞰で見て論じるので、とてもわかりやすい。
〇宗教画全盛の時代に、ボッティチェリが描いた『ラ・プリマヴェーラ』『ヴィーナスの誕生』はきわめて斬新な絵だった。
〇バルビゾン派によって、世界で初めて風景が絵画の主題となった。
〇伊能忠敬の『大日本沿海輿地全図』は江戸時代を代表する絵画。
〇芸術とは自分のイメージを他者に伝えようとする心のことである。
ためになる知識と言葉がいっぱいあった。
お薦めです。

今日は西葛西の東京フィルムセンター映画・俳優専門学校へ行き、高校生向けのワークショップを行ってきました。
今年度3回目で、助手はこの学校の卒業生の石森美咲。
14人の高校生と、90分間、稽古しました。
メニューは、シアターゲーム、発声練習、台本練習。
90分しかないので、大急ぎでやりました。
終了後は、質疑応答を30分間。
キャラメルボックスに入りたいという子もいて、その子に「今、何をやるべきか」と聞かれたので、「体を鍛えて、芝居を見て、映画を見て、本を読め」と答えました。
参加者の中の何人かは、この学校に入学するのだと思います。
再会を楽しみにしています。

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天国でまた会おう(下) [本]

8月6日(日)
ピエール・ルメートル『天国でまた会おう(下)』(ハヤカワ文庫)読了。

天国でまた会おう(下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

天国でまた会おう(下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

  • 作者: ピエール ルメートル
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2015/10/16
  • メディア: 文庫


爆弾で下顎を失ったエドゥアール・ペリクールは、家に帰りたくないと言う。
エドゥアールは大富豪の息子で、父のマルセル・ペリクールと激しく対立していた。
アルベール・マイヤールは書類をごまかし、エドゥアールが戦死したことにする。
かわりに手に入れた名前は、ウジェーヌ・ラリヴィエールだった。
数日後、上官のアンリ・ドルネー=ブラデル大尉が一人の女性を連れてくる。
彼女はエドゥアールの姉のマドレーヌ・ペリクール。
アルベールに、エドゥアールの墓に案内してほしいと言う。
彼女はエドゥアールの遺体を引き取りに来たのだ……。

アルベールはエドゥアールとパリで暮らし始める。
エドゥアールはしゃべれず、流動食しか口にできない。
アルベールは何から何まで面倒を見る。
画家志望だったエドゥアールは、ある日、自分の能力を活かした詐欺を思いつく……。
先読みしながら読んだが、予想はすべて裏切られた。
なんとういストーリーテリング!
しかし、ラストは純文学の線を狙ったのだろう、意外ではあるが、全く感動のない終わり方だった。
残念……。

『素敵なセリフのしゃべり方』第48回
自分の役のセリフは、いきなりキャラクターを設定せず、まずは自分自身で読むこと。
普段の自分のしゃべり方を利用して、自分の役のセリフを消化するのです。
しかし、きっといくつか、消化できないセリフ、自然に言えないセリフがある。
当たり前です。
あなたと役は違うキャラクターなのだから。
そこで、自分とは別のキャラクターを設定するのは間違い。
そうではなく、自分のキャラクターをどのように変形したら、そのセリフが言えるかを考える。
もっと短気になったら、とか。
もっと弱気になったら、とか。
台本を読んで、この役はこんなキャラクターではないかと考える。
そして、その分析に基づいて、セリフを言ってみる。
これは演繹法の役作り。
それもけっして間違いとは言いませんが、一つ一つのセリフに当たり、徐々に自分を変形していく帰納法の役作りを、僕はお薦めします。
役の出発点は自分。
こうあったかもしれない、もう一人の自分と考えるのです。

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すぐわかる画家別幻想美術の見かた [本]

8月5日(土)
千足伸行『すぐわかる画家別幻想美術の見かた』(東京美術)読了。

すぐわかる画家別幻想美術の見かた

すぐわかる画家別幻想美術の見かた

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 東京美術
  • 発売日: 2010/08/01
  • メディア: 単行本


成城大学文芸学部教授の千足伸行が、世界の幻想画家62人を解説する。

一番古いのは、15世紀から16世紀にかけて活躍した、オランダのヒエロニムス・ボス。
その後、ドイツのデューラー、グリューネヴァルトと続く。
今話題のアルチンボルドも紹介されていた。
もちろん、ムンク、クリムト、シーレ、ルソー、シャガール、キリコ、ダリ、ミロ、マグリットも。
しかし、半分以上は知らない画家たち。
特に印象に残ったのは、スイスのウジェーヌ・グラッセの『3人の娘と3匹の狼』。
ドイツのヴァルター・シュピースの『別れ』も凄かった。

『15 Minutes Made Anniversary』の演目と出演者が発表になりました。
演劇集団キャラメルボックスは、『ラスト・フィフティーン・ミニッツ』。
脚本演出が私・成井豊で、出演が筒井俊作・渡辺安理。
まず最初に筒井と渡辺に出演をお願いし、それからこの二人でどんな話をやったらおもしろいだろうかと考え、脚本を書きました。
つまり、100パーセントあて書きです。
まあ、新作を書く時は大体そうなのですが、ネタからというのは初めて。
僕の構想ノートに10年以上寝かせていたネタを使いました。
このネタで書けて、本当に満足。
来週の稽古が楽しみです。
『15 Minutes Made Anniversary』は8月23日(水)から27日(日)まで、吉祥寺シアターにて。
ご来場を心よりお待ちしています。

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グランド・イリュージョン 見破られたトリック [映画]

8月5日(土)
ジョン・M・チュウ監督『グランド・イリュージョン 見破られたトリック』(2016年)WOWOWで鑑賞。

グランド・イリュージョン 見破られたトリック [SPE BEST] [DVD]

グランド・イリュージョン 見破られたトリック [SPE BEST] [DVD]

  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • メディア: DVD


アメリカ。
フォー・ホースメンは4人のマジシャンから成る義賊の集団。
メンバーはJ・ダニエル・アトラス( ジェシー・アイゼンバーグ)、メリット・マッキニー(ウディ・ハレルソン)、ジャック・ワイルダー(デイヴ・フランコ)に、新入りのルーラ(リジー・キャプラン)。
彼らを影で操るのは、FBI捜査官のディラン・ローズ(マーク・ラファロ)。
4人は大手IT企業オタク社のイベントの乗っ取りに失敗。
屋上に仕掛けたシューターに飛び込むと、落ちた先はなんとマカオだった!
彼らの前に現れたのは、1年前に倒したアーサー・トレスラー(マイケル・ケイン)の息子ウォルター・メイブリー(ダニエル・ラドクリフ)だった……。

『グリンド・イリュージョン』の続編。
現実離れした話だが、圧倒的なスピード感、驚異のマジック、鮮烈な映像で、文句なく楽しめる。
マーク・ラファロ、マイケル・ケイン、モーガン・フリーマンと、大好きな俳優3人が出ているのもうれしい。
前作のヒロイン、メラニー・ロランが出ていなかったことだけが残念だった。

『素敵なセリフのしゃべり方』第47回
初心者の俳優の中に、「セリフをしゃべっていない時、何をしていいのかわからない」という人がいます。
現実を考えてみましょう。
たとえば、あなたが高校生で、突然、校長に呼び出されたとします。
校長室に入ったあなたは、校長の話を神妙に聞く。
「何の用だろう?」と心配していたが、どうやら昨日、道に倒れていた老人を助けた、心優しい生徒を、自分だと誤解しているらしい。
あなたは「それは僕じゃありません」と言って、校長室を出た。
あなたは校長室で、「それは僕じゃありません」しかしゃべらなかった。
それ以外の時間は、ずっと校長の話を聞いていた。
が、その間、あなたはいろんなことを目まぐるしく考え、感じていた。
セリフをしゃべっている時も、しゃべっていない時も、気持ちは同じように感じている。
二つの間に差はない。
とすれば、セリフがない時も、セリフがある時と同じようにすればいい。
他の人のセリフを聞いて、感じるのです。

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天国でまた会おう(上) [本]

8月4日(金)
ピエール・ルメートル『天国でまた会おう(上)』(早川文庫)読了。

天国でまた会おう(上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

天国でまた会おう(上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

  • 作者: ピエール ルメートル
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2015/10/16
  • メディア: 文庫


1918年、第一次世界大戦末期、西部戦線。
アルベール・マイヤールが所属するフランス軍第163歩兵師団はムーズ川畔でドイツ軍と対峙していた。
斥候2人がドイツ軍に撃たれ、突如戦闘が始まる。
アルベールが撃たれた2人に駆け寄ると、傷痕は背中にあった。
ということは、味方に撃たれた?
その時、上官のアンリ・ドルネー=ブラデル大尉に体当たりされ、アルベールは穴に落ちる。
近くに爆弾が落ち、アルベールは生き埋めになる。
土の中から救い出してくれたのは、同じ隊のエドゥアール・ペリクールだった……。

ピエール・ルメートルの一般小説(ミステリではない)で、フランスのゴングール賞受賞作。
戦場で出会った3人の男の、戦争後を描く。
エドゥアールはアルベールを救出した直後、爆発に巻き込まれ、下顎を失う。
しゃべることも、食べ物を噛むこともできなくなる。
アルベールは命の恩人であるエドゥアールを必死で助けようとする。
しかし、この小説はけっして友情ものではない。
先が全く読めない、スリリングな小説。

今日も自宅で作業。
執筆ですが、それが何なのかはまだここに書けません。
情報公開され次第、報告します。
僕は10年ほど前から両耳に補聴器をしています。
それでも普通の人ほど聞き取れないため、いろいろと不便があります。
何度も何度も聞き返すと、相手に不快感を与えるので、聞き返しは2回までにしています。
その結果、途中から話がわからなくなることがある。
これは本当に困ります。
「はい」と言ったら、後で「はい」と言ってはいけなかったことがわかったりとか。
耳が悪いと、本当に不便です。
が、執筆の時は補聴器を外しているので、本当に静か。
集中して書くことができます。
よかったと思うのはこのことだけです。

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独立愚連隊西へ [映画]

8月4日(金)
岡本喜八監督『独立愚連隊西へ』(1960年)WOWOWで鑑賞。

独立愚連隊西へ [DVD]

独立愚連隊西へ [DVD]

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • メディア: DVD


太平洋戦争末期、北支戦線。
歩兵第四六三連隊が八路軍に攻撃を受けて玉砕し、軍旗が行方不明となった。
師団本部は将軍廟の留守隊長・大江大尉(平田昭彦)に軍旗の捜索を命じ、増援隊を派遣した。
それは、隊長の左文字少尉(加山雄三)と副官の戸山軍曹(佐藤允)が率いる、左文字小隊。
本部から厄介者扱いを受け、危険な戦線ばかりを転戦しているため、「独立愚連隊」と呼ばれている。
左文字小隊は小川を渡河中、歩哨兵に敵兵とまちがえられ、裸のままで追い払われた。
すぐに軍用トラックを襲い、軍服を手に入れるが……。

『独立愚連隊』シリーズの第二弾だが、前作とは無関係。
「独立愚連隊」というアイディアだけを残して、別の話を作ったようだ。
しかし、出演者はほとんど一緒。
佐藤允、中谷一郎、中丸忠雄がひたすらカッコイイ。
新参入の加山雄三はまだデビュー直後で、呆れるほどハンサム。
ゲストのフランキー堺はさすがのおもしろさ。
前作はサスペンス色が強かったが、こちらはコメディー色が強い。
このシリーズはこれ以降も続くが、おそらくこの2本目がフォーマットになったのだろうと思う。

『素敵なセリフのしゃべり方』第46回
若杉「あっ、返せ!」
朝比奈「返せとはなんですか。まるで私が泥棒でもしたみたいじゃないですか」
部下で年下の「若杉」に「返せ」と言われ、「朝比奈」は怒っています。
だから、「朝比奈」のセリフは怒って言うのだな、と考えるのは、間違いではない。
が、はたして「朝比奈」が感じている感情は怒りだけでしょうか?
人が単一の感情を感じることはあまりありません。
大抵は、二つ以上の感情を同時に感じています。
たとえば、怒った時。
そこが他の人がいる場所だったら、大抵の人は「あまりムキになって怒ってはまずい」と考えます。
激しい感情の表出は、大人の社会では基本的に禁じられている。
だから、怒りを感じると同時に、その怒りを抑えようという思考が働く。
まるで、作用に対する、反作用のように。
「朝比奈」は怒りと同時に、反作用の「あまりムキになってはまずい」とか、「言葉や表情を調節して、若杉を苛めてやろう」とか、第二・第三の感情を感じているはず。
それは、「朝比奈」のキャラクターをどう設定するかによって、変わります。
とにかく、第一の感情だけでなく、第二・第三の感情も読み取り、表現すること。
単一の感情を感じるのは、酔っ払った時か、疲れている時か、眠い時だけです。

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傷だらけのカミーユ [本]

8月3日(木)
ピエール・ルメートル『傷だらけのカミーユ』(文春文庫)読了。

傷だらけのカミーユ (文春文庫) (文春文庫 ル 6-4)

傷だらけのカミーユ (文春文庫) (文春文庫 ル 6-4)

  • 作者: ピエール・ルメートル
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2016/10/07
  • メディア: 文庫


パリ。
アンヌ・フォレスティエは40歳の独身で、旅行代理店に勤務している。
ある日、宝石店の近くの公衆トイレに入ると、二人組の男がいた。
男はアンヌに暴行を加えた後、宝石店を襲った。
パリ警視庁犯罪捜査部の警部カミーユ・ヴェルーヴェンは、1年前からアンヌと付き合っていた。
被害者が身内である場合、カミーユは捜査を担当できない
カミーユはアンヌとは他人のフリをして、強盗犯を追い始める……。

カミーユ・ヴェルーヴェンを主人公にしたシリーズの3作目。
イギリス推理作家協会賞の2015年度インターナショナル・ダガー賞受賞作。
シリーズ1作目の『悲しみのイレーヌ』、2作目の『その女アレックス』も傑作だったが、この本もなかなか。
アンヌは犯人の殴打により、顔面が崩壊する。
その悲しみ、苦しみ。
そんなアンナを見つめるカミーユの苦しみ、怒り。
人間ドラマと巧みなプロットが融合して、上質のミステリとなった。
この本だけでなく、シリーズ3作を、自信を持ってお薦めします。

NAPPOS PRODUCE『スキップ』がDVDになりました。
プロデューサーの仲村和生から宣伝を頼まれたので、ここに掲載します。
僕自身も『スキップ』は大好きな作品なので、見てない人にはぜひとも見てほしいです。
↓ ↓ ↓
NAPPOS PRODUCE
舞台『スキップ』
原作 北村薫『スキップ』(新潮文庫刊)
脚本・演出 成井豊
CAST
霧矢大夢 深川麻衣/岡田達也 粟根まこと 木村玲衣/碓井将大 深谷由梨香 長濱愼 熊川ふみ 原田樹里/関根翔太 石森美咲 大滝真実 山﨑雄也 元木諒
■発売日:2017/08/07
■本編:125分
■特典映像:100分(稽古風景/霧矢・深川・成井のコメント/千秋楽全キャスト挨拶)
■販売価格 6,500円(内税)
■品番:NUDVD-0003
■発売元:NAPPOS UNITED
ご購入はこちらから
NAPPOS SHOP https://nappos.shop-pro.jp/

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独立愚連隊 [映画]

8月3日(木)
岡本喜八監督『独立愚連隊』(1959年)WOWOWで鑑賞。

独立愚連隊 [DVD]

独立愚連隊 [DVD]

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • メディア: DVD


太平洋戦争末期、北支戦線の山岳地帯。
新聞記者の荒木(佐藤允)が馬に乗って、日本軍が占領した村にやってくる。
大隊の副隊長・橋本中尉(中丸忠雄)は、中国人スパイを的にして射撃の訓練をしていた。
荒木は橋本から、「独立愚連隊」と呼ばれる小哨隊の話を聞く。
正式には独立第九〇小哨だが、各隊のクズばかり集めて作ったので、こう呼ばれていた。
荒木は「独立愚連隊」の取材に向かうが……。

戦争映画だが、これはエンタメ。
ミステリ・タッチの西部劇と言った感じ
岡本喜八監督の演出ははなはだテンポがよく、楽しむことができた。
主演の佐藤允の演技が清々しく、若い頃のスティーブ・マックィーンのようだった。
他に、中谷一郎(風車の弥七)、三船敏郎(狂った大隊長という信じられないほどひどい役)、鶴田浩二、上原美佐(『隠し砦の三悪人』で姫君を演じた人)、雪村いづみ(なんとヒロイン!)、夏木陽介、ミッキー・カーチス(まだ二十歳ぐらいで凄い美青年)が出演。

『素敵なセリフのしゃべり方』第45回
2つ以上の文を含む長いセリフをしゃべる時は、文と文の間に接続語を入れてみると、二文の関係が明確になり、しゃべりやすくなります。
「私は一年も病院の中にいたの。外に出たのは一年ぶりなのよ。一晩ぐらい、私の好きにさせてくれてもいいじゃない」
というセリフだったら、
「私は一年も病院の中にいたの。(だから)外に出たのは一年ぶりなのよ。(せめて)一晩ぐらい、私の好きにさせてくれてもいいじゃない」
というふうに、「だから」「せめて」を入れて、練習してみる。
その後、「だから」せめて」を除いて、再び練習。
格段にしゃべりやすくなっているはずです。
「もう弾けるようになったんでしょう? 久しぶりに聞かせてよ。腕が落ちてても、文句言わないから」
だったら、
「もう弾けるようになったんでしょう?(だったら、お願い)、久しぶりに聞かせてよ。(安心して。もし)腕が落ちてても、文句言わないから」
幾何で言えば、補助線みたいなものですね。
補助線の引き方は一つとは限らない。
どんな補助線を引くかによって、セリフのしゃべり方は変わる。
俳優の腕の見せ所です。

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管見妄語 とんでもない奴 [本]

8月2日(水)
藤原正彦『管見妄語 とんでもない奴』(新潮文庫)読了。

管見妄語 とんでもない奴 (新潮文庫)

管見妄語 とんでもない奴 (新潮文庫)

  • 作者: 藤原 正彦
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2017/06/28
  • メディア: 文庫


数学者の藤原正彦が、週刊新潮に連載中のエッセイ『管見妄語』をまとめた本の5冊目。
2013年9月5日号から2014年9月4日号までを収録。

3~4年前に書かれたエッセイなので、時事問題はやや古く感じるが、ストレートな物言いはいつもながら小気味いい。
ご自身を「美男」「セクシー」と断定する傍若無人ぶりも健在。
「宮崎美子のすずらん本屋堂」の収録の時、一度だけお会いし、ご挨拶したが、もう覚えていらっしゃらないだろうなあ。
でも、大ファンです。

今日は1230より、キャラメルボックス俳優教室の第2回セリフ発表会。
キャラメルボックスの1年目・2年目の新人たちと、阿部丈二が見学に来てくれました。
テキストは『ブリザード・ミュージック』の1場。
僕が見るのは10日ぶりくらいだったのですが、ほとんどの生徒がよくなっていた。
みんなテンションが上がって、うるさいったらありゃしない。
第二クールの終わりで、ここまでテンションが上げられるようになったのは、15年間で初めてかもしれない。
問題はユーモアで、4組が発表する中、僕が笑えたのは2回だけ。
漫才やコントはおもしろかったのに、台本になると全然笑えない。
これが今後の課題だなと思いました。
終了後は、講師の成井豊、石川寛美、白坂恵都子、マネージャーの水谷友香梨の4人で職員会議。
第3クールのテキストとキャスティング、卒業公演の演目について話し合いをしました。
演目、一応決まりました。
でも、発表は10月以降。
ご期待ください。


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10秒で人の心をつかむ話し方 [本]

8月1日(火)
加藤昌史『10秒で人の心をつかむ話し方』(祥伝社)読了。

10秒で人の心をつかむ話し方

10秒で人の心をつかむ話し方

  • 作者: 加藤昌史
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2017/08/02
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


キャラメルボックス製作総指揮の加藤昌史が、前説歴32年の経験を活かして、人の心をつかむ話し方を解説する。

作者本人からいただきました。
今日、地元の図書館へ行き、日本語のコーナーを覗いたら、上手な話し方を伝授する本がいっぱい並んでいた。
それだけニーズがあるということだ。
この本は、作者が32年の経験を踏まえて書いているので、ためにならないわけがない。
それにしても、前説を32年間で通算4000回以上というのは、世界記録なのではないか?
ギネスに申請すれば、きっと世界記録として認定されると思う。
でも、ここだけの話、申請にはちょっとお金がかかるのです。

今日は自宅で作業。
15 Minutes Made Anniversaryの脚本第二稿が完成しました。
早速、プロデューサーの仲村和生と、出演者に送付しました。
稽古は来週やる予定です。
文化庁+日本劇団協議会『ケンジ先生』の脚本改訂も完了しました。
奇しくも本日、『ケンジ先生』のオーディション結果が発表。
3人の合格者はどなたも魅力的で、役にピッタリ。
9月末の稽古開始が待ち遠しいです。
15 Minutes Made Anniversaryは8月23日(水)から。
『ケンジ先生』は10月26日(木)から。
そして、キャラメルボックス2017グリーティングシアター『光の帝国』は10月4日(水)からです。
うわー、立て続けに3本だ!

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