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彼女たちの部屋 [本]

1月21日(金)
レティシア・コロンバニ『彼女たちの部屋』(早川書房)読了。

彼女たちの部屋

彼女たちの部屋

  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2020/06/18
  • メディア: 単行本


パリ。
ソレーヌは40歳独身の女性弁護士。
有名法律事務所に勤めているが、4年付き合った恋人と別れ、大富豪のクライアントが目の前で自殺してしまう。
鬱状態になったソレーヌに、医師はボランティアを勧める。
子供の頃の夢は小説家だったので、ソレーヌは書く仕事、代書人を選ぶ。
代書人を派遣するボランティア団体「連帯の羽根協会」へ行く。
そこの責任者のレオナールは、ソレーヌの派遣先に「女性会館」を選ぶ。
それは100年近く前、救世軍の女性ブランシュが設立した、困窮する女性を救うための施設だった……。

『三つ編み』が世界的ベストセラーになった、フランスの女優・映画監督・作家のレティシア・コロンバニの新作。
『三つ編み』と同じく、フェニミズム小説。
実在する「女性会館」の現在と過去を同時並行で描く。
現在の主人公は、架空の弁護士ソレーヌ。
過去の主人公は、実在の救世軍闘士「ブランシュ」。
題材はおもしろいが、テーマが強く出すぎて、ストーリーがいささか図式的になってしまった。
ソレーヌのストーリーがあまりにもありがちで、先が読めるため、感動に繋がらないのだ。
とは言え、翻訳の齋藤可津子氏の力も大きいのだろうが、文章が簡潔で、非常に読みやすかった。
楽しめた。

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