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ピアノ・サンド [本]

6月14日(金)
平田俊子『ピアノ・サンド』(講談社文庫)読了。

ピアノ・サンド (講談社文庫)

ピアノ・サンド (講談社文庫)

  • 作者: 平田 俊子
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2006/11/16
  • メディア: 文庫


「わたし」は夫の浮気が原因で離婚し、独り暮らしを始める。
貯金を切り崩して生活していたが、まだ半年はもちそう。
そんなある日、結婚前に勤めていた会社の同僚・諏訪が、100年前のフランス製のピアノを引き取らないかと言う。
アップライト型で、既に壊れているらしい。
引っ越したマンションは狭くて、ピアノの置き場はない。
「わたし」はダブルベッドをシングルに買い換えて、スペースを作ることにする……。

『ピアノ・サンド』『ブラック・ジャム』の中編2作を収録した本で、上記はもちろん『ピアノ・サンド』。
平田俊子氏は詩人で、劇作家で、小説家。
この本の2作とも、静かだが、不穏な雰囲気。
巻末の解説で角田光代氏が「読みながら、ざわざした気分になる」と書いているがまさにそんな感じ。もちろんホラーじゃなくて、純文学だが、そこには信じられるもの、頼りになるものが何もない。
ひたすら孤独で、だから怖いのだと思う。

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