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運び屋 [映画]

11月20日(水)
クリント・イーストウッド監督『運び屋』(2019年)netflixで鑑賞。

運び屋 [Blu-ray]

運び屋 [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
  • メディア: Blu-ray


アール・ストーン(クリント・イーストウッド)は高級ユリ「デイリリー」の栽培業者で、品評会で表彰されるほどの腕前。
しかし、仕事に夢中になるあまり、娘の結婚式まですっぽかした。
10数年後、アールは90歳になった。
花はインターネットでの販売に変わり、それに対応できなかったアールは、農園を手放すとこに。
家をなくしたアールは、孫娘のブランチパーティーに出席するが、妻(ダイアン・ウィースト)や娘に相手にされない。
しかし、会場にいた男がアールに声をかける。
アールが無事故・無違反の優良ドライバーで、アメリカのほとんどの州を回っていることを知り、仕事を持ちかける。
それは、麻薬の運び屋だった……。

89歳のクリント・イーストウッドの、主演・監督作品。
近年のイーストウットの映画にハズレはない。
2003年『ミスティック・リバー』
2004年『ミリオンダラー・ベイビー』
2006年『硫黄島からの手紙』『父親たちの星条旗』
2008年『グラン・トリノ』『チェンジリング』
2009年『インビクタス』
2010年『ヒアアフター』
2011年『J・エドガー』
2012年『人生の特等席』(出演のみ)
2014年『アメリカン・スナイパー』『ジャージー・ボーイズ』
2016年『ハドソン川の奇跡』
2018年『15時17分、パリ行き』
この『運び屋』も見事で、終始ハラハラしながら見続けた。
捜査官役で、ブラッドリー・クーパー、ローレンス・フィッシュバーン、マイケル・ペーニャが出演。
お薦めです。

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春子ブックセンター [本]

11月19日(火)
宮藤官九郎『春子ブックセンター』(白水社)読了。

春子ブックセンター

春子ブックセンター

  • 作者: 宮藤 官九郎
  • 出版社/メーカー: 白水社
  • 発売日: 2005/10/01
  • メディア: 単行本


ストリップ劇場「鴨ヶ谷温泉町EX」楽屋。
最終ステージの開演直前で、踊り子たちが準備している。
世話係の男・春子は仕事ができず、踊り子のリーダー格のデミ・むーやんに強く叱責されている。
そこへ、テレビで売れているお笑いタレントの本宮ブックと、マネージャーの青山がやってくる。
春子と本宮と青山は10年前、「春子ブックセンター」という漫才トリオで大人気だった。
が、春子がスキャンダルで姿を消し、センターはマネージャーに転職、ブックのみがテレビで活躍し続けた。
人気に翳りが出てきたブックは、トリオの再結成を目論んでいた……。

2002年5月、劇団大人計画で初演。
演出も宮藤官九郎。
出演は「春子」が松尾スズキ、「ブック」が阿部サダヲ、「センター」が河原雅彦。
その他、荒川良々、平岩紙、皆川猿時、顔田顔彦、近藤公園、村杉蝉之介、宮藤官九郎らが出演。
ラストは「春子ブックセンター」が延々漫才をやり続けるという壮絶な芝居。
読んでいるだけで、「凄かったろうな」と思った。
巻末に出演者の座談会を収録。

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フランシス・ハ [映画]

11月19日(火)
ノア・バームバック監督『フランシス・ハ』(2012年)GEOのレンタルDVDで鑑賞。

フランシス・ハ [Blu-ray]

フランシス・ハ [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • メディア: Blu-ray


ニューヨーク、ブルックリ。
フランシス(グレタ・ガーウィグ)は、プロのダンサーを目指す、27歳の女性。
親友のソフィー(ミッキー・サムナー)と二人で暮らしている。
ある日、ソフィーが恋人のパッチ(パトリック・ヒューシンガー)と同棲するため、部屋を出ていく。
一人では家賃が払えないため、友人の男性2人で暮らすアパートに転がり込む。
所属しているダンススタジオのクリスマス公演に出演できないことがわかり、ソフィーは収入の目処がなくなってしまう。
困ったソフィーは、サクラメントの実家に向かった……。

ノア・バームバック監督の映画は、『ヤング・アダルト・ニューヨーク』『マイヤーウィッツ家の人々(改訂版)』に続いて3作目。
全編モノクロで、ちょっとフランス映画っぽい、オシャレな作品。
タイトルの『フランシス・ハ』の「ハ」が意味不明だったが、最後のカットでわかるようになっていた。
これはとっても気が利いていて、「うまい!」と思った。
いつか使おうっと。

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キネマと恋人 [本]

11月18日(月)
ケラリーノ・サンドロヴィッチ『キネマと恋人』(早川書房)読了。

キネマと恋人

キネマと恋人

  • 作者: ケラリーノ・サンドロヴィッチ
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2019/05/23
  • メディア: 単行本


1930年代、梟島(ふくろうじま)。
森口ハルコは夫の電二郎と二人暮らし。
グリルでパートをしているが、電二郎が飲む打つ買うの遊び人で、ひどい貧乏。
ハルコにとっては、梟島キネマで見る映画が唯一の慰め。
ある夜、『月之輪半次郎捕物帖』を見ていたら、登場人物の「間坂寅蔵」がハルコに話しかけてきた。
スクリーンから出てきた寅蔵は、ハルコを連れて、映画館の外に飛び出した……。

アメリカ映画、ウディ・アレン監督『カイロの紫のバラ』の翻案舞台化。
初演は2016年11月、演出はケラ氏。
出演は、妻夫木聡、緒川たまき、ともさかりえ、など。
舞台は日本に変えてあるが、ストーリーはほぼ原作のまま。
原作のおもしろさがちゃんと活かされていて、「うまい!」と思った。
再演もされたらしい。
WOWOWで録画したので、後で見てみようと思う。

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国際市場で逢いましょう [映画]

11月18日(月)
ユン・ジェギュン監督『国際市場で逢いましょう』(2014年)GEOのレンタルDVDで鑑賞。

国際市場で逢いましょうBlu-ray

国際市場で逢いましょうBlu-ray

  • 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
  • メディア: Blu-ray


朝鮮戦争中の1950年、韓国の興南市(現在は北朝鮮・咸鏡南道咸興市)。
中国軍の侵攻から逃れるため、市民が港に殺到する。
少年ドクスは妹の手を引き、両親・弟妹の後を走った。
父から「妹の手を離すな」と命じられていたが、船に乗る時、つい離してしまい、妹の姿が消える。
父に話すと、「今からおまえが家長だ。家族を守れ」と言い残して、妹を探しに行った。
父も妹も帰らなかった。
ドクスと母と妹弟は、釜山の叔母の家に転がり込む。
数年後、青年に成長したドクス(ファン・ジョンミン)は、弟の大学進学資金を稼ぐため、幼馴染みのダルグ(オ・ダルス)と共に西ドイツの炭鉱へ行く。
そこで出会ったのが、看護師のオ・ヨンジャ(キム・ユジン)だった……。

ロバート・ゼメキス監督『フォレスト・ガンプ』のように、一人の男の半生を通して、韓国の現代史を描く。
長男が父の後を継いで家族を支える姿は、フランク・キャプラ監督『素晴らしき哉、人生!』を思い出させる。
とまあ、先行作品からいろいろ影響を受けているが、この映画自体、とてもよい出来で、ラストではボロボロに泣かされた。
ファン・ジョンミンは『アシュラ』『ベテラン』に続いて3本目だが、やっぱりうまい。
オ・ダルスはなんと8本目だが、今回は出番も多くて、うれしかった。
お薦めです。

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探偵が早すぎる(下) [本]

11月17日(日)
井上真偽『探偵が早すぎる(下)』(講談社タイガ)読了。

探偵が早すぎる (下) (講談社タイガ)

探偵が早すぎる (下) (講談社タイガ)

  • 作者: 井上 真偽
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2017/07/20
  • メディア: 文庫


億万長者・大陀羅勝光の隠し子の娘で、女子高生の十川一華は、父の死によって4兆円を相続する。
大陀羅の一族は総力を挙げて、一華の暗殺を企む。
一華の家政婦・橋田は、一華を守るため、「犯行を未然に防ぐ」探偵・千曲川光を雇う。
父の四十九日の法要の日。
菩提寺に参詣した一華に、次々と暗殺者が襲いかかる……。

下巻も期待通りのおもしろさ!
井上真偽(まぎ)は性別、生年不詳の作家。
神奈川県出身で、東京大学卒業。
2014年、『恋と禁忌の述語論理』でメフィスト賞を受賞し、デビュー。
2015年、『その可能性はすでに考えた』
2016年、『聖女の毒杯 その可能性はすでに考えた』
2017年、『探偵が早すぎる』
僕はデビュー作は未読だが、第2~4作は、すばらしいおもしろさ。
今後の活躍に期待する。
早く読ませて!

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シークレット・サンシャイン [映画]

11月17日(日)
イ・チャンドン監督『シークレット・サンシャイン』(2007年)GEOのレンタルDVDで鑑賞。

シークレット・サンシャイン [DVD]

シークレット・サンシャイン [DVD]

  • 出版社/メーカー: エスピーオー
  • 発売日: 2011/10/17
  • メディア: DVD


夫を亡くしたイ・シネ(チョン・ドヨン)は、幼い息子と共に、夫の故郷である密陽市に引っ越す。
途中で車が故障し、困っていたところへ、キム・ジョンチャン(ソン・ガンホ)の車が通りかかる。
ジョンチャンはシネたちを密陽市まで運び、その後もいろいろと世話してくれた。
シネはピアノ教室を開き、息子は幼児教室に通い始める。
ところがある日、息子が行方不明になった……。

息子を亡くした母親の魂の彷徨を、静かにシリアスに描いた映画。
「シネ」役のチョン・ドヨンは、この映画で、韓国人初の、カンヌ映画祭主演女優賞を獲得。
笑いもアクションもエログロも過剰になりがちな韓国映画の世界にも、こんなに静かで深い映画があったのかと驚いた。
ヒロインに片思いしながら、最後まで全く相手にされない男を、ソン・ガンホがさらっと演じていて、やっぱりうまいと感心した。
冒頭で、ソン・ガンホ演じる「ジョンチャン」が、「密陽市」は英訳すると「シークレット・サンシャイン」だと語る。
この言葉がこの映画のキーとなる。
「シークレット・サンシャイン」とは何か、考えながら見るのも楽しかった。

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ジョン・エヴァレット・ミレイ [本]

11月16日(土)
荒川裕子『ジョン・エヴァレット・ミレイ』(東京美術)読了。

ジョン・エヴァレット・ミレイ: ヴィクトリア朝 美の革新者 (ToBi selection)

ジョン・エヴァレット・ミレイ: ヴィクトリア朝 美の革新者 (ToBi selection)

  • 作者: 荒川 裕子
  • 出版社/メーカー: 東京美術
  • 発売日: 2015/12/01
  • メディア: 単行本


19世紀のイギリスの画家ジョン・エヴァレット・ミレイの作品と生涯を解説する。

かの有名な、川面に浮かぶオフィーリアを描いた、イギリス、ラファエル前派の画家。
ジョン・エヴァレット・ミレイは、1829年、イギリス、サウサンプトン生まれ。
38年、イギリスに転居して、サスの画塾で学び始める。
40年、ロイヤル・アカデミーの美術学校に史上最年少の11歳で入学。
46年、ロイヤル・アカデミーの展覧会に初出品。
48年、ミレイとダンテ・ゲイブリエル・ロセッッティが中心となって、ラファエル前派兄弟団を結成。激しくバッシングを受ける。
51年、批評家のジョン・ラスキンがラファエル前派を擁護し、地位を高める。
53年、ロイヤル・アカデミーの准会員となる。ロセッティらに裏切り者と罵られる。ラファエル前派閥は空中分解。
55年、パリ万国博覧会に『オフィーリア』など3点を出品。ドラクロアに称賛される。ジョン・ラスキンと離婚したエフィーと結婚。
63年、ロイヤル・アカデミーの正会員となる。以降、イギリスを代表する画家として活躍。
78年、パリ万国博覧会10点を出品し、金メダル、レジオン・ドヌール勲章を授与される。
86年、准男爵位を授与される。
96年、ロイヤル・アカデミーと会長となる。咽頭ガンで、67歳で死去。
駆け出しの頃こそ、ラファエル前派の代表としてバッシングを受けたが、その後はメインストリームを歩み、19世紀のイギリスを代表する画家となった。
この人の描く少女は本当に可憐で美しい。
大好きな画家の一人です。

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トンマッコルへようこそ [映画]

11月16日(土)
パク・クァンヒョン監督『トンマッコルへようこそ』(2005年)GEOのレンタルDVDで鑑賞。

トンマッコルへようこそ [DVD]

トンマッコルへようこそ [DVD]

  • 出版社/メーカー: 日活
  • メディア: DVD


1950年11月、朝鮮戦争中の太白山脈の奥地。
韓国軍の少尉ピョ・ヒョンチョル(シン・ハギュン)と衛生兵のムン・サンサン(ソ・ジェギョン)は仲間を殺され、小さな村に辿り着く。
そこはトンマッコルという村で、村人たちは戦争が起きていることを知らずに暮らしていた。
同じ日、人民軍将校のリ・スファ(チョン・ジェヨン)、下士官のチャン・ヨンヒ(イム・ハリョン)、少年兵のソ・テッキ(リュ・ドックァン)もトンマッコルへやってくる。
両軍は互いに銃を向け合う。
ところが、墜落した飛行機に乗っていたアメリカ軍兵士スミス(スティーブ・テシュラー)もトンマッコルで怪我の治療を受けていた。
6人は戦闘を休止して、トンマッコルで暮らし始める……。

トンマッコルとは「子供のように純粋な村」という意味らしい。
1967年のフランス映画『まぼろしの市街戦』を思い出した。
戦場の真っ只中に出現したユートピアを描いた、お伽話のような映画。
『トンマッコルへようこそ』も、一種のお伽話で、現実感は薄い。
しかし、『高地戦』でも主役だったシン・ハギュンはカッコよかった。
チョン・ジェヨンもカッコよかった。

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七人の恋人 [本]

11月15日(金)
宮藤官九郎『七人の恋人』(角川書店)読了。

七人の恋人

七人の恋人

  • 作者: 宮藤 官九郎
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2006/04/28
  • メディア: 単行本


劇団大人計画所属の脚本家・俳優の宮藤官九郎の戯曲集。
収録作品は『七人の恋人』のみ。

『七人の恋人』は七つのコントから成るコント集。
2005年の10月から11月かけて、下北沢本多劇場と、大阪厚生年金会館芸術ホールで上演された。
演出は宮藤官九郎。
出演者は、阿部サダヲ、三宅弘城、少路勇介、星野源、宮藤官九郎、尾美としのり、田辺誠一の7人。
当然あてがきで、宮藤は演出のため、出たり出なかったり。
下世話なネタが多いが、どれもセンスがよくて、楽しめた。
7つ目の表題作『七人の恋人』では、薬師丸ひろ子がナレーションをつとめている。
これはぜひとも見てみたかった。
お薦めです。

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