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水声 [本]

3月26日(月)
川上弘美『水声』(文春文庫)読了。

水声 (文春文庫)

水声 (文春文庫)

  • 作者: 川上 弘美
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2017/07/06
  • メディア: 文庫


1996年、東京。
都は38歳で独身。
一つ下の37歳で独身の弟・陵と、かつて両親と住んでいた古い家で同居し始める。
母は10年前の1986年に亡くなった。
都と陵は既に独立して別に暮らしていたが、父も母の死を契機に、家を出た。
家はそれから10年間、無人だった。
子供の頃、都と陵は、母の実家の店の跡を継いだ武治さんから、父が実の父ではないと聞かされた。
父は母の兄なのだった。
しかし、二人はまるで夫婦のように暮らしていた。
そして、都もまた、弟の陵を特別な目で見ていた……。

川上弘美氏の本は35冊目。
読売文学賞受賞作。
タイトルは「すいせい」と読む。
奇妙な一家の35年にわたる歴史を描く。
途中、陵は地下鉄サリン事件に遭遇し、幸い無事だったものの、人生を狂わされてしまう。
まぎれもなく現代の東京を舞台にしているのだが、同時にまるでお伽話のようにも感じられる。
生活感が希薄なのだ。
しかし、それがまた非常に現代的だとも思う。
川上氏は僕の3つ上の1958年生まれ。
今年で60歳だが、いまだに進化し続けている。

昼過ぎ、埼玉県狭山市の病院へ、母のお見舞いに行ってきました。
妻と2人で。
母は2月中旬からずっと入院生活を続けてきましたが、ようやく明日、退院できることになったそうです。
よかったよかった。
顔色もすっかりよくなり、元の母に戻りました。
3人で話をしていたら、1時間後に上の弟が、さらに30分後に父がやってきました。
四人部屋の片隅が大混雑。
30分後に、僕と妻だけ先に引き上げました。
母からお土産にお茶とお菓子をもらいました。
お見舞いに行ったのにお土産をもらうなんて、おかしな話です。

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