カムパネルラ [本]
1月30日(木)
山田正紀『カムパネルラ』(創元SF文庫)読了。
「メディア管理庁」によって、極右的な言論統制が敷かれている日本。
「ぼく」は16歳の高校生。
宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』の研究者であった母が亡くなり、遺言に従って、遺骨を花巻の豊沢川で流すため、東北新幹線に乗る。
が、なぜか骨壺を電車内に置き忘れてしまう。
そして、気付いた時には、昭和8年9月19日の花巻にいた。
それは、宮沢賢治が亡くなる2日前だった……。
宮沢賢治と『銀河鉄道の夜』についてよく調べているのはわかったが、小説としてはあまりにも荒唐無稽で、ミステリーとしてもSFとしても全く楽しめなかった。
山田正紀氏は「世界がぜんたい幸福にならないうちは、個人の幸福はありえない」という賢治の言葉を、全体主義に利用されかねない危険な言葉と断定する。
そして、『銀河鉄道の夜』の第三次稿を否定する。
僕はその考えには賛同しかねる。
つまり、小説としての出来だけでなく、根本的な考え方も納得できない。
宮沢賢治ファンの多くも、僕と同様なのではないかと思う。
ゆえに、この本は、賢治ファンにはお薦めできない。
腹が立つだけだと思う。
山田正紀『カムパネルラ』(創元SF文庫)読了。
「メディア管理庁」によって、極右的な言論統制が敷かれている日本。
「ぼく」は16歳の高校生。
宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』の研究者であった母が亡くなり、遺言に従って、遺骨を花巻の豊沢川で流すため、東北新幹線に乗る。
が、なぜか骨壺を電車内に置き忘れてしまう。
そして、気付いた時には、昭和8年9月19日の花巻にいた。
それは、宮沢賢治が亡くなる2日前だった……。
宮沢賢治と『銀河鉄道の夜』についてよく調べているのはわかったが、小説としてはあまりにも荒唐無稽で、ミステリーとしてもSFとしても全く楽しめなかった。
山田正紀氏は「世界がぜんたい幸福にならないうちは、個人の幸福はありえない」という賢治の言葉を、全体主義に利用されかねない危険な言葉と断定する。
そして、『銀河鉄道の夜』の第三次稿を否定する。
僕はその考えには賛同しかねる。
つまり、小説としての出来だけでなく、根本的な考え方も納得できない。
宮沢賢治ファンの多くも、僕と同様なのではないかと思う。
ゆえに、この本は、賢治ファンにはお薦めできない。
腹が立つだけだと思う。