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むらさきのスカートの女 [本]

6月30日(火)
今村夏子『むらさきのスカートの女』(朝日新聞出版)読了。

むらさきのスカートの女

むらさきのスカートの女

  • 作者: 今村 夏子
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2019/06/07
  • メディア: Kindle版


「わたし」の家の近所に、「むらさきのスカートの女」と呼ばれる人が住んでいる。
髪の毛はボサボサで、仕事はしたりしなかったり。
いつも、公園の決まったベンチで、クリームパンを食べる。
子供たちがジャンケンをして、負けた者が彼女にタッチして逃げる遊びが流行っている。
彼女は意外と運動神経が良く、商店街を歩く時、サッサッと身をかわして、けっして他人とぶつからない。
ある日、「わたし」はわざとぶつかろうとして、避けられて、肉屋のショーケースに激突した。
「わたし」は何とかして彼女と友達になりたいと思っていた……。

今村夏子氏の本はこれが3冊目。
第161回芥川賞受賞作。
芥川賞は純文学の新人の作品に与えられる賞なので、エンタメ性は低く、読んでそうおもしろいものではない。
近年では、第155回の村田沙耶香『コンビニ人間』が抜群のおもしろさだったが、これは例外。
ところがなんと、この『むらさきのスカートの女』は、『コンビニ人間』に迫るおもしろさ。
審査員の評価もきわめて高い。
小川洋子氏、川上弘美氏、堀江俊幸氏、宮本輝氏はほぼ絶賛。
一言でいえば奇妙な話なのだが、ラストでどんでん返しが待っている。
僕は思わず、「お見事!」と唸ってしまった。
純文学はちょっと、という人にもぜひぜひ読んでほしい。
お薦めです。

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